映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「ハウス・オブ・グッチ」(2021)ガガによるGUCCI家崩壊劇!(笑)!

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GUCCI一族の確執と3代目社長マウリツィオ・グッチ暗殺事件を描き出すというもの。監督が巨匠リドリー・スコット監督、出演者がレディー・ガガをはじめとする大物ずらり。これは観たいと駆けつけました。

ファッション界のことなど全く興味はありませんでしたが、2代目でアル・パチーノの演じる兄アルド・グッチが日本語で「こんにちは」と弟のジェレミー・アイアンズ演じるロドルフォ・グッチを訪ねて「東京から1時間、御殿場に店を出した。日本はすばらしい!」と話しかけるセリフを聞いて、「あの店であったか!」と、当時御殿場インター近くに住んでいた記憶が戻り、急に身近な物語になりました。(笑)

GUCCI、いわゆる3代目で潰れる運命にあったところに、元気な嫁がきて大奮闘。その結末がまた、運命であった?というお話です。ストーリーより、役者の演技と映像の美しさで見せる作品。コミカルでとんでもないストーリー展開、これではGUCCI家も抗議できない。 (笑)しかし、その背景にはちゃんとしたメッセージがあるという作品!

監督:リドリー・スコット原作:サラ・ゲイ・フォーデン、原案:ベッキー・ジョンストン脚本:ベッキー・ジョンストン ロベルト・ベンティベーニャ、撮影:ダリウス・ウォルスキー美術:アーサー・マックス、衣装:ジャンティ・イェーツ、編集:クレア・シンプソン、音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

出演者:レディー・ガガアダム・ドライバージャレッド・レトジェレミー・アイアンズ、ジャック・ヒューストン、サルマ・ハエックアル・パチーノカミーユ・コッタン、他。

あらすじ:

運送業を営む父のもとで働く野心的な女性パトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、憧れのブランド“グッチ”創業者の孫マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)と出会い、恋に落ちる。やがて2人はマウリツィオの父ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)の反対を押し切り結婚する。その後マウリツィオが会社の経営に関わるようになると、パトリツィアは支配権を握ろうと画策し、実権を持つマウリツィオの叔父アルド(アル・パチーノ)やその息子パオロ(ジャレッド・レト)と対立していくのだったが…。(allcinemaから引用)

感想:

物語は、GUCCI御曹司マウリツィオとの結婚。GUCCIの内部事情を知ってのコンフィデンスマンとしての活躍、夫婦の危機と結末で描かれます。

物語はレディー・ガガ演じるパトリツィアの行動を見ていれば分かるというほどに、ガガの演技がすばらしい!これを周りの人たちが盛り上げる、どの人の演技も素晴らしいが、圧巻はGUCCI一族の変人?パオロです。この馬鹿ぶりは圧巻で、ジャレッド・レトと分からないほどです。

パトリツィアは父の運送業事務所にやってくるシーンから物語が始まるが、車を降りで事務所に入るシーンが、もうマリリンモンローそっくりの歩き。(笑)、マスカレードパーティーでインテリで弁護士志望のマウリツィオを近づき、彼に「エリザベス・テーラー?」と言われ、エリザベス・テーラの出でたちで彼をストーカーする。パトリツィアの行動には後の彼女につながるいうガガの演技が面白い。

一方のマウリツィオはやさしい笑み漏らしながら、育ちのよさを前面に出して、彼女のいうままに行動する。これを演じるアダム・ドライバーの演技がまたすばらしい。こんなドライバー見たことない、びっくりです!

ふたりはシンデレラのような恋に堕ちます。ここでパトリツィアがとんでもない性癖の女性であることをおくびにも出さない。(笑)これが、父ロドルフォの結婚反対で、マウリツィオが家を出て、パトリツィアの家に住み着いてからの、ふたりのセックスがオペラ椿姫の“乾杯の歌”で燃え上がるという(笑)、パトリツィアの性癖を浮かび上がらせる演出に笑った。こんなシーンが沢山でてくるというガガでなければ描かれない作品でした(悪い意味ではない)(笑)

父親が結婚を断った理由は「彼女には趣味がなく(下品)、金目当てだ!」というものだった。初代は靴職人から身を起こした人物で、2代目でこうなってくるんだから恐ろしい。ロドルフォ本人は俳優志望で妻は映画スターであったという。映画「怒りの葡萄(1944)を見るぐらいの教養人だったらこぅなならなかったでしょう。(笑)

結婚したことで、GUCCI本家の、マウリツィオにとっては叔父にあたる、アルドが父親との間を取り持つように現れてくる。マウリツィオに近づくには理由があった。それは息子のパオロです。

別荘で開いた誕生会にマウリツィオ夫妻を招待。パトリツィアは白いドレスで参加、とても美しい!ここから変化していくパトリツィアのファッションも面白です。

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ここでパトリツィアはパオロを初めて目にする。彼は「デザイナーでGUCCIにふさわしい設計者だ」と豪語するが、もうその風体からどれほどの人物かは知れます。パトリツィアは見抜いたでしょう。シャレッド・レトの時間を掛けたメイクでの演技が秀逸です!

アルドはパトリツィアにニューヨークに来ないかと誘います。GUCCIの栄華を目にしたパトリツィアは飛んでいきたいが、夫が嫌がる。

そこで見つけたのがTVCMで「希望を叶える!」という占い師ピーナ(サルマ・ハエック)。「私の望みは百万長者!」と相談した。

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パトリツィアは黒いサングラスでCUCCI店に乗り込み、「夫はGUCCIに戻りたがっている」訴え、夫には「あなたはGUCCIの人。妊娠した!あなたはパパよ!」と夫を愛撫し、ニューヨーク行きを説得した。(笑)

ニューヨークに訪ねてきた義父とパオロ。そきでパトリツィアが目にしたパオロのメキシコで見つけたという奇妙なデザイン、これを「人には見せられない!」と批判する義父の姿。彼女はもはやGUCCIには人がいない!と判断した。怒ったパオロはGUCCIのシンボルに小便を掛けた!(笑)

あろうことか、義父ロドルフォが倒れた。病床に駆けつけたふたり。ロドルフォはマウリツィオを枕元に呼び「もっといい女がいる!」と遺言した。これがパトリツィアに聞こえたかどうか?

弁護士のドメニコが遺産を提示し、株券に所有者のサインがないので売ったほうが良いと提案した。これをパトリツィアが「こちらで決めます!」と引き取った。

パトリツィアは占い師に相談。結果は「口紅を赤にしなさい!そして世界を支配する女王になりなさい!」というものだった。ここから、ちらしに出ているガガの赤い口紅の女姿、ガガが怪しい女に変身です。(笑)

ここからパトリツィアの詐欺師ともいうべき活躍が描かれます!夫マウリツィオをGUCCI執行委員席に据え、出勤して目にしたのは安物バッグで稼ぐアルドの商売。これでは「GUCCIのブランドが落ちるGUCCIを立て直す!」とアルドに訴えるが、アルドは、牛皮のことしかわからない男、「俺が決めること」と意見を聞かない。

パリコレに出品。パーティーでデザイナーのウオルターに「GUCCIの仕事は三流オペラだ!」と貶された。夫はファミリーだからと、この問題に関わろうとしない。

弁護士のドメニコ(ジャック・ヒューストン)に話すと「GUCCIは数奇な生物だ、部外者だからあなたには分かる」という。このあたりは脚本の創作話?しかし、それなりの理由があると思っています。

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パトリツィアはアルドを堕とすために、パオロに接近。「お父さんと別れてこちらと組まない?」「GUCCIであなたのLINEを作ったら!」と勧め、パオロからアルドの「納税未申告」という秘密を聞き出す!そしてパオロのLINEの良さを褒め上げる。(笑)ここでのガガとジャレッド・レトの演技は絶倒ものです!

パトリツィアは夫にパオロのデザインを見せて「これがGUCCIのLINE」というと、「何のゲームだ」と驚き、フェンシング練習中のパオロを訪ね本気度を試した。彼は「親父はもういい、自由が欲しい、俺について高く飛べ!」と返事した。(笑)

突然財務警察がやってきて、脱税容疑でアルドが捕まった。誰が告訴した!(笑)

パオロは念願のファッションショーを開いた。女性歌手の歌うオペラ曲で幕開け、珍奇な男性モデルの登場で会場は笑いが絶えない。(笑)そこに著作権違反だと捜査の手が入る。「誰の著作権だ!」と聞くと「GUCCI」と言う。(笑)とんでもないファッションショーでした。笑)

パオロ激しく抗議してきた。パトリツィアが「GUCCIを買い取る!」と言えば、「糞とチョコレートを間違えるな!お前らには渡さん!」と激怒して帰っていった。(笑)

財務警察がパトリツィアたちの自宅資産の差し押さえにやってきた。夫は川崎製バイクでひとり、スイスに逃亡。パトリツィアが警察に協力して後始末。

夫マウリツィオはスキー三昧。そこでかっての彼女パオラ・フランキー(カミーユ・コッタン)に出会い、家に戻ってこない。パトリツィアは子供を連れてスキー場に出かけ「人のものに手を指すな!」と女の戦い。「よく言うよ!」という感じでした。(笑)

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マウリツィオはこんなパトリツィアに嫌気がさし離婚を言い渡し、家を出た。弁護士ドメニコが離婚届けにサインを求めてきたが拒否した。

マウリツィオはGUCCCIの代表として、アルドの株を取り上げ、出資者を募り交渉をする最終的にはデザイナーのトムフォードにより退陣に追い込まれていく。

この間、パトリツィアはGUCCIを取り返す策を占い師と練った。そしてパトリツィアが泣きながら下した結論が、マウリツィオの銃殺だった。占い師が他に方法はないというが、この結論にいたる心理描写が分からない!

