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「フロントライン」(2025)コロナ汚染の豪華船乗客は如何に解放されたか、本当に怖いのはマスゴミ菌だ!

 

日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いをオリジナル脚本でいたドラマ

国内初の感染者確認は 2020年1月16日、国内で初めて確認された。 次が「ダイヤモンド・プリンセス」だったと記憶。とんだ悪役にされた豪華船だったが、人道的という高い視点に立ったこんなに勇気と希望に繋がるドラマがあったとは知らなかった。日本は凄いと思った。本当の感染菌はマスゴミと固定概念だった!マスコミと政治は日本の弱点かもしれない。

コロナ禍の記憶が映画という形で残ってよかった。医療コーディネーターとしての小栗旬さんの佇まい、よかった。

監督:関根光才、脚本:増本淳、撮影:重森豊太郎、編集:本田吉孝、音楽:スティーブン・アーギラ。

出演:小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、森七菜、桜井ユキ、美村里江、吹越満、光石研、滝藤賢一、窪塚洋介。

物語は

2020年2月3日、乗客乗員3771名を乗せた豪華客船が横浜港に入港した。香港で下船した乗客1名に新型コロナウイルスの感染が確認されており、船内では100人以上が症状を訴えていた。日本には大規模なウイルス対応を専門とする機関がなく、災害医療専門の医療ボランティア的組織「DMAT」が急きょ出動することに。彼らは治療法不明のウイルスを相手に自らの命を危険にさらしながらも、乗客全員を下船させるまであきらめずに闘い続ける。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇2020年2月3日、深夜3時45分、ここから物語が始まる。

ダイヤモンド・プリンセスから一名のコロナ感染者がストレッチャーに乗せられ海上保安庁の巡視艇に移された。クルーズスタッフの羽島(森七菜)は「今日から1週間客室管理は禁止、すべての乗客は部屋から出さない」と知らされ、非常扉を開きストレッチャーを送り出しよう指示を受けた。

深夜、湘南市民病院のソファーで仮眠中の医師・結城(小栗旬)は携帯の音で起こされた。神奈川県庁緊急管理課の平田(小松和重)から「横浜港のダイヤモンド・プリンス号から新型コロナウイルス菌患者が出た。保健所指定病院に対策本部を設置、そこでのDMATの指揮をお願いします」という電話だった。

当初結城はDMATは災害対応で感染症対策は専門外と断わったが、県はDMATでしか対応手段がないことを知って、これを受けた。DMATが融通の効かない官庁組織でなくてよかった

結城は直ちに現場を指揮する医師・仙道(窪塚洋介)に医師・看護師の受け入れ準備を命じ、医師の眞田(池松壮亮)の勤務状況を確認して招集を掛けた。

〇プリンセス号コロナ感染対策本部の立ち上げ、感染者収容能力が問題化。

結城は対策本部で厚労省から派遣された立松(松坂桃李)、平田に会った。立松は平田に「国内に持ち込まないよう願います。病院までの搬送は、消防車は、病院は・・」と国の役人らしい問い掛けをした。

平田は「41床を交渉中」と答えた。立松は「いくつ了解が取れている」と不満。国の役人ならこの程度の横柄な言い方は普通。(笑)結城は「昨夜10名で全部使いつくした。41名の新疑義者はひとりも搬送できていない、どこも引き受けてくれない。自分のところから広がったとなると病院が潰れると断られる」と発言した。

平田が「各課を当たり47床確保する。お願いがあります。DMATを船の乗り込ませてくれませんか」と結城に要請した。立松も「船には医者が3名しかいない」」と平田に同意した。結城は「無理!」と断わった。立松が「ウイルス専門部隊など日本にはない(偉そうに言うな)。誰かがやらなければ、お願いするしかない」と言った。

結城は立松とプリンセス号を視察

移動する車の中で立松は「県では不安だから関東感染学会に応援を求める」と話した。現地に着くと、隊員たちは防護衣をつけプリンス号に乗り込むことろだった。結城は眞田を見つけ「自分の身は自分で守れ!」と指示した。

このころ中央TVの編集室では

編集主幹の轟(光石研)が「面白くなりそうだ。ボランティアのDMATが船に乗る」と記者の上野(桜井ユキ)に発破をかけていた。65歳の外人が発熱で寝込んでいた。診断にも言葉で苦労する。しかし、DMATはこの状況には慣れている。

結城は仙道に“DMATがやるべきかどうか”の意見を求めた

仙道は「当然だ。隔離は検疫が乗り込んで2日後だ。すでに感染は広がっている。感染ではなく既往症で弱っているものがいる。言語の問題で時間が掛かる。陽性でもピンピンしているものもいる。搬送はトリアージでやる」と許可を求めた。結城は「47床はウイルス用だ。無理だ」と断った。仙道は「俺たちは厚労省に満足してもらうために船に乗ったわけでない」と反論した。立松が「感染を持ち込まないことを最優先する」と答えた。

結城は立松に「一度失敗しているから分る、厚労省は理解できない」と再考を促した。立松は「理解してもらう必要がある」と結城に釘を刺した。

仙道が参集したDMATメンバーに「搬送は今命が危険にある人、リスクの高い基礎疾患を持つ人、次が高齢者、子供、陽性でも健康な人はカテゴリ3だ」と指示した。メンバーの中から「陽性なら優先では?」というものもあった。

〇プリンス号から搬送される状況を取材する中央TV

何故こんなに時間がかかる、全員のPCR検査だ」と搬送者は現れるのを待っていた。「患者を入院させるだけでいいのに、こんなに簡単なことが?」と上野は放送。編集室では轟は「広がったな!面白くなった」と呟いた。上野は「まだこれからです、水が足りなくなるようです」と伝えた。

休憩中に眞田医師は「搬送された患者は病院に着いた」との報告が入り、ホットした。眞田が「発熱患者はどのくらい?」と仙道に聞くと「陽性率は50%を超えている。検査はもういらんレベルだ」と言った。

〇「プリンス号は給排水作業のため一時外洋に出る(24時間)」と船内アナウンスがなされた。この間緊急患者搬送ができなくなる?

対策本部の平田は「まだ何十人も搬出必要者はいるのに」と心配した。結城は福島の原発事故時、放射能を危ぶみ30km圏内避難で200kmもバスで移動した際、老人たち45人が亡くなったことを思い出していた

結城は「厚労省は新型ウイルスが国内に広がらないことを考えるが、乗客の命は次になっている。俺たちは命を最優先に考える。24時間港を離れると死人が出る、昼までに全員(緊急を要する者)降ろす。新型コロナ発生届について発生時期要件は不要とルールを変えてはどうか?」と立松に意見具申した。

結城はプリンス号の出航延期を求めた。

プリンス号の離岸予定時刻1200と決まった

仙道の元にクルースタッフから2000枚の退船依頼書が届けられた。仙道は「一度には無理」と跳ね返した。「しかし、河村(美村里江)のようにコロナではないがインシュリン注射が切れたら危ない人は急ぐ」と話した。河村には船内医師からインシュリンが補充され、船内待機が決まった。

米国人夫妻の夫の症状が悪化した場合の対応

眞田医師は夫・レナードを携帯による通訳で妻・バーバラと話しながら診断していた。眞田は「レナードは感染者。同じ部屋にいたからバーバラも感染している、約束します、我々チームは奥さんの安全を保障します」とレナードを納得させ、バーバラを船に残して救急車に送った。

立松が「発生届は事後申請でよいよう調整中、結城先生のアイデアを少し改善して使用することにした。もうすこし、嘘で乗り切ることにした。私も人の役に立ちたい」と結城に歩みよる姿勢を見せ始めた

1830プリンス号は出航した65名が下船した。

〇プリンス号は給排水を終え横浜港に帰還問題が山済みだ!

