小松菜奈さん目当てで観ることにしました。監督、スタッフの方が外国のひとでどう描かれるかなと思っていました。
小松さんには、これまでにない描かれ方でとてもよかったですが、作品全般については、何を描きたいのかよくわからなかったです。
土橋章宏さんの小説を原作に、日本史上初のマラソンといわれる大会「安政遠足(あんせいとおあし)」を題材に、平和ボケした侍たちが大切なものを守るために“真の侍”へと目覚めていく姿を描く、幕末エンターテインメント作品だという。
物語は、
この動きを知った幕府大老・五百鬼祐虎(豊川悦司)が、遠足を謀叛の動きとみなして刺客を送り込む。安中藩に絶体絶命の窮地が迫る中、遠足がスタート。ただ一人、唐沢甚内(佐藤健)だけがその動きを察知していた。
ここで観たのは、幕府に通じ藩への裏切りや仲間割れによる斬り合い。藩主刺殺を企む“ならず者”の登場で、彼らと斬り合いながら藩士たちが遠足で城に戻り藩主を守る姿です。
遠足中に急ぎ城に戻って藩主を守るということに、侍としての深みのある信義や忠誠心は感じられなかった。また、ヒーロー:幕府の隠密・唐沢(佐藤健)が、藩士参集に異変を感じて幕府に報告したのち、先祖代々の掟を破って、藩主の遠足の目的を聞き直ちに藩主の考え方を支持するのが分かり難かった。ラストで、この騒動を招いたのは自分に責任があると切腹を申し出るのも分からない。この覚悟があるならいくらでも採るべき方法があった。
藩で走るのが一番速い上杉(染谷将太)が買収されて2番手で走り途中で出される饅頭を家族のためにと他人の分まで懐に入れて走るエピソードが一番真っ当なランナーに見え、ストーリーがいまひとつ・・・でした。(笑)
黄色く染まった田畑、大木の森の中を走るシーンは、日本の風景の美しさが出ていて、外国の人は驚くのではないでしょうか。日本の風景や文化などがしっかり取り入れられているように感じました。
佐藤健さん。身を隠し技を鍛えた孤高の隠密としての演技は他を圧していました。殺陣もすばらしかった。しかし、この役は難しかったでしょうね。
森山未来さん。優勝して雪姫と結婚したいがため競技の途中でわき道に外れ楽をして勝とうとする傲慢な男。途中で殿が危ないと知って、城に駆けつける表情・走り方を一変させた演技は見事でした。
小松菜奈さん。姫でなく絵で生きていくと男装で遠足に参加。脱藩して江戸に向かおうとする当時としてはめずらしい強い意思を持つ女性。
新しい時代劇を作るなら、この姫を主人公にして作ったらよかったと思います。
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