ふたりの暗殺者に「失敗するな!」と拳銃を渡す彼女の姿はマフィアの親分だった。(笑)当日、パトリツィアは風呂に入り、水面に浸かって、泣いて、時を凌いだ!

マウリツィオが亡くなると直ちにGUCCIビルに入り、「フランキーを追い出して!」と声を上げた。

2年後、パトリツィアは裁判で29年の懲役刑を宣告された。宣告時「名をグッチー夫人と呼べ」と裁判長に抗議した。

まとめ:

結末は分かっている?それでも面白かった。いやとんでもないストーリー展開だった。これを名優たちがしっかり演じてくれるから、一層面白い!物語は“真実”と冒頭で謳っていますが、本当?(笑)監督の名声がなければ作れない!83歳のドリー・スコット監督、全く衰えていませんね!

主演のレディー・ガガの演技はすばらしいアカデミー賞が欲しいですね!

なぜパトリツィアが夫マウリツィオを殺害したか?GUCCIが欲しかった!!そうかもしれないが、彼女をそう追いこんだのは男社会への挑戦。監督が“強い女”を描き続けているのはこのタメでしょう。

                 *****

「クライ・マッチョ」(2021)マッチョというのは過剰評価。人生にはこれより大切なものがある!

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クリント・イーストウッドの監督・製作・主演作品!監督レビュー50周年記念、俳優を辞めると一度は宣言したグラン・トリノから10年目。

落ちぶれたカーボーイと少年の旅を通して語られる人生は?喜びや悲しみを背負いなお人生を歩き続けるという、「妻を失い、失意の中で少年に出会って自分の人生を探る」という「グラン・トリノ」にどこか似ているが、コピーは「クリント・イーストウッドの集大成かつ新境地!」だという。ここが付け目と、辞めて欲しくないが、今度はどうなのか?と駆けつけました。(笑)

老境に入ってこの心境、「グラン・トリノ」とは全く違った、心の安住地を見つけたようです。

監督・製作・主演:クリント・イーストウッド原作:N・リチャード・ナッシュ、脚本:ニック・シェンク N・リチャード・ナッシュ、撮影:ベン・デイビス美術:ロン・リース、衣装:デボラ・ホッパー、編集:ジョエル・コックス音楽:マーク・マンシーナ

出演者:クリント・イーストウッドエドゥアルド・ミネット、ナタリア・トラベン、ドワイト・ヨーカム、フェルナンダ・ウレホラ、他。

あらすじ

1980年、アメリカ、テキサス。ロデオ界のスターだったマイク(クリント・イーストウッド)は落馬事故以来、数々の試練を乗り越えながら、孤独な独り暮らしをおくっていた。

そんなある日、元雇い主ハワード(ドワイト・ヨーカム)から、別れた妻レタ(フェルナンダ・ウレホラ)に引き取られている十代の息子ラフォ(エドゥアルド・ミネット)をメキシコから連れ戻してくれと依頼される。

犯罪スレスレの誘拐の仕事。それでも、ハワードに恩義があるマイクは引き受けた。

男遊びに夢中な母に愛想をつかし、闘鶏用のニワトリ(マッチョ)とストリートで生きていたラフォはマイクとともに米国境への旅を始める。

そんな彼らに迫るメキシコ警察や、ラフォの母レタ(フェルナンダ・ウレホラ)が放った追手アウレリオ(ホランダ・ガルシア=ロハス)。先に進むべきか、留まるべきか?

今、マイクは少年とともに、人生の岐路に立たされる―― 。逃亡の果てに二人が見つけた生きる道とは・・。(HPから引用)

感想:

40年前にこの役を打診されたイーストウッドは「歳が若過ぎる」と断り、ロバート・ミチャムを推薦したという。この話もおもしろいが、もしこの役を受けるようだと後の名作はできていなかったと思われ、今、91歳で演じるのは運命であったかもしれません!それほどにどんぴしゃな役、演技でした。

敵に追われる旅が、イーストウッドフィルモグラフィーをなぞるように、これまでの作品とは違ってゆったり流れ、この描かれ方そのものが監督の体臭がしみ込んだようなすばらしい作品になっています。

物語は1979年、レーガンが大統領に選出された年、マイクはハワードのロデオ牧場に、カントリーミュージックを聞きながら、車を運転して、急ぐ。この姿、どこかで観ましたね!「いつ引き抜かれるかと心配だったが、今では何の価値もない」と解雇になった。

昔の栄光の日々を思いだしながら、酒に浸る毎日。そこにハワードから別れた妻レタに引き取られメキシコにいる13歳の息子ラフォを取り返して欲しいという頼みが入った。「息子はカーボーイに憧れているから、君が行ってくれ!」という。はじめは断ったが、「ハワードには恩がある」とこの役割を引き受けた。枯れたイーストウッドの姿が重なってきます。

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91歳のマイク、バンでメキシコ国境を、前方を走るギャルのあとを追って「連れだ!」と検問所を通過。(笑)夜には、星空を見ながらゴロ寝!

クラブでレタに会ったが、「野生モンスターでここにはいない」という。マイクは闘鶏場でラフォを見つけたが、警官に踏み込まれて、行方不明。大声で「ラフォ、出て来い!親父さんの親友だ!」と叫ぶと「カーボーイか?」と現れた。みんなこんなイーストウッドの無頼姿に憧れていたんだ!

食堂で「ロデオやっていた」とテキサス行を説得しているところに、警察が踏み込んできた。ラフォが逃げ出した。

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「レタのところだ」と彼女の豪邸を訪ねると、レタは「寝ていかない?」と誘う。とんでもない女だった。「ラフォは私の子。アワードは逃げたの、親の権利なない。メキシコから出ていけ!」と激しく連れ出すことに抵抗した。そこにやってきたひも男アウレリオに追われて車に戻ってくると、車の中にラフォがいた。

マイクは、一旦ラフィの連戻しを諦めていたが、機転が利くし、「国境まで連れていってくれ!父親に会いたい!」というので考え直した。ラフォが「マッチョの意味を知っているか?マッチョ(鶏)は闘鶏に強い!」という。

夜、ラフォは野営するマイクに自分のストリート生活を重ね、これまで誰にも話せなかった母親との葛藤を打ち明けた。母は男を連れ込み「叔父さんと呼べ」と言い、断ると裸にして殴られたという。「アメリカでは盗みはやめろ!」と教えた。人として一番大切なことは「正直であれ!盗むな!騙すな!」です。

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途中でアウレリオに遭遇すると、闘鶏マッチョの活躍で彼から逃れることができた。(笑)ところがマイクが腹を下して糞をしているときに車を盗まれた!(笑) アメリカ風の衣類では見つかるとメキシコ風に着替え、ラフォにも買ってやる。ふたりは車を盗み返すという荒業を使った(笑)

こうしてふたりは少しずつ親子のようになっていくところが微笑ましい。

ふたりは保安警察に追われ、マルタ(7が営む酒場食堂に飛び込んだ。ラフォが正直に事情を話したことマルタは優しく匿ってくれる。すっかり安心してマイクは寝入った。

マルタと別れて車で走ると、渋滞に出くわした。警官の尋問が厳しく行われていた。「しばらくこの街で様子を見よう」と、マルタのいる街に引き返し教会で寝た。その夜、ラフォが「神を信じるか?」と聞きから、「人は皆神の子だ」と答えると「子供がいるか?」と聞いてくる。マイクは「子供を交通事故で失ってから酒に溺れ、救ってくれたのがお前の父だ!恩返しをしている、お前がいる!」と話した。マイクにはラフォが自分の子供に重なっていた!

朝、出発しようとして、そこにマルタが食事を運んでくれた。出発しようとしたが油漏れで修理に時間がかかる。しばらくマルタに世話になることにした。

マイクは牧場を探し、かってのロデオを技を披露して、ラフォが生きていけるよう徹底的に乗馬を叩き込むことにした。

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イーストウッドの乗馬は「許されざる者」(1992)以来だというから、これは懐かしい!スタッフが喜んだでしょう。ロデオはスタントでした!

