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「IT イット“それ”が見えたら、終わり」(2017)

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原作はホラー小説界の大御所スティーブン・キングの代表作。前編が幼少時代の回想、後編は大人パートで構成されているとのこと。本作は前編「子供編」、未読です。
後編は今年10月に米国で公開されます。後編公開前にと、WOWOWで観ることにしました。
 
静かな田舎町で、児童失踪事件が相次いで起き、不気味な空気が流れてるなかで、大雨の日に兄・ビルに作ってもらった舟を浮かべて遊んでいた弟・ジョージが、おびただしい血痕を残して姿を消した。ビルは自分を責め、自分の前に現れた「それ」を目撃して以来、「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。
ビルの仲間も性暴力、宗教、人種差別などでイジメの標的にされ、“恐怖を感じる”都度に「それ」に遭遇していた。
「それ」の秘密を共有することになったビルと仲間たちが、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうというという物語。
 
監督は「MAMA」のアンディ・ムスキエティ。出演はジェイデン・リーベラー、ビル・スカルスガルド、フィン・ウルフハード、ジャック・ディラン・グレイザーらです。
 
物語は、兄・ビルを含む仲良し4人組に、新たな3人が加わり「ルーザーズ・クラブ」を結成する物語になっていて、ホラーというより子供たちの成長物語が微笑ましく、子供たちの自然な演技がすばらしい! そして、映像の美しい作品でした。
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「“それ”が見えたら、終わり」とは、言えて妙。確かに心に闇を抱えると、それに怖れを感じ、とんでもないものに振り回され、それが何かがわかるとほっとするという子供のころの体験をたどる思いでした。後編を楽しみに待ちたいと思います。
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冒頭で、ジョージが排水溝で待ち伏せしていたピエロ・ベニーワイズの言葉巧みな言葉に誘われ、引き込まれて食いちぎられ、血痕を残して排水溝の奥に消えてしまシーンはとても怖かった。大雨で視界が利かない、無音、暗い画面。
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ビルはこのシーンを夢でみて目覚め、天井から水滴が落ちる異変を感じて地下室に降りて、弟の姿をしているベニーワイズに出会う。
 
遅れて仲間になる黒人マイク。家業は畜産業。家畜を刺殺することに恐怖を感じる。このことで父親からきつく叱責を受ける。肌の色で虐められ、下水道に逃げ込んだ先でピエロ姿のベニーワイズに出会う。

転向してきた“でぶ”のベン。不良少年たちに襲われ腹に傷を付けられる。このシーンは痛々しい。彼は読書好きで、図書室で町の犯罪史を読んでいて、赤い風船に誘われ、首のない妖怪に出会う。
 
学校のトイレで頭に汚物を掛けられる女の子ベバリー。父親にレイプされたことが噂になっている。父親に髪を撫でられ、男の子になりたいと髪を切り水道に流す。異様な空気が伝わり怖くなる。
そんなある日、バスルームから「ベバリー助けて!」の声が聞こえ、水道管にメジャーを突っ込んで調べるとその先端に捨てた髪がひっかかり、その髪に絡まれ、水道管から血が噴き出し部屋中が真っ赤に染まる。父親がベバリーの叫びで飛び込んでくるが、何も見えない。まだITは姿を見せなかったが、もっとも恐ろしいシーンでした。
 
ビルの仲良し4人組は不良少年たちによるいじめを怖れていた。そんななかで、スタンは教会でトーラの経典を読み終えたところでベニーワイズに会い、エデイは廃屋付近で赤い風船を持つベニーワイズに追われた。
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このように、ITは子供たちの怖がる姿で彼らの前に現れていた。大人には見えない。
 
子供たちは夏休みに入り、4人組は下水道に入りビルの弟探しを始める。
 
ベバリーは、学校でいじめに遭った日に、友人がいないベンと仲良しになる。
 
マイクは不良少年たちに追われて下水道に逃げ込み4人組に出会って救われ、ベンも不良少年たちに襲われ傷ついたところを4人組に治療してもらう。治療薬は、ドラッグストアーから失敬することにして、ベバリーが盗みを手助けする。
こうして4人組とマイク、ベン、ベバリーが繋がり、崖っぷちから川にダイブする度胸試しで、なんとなく仲良くなってゆき「ルーザーズ・クラブ」を編成。
ビルとベバリーの間には、お互いに惹かれるものが出てくる。微笑ましい光景です。
 
みんなで不良少年たちと闘い、勝利したことで一層絆が深まっていく。まるで自分の子供のころの記憶をたどるようで懐かしくみました。
 
読書好きのベンが加わったことで、この町には27年ごとに子供がさらわれる事件が発生していることが明らかになる。ビルのこれまでの調査と合わせると廃屋に秘密があると、ここを探検することにする。
 
この探検で、ベニーワイズに出会いITの正体を見て逃げ出した。
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ベバリーが父親を殺めたところにベニーウィズが現れ、彼女が拉致される事態が発生。
ルーザーズ・クラブ」の面々、ベバリーを救出しようと廃屋に入ることにする。ベニーワイズはいろいろな手で襲い掛かるが誰も恐れない。遂に、彼は古井戸に逃げ込んしまう。
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夏の終わり、硬い友情で結ばれた彼らは血判して別れるという清々しい青春のひとときの物語でした。
一方、この物語に出てくる親の子に対する態度は、あまりにもひどい。親こそがITのように見えます。
最近の幼児虐待ニュースを見ていると、本作も決して物語では済まない、現実的な問題だと背筋が寒くなります!( ^)o(^ )
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記事 20190327
“ペニーワイズ”の恐怖再び映画『IT/イット2(仮)』は、前作から27年後が舞台。すっかりと大人になった「ルーザーズクラブ」のメンバーが、再び現れたペニーワイズと対峙するという内容が描かれるようだ。日本での公開日や作品内容の詳細は、2019年3月時点不明。これらから随時内容をアップデートしていくので、見逃さずにキャッチしてほしい
【詳細】
映画『IT/イット2(仮)』
全米公開:2019年9月6日(金)
日本公開日:未定