映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「ペンギン・ハイウエイ」(2018)

 
イメージ 1
蒼井優さんが声優として出演、「蒼井さんが、また何で?」とWOWOWで観ました。とんでもない感動もののアニメにびっくりです。「君の名は。」(2016)以上でした!蒼井さんの少し甘ったるい気取った声で「少年君よ!」と呼ばれ、恰好いいオッパイの持ち主でお臍を見せて寝るお姉ちゃん姿を見せられた少年は、きっとこんなお姉ちゃんに憧れ、一生懸命勉強して早く大人になりたいと思いますよ! そんな作品でした。()
 
主人公のアオヤマ君(10歳)の、この町にやってきたペンギンの謎解きとペンギンに繋がるお姉ちゃんの話が、遠い昔味わった淡いお姉ちゃんの想いを重なり、こうして大人になったんだという感慨に浸りました。( ^)o(^ ) 
 
森見登美彦さんによる日本SF大賞受賞小説をアニメーション映画化した作品、原作未読です。そして、短編「陽なたのアオシグレ」「台風のノルダ」を手がけたスタジオコロリドの第1回長編作品、未見です。監督は「陽なたのアオシグレ」の石田祐康さん、初めての監督作品でした。
 
あらすじ:
毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの 缶がペンギンに変身するところを目撃する。アオヤマ君に、笑顔のお姉さんが「この謎を解いてごらん。どうだ、君にできるかな?」と問いかけた。
イメージ 2

一方、アオヤマ君と研究仲間のウチダ君は、クラスメイトのハマモトさんから森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。ガキ大将のスズキ君たちに邪魔をされながらも、ペンギンと同時にその球体の研究も進めていくアオヤマ君たち。やがてアオヤマ君は、とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。

イメージ 3

そんな折、お姉さんの体調に異変が起こり、同時に街は異常現象に見舞われる。街中に避難勧告が発令される中、 アオヤマ君はある「一つの仮説」を持って走り出す! 果たして、お姉さんとペンギン、の謎は解けるのか― !?

HPより引用)
***
この年頃の異性への関心がうまく描かれていますので、遠い昔を懐かしみながら、わくわくしながら観ることができます。勉強好きのアオヤマ君は奥手で、ハマモトさんに関心がなく、お姉ちゃんに憧れていく。一緒に海について研究することになったハマモトさんはアオヤマ君に惹かれ、そこに現れたお姉ちゃんに嫉妬する。「ハマモトさんが好き」と言い出せず嫌がらせで気を引くガキ大将のスズキ君。悩ましい問題ですよね! 遊びを通して、喧嘩しながら、お互いが分かっていくところがなんとも微笑ましいです。
イメージ 4
森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体(海)の研究中にガキ大将のスズキ君たちに邪魔をされる。すると、そこにお姉ちゃんが現れ連れていたペンギンたちがスズキ君たちの邪魔を止めたが、海が無数の小さな玉になって飛び散り、ウチダ君を襲う。するとお姉ちゃんがペンギンを作り出して海を食べてしまう。
この話、わけわからない。() このあたりから、少年たちの成長にとってお姉ちゃんとペンギンは何をデホルメしているのかなと考えながら、アオヤマ君の冴えた答えを期待します。退屈しない、それはお姉ちゃんへのアオヤマ君の思慕がこころよいから・・・。()
 
一緒に海を見に旅に出るが、突然お姉ちゃんが倒れ、ペンギンを食べる魚“ジャバウオック”が現れ、介抱を迫られる。それは絶食が原因だった。ならばと自分も絶食しお姉ちゃんの苦しみを知ろうとする。それで倒れて、お姉ちゃんの見舞いを受ける。アオヤマ君はずっとお姉ちゃんに近づけました。もうペンギンの研究ではなく、お姉ちゃんの研究です。()
イメージ 5
父親が研究の進捗状況を聞き、科学的な思考法(ユウレカの方法)を教えるんです。「一枚の紙にメモせよ。何度もそれを確かめよ。メモ同士の関係を考えてみろ。それで分からなかったら諦めて遊べ。よく食べて、寝れば、そのうち繋がるよ」。
 
アオヤマ君は、病み上がりでありながら、この方法で天候やペンギンの出現日、お姉ちゃんの健康状態などをしっかりノートして、これをグラフ化し、結論を引っ張り出します。物語が、この研究方法に従うように作られているところが凄い。子供たちの科学的思考を養うための最高の映画作品です!!
 
アオヤマ君は「お姉ちゃんは海とペンギン、“ジャバウオック”を支配している」との結論に至る。
 
悪天候のなかで、“海”の研究に取り組んでいた大学教授のハマモトさんのお父さんたちが行方不明となる。
これを解決できるのはお姉ちゃんと、アオヤマ君はお姉ちゃんに「お姉ちゃんは人間ではない」と切り出し、「ペンギンが海を壊すことには意味がある。海は空間をゆがめる。この世には存在してはならないもので、物体としてではなく穴だ。ブラックホールだ!だからペンギンたちは海を壊しているのではなく修復している」とお姉ちゃんを説得する。ブラックホールを持ち出して、世界の不思議を説くところが面白いです。
 
これでお姉ちゃんと一緒に、沢山のペンギンを従えて海を鎮めに向かう。ここでの映像は、メンヘルでとても美しく楽しいものになっています。
 
海が治まって、お姉ちゃんとの別れ。お姉ちゃんが「私は人間ではない。君は見どころのある少年だから、君の大人になるのをずっと見ている。しっかり勉強して早くおいでよ」とアオヤマ君に声を掛けて消えてしまった。
 
「僕は会いに行きます。大人になるには3883日ある。努力して偉くなる。結婚の相手はすでに決まっている。ペンギンハイウエーを歩いてお姉ちゃんに会いに行く」と決意したアオヤマ君の夏休み、お姉ちゃんによって大きく成長しました!こうして少年は育っていくんですね!とても気持ちのよい作品でした。( ^)o(^ )
***
キャスト
アオヤマ君:北香那
お姉さん:蒼井優
ウチダ君:釘宮理恵
ハマモトさん:潘めぐみ
アオヤマ君の父親:西島秀俊
ハマモトさんの父親:竹中直人
****