マイクはハワードに状況報告した。ハワードが「資産投資を妻のレタに半分もっていかれる。だから早く戻せ!帰ったらまた元に戻す!」と言って来た。マイクは「おれを騙したな」と思ったが、「分かった」と返事した。ラフォには「父はお前のことばかり心配している」と話し、乗馬に熱中させることにした。従来のイーストウッド映画ならこうはならない!大騒ぎでしょう!

ラフォは「自由なアメリカに行く!」と決心した。マイクは車の修理に掛かった。

マルタは娘を1年前に亡くし、孫3人を引き取って生活していた。ふたりはまだ幼い。そのひとりが聾者だった。マイクがその娘の手話を読み取って、水を持ってきてやる。これにラフォが「なぜ分かるの?」と関心を示した。「長い人生で身についた」と話すが、きっと厳しい生活があったことを忍ばせます。

白馬にラフォを乗せようとすると、この馬が暴れる!マイクはこれに時間をかけて、撫でて鎮める!ラフォが「なぜだ!」と聞く。「お前と一緒に懐いた!」と話す。近所の人が病んだ動物を診て欲しいとやってくる。マイクは馬を通して、人生を学んでいたということが分かる演出でした。

自分で料理を作ってマルタの家族に食べてもらう。子供たちに話を聞かせる、マルタとダンスを楽しみキスするなど、マイクの優しさがマルタの家族との交友にも現れ、こうして疑似家族が出来上がっていった。ラフォもこんなマイクに好意をもって眺めていた。この家族をマイクはこれからどうするつもりか?

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「動物を診るには免許がいる」と保安官がマイクを追い始める。アウレリオがまた現れた。マイクはこの街を出ることにした。

国境に向けて砂漠の中を走る。警察とアウレリオが追ってきた。急ハンドルでこれを交わし、脇道を走る。車を道端に止めて、「お前は父親の金集のための担保になっている」と話して聞かせた。ラフォは「父もあんたも信じられない!」と怒りをあらわにした。

そこに警察がやってきて麻薬運搬の容疑で車を調べる。「運び屋」(2018)のアール・ストーンだった。(笑)

車にあったライターを取り上げ、シートを切り裂いて調べる。それでも「三流警官のバカが!」とつぶやきながら耐えた。ラフォの機転で「父が危篤だ!」と先を急ぎたい態度を見せ、マイクが金を握らせ、この場を収めた。

先を急ぐ。ラフォが「あんたは強かった。でも今は何にもない!昔は大した男だった!」という。これにマイクが「何にも変わらんよ!マッチョというのは過剰評価されている。人生にはこれより大切なものがある!でももう遅い!お前の志は偉い!自分で見て決めろ!」とラフォに国境を超えるかどうかを決めさせた。「俺は前に進む!」とラフォ。そこにアウレリオの車が突っ込んできた。

マイクとラフォは車外に吹っ飛んだ。アウレリオが襲ってきたが、マッチョが攻撃する。ラフォが拳銃を拾ったが、アウレリオを撃たなかった。アウレリオの車で逃げ、国境検問所にやってきた。向こうにアワードの姿が見えた!

ラフォはマッチョをマイクに渡し、「ありがとう」と去って行った。マイクは「俺の居場所は分かるな!困ったら電話しろ!」と車を反転し、マルタの元に急いだ。

まとめ:

ラストシーンに驚きました。これまでの作品に、こんなラストシーンがあったかと。腕力もアウレリオを一発殴っただけ。脚本は「グラン・トリノ」と「運び屋」の脚本を書いたニッタ:シェンク。イーストウッドとシェンクはN・リチャード・ナッシュの原稿のラストを逆にしたという。なるほど、イーストウッド91歳にして、この役を演じた理由だった。力より、愛と希望への思いが強くなったということではないでしょうか!

さて、本作はイーストウッドの新境地作だと言われますが、引き続き演じるかどうか?

                                                       *****

「カポネ」(2020)「クロニクル」のジョシュ・トランク作!

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暗黒街の顔役”と恐れられた伝説のギャング、アル・カポネの知られざる最晩年を描くという。カポネの晩年なんて知らない、「どう地獄に落ちるか」とWOWOWで鑑賞。(笑)怒りのデス・ロード」のトム・ハーディがカポネを演じるというのも興味がありました。

監督・脚本:編集:「クロニクル」のジョシュ・トランク。初めてお目にかかります。撮影:ピーター・デミング、音楽:El-P。

出演者:トム・ハーディ、リンダ・カーデリニ、ジャック・ロウデン、マット・ディロン、ノエル・フィッシャ、カイル・マクラクラン、他。

あらすじ:

1940年代。長い服役生活を終えたカポネ(トム・ハーディ)は、フロリダの大邸宅で家族や友人に囲まれながらひっそりと暮らしていた。かつてのカリスマ性はすっかり失われ、梅毒の影響による認知症が彼をむしばんでいる。一方、FBIのクロフォード捜査官(ジャック・ロウデン)はカポネが仮病を装っていると疑い、1000万ドルとも言われる隠し財産の所在を探るべく執拗な監視を続けていた。カポネの病状は悪化の一途をたどり、現実と悪夢の狭間で奇行を繰り返すようになっていく・・・・。(映画COMから引用)

カポネの晩年はあまり知られていないらしい!ということで、彼の犯した悪行、交友、家族生活などから、カポネの最後をどう描くかというジョシュ・トランク監督の作家性を問う作品となっています。これが面白いところ!

感想:

冒頭、「所得税脱税の罪で懲役刑。服役中に梅毒が悪化し、彼の身心がむしばまれてる。10年後釈放されフロリダで生活、その晩年を描いたもの」というテロップが流れます。そして、一族とかっての仲間と一緒に過ごす大豪邸の中で、うるさい子供たちを杖で追い、庭に出て、子供たちに襲われるという今では力の衰えたカポネ。それを遠くから監視するFBIの姿が描かれます。次いで、大家族の中での感謝祭の晩餐会。彼は正常に挨拶をし、妻・メエ(リンダ・カーデリニ)とダンスを楽しんでいると、そこに「クリーブランドから、感謝祭だから」と謎の少年からの電話が入るか、メエが電話を取ると切れてしまった。

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このあと、兄(アル・サピエンザ)が「金が必要だ、資産処分しよう」と話しだすと、せき込んで失禁。

ひとりで「聖バレンタインデーの虐殺」というラジオドラマを聞くが、すぐに辞めてしまう。(1929年カポネがやった最悪のギャング抗争)。

ここから物語が始まりますが、ここまでの描写の中に、カポネの混濁した意識の中で出てくるネタの全部が含まれています。正気か、騙しか、夢か、幻覚か?監督の腕の見せどころです。中でも「聖バレンタインでーの虐殺」に注目。だから怖い!!

妻メエと寝ていて、謎の少年に首を絞められる夢を見て、うんちを漏らす!(笑)そこでメエはドクター・カーロック(カイル・マクラクラン)に診断をお願いする。FBIはカーロックの診断結果を傍受するよう話がついていた。結果は「記憶が消えている、可能な限り環境を変えないこと。男の力を借りること」というものだったが、メエが自分で介護すると兄たちの協力を断った。

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そこに「アル、おれが必要だ!」と幼馴染のジェニー(マット・ディロン)が現れた。早速ふたりで海に出て釣り!そこでカポネが「誰にも話すな!」と1000万ドルの隠し金がありことを喋った。場所を聞かれたが喋らなかった。と、空から魔女が降りてきた。カポネはジェニー、メエと一緒に映画“オズの魔法使いを見ていて、ジェニーが「金は?」と聞くから「エメラルドだ!」と話した。「息子はトニーか?」と聞く。「もう一人の息子がいたろう」という。

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カポネはここで「メエ!」と大声を上げて、目が覚めた!心配するメエに「酒だ!耳飾りも顔も可愛いが頭の悪いスケだ」と唾を掛けた。(笑)怒ったメエがカポネを殴り倒した。カポネの記憶も大分イカレタなものになっている?

カポネは刑務所抑留中に隠し金の在り処を必要に迫られ、自分は隠し金を持っていると考えているのではないのか?そして隠し子のことは?どこまでが本当なのかわからない!

ベッドに寝ていて「クズとものが使づいたら追い払え!ゴロツキがうろついている。小さなガキがいるのに」とメエを起こす。メエが「そんなことはない」というと「お前は何者だ?」と疑い始める。メエは、騒ぎを聞いて駆けつける仲間ジーノ(ジーノ・カファレリ)に、「アルには話しかけないで!」と追い返した。

カポネが警察に「俺が誘拐された!奴らは武器を持っている」と電話をかける。「場所は?」と聞くと「農家だ」という。農家はいつもカポネが見ている絵。この電話はFBIに筒抜け!

