世界を変えることは出来ないが、人々の心は変えられる
WOWOW「世界の秀作特集」で視聴。監督は「ル・アーヴルの靴みがき」のアキ・カウリスマキ。2017年・第67回ベルリン国際映画祭で銀熊賞（監督賞）を受賞作です。
生き別れた妹を捜すシリア人青年がレストランオーナーたちと知り合い、絆を育んでいく様子を描いたもの。ヨーロッパで問題化している難民をテーマにした作品で、難民に対する温かい目線がいい。キャッチコピーは「みんなで救う」です。
フィンランドはシリア難民を受け入れることになっているが、実情は必ずしもそうなっていない。難民申請を請求するも却下され、嘘ついてでもシリアに帰そうとする。一部市民からのいわれのない差別や暴力にさらされるという。
しかし、市民の中には、人としてのやさしさで彼らを匿う人がいるという実態を、シンプルな形で描いています。
難民青年（シェルワン・ハジ）が捨てられた犬を拾って飼う。( ^)o(^ )
これを見た初老のレストラン店主（サカリ・クオスマネン）がこの青年を匿う。実は、この店主の囲み女に示す愛情が、難民青年を匿うことに繋がるという、人の優しさに国境はない。人の美しさがよく出ています。(笑)
会話は最小限、くすっと笑えるユーモアー、結論は観る人に任せるという制作姿勢が、テーマの本質をストレートに伝えてくれます。
そして、もの悲しい音楽と研ぎ澄まされた映像で、問題の痛みを突き付けらました。
新しい商売にと、寿司レストランを始めとんでもない寿司を見せてくれましたが、これも難民と同じ。もう国境など無くなっているのかもしれませんね！
難民青年の持つ偽パスポート、空港では使えないが他では問題ない。これも同じです。
考えさせられる一本でした！
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