乗船客が不満のプラカードを掲げていた。中央TVは「船内に3000人以上が足止めされている。対応の遅れに不満が出ている」と報道。編集主幹の轟はこれを見て「いいね」と喜んだ。

対策本部では立松が「後回しされた人たちに不満が出ている」と結城に対策を求めた。結城は「マスコミは煽り過ぎだ!家族が重複しているのが心配だ」と答えた。

バーバラ夫人が海に飛び込もうとする事件が起きた

クルーズスタッフの羽島が見つけ止めた。夫人は「夫が意識を失ったと連絡があった、会いたい」という。羽島が「レナードさんの症状を調べ、必ず知らせます」と約束した。羽島は眞田に「レナードの症状を確認して欲しい」と求めたが、真田は「すいません、仙道先生に相談して」と断った。

「検疫官が感染、乗客でなく検疫官だ」と大大的にニュースが出た

仙道が「入港時の検査で感染した?(我々の問題ではない)」と結城に伝えた。結城は「DMATから出ていたら死亡集団といわれた」と安堵した。仙道から「俺たちは命を大切にしている。評判なんか心配するな!」と注意された。

羽島はバーバラ夫人の件で仙道に相談した

仙道は「検疫が断るかも知れないが、命は大切だ。船から降ろすことを考える。待っていてくれ!いつかは分らん」と羽島に約束した。

関東感染学会が「撤退する」と結城に伝えてきた

結城は仙道にこのことを確認すると「俺のところにも相談にきた。感染が怖いんだ」と答えた。結城が「隊員の感染処置は適切か?」と聞いた。仙道は「船の外から大丈夫かと言われても分らんよ。感染している現場にいるんだから指示出しているのは俺たちだ!」机を叩いて怒った。

こういう話を聴くと現場の空気が伝わり泣けます

結城は「患者の家族が病院に行かせろと言ってくる。どうしたらいい?」と仙道に聞いた。仙道は「連れて行けと俺は言っている。拙いか?やれることは全部やる。DMATでお前が言っていることだ」と言い返してきた。

検疫官(利重剛)が仙道に「あんたは専門外、バーバラ夫人は検疫検査が終わってない」と病院に行くことに反対したが、「専門外とか言っていたら何も出来ない医師をつけて病院に送る」と約束し、結城にこの件を決着させることにした。

結城が検疫官に電話で「異国に来て、しかも最後になるかも知れない。夫の側に居れないのが当たり前ですか?」と話した。検疫官が「私の仕事ではない」と答えた。結城は「プリンス号は感染災害だから我々の出動案件ではない。でも我々は出動を決めた。何が人道的かを考えるべき!人道的に正しいと考えたからです。下船許可をお願いします。バーバラ夫人は米国籍、国際問題になりますよ、DMATが責任を」持つ」と説得した。

仙道は検疫官から「責任を持てますか?」と聞かれ「若い看護師をつける」と答えた。

中央TVが「誰かが出てきた」とバーバラ夫人の案件を報道した

結城は立松に「やっぱりダメだった」とこの案件を話すと「感染者が陰性であっても擬陽性として入院させる。厚労省には報告済。こうするのが正解だと思う。感染者が一緒に居たいというならほぼ陽性でしょう。今後患者の対応にはこの方法がいいかもしれない」と答えた。

バーバラは昏睡状態のレナードに会い懸命に介護を始めた

バーバラは羽島に「あなたがここに連れてきてくれました。日本の皆さんに感謝です。主人は必ず目を覚まします」とメールしてきた。このメールは船内掲示板に張り出された。

インシュリン患者の河村は「TVで何故本当の船内の姿を取り上げてくれないのか?」とSNSに載せた。

結城は仙道に「DMATの活動は続行するしかない。ここで引いたらダメになる」と伝えた。仙道は「迷いはない。最初に電話を受けたときから決まっている」と答えた。



立松が「感染患者を引き受けてくれるところが見つかった」と結城に知らせた

〇このタイミングで、「プリンス号の感染対策実態」と称する暴露動画が出てきた

この動画、編集主幹の轟が「すげえのが出た」と喜んだ。本当のこのバカ者がと言いたくなる。

感染症専門家の六合(吹越満)の暴露動画内容

「なぜか1日で追い出された。DMATのチーフに感染の仕事をせよと言われたが、ウイルスのいない安全ゾーンとウイルスがいるかもしれない危ないゾーンの区分が出来ていなかった。プロの専門家が居ない厚労省の者も聞く耳を持たない。DMATを責めるつもりはないが、船から戻ると病院で仕事をする。ここヵら感染が広がる」というものだった。

動画がDMATの活動に与える影響は大きかった

TVは「食事は客室から客室へと運ばれ、DMATの人が病院で働くと嫌がられている・・・」と確認もしないニュースを流す。轟は上野に「DMATのコメントを取ってこい」と命じた。

仙道のところに隊員から「所属病院にクレームが来ている。船に乗ってる先生を病院で働かせていると電話が鳴りっぱなしだ」と報告がきた。

看護師が保育園が子供を預かってくれない、他の親たちが嫌がりうちの子供が行くなら子供を休ませると言われる」とTVで報道される。上野はTV報道に疑問を持ち始めた

DMATの看護師感染への対応

結城は感染研究所からDMATの看護師が感染したと知らされた。結城はマスコミが面白がると思った。

立松は上司から「看護師の補償、自分の志望で船に乗ったのに何んで厚労省がやる」と補償を断わられた。立松が「DMATに私が頼んだ」というと「それが間違いだという意見が出ている。嘘つきにやらせたいのか」と叱責された。立松は頭にきた。

〇結城がプリンセス号内のマスコミ報道影響を調べた

7チーム中5チームがキャンセルという状況だった。診断要請数は70件でまだ要請がある状況だった。

中央TVから取材要望が来た。眞田が「六合動画で支障が出ていることを伝えるべきだ」と具申したが、仙道が「反論しない」と言い、結城も「反論より治療に専念だ」と断ることにした。眞田が「私の家族は誰が考えてくれるのか?自分がコロナに罹るのは怖くないが家族が差別に合うのが怖い、子供が学校でいじめられる」と本音を吐いた。

結城は船内を視察した

ゴミが積み上げられていた。収集業者が居なくなっていた。これを船会社の責任にするのか?

