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宮﨑あおいさんを応援します

「愛がなんだ」(2019)

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原作は角田光代さんの同名小説。話題の岸井ゆきのさん出演作品。これで観ることにしました。( ^)o(^ )
監督は「正解のない恋の形」を模索し続けてきたという今泉力哉さん。初めてお目にかかります。すばらしい作品でした。
 
アラサー5人の男女の片思いを描いたもの。「なにをしているんだバカたれが!」と思いながらも、主演の岸井さんが“あてがき”ではないのかというほどにすばらしい演技を見せてくれ、すっかり虜になりました。() そして「イケメンの彼なら好きになっても仕方がないな!」と思った相手の男が成田凌さん。この男、「こんなバカタレか」というどうしようもない男をうまく演じてくれます。
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どうしようもない男女5人の恋愛を描かれますが、脚本、演出、そして出演者の演技がすばらしく、彼らの恋愛ごっこに引き込まれます。()
他人のバカなところは気づくが、自分のことになると気付かない。どこかで気づくだろうと思っていたところ、ラストで「なんの映像だか分からないが、カメラが引かれて象が現れる」、“そういうことだな!”と納得、秀逸なエンデイングでした!!
 
共演は、深川麻衣・若葉達也・江口のりこさんらです。
 
あらすじ:
猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた瞬間、テルコの世界はマモちゃん一色。会社の電話は取らないのに、マモちゃんからの連絡が携帯に入ると秒でとり、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。どこにいようと電話一本で(あくまでもさりげなく)駆けつけ、平日の朝いきなり「動物園に行こう」と言われると会社を休む。あきれた友達葉子(深川麻衣)に「そんな男やめとけ!」と言われても聞き流し、ついに会社を首になっても、これ幸いとマモちゃんの家に押しかけ彼の下着を洗い、タンスを整理、鍋料理を作る。
ついにマモから「鬱陶しい」と避けられる。失意のテルコが再就職の仕事に初出勤中にマモちゃんから電話が入り、仕事をほっぽりだし駆けつけると、マモちゃんの新しい彼女・しのぶさん(江口のりこ)に会うことに。こうしてマモちゃん、しのぶさんとマモの三角関係が続く。テルコはマモちゃんに翻弄されながらも、マモが忘れられない。しかし、ある日マモがやってきて、「別れたい」という。これにテルコが下したマモちゃんへの想いは・・・。
****(ねたばれ)
マモちゃん、実は頭が痛いと嘘をつき、テルコを呼び寄せご飯を作らせ、バスの掃除が終わると、「そろそろ帰ってくれ!」という自己中な男なんです。テルコがこんな男のどこに惚れたか?友達の結婚式の二次会で声を掛けてくれたイケメンだったからか?今日の環境によく合っています。()
たまにマモちゃんが、風呂場でテルコの髪を洗ってやる。「追いケチャップ」なる名シーンを残しています。
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これではテルコは彼の虜になるわけ。マモちゃんに尽くすテルコがとても可愛いくコケテイッシュです。
ここまでくるとこいつバカではないかと思うのですが、岸井さんの自然な流れの演技で消えてしまう。() 他人事として見ているからこう思うわけで、恋に落ちた本人は、こんなもんかもしれませんね。(笑)
 
テルコは困ったことがあると唯一相談できる友達・葉子のところに出かける。葉子には仲原青(若葉達也)という写真家の恋人がいる。葉子は自由奔放に生き、仲原を振り回す。一方、仲原は振り回されてもひたすらに葉子に尽くすタイプ。仲原役の若葉さんのやさしさに溢れる演技がすばらしい、世の女性の圧倒的な支持をうけているようです。今の若い人の好みなんですかね!()
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この二人がテルコとマモちゃんのカップルと対をなしている。そして、マモちゃんが恋する相手はしのぶさん。一見、がさつで全く人に気を使わないテルコとは正反対の性格。マモがどこに惚れたんですかね。しかし江口さんのしゃきしゃきした演技に納得させられます。テルコに見習えといいたくなります。()
 
この5人のラブゲーム、傍観者としては“なにやってんだ”と、経験者には“それ辛かったよ”“よくあるある”と思わせるようなセリフ、演出、映像でリアルにみせてくれます
落ち込んだテルコを風呂屋に連れていって、「大丈夫、人はうまく出来ているの。私はバツイチだけど、別れた旦那のどこがいいのか思い出せない。顔も忘れた!」という仕事場のリーダー(片岡礼子)の言葉などがよいスパイスになり、くだらない、安っぽい物語にはならない。
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テルコは、久しぶりにマモちゃんから呼び出しがあり、すみれさんも加わったバーで飲んでの帰り、マモちゃんはテルコの家に泊まりベッドを共にする。マモちゃんのあそこが役立たず、ここでのふたりの会話が絶品です!マモちゃんのわるいことを全部知っても別れられない。(笑)
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しのぶさんの計画で、しのぶさん、マモちゃん、テルコに仲原の4人で河口湖の別荘に旅行。葉子が無断欠席したことで、しのぶさんの怒りのほこ先が仲原に向かい、「仲原はなんで葉子にふりまわされるの?」とデイスる。しのぶさんもよく言うよ。() これを聞くマモちゃん、テルコ。
 
ここから、名前を出して、その後が語られます。
 
仲原は「葉子をダメにしているのは自分だ」と言い「葉子と別れる」という。
これを聞いたテルコは葉子を訪ね「仲原のことをどう思っているか」と問う、「あんたこそなにしに」。「寂しくなることはあるか」に「ある」という。
 
マモちゃんがテルコのところに来て「テルコに会うのはやめる。テルコといると甘えが出てダメになるから」という。テルコは「そういわないで発展的なことをしよう」と言って別れた。
 
葉子は、「ネット検索で見つかったから」と仲原の写真展を訪ねていた。
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一方、テルコはかってマモちゃんと動物園に行ったとき「俺は32歳になったら動物園の飼育員になる」といったことを思い出し、動物園飼育員になって「私はいまだ田中守(マモちゃん)になれない。愛がなんだ・・」と頑張っている。()
 
連休の半ばでしたが、100人ほど入れる劇場が満杯。ほとんどが若い女性でした。恋は盲目といわれますが、この作品でとてもよい疑似体験をしましたね!
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