カポネはそのとき気配を感じて少年を追うと、ルイ・アームストロングが歌うパーテイー場に入った。仲間たちが迎えてくれる。ジーノに先導されて地下室に。そこには裏切り者として目隠しした男が尋問にかけられていた。ジーノが「殺すか?」と聞くから「殺せ!」と指示した。ジーンがこの男の首をめった刺しにした!このシーンは見るのがキツかった!

このあと女が「坊やにお休みを!」とカポネを誘う。カポネが「ガキは?」と聞くと「守られている、湿ったところを探して!」と膝の上に乗って腰を振る。そのとき銃撃音がした。カポネは寝間着で外に出るとそこには死体があふれていた。その中を歩いて街の中に。機関銃の銃撃戦だった。カポネは坊やが見ているなか「ママが怪我した!そこどけ!」と死体の中に駆け込む!カポネは庭に倒れていた!

妻メエがびっくり!もうめちゃくちゃな意識の混濁だ!聖バレンタインデーの虐殺」と隠し子のことがまだ記憶にあるようだ!

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メエはドクターを呼んだ!ドクターはFBIから金のある場所を聞き出せと指示されていた。年齢が答えあれない。「脳に永久的な損傷を受けている。葉巻タバコを止めさせよ」というものだった。葉巻の代わりに人参を咥えることになった。(笑)

絵を描かせて質問をする。兄が「演技するのはもういい。このアヒルは?」と聞くと「トニーだ。俺の息子だ」という。兄は「金がない、教えてくれ!」と尋ねたが返事がない。

食事時、ジーノが肉をホークで切っていると、カポネが突然「殺人者だ!」と暴れ出しベッドに寝かされた。

銃声が聞こえる。するとジョニーが現れた(ジーノがめった刺しした男)、「俺はお前を売ってはいない。金のありかを教えろ!」と顔にナイフを当て斬って、血だらけの顔になり、目玉をくり抜いて「また会おう!」と去って行った。

家族がベッドの周りに集って、心配している。この騒ぎをFBIは盗聴していた。

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FBIは司法省連邦捜査局の監察官カール・ノードホフに当時の取調べ状況を聞く。「3年経っても分からなかった。5年間見張った結論はアルカポネのことなどおうでもいい、死んだら庭を暴け!」というものだった。

FBIはカポネを弁護士をつけて「1000万ドルをどこに隠したか?」と尋問した。

しかし、カポネが語ることはなかった。ハリー捜査官(ジョシュ・トランク)は「あなたは地獄に行く。家族は罪もないのに仕事に就けず、財産もない!これがあなたと同じように続く!」と話して訊問を終えた。これを聞いたカポネは脱糞した。カポネはどこまでが正気なのか?

「カポネが居ない」と兄がメエのとこおに駆け込んできた。全員で捜索。カポネは寝間着にふんどし姿で、トミーガン(短機関銃)を乱射しながら襲ってくる。ジーノが「俺だ!」と止めようとしたが、撃ってきた。手が付けられない!「湿ったところを探せ!」(笑)と庭の池に入って、河に流され、農家にたどりついていた。

カポネはベッドで家族が見守る中でめざめた!邸内はすっかりかたずいていた。

家族と感謝祭の席に着いた。何もしゃべらなかった。

庭に出て、トニー(メイソン・グッチョーネ)に手をとってもらっていた。が、そこにカポネの意識はなかった!

隠したといわれるお金はいまだ見つかってないそうです。

まとめ

カポネの記憶は正気か、騙しか、夢か、幻覚か?ミステリアスで怖かった!ということでうまい脚本だったと思います。カポネは自分の犯した罪に追い回されました。しかし隠し子のことは忘れることはなかった。せめてものこれが救いでした。

混濁したカポネの話ですから、分かりずらく、笑うところのない話で評判が悪い。(笑)

認知症を描いた記憶に新しい作品として「ファーザー」(2020)があります。アンソニー・ホピキンスがアカデミー賞主演男優賞を得たという作品。ここで認知症の怖さを味わいましたが、本作はカポネの認知症ですから、その恐ろしさは「ファーザー」どころではない。(笑)それをトム・ハーディがうまく演じました。また妻メエのリンダ・カーデリニが糟糠の妻だったんですかね!よくできた嫁を演じてくれました。

高齢化に伴う痴呆というのは当たり前の時代。記憶が無くなるというこの時期に出てくる記憶。何が出てくるかと怖くなりますね!(笑)

               ****

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 」(2021)親愛なる隣人となる壮大な旅路、泣けます!

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スパイダーマン ホームカミング」「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」に続く、マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)に属する「スパイダーマン」シリーズの第3弾、ジョン・ワッツ監督による“ホームシリーズ”最終作という位置づけ。

8日現在の興行収入は全米で歴代8位、全世界で1600億円を突破するビッグヒットを記録中で、歴代12位でさらに更新されるという。すごい作品の登場で、ネットは湧きに湧いています!

“ねたばれ禁止”(これも優しさ)と言いながら、みなさんネタばれやっている。(笑)コアーなフアンにはネタバレでなないということ。分かります!ネタばれなしではこの作品のよさは伝わらないでしょう!

私はワッツ監督版スパイダーマンしか知らないで、この作品に挑戦したので、ほとんど語る資格はありません。それほどにこの作品はこれまでのスパイダーマン作品に繋がった作品で、若いまだ乳臭いピーターが一気に“隣人としてのヒーロー”、本来のスパイダーマンへと解脱する!物語で、往年のフアンには堪らない作品ということで、観客動員はまだまだ続くでしょう。

ねたばれ見ないで、観ただけに大きな感動がありました。ガーフィールドスパイダーマンとして現れたときはびっくりしました!(これはネタばれではなかった、こちらがぼんやりしていただけ)。そしてピーターがラスト近くで「俺を消してください」とドクター・ストレンジに申し出たとき、「よくぞその言葉が出た!」と物語にのめり込み、うまい作品作り(マルチバースという場の設定)に感嘆し、その後の展開に涙しました。「ネタを知らなくてよかった!」と思いました。

サム・ミイラ監督の「スパイダーマン」シリーズ、「アメイジングスパイダーマン」シリーズを見ておくとより楽しめると思います。これについてはしっかりした記事がありますので、これを読んでおけば良いと思いますが、知らないほうがいいかな?と思ったりもします。(笑)

登場するキャストがうまくそのあたりを匂わせてくれますし、コアーなフアンの方のレポートを読む楽しみがあります。

監督:ジョン・ワッツ原作:スタン・リー スティーブ・ディッコ脚本:クリス・マッケンナ エリック・ソマーズ、撮影:マウロ・フィオーレ、音楽:マイケル・ジアッキノ。

出演者:トム・ホランドゼンデイヤベネディクト・カンバーバッチ、ジェイコブ・バタロン、アルフレッド・モリーナ、ジョン・ファブロー、ジェイミー・フォックスウィレム・デフォーベネディクト・ウォンマリサ・トメイ、トニー・レボロリ、J・K・シモンズ

あらすじ:

ミステリオによって正体を世間に暴かれ、しかも殺人犯の疑いを掛けられたピーター・パーカー/スパイダーマントム・ホランド)の人生は大混乱に陥る。高校最後の1年を恋人MJ(ゼンデイヤ)、親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)と楽しもうとするが、正体がバレた影響はピーターの周囲の人々にも及んでしまう。この事態を解決するために、ピーターは共にサノスと戦った魔術師ドクター・ストレンジベネディクト・カンバーバッチ)のもとを訪ねる。正体に関する皆の記録を消して欲しいというピーターの願いを聞き入れたストランジは、禁じられた魔法の呪文を唱える。だが呪文は思いもよらない効果をもたらした。多次元宇宙“マルチバース”の扉が開いてしまったのだ!果たしてピーターを待つ驚愕も冒険とは?ニューヨークにヴィランの群れが現れ人々に危機が迫るとき、ピーターはスパイダーマンであることの本当の意味を知る・・・。(HPから引用)

あらすじ紹介文から逸脱しない範囲で、感じたままの感想を書きたいと思います。

感想:

ロンドンからニューヨークに帰ったピーターはマンハッタンの大型ビジョンで映し出されるデイリー・ビューグルのニュースキャスター:J・ジョナ・ジェイムソン(J.K.シモンズ)の激しい自分への攻撃に晒され、MJを抱えてスパイダーマンに変身して、空をスウイングして自宅に戻る。スパイダーマンにはこの映像!と爽快な気分にしてくれます!