クルーの狭い部屋に咳き込み寝込んいるサービススタッフがいた。結城が診断した。名はアリッサ、「家に帰りたい」と泣く。熱発だった。立松が「どこの病院も嫌がる」と言った。結城は「外国人を嫌がるのは病院支払いが原因だ。厚労省で支払うよう要請してくれ。クルーとうちの隊員は誰にも心配してもらえない。俺は心配してやりたい」と立松に話した。

上野が桟橋で結城を捕まえた取材を申し入れた

結城は「自分に良い処だけ切り取られるから時間がない。面白がっていませんか船の人の無事を願って報道していますか?」と断った。上野は「失礼しました」と謝った。

結城は対策本部に戻り、「乗客2名が死亡、亡くなったのは搬送先の病院だ」と立松から知らされた。TVは「狭い部屋に閉じこめられ感染が広がってる」と報道していた。

結城は湘南市民病院の理事会から「これ以上出るなら病院を辞めるというナースが出ている。うちの病院の感染床は6床、これをあなたが拡大を受け入れた。クルー船が送ってくるからだ」と詰問された。

結城は「それを云うなら病院を止めたらいい。医療に関わる全てから手を引くべきだ」と反論した。理事から「何を言っているのか分かっているのか」と叱責され「新型コロナを看ることは医療の本来業務です我々が見は放せばプリンセス号の患者は助けられない、皆さんの協力が必要です」と謝った。

結城は立松に病院を探すように依頼した。平田は「手を挙げてくれるが地域の反対、従業員が見つからない。」と嘆いた。

〇結城が次の段階、「早く船から下船させるべきだ」と考えていた

結城は「すでに14日間乗客の接触はないから街に出ても感染は極めて低い警戒すべきは家族が陽性になった場合、更に14日の隔離が必要になるそのまま船内にいると最悪、限界、自殺者が出かねない」と考えていた。

一方、中央TVでは上野が「路線変更したい」と申し出ると、轟は「2名の死者が出た。港を監視してまだ騒げる」という。上野は「今度は何故隔離しないかですか、隔離していたときは何故下船させないかで騒いだ」と反論した。轟は「それがマスコミだ、嫌なら人を変える」と言った。

立松が「確実ではないが、病院をそっくり借りられる」と結城に伝えた。結城は「さすが厚労省!」と喜んだ。結城は仙道に「愛知県の出来たばかりの病院が借りられるかもしれない」と伝え、「TVはボロクソだが、そっちが大丈夫か?」と聞いた。仙道から「こんな時のために医者や看護師になった連中だ」と返ってきた。

結城は中央TVの上野から取材を打診され、「少しだけ」と受けることにした。

結城は「濃厚接触者を県外に搬送する。自衛隊と警察が関わる。マスコミは派手な映像が採れる。今度は追いかけないようにして欲しい。乗客も船に乗っていることが知れると大変なことになる。家に帰ることに何の支障もない人ばかりだ。これを壊さないで欲しい」と情報提供した。

上野は「放送には使わない」と断り「もう一度この災害があったら同じ対応をするか?」と聞いた。結城は「日本には米国のような感染専門の病院がない。完璧な防護をしようとすると数日かかる。その間に何院もの乗客が亡くなる。完璧でなくても船内の乗客にいち早く医療を提供したいと思った。限られた選択岐の中で最良の方法だと思っている」と答えた。

〇濃厚接触者の愛知県藤田病院への搬送

警察の誘導で陸自のバス2台、ドクターバス、家族バス、トイレットバスで1800出発。今回は立松も乗り込んだ。

野ら報道陣は出発を写し、車両を追うのは止めた。高速道路に乗り、あとわずかというところで3名の症状が悪化、一時停車して車内で応急処置した。付近に病院は確保できないと判断して藤田病院に急いだ。

このタイミングで六合が動画を取り下げたという情報がSNSに載った

藤田病院は完璧な動線を構成し、患者たちをスムースに講堂に誘導して診断、患者分類して病室に収容した。この際、親を亡くした6歳の兄は陰性で4歳の弟は陽性判定の兄弟は別々に収容されることになったが、兄の「弟となら死んでもいい」という意見を聞いて、一緒の病室に収容した。

患者の収容を完了した藤田病院の担当医師・宮田(滝藤賢一)が防護衣を脱いで自販機のコーヒーを飲みながら眞田に「うちは開業前だ。何かあるとうちが殺したと言われるが何もなくてよかった。沢田先生どのくらい船に乗っていた?」と聞いた。「9日間」と答えると「これからは日本はコロナで大変なことになる。俺にもいろいろ教えて欲しい」と言った。

〇プリンセス号では残留乗客全員に下船案内が下った

「本日帰宅する皆様は荷物タグに指定された色、番号が放送されるまでお部屋でお待ちください。2週間ご苦労様でした困難な道のりを共に進み大きな心の支えとなりました。感謝します」と。

 

2020 年3月1日、隔離開始から25日後3700人全ての乗員乗客が下船した。最後の一人は船長だった2022年2月8日、DMATの活動要領に新興感染症の蔓延時、傷病者の生命を守るため、厚生労働省が認めた災害派遣医療チームが日本DMATであるという一文が加えられた。

まとめ

コロナ禍からすでに6年、忘れかけたところにこの作品、改めてコロナ禍の出来事を思い出すことができた。先ず、これがよかった。

未知の危機にどう対処するか

既成の方法や規則では対応できないときに何を支えに活動するか。時系列で事件を追いながら状況に合わせうまく教訓を引き出した脚本が良かった。これを悲観的でなく前向きに使命を果たそうとするキャストたちの演技がすばらしく、勇気が貰える作品になっているのもよかった。

ウイルス汚染の最前線で働く組織の使命

DMATの「命を救う」と厚労省・検疫官のお役所の「感染を持ち込まない」、さらに中央TVの「これを面白くして視聴率を稼ぐ」。それぞれの組織が持つ3つの使命が衝突、ここから新しい使命が生まれてくるところにこのドラマのテーマがあった。

 これを解く鍵が「人道的立場で考える」だった。すべてがここに集約されてダイヤモンド・プリンセス号騒動が終結するラストがすばらしい。

各組織が相互に細かく調整しなから、命を大切さ優先して濃厚接触者・患者を病院に搬送、その他の乗員乗客が無事に下船。後に乗船客、外国からも高い評価を得たことが分かる。

ダイヤモンド・プリンセス号の事案に限らず、コロナ禍で苦しんだ記憶が沢山出てくるドラマでした。コロナ禍の記憶としてこの作品を残して置きたい、そんな気持ちにしてくれる作品です。

                                                     *****

「かぐや姫の物語」(2013)地上に降ろされたかぐや姫が犯した罪?

 

母から聞かされた物語のひとつ。誰でもわかる話を今更高名な高畑勲監督が描くのか?ずっと不思議に思っていた。

さて、観てみようと案内を見ると、「罪を犯したために、この地に下ろされた」とされるかぐや姫の犯した罪、その罰とは何かを描き出す話だという。かぐや姫が罪を犯したために、この地に下ろされたということに先ずびっくり。これは母から聞いていなかった。(笑)古典や童話を読んだことがない。

かくしてかぐや姫が犯した罪はなにか?と本作を観ることにしました

月から迎えにきた使者がお釈迦様似だから仏教の教えに背いた?“高畑監督が一番怖い”宮﨑駿監督が「辞める」(2013)と言い出したことに関係しているのではと穿った見方でストーリーを追うことにしました。(笑)

滑らかに滑るように展開しなるほどと頷ける結末、月に戻された訳がわかります。古典でありながら今の物語になっているのがいい。

 監督:高畑勲、原作:「竹取物語」、原案:高畑勲、脚本:高畑勲 坂口理子、作画監督:小西賢一、撮影監督:中村圭介、音楽:久石譲、主題歌:二階堂和美。

声の出演者:朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、古城環、中村七之助、橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢、三宅裕司とまあ豪華です。

物語は

昔々あるところで、光り輝く竹を見つけた翁が竹を切ると、中から小さく美しい姫君が現れた。姫を家に連れ帰った翁は、媼とともに彼女を育てる。姫は近所の子どもたちと一緒に野山を駆け回る元気な少女へと成長するが、やがて一家は都に移住。翁は姫を「高貴な姫君」とするための教育を受けさせるが、姫は自分らしく自由に振る舞っていた。やがて「なよ竹のかぐや姫」の名を与えられた姫の成人の儀と披露の宴が催されるが、都の窮屈な生活と欲にまみれた貴族の男たちに嫌気がさした彼女は、宴席から逃げ出し、故郷の山へ向かって一目散に走っていく。(映画COMから)


