なんとも不貞腐れた態度。何が不満なのかとこのポスターで観賞することにしました。やったことは許せない、スポーツマンとしては最低。しかし、この不満には同情しました!
彼女はフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功し、1992年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場したトーニャ・ハーディング。しかし、リレハンメル・オリンピック参加資格を得るために、ライバル・“ナンシー・ケリガン“を襲撃し負傷させたことで、名声を失い世の標的となった女性。この話を知りませんでした。( ^)o(^ )
物語は、彼女の4歳時母に厳しく練習を躾けられるところからは始まり、暴力男との結婚、トリプルアクセスの成功、二度のオリンピック参加、そしてあの忌まわしいできごとで約束されるはずであった輝かしいスケート人生を棒に振るまでの物語。
監督は「ラースと、その彼女」「ミリオンダラー・アーム」のクレイグ・ギレスピー。
トーニャ役:マーゴット・ロビー、スケートシーンに挑戦です。母親役のアリソン・ジャネイが第90回アカデミー賞の助演女優賞を受賞。元夫のジェフ・ギルーリー役は「キャプテン・アメリカ」シリーズのセバスチャン・スタン。
彼女が「ナンシーが殴られたのは一回だけ。あんなの何でもないよ。私なんかいつも殴られていた」と述懐するように、彼女には自覚がなかったかもしれない。それほどに彼女の人生は厳しいものでした。
彼女の行動はスポーツ精神に悖るものであるが、こうならざるを得なかった彼女の運命に泣いた。華やいだスポーツであるがゆえに、アイススケートの陰には闇が渦巻いているように思う。
この事件でスケート界を追われてプロボクシングに転向し、リングで血を吐きながら戦う姿に、殴られ通してきた人生を逆手に取って、“どん底“人生から這い上がろうと姿に感動を覚えました。本作はトーニャに有利に描かれているかもしれませんが、「史上最大のスキャンダル」というほどものかと多少の同情を持ちます。
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母の4度目の夫の子として産まれたトーニャは4歳でリンクに立った。母がウエイトレスとして稼ぐ金での練習、時間一杯まで練習させられるために小便を漏らすこともある。母親は「叱れば強くなる!」と殴る。
貧乏暮らしのトーニャは「必要なものは自分で作る」と衣装は自前。自分ではいけていると思うが試合に勝てない。審判員に「なぜこんな点数」と食って掛かると「芸術点がない!」。「衣装代があれば・・・」と吐き捨てた。今の経済状態では勝ことが出来ない。ここで彼女は「トリプルアクセス以外に勝てる策がない」とこれに挑戦。貧しさが産んだ技でした!
15歳でジェフに恋をした。母の暴力から逃げたい、愛情が欲しかったという思いが強かった。しかし、ジェフは気に入らぬことがあれば暴力を振るう。これを契機に母と別居し、ウエイトレスとして働きながら衣装が自分で作って試合に臨む。彼女の根性に感心。こんな話、日本の選手にもあるんですかね。
1991年、20歳で全米選手権でトリプルアクセスに成功。「人生で一番楽しかった」と彼女は述懐しているが、実はここから悲劇が始まっていた。この成功を夫ジェフが喜ばず、激しい暴力をふるうようになり、トーニャは家を出た。しかしジェフはトーニャに電話をするなどつきまとい、これにより技量が落ちたという。
これを契機にジェフと離婚、しかし、ジェフは「自殺する」と拳銃を振り回し追っかけるという異常な事態が続いていた。
トーニャはオリンピックは終わったと、次の目標が立たぬなかで工場で働いていたが、元コーチ・ダイアン(ジュリアンヌ・ニコルソン)から「2年後にオリンピックがあるやらないか」と持ち掛けられた。まだ体力を取り戻せると猛烈な練習の開始。アクセルも飛べる。
審査員に自分の演技について意見を求めると「あなたのイメージが違う。スケートだけではだめだ。アメリカ家族のイメージがない」と言われる。
トーニャは勝つために、母親と撚りを戻そうしたがこれは無理だと知った。夫ジェフと3週間ぐらいでいいからと夫婦関係に戻った。しかし、ジェフはこの関係をずっと続けたかった。この二人の関係が、あの事件が起こった原因でした。
トーニャはどうしてもオリンピックへの切符を手に入れたい。これを見た夫ジェフがトーニャとの愛を取り戻したいと対戦相手のナンシーを陥れるため「脅すだけでいい」とトーニャのボデイ―ガードのショーン(ポール・ウォルター・ハウザー)に話を持っていく。ショーンは「絶対に失敗しないように」とやくざな男デリック(アンソニー・レイノルズ)に実行を命じた。この計画をトーニャは知るが、止めなかった。
この話、どこまで真実かは分からないが、これで彼女はスケート界から追われた。
彼女は、「この世界には悪者と善者が必要。私はいつも悪者にされた」と述懐、彼女の想いも分かります。タバコを場所を考えず喫うのはよくない。
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