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しかし、今回は暗いシーンから始まります。自宅にはやじ馬が駆けつけるため、窓も開けられない状態。そこに警察がやってきて尋問が始まる。「MJに俺はスーパーマン」と「ちょっと格好いとこ見せてやろう」としてやったことでこんな大事件となり、MJやネッド、ハロルドとの愛の旅行を終えたばかりのメイ叔母に迷惑をかけることに滅入る。こういうピーターの軽さが今作のテーマです。盲目の弁護士マット・マードックの努力でなんとか不起訴にはなったが、騒ぎは静まらない。

こんな中で、彼らは大学受験を迎えた。三人はそろってMIを受験した。が、結果はこの騒ぎが収まらないことで、三人とも不合格。予備の受験を考えていなかっただけに、このショックが大きかった。MJとネッドがこの結果をすんなり受け入れたことに、ピーターは彼らの人生に大きな傷を負わせたと責任を感じた。

高校生活最後の高校生の恋や友情、受験という進路選択に対する悩み、希望、そして別れ等が、こんな奇想天外な物語の中で、他のマーベル作品にはない、とても“リアル高校生の感情”が豊かに描かれ、“観る人の人生に重なる”ところがいい

 ピーター「自分の記憶を消して欲しい」とドクター・ストレンジに相談する。ストレンジはウォン(ベネディクト・ウォン)の反対するのも聞かず、難解な魔術に挑戦し、失敗をしでかした。術を掛けている途中で、MJには、ネッドには・・と消して欲しくないものを次々に挙げるので、混乱して失敗したものだった。(笑)

ストレンジは「MIに失敗したというが、他に方法はなかったのか?困ったからと、すぐに人に頼むのか!」とピーターを問うた。ここではピーターの自分都合ばかりの言い分にうんざりで、これがどう治っていくのかと、彼の成長を追うことになりました。

これは“重大な指摘”だった。これこそが本作のテーマです。若くしてトニーに気に入られ、アベンジャーの活動に参加し、ヒーロー・スパイダーマンとしての名が世に知られる。この成功に酔っていなかったか?名にふさわしい実力が備わっていたのか?

誰しもこういう体験を持っています!20代30代の自分を思い出します。鼻をへし折ってやる必要があります。ストレンジにこの役を負わせたように思います。人間嫌いの?“ストレンジに必要な役だった”のではないでしょうか。

ピーターは早速MIの理事長に掛け合おうと、高速道で空港に急ぐ理事長の車を追う。ドック・オク/オットーオクタビアスが出現。高速道は大混乱!オクとスパイダーマンの格闘が始まった!オクの触手に苦しめられるスパイダーマンこの映像は楽しめます!

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やっとのことでオクを抑え込み、橋脚に宙ぶらりんの理事長に入学再審査の希望を伝えることができたが、空に緑色で覆われた不気味な飛行体が襲来してきたが、ストレンジの魔術で救われた。

ストレージは「マルチバースの扉は開いて、別バースからお前に敵意を持つヴィランがやってきた。彼らはすでに死んでいる、彼らのベースに戻してやろう」というが、ピーターは「生きているのだから、助けてやりたい!」とストレージの意見に反対し、マルチバースを操作する箱を持って逃げようとする。これを追うストレージとの、ビルは歪み、電車は宙を走り、デパートは幾何学模様になるという、ミラー・ディメンション(仮想次元)での格闘。最新技術を駆使した超次元バトルを見届けることになります。ストレンジを引っ張出した意味が分かるという、壮大な格闘シーンになっています。

ここからスパイダーマン「困っている人はすべて救う」という正義が試されることになります。これは他のヒーローにはない正義で、この正義ゆえにスパイダーマンアメリカでもっとも人気のあるヒーローとされています。そのために何を取って、何を捨てるか?ピーターの人生が決まります。

この戦い。ピーターがストレンジに勝利し、ピーターの正義が試されます。(ストレンジの大人の判断だと思います!)

アメイジングスパイダーマン」バースからやってきたエレクトロ/マックス・ディロ。スパイダーマンを襲ってきたが、電力供給することでとりあえず落ち着かせた。サム・シライ監督「スパイダーマン」バースのグリーン・ゴプリン/ノーマンオズボーンは、意識が混濁しており、叔母のメイの家付近をうろついていた。このほかにサンドマン/フリント・マルコ、リザードン/カート・コナーズもやってきた。皆、それぞれが傷を負っており、「皆が助けを求めている、元に戻してやる」と自宅で治療を開始する。マルコが「復讐されるぞ!」と忠告した。が、ピーターの耳には入らなかった。

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ドック・オクの背中に刺さった制御チップの修理に成功。エレクトロにアークリアクター充電。

しかし、ノーマンはこの治療を悪意に取った。「我々の力は神から与えられたもの、何故奪われなければならない?」と他のヴィランたちを焚き付け、結託してスパイダーマンを倒そうと襲い掛かってきた。メイ叔母は彼のグライダーを腹部に受けてたが、それでも救えると「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という言葉を残して亡くなった。この言葉がピーターの精神的支柱になっていく。劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 (2020)で煉獄さんの母親が言った言葉「何故人より強くなれたか?弱きを助ける至福を忘れないように」という言葉に通じます。

ピーターは別ベースのスパイダーマンが戦ったすべてのヴィランの攻撃を受けることになるという大ピンチに陥った!果たしてピーターは、反旗を翻したヴィランズを無事、元の世界へ帰すことができるのか。

ここから“マルチバースゆえの物語の面白さが始まる。他バースでこれらのヴィランにかかわった人たちがやってくる。メイ叔母を亡くしたピーターがこの人たちを通して何を学び変化していくか、劇場で確認してください。

・・・・・

人々の記憶から消えたピーター。MJを訪ねても彼女は気づかない。これが、彼が選んだ道。大きな喪失感のあるヒーローになりました。「身を隠すのは臆病なんだ!」と評価するニュースキャスターもいるが、ピーターには彼の批判はもうj耳に入らなくなった。事件が起こればスパイダーマン姿で雪降る夜のニューヨークに飛び出す。

 

本作は、前ふたつのシリーズで描かれたスパイダーマンを合わせ総括したようなスパイダーマン物語になっていて、特にサム・ライミ監督作によるところが大きい。

作品の最後でサム・ライミ監督作「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の紹介があり、次いで「アヴィ・アラドに感謝」が現れる。コアーなフアンの方からなぜこれが加わったかを教えられ、ジョン・ワッツ監督がいかにサム・ライミ監督作に敬意を表したかが分かり、この事にも泣けます。物語は切ないが、どこか暖かさがある!監督のせいなんだと!

                                                             ****

「ザ・バッド・ガイズ」(2019)本当の悪は誰だ!マ・ドンソクを見る作品!

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「新感染ファイナル・エクスプレス」「悪人伝」に、今ではマーベル・シネマティック・ユニバース「The Eternals」に抜擢されてハリウッド進出も果たしたマ・ドンソク主演作。面白くないはずがないと、WOWOWで鑑賞しました。日本では昨年4月の公開作品です。

監督:ソン・ヨンホ、脚本:ハン・ジョンフン ソン・ヨンホ、撮影:イ・ジェヒョク、編集:シン・ミンギョン、音楽:モク・ヨンジン。

出演者:マ・ドンソク、キム・サンジュン、キム・アジュン、チャン・ギヨン、パク・ウォンサン、キム・ヒョンムク、ユン・ビョンヒ、イ・ジェユン、カン・イェウォン、パク・ヒョンス、他。

あらすじ:

囚人たちを乗せた護送車が、覆面武装集団に襲撃される事件が発生し、多くの凶悪犯罪者がふたたび野に放たれてしまった。警察の上層部は逃亡した凶悪犯たちを再び捕まえるため、元警察官のオ・グタク(キム・サンジュン)に指令を出し、重大な罪を犯して刑務所に収監されている服役囚たち(バッド・ガイズ)を集めた極秘プロジェクト「特殊犯罪捜査課」を始動させる。オ・グタクは「伝説の拳」と恐れられているパク・ウンチョル(マ・ドンソク)を仲間に引き入れ、天才詐欺師のクァク・ノスン(キム・アジュン)、犯人逮捕で過失致死に問われた元警察官のコ・ユソン(チャン・ギヨン)らを、減刑を条件にチームに勧誘し、凶悪犯たちを追い詰める。しかし、この事件の背後には国家を揺るがす謎の組織が暗躍していた。(映画COMより引用)

感想:

冒頭、謎の組織により韓国のヤクザ組織が潰されるシーンから物語が始まります。が、おそらく初回では分からないと思います。バッドガイズでいかにして謎の組織を潰すか?がテーマです。韓国映画に見る痛快なアクションを楽しむことになります。が、謎の組織の設定に少々不満があります。後ほど・・・。

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主役の元雇われヤクザのウンチョルは脅迫障害で量刑28年のベテラン囚人、ミシン掛けが趣味で、今は刑務所内の規律係として所内のもめごと一切は彼の腕力にかかっている。こんな役は彼にはよく合っている。(笑)ヤクザ仲間のナム・ミョンソクが内蔵摘出の遺体で発見されたことを所長に知らされに激しい怒りを感じた。

そこでウンチョルは休暇をもらって、ミョンソクの墓参り、そしてかっての特殊犯罪捜査課のメンバーとして働いた上司・グタク課長、今は癌で療養している、を訪ねて、ミョンソク殺害の背後にあるチュング組の現状を聞いた。

そんな中で起こったのが囚人護送バス襲撃事件。急遽護送が決まったもので、指揮していたのは若き女性刑務課長・ミヨン。高速道路走行中、突然大型車に突っ込まれ、次々に車両を襲い、護送車は転覆。黒頭巾の男たちが乗り込み囚人たちを脱走させた。この際、ミヨンと元警察官のユソンは男たちと激しく戦い、ミヨンは腹を撃たれ重傷。ユソンは首謀者の首のタトゥーを確認した。このシーンもなかなかの迫力です。日本では作れない、無理!