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あらすじ&感想

〇翁とかぐや姫の出会い。

竹の地下茎の節から出る若芽が光る竹取の翁(地井武男)が近づくと、皮がぱっと開いて、にっこり笑う小さな姫が現われた。翁が家の持ち帰り媼(宮本信子)に渡すと衣を脱ぎ捨て赤ちゃんになって泣きだした。夫婦は“姫”と呼ぶことにした

媼に母乳は無理と思われたが、奇跡が起きた。姫は媼のお乳でどんどん大きくなっていった。近所の子供たちが「赤ちゃんがいる」と覗きにくる。どんどん大きくなる赤ちゃんを見て“竹の子”と名付けた

〇竹の子と捨丸の出会い

竹の子は蛙を捕まえようとして縁の下に堕ち立ち上がった。翁は竹の子を連れてタケノコ狩りに行く。竹の子は翁の目を盗んで森の中に、そこで猪の子たちに出合って遊ぶ。これを見た子供たちの年長者・捨丸(高良健吾)は“危ない”と抱き抱えた。竹の子が微笑みを返した。

これ以来、捨丸は竹の子を籠に乗せて遊んだ。子供たちが童歌を唄うと竹の子も歌って涙する。子供たちは「こいつは変な子、何でこの歌を知っている?」と不思議がった。

翁は竹の子狩りをしていて光る竹を発見。切ってみると金の小粒がざっくざっくと出てきた。しかし、翁はしばらく媼には黙っていた。

竹の子は村の人たちと一緒に翁が木から作った御椀を都に売りに出るのを見送る。竹の子はすっかり村の子になり、側にはいつも捨丸がいた

夏、竹の子は素っ裸で滝壺に飛び込む。子供たちと瓜泥棒に出掛けた。見つかって逃げた。そっと隠れて捨丸が割ってくれた瓜を食べた。「美味い」と声を上げた。

竹の子は村の子として自由に飛び回った。悪いことも覚えた

そんな時、翁は竹林でまた光る竹を発見。今度は金の粒とともに大量に布が降ってきた。翁はこれを媼に渡した。翁は「姫は都に上がって高貴な姫として貴公子に認められるのが幸せではないか、天がそう願っている」と考え、媼と相談し、都に出て準備を始めた。

 〇収穫の秋、竹の子と捨丸の別れがやってきた

竹の子は捨丸と一緒にキジを追い、崖下に落ちたがキジを捕まえた。崖から落ちる時、捨丸は竹の子を抱き抱え「お前また大きくなった、俺たちと違うところに行くように思える」と言った。竹の子は「いつも捨丸兄ちゃんと手下だと思っている」と答えた。

ふたりでキジを捕まえ、明日はキジ鍋を造ろうと約束した。竹の子が帰宅すると翁と媼が旅支度して待っていた。準備した牛車で都に発った。

〇姫の都での生活が始った!

広い屋敷が準備されていた。大勢の女性たちに迎えられた女童(田畑智子)が常についてくれ面倒を見てくれる。先ず、美しい衣装を着せられた。姫はこれを纏い里にいた時と同じように走り回った。

姫は相模(高畑淳子)という女性から高貴な姫になるための特訓教育を受けることになった。

特訓教育が始った

立ち振る舞いから絵巻を見て絵を描く、読み書き、筝の演奏。姫は里で走り回っていたころを思い出し一向に進まない。しかし童歌を筝で弾いて驚かせた。

 姫に月のものがやってきた

大人になったお祝いをしようと言われるが、姫はみんなに会いたいという。翁が「山の連中とは住む世界が違う、年が明けたら髪上げと名付けの儀式を行う。斎部の秋田(立川志の輔)に依頼する」と決めた。

姫は「つまらない」と庭に出て草木と遊んだ。そんな姫を媼は抱きしめて労わった。

〇姫の名は“かぐや姫”と決まった

秋田は姫をひと目みて「美しい」と驚いた。なよ竹のようにしなやかで美しく光り輝いているから“かぐや姫“と決まった。かぐや姫は女性たちによって美しく着飾った(もぎの儀式)。

名付けの儀式が大勢の人を招いて行われた

祝宴が始った。かぐや姫は御簾の中にいた。宴は三日三晩続いた。“めでたい“と踊る人。そんな人たちの中から「こんなにもったいぶることはない」「ひと目見てバチは当たるまい」「本当の高貴な姫でもあるまいに」という声が聞こえてくる。

頭にきたかぐや姫は屋敷を抜け出し、衣を脱ぎ捨て里に走った!

住んでいた家には母親と赤ん坊が住んでいて、物乞いと間違われ追い返された。森は枯れ木ばかり。

炭焼き老人(仲代達矢)から「あのものたちはよい木を求めて旅をする。10年ほど戻らない。木を使い尽くしたらダメになる。だから力を残して旅に出る。10年もすれば若木が育ち、また仕事が出来る。死んだものはいない」と芽吹いた木の枝を見せられた。かぐや姫は雪の中に倒れながら都に戻ってきた。

〇かぐや姫の美しさが噂になって行った。

この日を境にかぐや姫は人が変わった。ふざけることもなくひとりで静かに過ごすようになった。かぐや姫は眉を抜き、歯も黒く染めた。もの書きに熱中した。籠の中の鳥を野に放った。

ひとめ見たいと屋敷に多くの人が詰めかけてくるようになった。女童が沢山のラブレターを抱えて戻ってくる。宮中に参内する貴公子らも「翁の子ではない竹から生まれた子だ」と伝わり、秋田は「私に任せなさい」と姫に会わせることを引き受けた。

〇かぐや姫は5人の貴公子に会い、「希望する宝を持参するなら妃になる」と伝えた集った5人の貴公子はそれぞれ宝物になぞってかぐや姫への愛を誓った

車持皇子は蓬莱の玉の枝。

石作皇子は仏の御石の鉢。

阿部右大臣は火鼠の皮衣。

大伴大納言は竜の頸の五色の玉。        

石上中納言は燕の子安貝。

 かぐや姫は愛の証としてそれらの宝物を持参するよう求めた。貴公子たちは「無理難題、得難い宝だ」と去っていった。

かぐや姫は重石がとれた気分で媼と女童を伴い桜の花見に出かけた

桜の大木を見つけ、里に居た頃を思い出し踊った!そこにいた幼子を母親が「申し訳ありません、お許しを」と引き取っていった。かぐや姫は自由に遊べない身分であることを知り、突然「帰る!」と言い出し屋敷に帰り始めた。

その途中、かぐや姫は窃盗で捕まり殴られる捨丸に出合った

かぐや姫が車の御簾を開けて外を見ると、捨丸が鶏を盗んで追われていた。かぐや姫は「捨丸兄ちゃん!」と叫んだ。捨丸は振り返った。しかし、はぐや姫は捨丸が追っ手に捕まるのを見て泣きながら御簾を閉じた。捨丸は「竹の子!」と叫んだ。捨丸は捕まり殴り続けられた。姫は殴られる捨丸を見て「捨丸にいちゃん!」と泣いた。

〇それから3年ばかり経って、宝を探しに出た貴公子たちが会いにきた

最初は車持皇子だった。皇子は蓬莱の玉の枝を持ち帰った。しかし、「皇子が手当をくれない」と匠が現れ、皇子の嘘がバレた。かぐや姫は“思った通り”と笑った。

次に阿部右大臣は火鼠の皮衣を持参し、それを火の中に入れた。燃えないはずが燃え出した。このときかぐや姫は「あの方にとって、私は燃える火鼠の皮衣」と思った。

大伴大納言は大海で竜の頸の五色の玉を獲ろうとして亡くなったと知らされた。

石作皇子は仏の御石の鉢ではなく蓮華の花を持って訪れた

「御石の鉢を探していて、この花に真心を感じ持参した。これを受け取って欲しい」と訴えた。かぐや姫は「この野辺の花のように生きたい。一緒に鳥が歌い、魚が踊る緑の国に行きましょう」と涙し御簾を挙げて皇子を見た。皇子は「赦してください」と謝った。媼が「騙され、捨てられ、髪を降ろし仏門に入ったものが何人もいる」と慰めた。かぐや姫は泣いた!

