
「孤狼の血」(2918)というより、「止められるか、俺たちを」(2018)の監督さんが、作りたいから作ったという作品でした。この作品には、ピエール瀧が出演していますが、ほとんど出番はなくCUTしてもと思うのですが、“これが出来ない”毒をもった作品でした。(笑)
舞台を敗戦直後の東京から、第三次世界大戦後となる近未来の日本に移し、1945年からタイムスリップしてきた若き天才雀士:坊や哲が、「ぼ~と生きてんじゃねえ!ニッポン!」と喝を入れて、元に戻るという奇想天外な物語です。
原作は未読で、どの程度再現されているのか分かりませんが、麻雀シーンはラスト近くの「麻雀五輪世界大会」でしっかり見せてくれ、原作者の奥様・色川孝子さんが観られて、OKを出されたようです。(笑) 伊集院靜さんの所見を聞きたいところです。(笑)
面白く観せていただき、言いたいことも納得ですが、舞台の設定を生かしてもっと激しく暴れたらと・・・。大変評価が低いですが、気になりません!(笑)
2020の未来を全編iPhonで撮ったというのには驚きました!
出演者は主演に斎藤工さん、共演に竹中直人・もも(チャラン・ポ・ランタン):ベッキー・的場浩司・岡崎体育・堀内正美・小松政夫さんらが顔をそろえています。ベッキーさん、アンドロイド:ユキがよくお似合いで、印象に残りました。(笑)
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1945年のオックスクラブで、ドサ健(的場浩司)、ママ(ベッキー)、出目徳(小松政夫)と賭け麻雀の坊や哲(斎藤工)が、「九蓮宝燈」の役であがろうとウーピンを手にしたところで、落雷により2020年にタイムスリップ。浅草の街でうなされていた。

オリンピックのポスター。「あんなものに税金使って・・」、「5年前の話だろうが」と問うと「今年2020年の麻雀五輪だ」という。「どうですか」と麻雀クラブのチラシをくれた女の子。これが地下アイドルのドテ子(もも)。

泊まる金がない。ドテ子の住む東京24区にやって来ると、狭い路地で大人が飯食っていて、子供らが賭け事をしている。「なんだこれ、1945年と同じだ!」。
賭け事は一切禁止で、雀荘はクラブになり、麻雀は女のおっぱいを触るためのゲームに使われている。(笑)
囲ってくれたドテ子は芸能プロのクソ丸(竹中直人)と同居していて、ドテ子とSEXを始める。これがなんとグーグル・グラスをつけてのバーチャルSEXで“しまうま”となって交わっている。哲はいまだ童貞なのに、こいつらまともな生殖機能さえも失っているというわけ。(笑)

なんでもかんでもNETにたより、人間としての感情が無くなっていくことは不安を覚えます。
「この世界は詰まらん、何とかして1945年の東京に戻りたい。それには麻雀五輪で“九蓮宝燈”役であがり雷を呼ぶ以外にない」と、哲は「なんで謝らねばならん」と思うものの、謝罪し「麻雀五輪」参加資格をものにする。
舛添元東京都知事の解説で麻雀五輪が始まった。対戦相手は「ミスターX」、「アンドロイド:ユキ」(ベッキー)、「中国代表:ヤン」(小松政夫)。「なんだこの面子、オックスクラブと同じじゃねえか!」と哲。この闘い、AIとの闘いであった。人間はAIに勝てないのか、こんな味気ない世界でいいのか。哲が昔ママから教わった麻雀技を思い出し、ドテ子も哲の勝利のために走りだす。

イカサマも技という大らかで人の温かみが感じられる社会であって欲しいですね!(笑)
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