チュング組長?のサンシクが逃走したと知ったウンチョルはひとりで事務所に出向き、鉄拳で組員をぶん殴る、ぶん殴る!(笑)亡くなった友ミョンソクへの弔いだった。これをグタクが現れ止めた。

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警察庁次官オム・ジョンハン(キム・ヒョンムク)は犯罪課長のチョ・トンチョル(パク・ウォンサン)に、そしてグタクを特殊犯罪捜査課長に復帰させ、逃亡した囚人の確保および囚人護送バス襲撃犯人の捜索を命じた。

グタクはまずユソンを誘うと「仇を取りたい!」と賛成した。ウンチョルを交えて、確保すべき囚人を、いずれも大物のパク・ソンニ(連続殺人罪)、オム・チャンミン(窃盗強姦罪)、サンシク(臓器売買)、クアク・ノスン(土地転がし)の4名に決めた。なかでもチュング組長のサンシクを重視した。彼は貯蓄銀行を取り組み、企業家づらしたヤクザ親分だが、身の危険を感じてミョン課長に接近してきていた。

ノスン(キム・アジュン)は詐欺師でアナリストという才能から、確保して、チームに誘うことにした。

襲撃があまりにも巧みで、警察内に犯人に通じているのがいるとウンチョルは考えていた。

ノスン逮捕には彼女の仲間ソルチュを使って居場所を突き止め、海外逃亡を図るノスンを捕えた。大物逮捕で3年の減刑を条件に、組織に加わった!(笑)

ジョンハン次長から逃亡者資料を入手し、恋愛してるやつには鼻が利くとチャンミンを追うことに決めた。位置決定は独特の方法(笑)で割り出し、慶尚南道だと決定。(笑)

デルから女優への転身だというキム・アジュンの演技。タメ口でメンバーとやりあうシーンが面白い!美しくて、色気があり、アクションも敏捷で華があります!

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逃げ足の速いチャンミンを、四周を固めて、追い詰める作戦。壁をぶち破って狭い通路を進むウンチョル(笑)、自慢の足で追うユソン。うまくチャンミンを確保したが、そこに功を競うドンチョル課長が現れ、検察庁本部に連行していった。グタク課長は胃がんの痛みで入院となった。

登場人物のキャラクターがくっきりして面白い。笑があって、アクション、カーアクションもあって、演出が冴えています。

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バッド・ガイズ3人でどうするか?3人は検察庁に乗り込み、ドンチョル課長を尋問室に閉じ込め、ノスンがチャンミンを脅して、サンシクの行方「仁川のターミナルビル」を聞き出した。これを傍受した警察は警戒網を張った。

彼女の名前を聞こうとして、この警戒網に引っかかったのが殺人鬼のパク・ソンテ。ソンテの彼女を使って居場所を聞き出し、彼がカラオケ店“情熱”にいるところに、3人が駆け込んだ!

ちょっと突っ込みどころのあるシーンだけど、ソンテが彼女ミジョンを甚振る殺人鬼ぶり、これをハンマーを持って駆けつけ閉じられた扉を破壊するウンチョルの剛力、果敢に挑むノスンの戦いっぷりに、そんなことに拘らず楽しむことにしました。(笑)

ここで逃げるサンシクを見つけたユソン、果敢に追って捕まえた!これで目標の逃亡囚人は全員捕まえた!

ここからねたばれ(注意)

ウンチョルは「ここでサンシクを殺す」と息巻いたが、ユソンとノスンが「もっと大きいネタを狙え!」と止めた。

サンシクは「本当の組長は日本のヤクザ“トヨハラ”だ。日本のヤクザを統一して韓国に進出。内蔵売買もやったが、本当の狙いは麻薬。韓国人を使って人体実験して新薬を販売している」と白状して密売ルートを記した手帳を渡した。

韓国はK-pop スターを送ったが日本はヤクザを送ってきたとノスンが怒った!(笑)

そこに警察庁次官オム・ジョンハンが囚人護送バス襲撃事件の首謀者、首に入れ墨のある男と現れ、手帳を取り上げ、バッドガイズの功績を横取りして警視庁長官職に就こうとする野暮が明らかとなった。入れ墨の男は検察庁のキム室長だった。

バッドガイズ3人を柱に縛り上げ、火を掛けてサンシクを連行し去っていった。

どうやってこの危機を乗り越えるか!ウンチョルの怪力に期待するしかない!(笑)

やっと危機を逃れたところに、後始末にとドンチョル課長が乗り込んできた。

ウンチョルが「まともな警察官なら協力しろ!」とドンチョルを説得し、ジョンハン次長の居場所を聞き出し、走った。この際、かっての仲間、俊足の持ち主で足技の利く“幽霊の足”をトヨハラ化学工場に送り、入社門を抑えた!

入院中のグタク課長も駆けつけた!5人のバッドガイズで日本のヤクザ“トヨハラ”と決戦だ!

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トヨハラ親分はオム・ジョンハン次長が連れてきたサンシクの指を折り、メリケンサックで殴り殺し、オム・ジョンハン次長も「出しゃばるな!」と痛みつけた!

ここに駆けつけた5人のバッドカイズの戦、ユソンはキム室長と、ウンチョルがトヨトミヤクザと親分相手に、ノスンのヤクザと見事な戦いを見せてくれます。ヘリで逃亡を図るトヨハラ親分を2発の鉄拳で沈めるウンチョルの戦いっぷりが見どころです。(笑)

まとめ:

日本のヤクザをやっつけたところで、グタク課長が警察庁次官オム・ジョンハンのところに来ると「見逃してくれたらお前たちの面倒を見てやる」という。これに「税金で養われているんだから、その分、礼儀をわきまえて生きろ!」と言葉を投げかけぶん殴った。「泥棒!」と捕まえるけど、どちらが泥棒なんでしょうかね!(笑)現在の韓国の政治状況を写すような結末でした!これが面白いところです。韓国では2019年、競合作品がひしめく大型連休期間に公開され、観客動員数は第1位を獲得、最終的には450万人超えの記録を叩き出して大ヒットだったという。

ストーリーはまあまあで、映像が美しい。マ・ドンソクを見るための映画でした!!

日本のヤクザを取り上げるのは結構ですが、「生体実験をやっている」と牢の中で苦しむ人々までも映し出す必要性があったかと。フアンだけに、気分がよくないです。

まだまだこの組織は必要だ!」というユソンの言葉で物語が閉じられるので、続編があるかもしれません!注意して欲しいです!

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「第三の男」(1949)アントン・カラスのツィター演奏によるテーマ音楽!こんな話だったとは知らなかった!(笑)

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何となく古典を観てみたいと本作を選びました。第二次世界大戦直後のウィーンを舞台にした“フィルム・ノワール”?犯罪映画です。日本での公開は1952だったようです。

なぜこの作品を選ぶのか?あのアントン・カラスのツィター演奏によるテーマ音楽です。他は何も覚えていませんでした。(笑)こんな話だったとは知らなかった!(笑)

監督・製作キャロル・リード脚本:グレアム・グリーン撮影:ロバート・クラスカー編集:オズワルド・ハーフェンリヒター、音楽:アントン・カラス

出演者:ジョゼフ・コットンオーソン・ウェルズアリダ・ヴァリトレヴァー・ハワードバーナード・リーパウル・ヘルビガー、ルンスト・ドイッチュ、他。

あらすじ

第2次大戦終戦直後、米英仏ソの四カ国による分割統治下にあったウィーンに親友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)を訪ねてきたアメリカ人作家のホリー(ジョゼフ・コットン)。だが、ハリーの家に着くと守衛からハリーは交通事故で死亡したと告げられる。腑に落ちないホリーはウィーン中の関係者をあたり、真相究明に奔走するが……。(映画COMより引用)

感想:

冒頭で、美しいウイーンも戦争で荒廃したというナレーションが入りますが、とんでもない!建物には彫刻が施され、いたるところに銅像が立ち並び、下水道はしっかり整備されており、とても美しい街です。この下水道が物語の最後を飾ります!いかに東京が激しい米軍の空襲にさらされたかが分かります!