石上中納言は燕の卵を手にしようとして落下し腰の骨を折って亡くなったと聞いた。

かぐや姫は庭に出て鎌で草木を切り、「みんな偽物、私も偽物!皆が不幸になる、私のせいで!」と泣いた

〇かぐや姫の想いとは裏腹に噂が広がり遂に御門から求婚が来た

かぐや姫はこれを断わった。しかし、翁が「断ることは出来ない。これで冠位を授かることになる。すべてがこのためであって、姫はこれで幸せになれる」と大喜びだった。かぐや姫は「御門に背いているなら死にます。しかし位を戴くことが父上の喜びなら一度御門のところに行ってお父上の喜びを見て死にます」と答えた。

御門は「断った」と知って、自らがかぐや姫の館を尋ねた。

かぐや姫は筝を弾いて御門を迎えた。御門は“なんと美しい“とかぐや姫を抱きしめた。かぐや姫は逃げ出した。御門は「ひとまずは変える。私と一緒になるのが幸せだ、美しい」と帰って行った。

かぐや姫は御門が宮中に帰ってから、月の出る夜は毎日釣台に出て月を仰ぐようになった。

かぐや姫は翁に「今月15日に迎えにくる」と伝えた

「自分は月から降ろされたもので御門がきたときにそれが分かった」と話した。翁は「姫の幸せだけを願ってきた」と答えた。

かぐや姫は「その幸せが辛かった。しらずしらずの内に月に助けを請うた御門に抱きしめられたとき私の心が“もう居たくない”と叫んだ。私は本当は戻りたくないがもう遅い、お父様の心を踏みにじっただけ。いつわりの小さな野や山で自分の心を騙しただけ。月に帰らねばならないはめになって私が何でこの地に降り立ったかそしてどうしてあの歌を知っていたか、私は生きるために生れてきたのに、鳥や獣のように。帰りたくない」と言った。

かぐや姫を月に返さないよう屋敷の工事が始まった。

かぐや姫は筝を弾き、泣きながら媼に「遠い昔、この地から帰ってきた者が口ずさむのを月の都で聞いた。月の衣を着ると記憶を無くす、悩みも哀しみもなくなる。しかし、歌う度に涙が出る。その不思議に私の心が締め付けられ、今ならあの人の気持ちが分かる。何故禁断の地に憧れたのか?なぜこの地に降ろされたのか分かります。あの人もこの地に帰りたかったからです」と語った。

媼はかぐや姫に「里に行こう!」と誘った

かぐや姫は媼と女童を一緒に牛車で里に走った。里には緑が戻っていた。捨丸は妻と子供と戻っていた。捨丸が“いい臭い“とかぐや姫がきていることに気付き、妻・子供を置いて駆けつけた。

かぐや姫は捨丸と再会した

かぐや姫は「捨丸兄ちゃんとなら幸せになれたかも、今それが分かる」と話し掛けた。「私は見た、私のせいでひどい目にあった」と謝ると「なんでもない」と言った。かぐや姫は「なんでもないのよ、生きている手ごたえがあれば、でも遅すぎる」と返した。

捨丸は「今から逃げよう!お前を背負って逃げる」とかぐや姫を連れて走り出した。ふたりは空を飛んだ!「もう少しここに居させて!この地で生きる喜び幸せをもう少しだけ強く抱いて」とふたりは抱合って空を飛んだ。捨丸が気付くとかぐや姫はそこにいなかった。ふたりは夢の中にいたのだった。

〇8月15日の夜、月から迎えがやってきた

御門から遣わされた兵が守備するなか、かぐや姫は優雅な音楽を奏でながら雲の船で現われた月の使者たちによって、姫が帰りたくない拒否したが、易々と連れ出され、船の中に連れ去れた

翁と媼は「私たちも一緒に」と願い出た。使者が「静かな日に戻ればそのようにざわめくこともない。穢れます」と断わった。かぐや姫は「穢れていない!善も悲しみもこの地では色どりに満ちていて、人、鳥、獣、人の情を・・・」と思い出していたが、使者によって衣を羽織わされた。かぐや姫は一度地球を振り返り月へと旅だった。

まとめ

色彩を押さえ墨の線で描かれた躍動感がある絵が闊達でなんの混じりけもないかぐや姫のキャラクターを浮き彫りにする。とても耳にやさしい音楽と水が流れるように滑らかなストーリーの展開で、何故かぐや姫が月に去ったかが分かる結末がすばらしかった。

 かぐや姫の罪は、

自然と人情に恵まれた地球で弱音を吐き自分を生き切れなかったこと。

 捨丸に初恋し、翁に勧められるままに都に上がり高貴な姫修行が始ったがここに幸せが見いだせず里に戻り炭焼き老人に言葉“人生は巡る”に出合った。この言葉に励まされるように捨丸との再会を夢に高貴な姫修行に励んだ。

多くの貴公子から求婚されたが難題を与え退けるつもりだった。くしくも捨丸と再会したが彼の盗人姿に驚き会うことを諦めた。希望を叶えようとする貴公子たちに犠牲者が出て姫は大きな罪を背負うことになった。御門の申出には翁を助けるという言い訳で嫁ぐことにしたが、抱かれてみて自分に嘘がつけないことが分かった。

かぐや姫は媼の配慮で捨丸と再会、捨丸の愛を確信したが、捨丸は妻子のある身、月の使者が“穢れる”と許さなかった。かぐや姫は衣を被せられ“地球の記憶”を消し、月に戻って行った。

地球で生きるには辛いことが一杯あるが自然と人情に恵まれ、自由が一杯ある世界。かぐや姫は何故自分の人生を生き切れなかったか。身分や貧富の差などを絡めた現代的は解釈だった。

 宮﨑駿監督に「生き切ったか?」と問いかけたと思えてしかたがない!(笑)

             *****

「ルノワール」(2025)1980年代、時代に翻弄される11才少女の感性をどう理解するか?

 

長編初監督作「PLAN75」で国内外で高い評価を得た早川千絵監督の長編監督第2作

1980年代後半、ガン闘病中の父と母と暮らす11歳の少女。子供と大人の間で揺れたひと夏、さまざまな感情を知り少し大人にいなった少女の物語。

早川監督が今の時代をどう切り取ってくれるかと楽しみで観ることにしました。

タイトルのルノアールとは?

