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「ウインド・リバー」(2018)

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70カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞した作品ということで、WOWOWで観ました。
「ボーダーライン」「最後の追跡」で、2年連続アカデミー賞にノミネートされた脚本家テイラー・シェリダンの初監督作。主演は「アベンジャーズ」“ホークアイ”のジェレミー・レナーと、“ワンダ・マキシモフ”のエリザベス・オルセン。( ^)o(^ )
 
舞台は先住民が追いやられたワイオミング州の雪深い土地、ウィンド・リバー。女性の遺体・ナタリーが発見され、事件を追うFBIの新人女性警官・ジェーン(エリザベス・オルセン)とそれを支援する野生生物局のカーボーイハットが似合うハンター:コリー(ジェレミー・レナー)。無法者を追い詰めての銃撃戦、そして野郎を凍てつく野に放つ。
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物語はシンプルで、ミステリアスです。しかし、この土地が先住民の保留地で、遺体の女性は先住民。こんな西部劇まがいなことが今でも起きているのかと、胸が痛い。
 
冒頭、被害者ナタリーの「草原がなびく私の理想郷」を目指して-30度の凍てつく雪のなかをあえぎながら走る姿。レイプされ、裸足で雪の中を逃走中に肺が凍り付き出血しての窒息死だという。
彼女はこの地の唯一の仕事場、石油掘削場警備員の年の離れた白人男を訪ね集団レイプされ逃走中のできごと。
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これを発見したコリー。雪で凍てつく野にピューマを追い一発で射止めるハンター。3年前何者かに娘をレイプされ、これが一因か先住民妻と離婚している。雪の中の血痕、スノーボートの轍を見て何が起きたか察しがつく。しかし、当局が信頼できないらしい。遺体が発見されてからの目付きが異様、決着は自分でつけるという態度。
 
派遣されてきたFBI捜査官ジェーン。保留地の事件はFBIが担当、時間をかけてラスベガスからやってくる。要員数も限られているらしい。なんの雪山準備もなく現場に。凍死と判断をくだせば一件落着という空気が漂っている。
 
ここは、無法地帯だ!
 
しかし、ジェーンはナタリーの死因を凍死にはしなしなかった。遺体を検死しレイプであることを確認し、おそらく女性であるがゆえにこの犯罪を許せなかった。新米の頼りない検査官でよかった。おそらくこれまで見逃し続けられてきた。
コリーと部族警察長たちに協力を求め、犯人を追う。
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地元のヤクザのところに身を寄せているナタリーの弟から情報を得ようと訪ねれば、いきなり催涙ガスで抵抗されて、銃撃戦。ここは銃社会。弟は仕事がなく行き着いたところがここ。
 
凍てつく荒野、貧困、暴力、差別のなかでの事件。その結末は、現場で解決する以外に道はない。なんのための先住民の保留地か!
 
「死ぬつもりだった」というナタリーの父親の化粧。“礼儀のやりかたを忘れた”と自分流に顔料をつけていた。伝統の儀礼を忘れるほどの時間を経ても、この地に放置されたままの男の悲しみに泣いた。
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ネイテブアメリカン女性の失踪者に関する統計調査は存在しない。失踪者の数は不明のままであるという。
 
僅か4館でスタートした上映が2000館にも及んだという、力のある社会派作品。彼らに希望の光が訪れることを願わずにはいられません。
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