三文小説家(西部劇作家)のホリーが幼馴染の親友ハリーに金を払ってもらって、仕事を求めてウイーンにやってきたが、ホテルに着くと、ホリーは宿泊ホテルの前で自動車事故に遭い、今、まさに葬式中だと聞かされる。(笑)ホリーは葬儀に駆けつけハリーを見送った。その帰り、米軍のキャロウェイ少佐(トレヴァー・ハワード)に呼び止められ、「ハリーは街一番の悪党だ!明日帰国せよ!」と告げられる。どんな本を書いた?と聞かれ、本名を挙げるが、知らないという。ところが副官のペイン軍曹(バーナード・リー)は読んでいる。(笑) グレアム・グリーンには“西部劇は受け入れられなかった”のかもしれませんね!

ホテルに戻るとGHQのクラビンから現代文学についての講演依頼を受け、クルツ男爵(ルンスト・ドイッチュ)と名のる男から会いたいという電話は入る。目印はホリーの著書「サンタフェの無宿人」(友人を殺す保安官の話)だという。この作品の結末を示唆する書名です。結構“だじゃれが効いた作品”になっています。(笑)

クルツ男爵に会った。クルツは「交差点でハリーが車に跳ねられ、ふたりで病院に運んだが、ダメだった」という。「相棒はポペスコ、診断した医者はウインケルだ」という。他に、カサノバ・クラブの踊り子に知合いがいたと教えてくれた。

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ホリーは劇場を訪れ、踊り子アンナ・シュミット(アリダ・ヴァリ)にハリーが亡くなったことを話すと、「葬儀に参加していた!お抱え運転手に跳ねられたと聞いている」という。「それはおかしい」とホリー。ふたりが話す劇場部屋が傾いている!この作品では”傾いた背景(橋とかビル等)”がふんだんに使われています。なぜか?

ホリーとアンナはハリーの宿を訪ね、管理人に事故当時の状況を聞いた。「事故はヨセフ像の前だ。ハリーを運んだのはふたりでなく3人だ」というが、ドイツ語でよく分からないうえに、何かに怯えている!ホリーは「第3の男がいる!」と考えた。管理人と言い争うホリーを見ている男の子がいた!

ホリーはアンナを部屋に送ってくると、部屋をキャロウェイ少佐たちが捜査して、アンナのパスポートとホリーからの恋文を押収していた。アンナは「自分はチェコスロバキア人だが、ハリーが偽造パスポートを作ってくれた」と話した。

アンナはGHQに連行されることになり、ホリーは「ハリーは生きている!証明してやる」と元気づけて、見送った。

ホリーは医者のウインケル(エリッヒ・ポント)に会って話を聞いた。しかし、「介添えは2人だった」と言い、あいまいな態度の返事だった。

一方、アンナのパスポートはソ連側に送られ審査待ちとなった。キャロウェイ少佐からハリーとの関係を聞かれ「愛していた!」と答えた。「クラブにいるならハービンを知っているか?」と聞かれたが「知らない」と返事した。

ホリーがアンナを伴ってカサノバ・クラブで飲んでいるとそこで男爵がバイオリンを弾いていた。「ポペスコだ」と男を紹介した。ポペスコが「ハリーを運んだ!トラックにやられた!」というから、ホリーは「ハリーを運んだ3人目は誰だ!管理人から聞いた」と喋った。ポペスコは席を外し「橋で会おう!」と電話していた。

橋で会う映像には4人の男が映っていが、4人は誰か?分かり難いんですよね!(笑)

ホリーはアンナの部屋を訪ねると「ハリーのことを何でもいいから聞かせて!」という。幼いころのふたりの話をした。そして、クラブで飲もうと外に出て歩いていると、ハリーのビル管理人が殺されて運びだされるところに出くわし、顔見知りの男の子が「犯人だ!」と騒ぎ、ふたりは逃げた。

アンナを映画館に隠れさせ、ホリーはキャロウェイ少佐に援護を求めたが、少佐は不在で、「HQへ!」と指示したが待機していたタクシーに乗せられて、劇場の講演会会場に連れてこられた。(笑)

講演会場にポペスコが現れて「リアルな小説が書けるのか?」と不躾な質問をして、散々な講演会になった。終わって部屋を外に出ると、ふたりの男が追ってくる。空き部屋に逃げ、窓から飛び出して瓦礫の中に身を隠し、追跡を逃れた。そしてキャロウェイ少佐の元に逃げ込み、事情を話すと、少佐は「ハリーはペニシリンを水で薄めて販売し、それで多数の死人が出ている」と具体的な取引現場の写真を見せてハリーの犯罪を明かした。病院の看護師ハービンを通して入手していたのだった。

ソ連はアンナ逮捕に踏み切り、キャロウェイ少佐が保管しているアンナのパスポートを引き取った。

これでホリーによるハリーの身元調査は終わりです。(笑)

ここからねたばれ(要注意)

ホリーは花を持ってアンナを部屋に訪ね、「ハリーは重犯罪者であった」と告げた。するとアンナも「少佐から聞いた、天罰だ!」という。ホリーが「もう諦めて・・」と自分を売り込もうとするが、アンナは涙を見せるが、ホリーの気持ちを受け入れなかった。

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ホリーはアパートの外に出ると、暗闇の中にホリーが居た。追っかけたが姿が突然消えた。キャロウェイ少佐らが調べ、下水道の入口から逃げたことが判明した。

ハリーの墓を掘り起こして調べると、ハリーではなくハービンの遺体だった!

アンナが国際警察所に連行された。途中でキャロウェイ少佐から「ハリーは生きている。どこにいる?」と聞かされた。アンナは「死んでいれば追われないのに!」と言い返した。

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ポリーはクルツ男爵と交渉して、観覧車のある遊園地で会うことにした。ふたりは観覧車で話し合った。ポリーが「アンナは送還される、どうするか?」と聞くと「俺には何もできない」と。「ロシア地区は安全だ!証拠になるものはお前だけだ!手伝ってくれ!どこにでも行く」という。「ボルジア家支配のイタリアでの30年間は戦争、テロ、殺人、流血に満ちていたが、結局はミケランジェロダヴィンチ、ルネサンスを生んだ。スイスの同胞愛、そして500年の平和と民主主義はいったい何をもたらした? 鳩時計だよ」と自分の立場を正当化して去って行った。この言葉はある一面正しい!面白いですね!

ポリーはキャロウェイ少佐に呼び出され、ハリー逮捕のための協力を要請された。ポリーは、アンナを自由国に出国させることを条件に、この役を引き受けた。

アンナは、出国の列車に乗ったところで、ポリーが見送りにきている姿を見て下車し、なぜ自分が出国できたのかを知って、「未練はないが、まだその一部はある」とパスポートを破り、出国を取りやめた。

ポリーは協力を降りようと考えたが、少佐に病院に連れていかれハリーの犯した罪を見せられ、思い直した。

夜になって、ポリーはカフェでハリーと会う約束して待っていた。実はポリーが囮となって、警察隊がハリーを待ち受けていた。カフェにハリーが現れると、そこにアンナも現れ「逃げて!」と大声を上げた。

ハリーは下水道に逃げ、ここからハリーの逃走劇が始まる。ハリーは行き場を失い、ついに警官隊の射撃で倒れる。

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ハリーの葬儀を終えて、少佐のジープで空港に送ってもらっていたポリーはアンナを認めて、下車。アンナが近づいてくるのを待っていたが、アンナはハリーを無視して去っていった!

まとめ

分かり難いハリーの身元調査でした!(笑)しかし、映像は天下一品!夜間の映像が多く、光と影の使い方が絶妙でとても美しかった。石畳みの道路を照らす光、そこに現れる大きな影、傾斜した背景にドキドキ感がありました!

大罪を犯した親友を、悩んだ末の結論だったが、警察に渡すホリーと、パスポートを偽造して守ってくれた男、そこには愛があったと警察から守るアンナ。ラストシーンは「あなたはどちら派ですか?」と問うているようなシーンで、西部劇にならなくてよかった!このシーンで物語が締まりました!