劇中で父が生きるために買ったルノワールの「少女レイーヌ」複製画からつけたタイトル。父の記憶でもいいが、これが印象派と言われる作品から時代に対する少女フキの印象と解釈。

この年頃の体験は人生に大きな影響を与える

父の死を看取るという人生最大とも言える哀しみを中心に、父と母の葛藤やバブル経済、貧富の差、援助交際、幼児虐待、マジックブームなど1980年代の社会現象を体験する少女この時代がかなり衝撃的でこの少女は今の時代をどう生きているか?「PLAN75」はこの時代の感性から生まれたのでは?と、年頃もぴったり合って少女は早川監督その人だと思いながらとても面白く作品を観ました!

監督・脚本:早川千絵、撮影:浦田秀穂、編集:アンヌ・クロッツ、音楽:レミ・ブーバル。

出演者:鈴木唯、石田ひかり、中島歩、河合優実、坂東龍汰、リリー・フランキー、Hana Hope、高梨琴乃、西原亜希、谷川昭一朗、宮下今日子、中村恩恵。

物語は

1980年代後半。11歳の少女フキは、両親と3人で郊外の家に暮らしている。ときに大人たちを戸惑わせるほどの豊かな感受性を持つ彼女は、得意の想像力を膨らませながら、自由気ままに過ごしていた。そんなフキにとって、ときどき覗き見る大人の世界は、複雑な感情が絡み合い、どこか滑稽で刺激的だった。しかし、闘病中の父と、仕事に追われる母の間にはいつしか大きな溝が生まれていき、フキの日常も否応なしに揺らいでいく。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇冒頭、フキが死んだ夢をみるシーンから物語が始まる。

父(リリー・フランキー)の入院に備え、父の指示でフキは泣き叫び赤ちゃん、や供たちの顔が載った雑誌をシュレッダーで裁断、他の雑誌などと共にゴミ捨て場に捨てた。金魚に餌をやりながら、「沖田フキちゃんは何者かに首を締められなくなった。今葬儀が行われ、同級生の皆が泣いている。自分のために泣いているのか?私も泣いた。目が覚めたら夢でよかった」という報道される作文を考えていた。

フキはびっくりするほどの、これを感性というか、なんともユニークな子。泣き叫ぶ赤ちゃんや子供たちの顔は後に出てきますが幼児虐待の写真で1980年代に現れた現象

〇父の入院、フキの作文で校長から母が事情聴取された

父・圭司の容態が急変。フキは母(石田ひかり)の指示で父の衣類を準備した。母は父を救急車で病院へ送り出し、「もう限界で最後まで病院でお願いします。私は仕事があります」と電話しているのをフキは耳にした。

フキは授業で作文を発表した

担任先生が「ユニークな作文、すばらしい」と褒めたが、校長先生から「孤児になったみたで、何がありました」と母が呼び出された。母は「何もありません」と答えた。

帰宅時「勝手に親を殺すな!」とフキを叱った。でもフキに詫びれる気配もない!(笑)

母は帰宅し「仕事があるので忙しい」と病院に電話。フキが病室を訪れた。父は食事中だった。その間、フキは父が長生きするようにと長いリボンを窓に吊るした

英語の時間。外人の先生から「夏休み何をしますか?」と聞かれ「海に行きたい」と答えた。

〇フキはTVを観て超能力に嵌まった

ユリ・ゲラーなってのがいたな。フキはTVでヴェリー・マイコラスのマジックパワーを見て、これに嵌まった。確かに眼鏡が浮いていた!(笑)

フキは病院の父を尋ね、父にしっかり念を送ってトランプカード当てゲームを試した。父が見事に当てた。フキは失敗して悔しがった。

母は父の介護で気が荒くなり部下に辛く当たるようになった。

フキは知らないことだが、母は管理職から平職に降ろされ、ヒューマンスキルが上達する研修会に参加を命じられた。

フキはマジックパワーをクラスメートの千尋に験すことにした

フキは千尋(高梨琴乃)の三つ組髪を誉めたことで仲良しになり、千尋の家に招かれた。

千尋の家はとても豪華だった!

お母さんがケーキを出してくれた。フキは美味しいと食べるが千尋が「拙い!」と言った。おかあさんが「直ぐ買ってくる」とケーキを取り上げた。フキはもうびっくりした。ふたりはベールを被りランプに灯を入れしっかり雰囲気を作ってカード当てマジックに挑んだ。(笑)

〇フキかマジックパワーを伯母?に請われて試すことにした

伯母の北久理子(河合優実)8階の自宅マンションで待ってくれていた。カーテンを閉めて、フキは振り子で「深く落ちていきましょう」と伯母に催眠を掛けた。伯母は亡くなった旦那さんのことを語り始めた

「前の晩喧嘩をして、次の朝、旦那さんが出たあと鍵をして映画を観に出掛けた。ところが旦那さんは忘れ物があって戻って来て、鍵がないのでいつも開けている窓から入ろうとして落ちた」という。「喧嘩の切っ掛けは旦那さんのビデオを見たこと。ビデオには小さな子供ばっかりが泣いているもので理解出来なかった。なぜこんなビデオが出回り誰が観るのかと。あんなものを観なかったら気持ち悪いと思わなかったのに」と話した。フキは「お終い!」とポンと手を叩いた。

〇フキと千尋は資料館で原爆のアニメを観た

「助って!水をください」「髪の毛が全部抜けて・・・」の語りを聞いて千尋が気分を悪くした。フキは千尋に付き添って千尋の家に戻った。         

千尋のお母さんから「フキちゃんはあんなの観ても平気?」と聞かれ、「ハイ」と答えると「これからはおばちゃんに相談して」と靴下をプレゼントしてくれ、汚れたフキの靴下をビニールに包んで渡された。

千尋のお母さんが買い物に出て行った。フキが洗面所で小箱を見つけ、開けると千尋のお母さんと男性が一緒に撮った何枚もの写真が入っていた。

次の日、フキは千尋に気づかれないよう、洗面所に行かせ千尋のお母さんと男性の写真を見せ、その反応を試した。千尋は反応しなかった。千尋は知っていると思った。

〇夏休みがやってきた

フキが帰宅し郵便受けを覗くと伝言ダイヤルの案内状が入っていた。フキは案内状の電話番号に電話した。

「関東地方に住んでいる20歳です。誰かとお話がしたい」「女子高性のユミです・・」と電話してきた。フキはこんなもんかと電話を切った。

フキは児童館で千尋に会った

千尋が「青森のお婆ちゃんの家に引っ越す」と言ってヘアバンドをプレゼントしてくれた。フキは紙で作ったブローチを渡したがちょっと恥ずかしい気分だった。フキは千尋の父と母が別れたことを知った。

〇父の病室が変った。そして謎のガン治療薬を使うことになった

母が「会社の人が呼べる」と病室を替えた(以前は合い部屋で、患者が亡くなるとそれを悼む声が聞こえた)。父は健康食品取引をしている奥さんに頼んでガンに効く薬を使うことにした。御前崎(中島歩)という男が病室に薬を届にやってきた。御前崎が「薬をよく知っていて、ガンは告知されないですよね」と父に効いた。母が「薬の名前、自分で調べたんです」と親しそうに答えた。フキはこの会話を聞いていた。

母はフキを連れ、御前崎とファミレスで食事をした

母は出された料理を「温めて!」とウエイターに求めた。フキが御前崎の顔をじろじろ見るので、「おじさんの顔が面白いか」と聞かれた。フキは緊張して「いいえ」の振りをした。ファミレスを出るとき母はフキに万華鏡を買い与えた。ふたりはフキを置いてさっさと店を出る。フキは御前崎が捨てたタバコを拾った