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「プリズナーズ」(2014)

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あけましておめでとうございます。

 娘を取り戻すため法をも犯す決意を固めた父親の姿を描いたサスペンススリラー。

世界的に注目されているカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブのハリウッドデビュー作ということで、正月、DVDでの鑑賞、年明けにはちょっと重い作品でした。(笑)

監督:ドゥニ・ビルヌーブ脚本:アーロン・グジコウスキ撮影:ロジャー・A・ディーキンス、音楽:ヨハン・ヨハンソン

出演者:ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホールビオラデイビスマリア・ベロテレンス・ハワードメリッサ・レオポール・ダノ、ディラン・ミネット、ゾーイ・ソウル、他。

あらすじ(ねたばれ含む):

冒頭、父親のケラー・ドーヴァー(ヒュー・ジャックマン)と長男のラルフ(ディラン・ミネット)が鹿狩りをしていて、ケラーのキリストの主の祈りの後、ラルフが一発で鹿を仕留めるシーンで物語が始まります。ここでケラーはとても敬虔なキリスト教であることが大切な伏線となっています。

仕留めた鹿肉でペトヴァー家と黒人のバーチ一家が感謝祭の祝いをしていて、幼い女の子ふたりが表に遊びに出て、気づくと姿が見えなくなっていた。警察、地元の人たちで大々的に捜索するが発見できなかった

ケラーは長時間駐車していた見知らぬRV車に疑念を持ち運転手のアレックス・ジョーンズ(ポール・ダノ)が犯人だとロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)に通告した。

ロキ刑事はアレックスを尋問するが、無表情でIQ10程度、ほとんど会話ができない状況。叔母のホリー・ジョーンズ(メリッサ・レオ)はらも事情聴取したが犯人と断定できるものはなく、抑留時間を迎え釈放した。

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釈放時ケラーが駆けつけ、激しくアレックスに迫り、「僕は声を聴いていない!」と声を発したが、誰もこの言葉を気に留めなかった!実はアレックスの重大発言だったということが後に分かってきます。これを見落としたケラーの罪はとう問われるのでしょうか?。

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ケラーは「もっと調べるべきであると抗議したにも関わらずこの様だ」と、自ら、亡くなった父親が残した館にジョーンズを連れ込み、嫌がるフランクリン・バーチ(テレンス・ハワード)夫婦も引き込み、激しい尋問を始めた。しかし、アレックが話すことはなかった。父親としての怒りは分かりますが、犯人という証拠は何もなく、思い込みでこんな無茶な尋問が許されるのかと思いました!

ロキ刑事は必ず犯人を捕まえると、区域の性犯罪者をひとりひとり訪ねてアリバイを取り、最後に教会に懺悔記録なないかと神父を訪ねた。が。神父は泥酔で聞き取りができず、秘密の地下室のあることを知り、調べると絞首死体が見つかった。改めて神父を尋問すると12人の幼児を殺し、これからも殺すと懺悔した男がいて、怖くなり殺害したと告白した。この告白で過去の記録を調べると事実であることが分かった。

ふたりの女の子をキャンドルで追悼する会に、子供が持っていた人形を持って現れた男が出現。ロキ刑事が追ったが取り逃がした。子供衣装店を調べて、この男性らしき人物が少女の衣類を買っていたことを突き止めた。

そんな折、アレックスの姿が消えたというので、ロキ刑事はケラーを自宅に訪ねた。が、ケラーは不在で妻マリア(ベロ:グレイス)が対応し「夫は警察と一緒に子供を探している」という。

ロキ刑事はケラーの行動に疑念を持ち、彼を追う。雨の中でケラーを待ち伏せするシーンにはぞっとさせられます。

ロキ刑事がPCでケラーの親父が刑務官で自殺したことを知った。父親の館を訪ねると館の窓がベニヤ板でふさがれていた。中に入ると、酔い倒れたケラーに出会い、室内を案内させる。「アレックスは見つかるか」とハラハラドキドキ。そのとき刑事の携帯が鳴った。

電話の主はフランクリンの長女イライザ(ゾーイ・ソウル)からのもので、男が家に忍び込み物色して帰っていったというもので、車番を覚えていた。ロキ刑事はケラーの家にも男が現れていないかを確認した。ケラーの妻グレイス(マリア・ベロ)が「窓が空いていたから誰かが侵入した」と証言した。

アレックスはいくら拷問をしても話さない!雨の夜、ケラーが寝ていると、激しい雨が攫われた娘アン(エリン・ゲラシモビッチ)の姿になって微笑む。

ロキ刑事は男(テイラー)を自宅で逮捕した。部屋を捜索すると鍵のかかった黒い箱があった。中に少女が隠されていると開けると、どの箱にもヘビは入っていた!この異様な空気にぎょっとさせられます!

押収物をケラー、ファランクリンに確認させ、娘たちものものであることを確認した。ケラーは愕然とした。

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ロキ刑事がテイラーに女の子たちがいる場所を書かせると迷路の絵図を書く!頭にきたロキ刑事が殴りかかると、止めに入った刑事の拳銃を抜き取り、テイラーは口に加え引き金を引いた。重要な容疑者を失ったロキ刑事は落ち込むが、テイラーが書いた迷路図が自宅の庭に書かれた絵図に似ていることが分かった!謎めいた物語に誘われます!

翌日、ケラーがアレックスを拷問すると、「ふたりは迷路だ」という。ケラーには理解できない。そこでアレックスの叔母ホリーを訪ねた。ホリーは「夫婦で息子をつれてRVで旅し布教活動していたが、息子が癌で亡くなり、神を信じなくなった。そんなときに養子にしたのがアレックスで、夫が飼うヘビに驚き、物を言わなくなった」と話した。テーブルに置かれた新聞で新たな容疑者テイラーが死亡したことを知った。ホリーは「あの子は死んでよかった」という。ケラーは「アレックスは間違いか?」と・・。

テイラーの住宅地には頭をぶち抜かれて2体のマメキンが埋められていた。男の遺留品から元刑事の書いた誘拐事件を真似た仕業であったことが分かった。

ロキ刑事はケラーの妻グレイス(マリア・ベロ)が話した「窓は空いていた」を思い出し、ケラーの家の窓の下を調べると、そこに少女の靴下が落ちていた。「少女は生きている!」という確信を持った。

攫われていたフランクリンの次女ジョイ(カイラ・ドリュー)が逃げ出し、通行人に救われ、病院に収容された。これを知らされたケラーは「アンは生きているのか?どこだ?」と怯えて話そうとしないジョイに聞くと、「おじちゃんもいた!」という。ケラーは走り出した。これをロキ刑事が追った!

ロキ刑事はケラーの親父の館に駆けつけ、アレックスを確保した。一方、ケラーはアレックスの叔母ホリーの家に「娘はここにいる!」と走りこんだ!

ホリーは「神を信じられなくなり、夫とふたりで子供を誘拐し殺した!今回も私が誘拐した」と告白し、ケラーに拳銃を突きつけ、娘を隠していた穴に連れ出し、封じ込めた。ケリーは壕の中で娘の笛を見つけ、「娘を助けて!」と神に祈った!

ロキ刑事がアレックスを確保したことを報告にホリーの家に来ると、ホリーがアンに毒薬を注射しているところだった。ロキ刑事はホリーを射殺し、雨の中、アンの命を救うべく救急病院に急いだ。この運転は神業技でした!

ケラーの妻グレイスがアンを保護してくれたことに感謝し、「夫のしたことは許されないことだとしても、子供を助けるためにしたことで、善人だ」と泣いた。

ロキ刑事がホリーの屋敷の掘開作業を見届けに来ると、凍結のため作業を止めて帰るところだった。誰もいない中で、笛の音が聞こえた!

感想:

テーマは神を信じる者と信じないものの戦いということは冒頭のケラーの祈りとホリーの神は信じられないという告白から明確で、「ケラーの行動にも罪もあるが、神を信じる者は救われる」という結末になっています。

娘を取り戻すため法を犯してもがむしゃらに頑張る父親の姿を描く中で、普遍的な“人としてどうあるべきか”が描かれると期待していましたので、キリスト教に疎い私にとっては、この結末はよくわからなかったです。しかし、「ボーダーライン」(2015)でこのことがしっかり描かれていると思います!

むしろ、怪奇というほどのミステリアスなストーリー展開と美しい映像に感動しました。

娘をさらわれたケラーの激しいアレックスへの尋問、また、ロキ刑事がテイラーから得た迷路図をもとに犯人像へと近づいてくる展開。暴力、ヘビ、迷路など何が起こっているのかと奇怪で、どんな結末になるのかと終始不安なミステリー。すばらしいミステリーだと思いました!

そして暗い雰囲気を“引きしまった”画で美しく描き、雨などを巧みに使って、ミステリーらしく、ハラハラドキドキさせてくれます。特に雨の使い方がすばらしかった。

ケラー役のヒュー・ジャックマン家族を守り切ると、苦しみながら、強く生きる父親役が見事でした。そして、これに対するロキ刑事役のジェイク・ギレンホール使命のためにはどんな危険にも飛び込んでいるという、正義感あふれる演技がすばらしかった。こんな刑事がいるのにケラーがなんででしゃばるのかと不思議でした!(笑)

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