母は伊勢崎を家に連れてきた。御前崎はソファに寝ていた。フキはタバコと御前崎の指を糸で繋ぎ、これが切れることを祈って引っ張った。 何のお呪いか?(笑)       

フキは伝言ダイアルに電話したが掛からなかった。(笑)

母は易者に手相を見てもらった

「恋している。苦労が愛ある多き人生、よく頑張った。自分への御褒美と思ってよい」といわれた。母にはこの言葉が慰めになっていた。

会社の人が父の見舞にやってきた。

父は「これ直しておいた!」と企画書を渡していた。会社の人は「入院しているときぐらい休んでください」と言った。父は「アメリカのいい薬がある、日本の医療じゃダメらしい」と話していた。会社の人は父の部屋を出ると「大分悪い!空気の読めない人だ。復帰は無理」と言った。フキはそれを聞き、大人の会話の不思議を感じた。

父は担当医を捕まえ薬の話をしたいがなかなか捕まらない。看護師さんにその資料を渡した。

フキに伝言ダイヤルから連絡が入った

大学で研究しているという男からだった。やさしい声で「可愛いね、人の心を知る学問をしている。フキちゃん悲しいことするだろう。どういう時かな、どういう行動を採るかなと研究している。動物は何が好き?」とうきた。フキは馬、山羊の鳴き声を聞かせた。

〇夏休みのサマーキャンプに参加

1970年半頃から盛んになった小学校行事。フキは野外で料理を作り、キャンプファイヤーを囲んで皆と踊った。

父はまだ病院内を歩けるが、やせ細った。

〇伊勢崎の相棒女が不倫をネタに母を脅しにやって来た。

フキは“15才の女の子の事件”をTVで見ていた。母が「暑い!暑い!あんた捜して!」という。フキは冷蔵庫を探しアイスキャンディーを見つけた。そこにピンポンと来客があった。フキが出て「金井さん」と母に知らせた。母はフキに「外で遊んで!」と言った。母がこの女性に対応していた。

女性は「ご主人に沢山うちの商品買ってもらって。主人は困っている人がいると助けたくなる。前の人は自殺未遂で大変でした。またそんなことしたら嫌ですよね」と母に因縁をつけた。母がどう対処したかは分からない。が、外に出たフキは自転車に乗り駐車中の車の周りをぐるぐる回り、車の中の御前崎を威嚇した。(笑)フキは不倫という罪を知ってか知らずか母を守るための行動を採った

〇父は生きる努力を始めた。

ルノワールの「少女レイーヌ」複製画を100万円で買った

病院で絵の展示販売があった。父は「みんなこの絵で命拾いしている。100万円で命が助かれば安いもんでせしょう」と勧められ買った。フキが販売員に「絵の女性は何ですか?」と聞くと「レイーヌという貴族のお嬢さんだ」と教えてくれた。この絵を父の部屋に飾った。この絵はパ父にワーを与えるかと、フキは絵に鏡で光を当てその光を髭を剃る父の顔に光を当てた。

父はフキと一緒に気功に参加。

フキは父の競馬賭けに付き合った

危ない歩きの父と競馬場までの河沿いの道を歩いた。途中、男の子たちに会うと隠れた。(笑)競馬場に着くと父がイカ焼きを買ってくれる。父が掛けに負けて塞ぎ込んでいると後ろから蹴飛ばすふりで嘲る男がいた。フキはこの男の後ろに回り蹴り上げた!(笑)

父が金を落としたというのでタクシーで自宅に帰り母が支払った。

父はテーブルに伏って、夕食を食べない。

母が領収書を見て「これは何?100万円よ、治るわけがない」と父に文句を言った。父は「黙ってくれ!」とテーブルに伏っていた。フキは何も言わず馬の絵を描いていた。(笑)フキは父の生きる努力が分かっていた。父が自分の部屋に入り、ロッカーに母の礼服があるのを見た。

 夜半、母が台所に水を飲みにきて、夫とフキが消えていることに気付いた

〇父の死、

母が病院に駆け付けるとフキが居た。母は「フキだけ呼んだの、大変だったね」とフキに言葉を掛けた。父は寝たままで反応がない。母が食器など処分を始めた

フキは家に戻り伝言ダイヤルで大学の研究者という男に電話した

男は「フキちゃんの心を知りたい、会ってくれ」と言った。フキは落ち合う場所を聞いた。

フキはおめかしをして神社で男に会った。男は電車で自宅にフキを案内した。家に入ると暗い部屋でフキはソファーに座った。男がジュースを出し、フキの横に座り「力抜いて!」と近づいてきた。男が「口が臭い!」と笑い、フキを風呂場に誘い歯磨きを始めた。そこにピンポンと女性が大きなスーツケースを持って家に入って来た。女性が「マレーシア、あっという間よ。あなたも行ってみたら」と話し、着替えて庭に出て水を播き始めた。フキは風呂の中で寝ていた。(笑)男はフキを起こし裏口から「帰れ!」と促がした。

フキは徒歩で帰った。

トンネルの中では手を叩き馬の鳴き声を出した。河に添う道を通って、父と来た競馬場を訪れた。誰もいなかった。通り去る馬が挨拶してくれた。夜、鵜飼漁を見た。深夜、橋の上で寝ていると男性に起こされ、背負って自宅に連れてきて、タオルで髪を拭いてもらった。フキはきれいな女の子になっていた

フキが病院に戻った

母は何も言わなかった。ベッドに父はいなくなっていた。フキはカーテンを開け、長いリボンを外し自分の身体に巻つけ父を感じた。母は部屋を整頓した。

フキは母とファミレスに入った

テーブルにつくと母が「これを枕に寝たら」とバスタオルを出した。ふたりはこれに顔を伏せ寝た。家にもどって自室に「少女レイーヌ」複製画を掲げた。

登校すると英語の先生から「休み中、何かありましたが」と聞かれた

フキは葬式の英語表現を聞いて、英語で「父のお葬式」と答えた。フキの夏休みの印象は父の死だった。先生が「私の父は中学の時亡くなった。フキの気持ちがよく分る」とハグし泣いてくれた。

フキと母は海辺の父の実家を訪ねた

フキは従弟たちと海でサーフボートを遊んだ。夜は浴衣を着て縁台で遊んだ。朝食を叔父と一緒に食べた。叔父は父そっくりの人でしっかり父を感じることができた。

夜は蚊帳の中で寝た

フキは起き出し外に出て叔父の家にバイバイしてクルーズ船に乗った。そこは踊る人、笑い人で溢れていた。フキは未来の自分を考えていた

帰りの電車の中

母とフキは念力を送り合ってトランプカードの当てっこゲームをしていた。

まとめ

フキは父の死に泣かなかった

その癒しを伝言ダイヤルの男に求めた。フキの悲しさがいかほどであったか、その大胆な行動に驚いた。しかし、フキには伝言ダイヤもマジックと同じ感覚だった。分からないことは試してみる。この年頃の危なさを感じるとともにその冒険心が心を作るのだと思わせてくれました。

この体験・感覚が監督が「PLAN 75」を作るモチベーションに繋がっていると思った。スピルバーグ監督の「フェイブルマンズ」(2022)にも似たような体験があったと記憶している。

 フキはひと夏に一生分の人生体験をした

1980年代という年代の変化の凄さを感じた。これは「20センチュリー・ウーマン」(2016)でも描かれている。

バブルによる富と享楽を楽しみながら、反面、人間としての堕落化した不倫、縁交や幼児虐待という事件を垣間見る。11歳のフキがこれとは無関係に野生で行動、そこで見せるフキの感性が面白い。

フキはマジックパワーを信じ久理子に催眠術を掛けて大人の幼児犯罪を聞き出し何もなかったような表情。千尋の母の行動に疑問を抱き、千尋が自分と同じ疑いを持っているかを確かめる太々しさ。反面、母に付き纏う御前崎を威嚇し、また競輪場で勝負に負けた父をけなす男を蹴飛ばす正義感。父の長命を祈って長いリボンを飾る優しさ。父の死に耐えられず伝言ダイヤルに奔る弱さこのごちゃ混ぜのフキの感情をどう理解するか?悩ましい映画体験でした

これを演じた鈴木唯の野性味があって物怖じない、時に見せる可愛さや美しさのある演技がすばらしかった。

監督は次作に、フキの印象から何をテーマに描くかと楽しみです

              ****

「ストロベリームーン 余命半年の恋」(2025)迷惑を掛ければいい!自分の好きなように恋をして!

 

余命半年と宣告された少女が、高校1年生の春に体験する一生分の恋を描いた、芥川なおの純愛小説「ストロベリームーン」を映画化。原作未読。

恋愛作品にはよくある難病もの。それでも泣けるシーンがたくさんある。だから作るんでしょうね。そして観たがる。しかしこの作品は少し違った!

難病であることを隠して恋をした主人公の悩みを、今を生きている彼女の友人や愛した相手のその後を考え、彼女はどう生きるべきであったかを考える作品

原作は中高生大号泣必至の1冊と言われているようですが、映画ではもうちょっと大きな視点でとらえた作品になっている。泣くシーンが無くても泣ける作品、これがよかった

主人公の恋愛は身勝手のようの思えるが、大きな世界感の中で見たら「迷惑を掛ければいい!自分の好きなように生きて!」という結末。NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」や映画「余命10年」など数々のヒット作を手がけてきた岡田惠和さんの脚本が光る作品になっています。

監督:酒井麻衣、原作:芥川なお、脚本:岡田惠和、撮影:市橋織江、編集:和田剛、音楽:富貴晴美、主題歌:ORANGE RANGE。;

出演者:當真あみ、齋藤潤、杉野遥亮、中条あやみ、池端杏慈、黒崎煌代、吉澤要人、伊藤健太郎、泉澤祐希、黒島結菜、池津祥子、橋本じゅん、田中麗奈、ユースケ・サンタマリア。

物語は

病弱な体のため、学校にも通えず毎日ひとり家の中で過ごしてきた桜井萌。そんな彼女の密かな夢は、自分の誕生日に好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという、6月の満月 「ストロベリームーン」を見ることだった。

15歳の冬、医師から余命が残りわずかであることを宣告された萌は、夢をかなえるために「運命の相手」を見つけようと心に決め、高校に通うことを決意する。入学式の日、萌は出会ったばかりの同級生・佐藤日向に突然告白し、人生初の「お付き合い」をスタートさせる。

互いの距離を少しずつ縮めていく萌と日向は、萌の誕生日である6月4日に「ストロベリームーン」を見に行く。しかし、その日を境に萌は学校から姿を消し、日向は萌と連絡が取れなくなってしまう。(映画COMより)


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あらすじ&感想、

〇29歳になった萌の彼氏・日向と萌の友人・麗の今

日向は自宅稼業の醤油屋を手伝いながら小学校の先生をやっている。一方、麗は婦人警官になった。ふたりは独身。麗は萌を失くした日向を気遣ってこの街にいるがそろそろ引越しを考えている。日向は夕焼け空を見て萌を思い出している。

現在の日向と麗の生き方を加え、あの頃の萌と日向の恋の行方が描かれる。ここが原作と異なるのではないでしょうか。

〇萌は疾病のため不登校だった。麗と友達になったのは、中学生の時だった。

2003年4月7日、小学校入学時、萌の疾病が発覚、以降父や母の力を借り、オンライン授業を受けていた。中学生となり友達が欲しいと思うようになり、これを察した母の美代子(田中麗奈)が萌の好物“唐揚げ”をデリバリーしてくれる唐揚げ店の娘で同年齢の麗(池端杏慈)に頼んだだのがふたりの出会いだった。

ふたりは出会ってお互いに気に入り、萌は「麗と恋ばなしたい」と図鑑で調べて“ストロべりームーン”を知り“この日まで生きたい”を考えるようになった。

萌は車で通院時、母親と離れ横断歩道を渡れない子を世話する中学生を見て“高校に行きたい”を母に相談すると、母は賛成した。お医者さんからも許可が出た。

〇萌が高校入学時、日向との出会い、「付き合って!」と申し出た。

萌は“入学式はしんどい”と出ることなく誰もいない教室で皆が式を終えて戻ってくるのを待っていた。教室にやってくる男子生徒を見て「この人がいい」と思った。「醤油造りを手伝って、遅れた」と日向が入って来た。萌は「中学はどちらですか?私は自己中です。(笑)夢はなんですか?」と話し掛けた。日向は「稼業の醤油造りを継ぐか先生になりたいが両方はダメかな」と言う。萌は「両方やったらいい。私と付き合ってください」と願い出た。

麗に日向との出会いを話すと「中学校が一緒で私の親友、なんでそんなに焦るの?」と言う。「私は病弱。予想より悪くなっている。半年もたないかも知れない。人生の一番の夢を達成したい。日向君には言わないで」と秘密を教えた。

これを聞いた父・康介(ユースケ・サンタマリア)は心配したが「まあいいか!」と母を加え、三人で踊った!(笑)

麗は日向に「好きでないのに付き合えとは言わないが何かあったらぶっ飛ばす」と注意した。(笑)

〇萌は日向から呼び出され、付き合いを断わられた

日向は「萌さんはびっくりするほど素敵な人です。しかし、僕は自分が好きでなく魅力のないつまらない男ですから」と断わった。萌は「ふさわしくないというのはなんで分るの、私を好きだと思うなら諦めないで欲しいせっかくの人生を諦めるのですか。人は好きでないことなんか一杯ある。少しでも好きだと思うなら諦めないで欲しい。ずっと好きというのは無理、時間がないんです。振られてもいい、すいませんでした」と謝った。

日向は「付き合うとはどういうことか分からないが、僕で良かったらお願いします」と断わりを撤回した。

〇萌は麗から、日向は友人からアドバイスを受けながら、交際を始めた

音楽を聞く、デートする、手紙を書く、花火をする、ゲームと逢瀬を続け手を握るようになっていった。日向は萌に「夢は何か?」と聞いたが答えてくれなかった。

そんな中で萌は父と母と一緒に墓地候補地を見学した

抽選会の日、父が抽選会に参加。母は萌を学校へ送り、父の返事を待っていた。父が「萌の希望通りの墓地が当たった」と母は知らせた。母はこれを聞いて泣いた。萌は教室までの階段を上るのがきつかった

日向は母を葬儀の日の萌のことを思い出していた

日向は会葬者に「悲しいからと悲しい顔をするのはもったいない。母が死んでもまた会えますから」と挨拶した。そこに萌が居たことを思いだした。

萌は容態悪化したため麗に「日向と付き合っていいのか?」と相談した。

萌は「日向君に悪いことをしている、私は2年生になったら居ない」と相談すると「私が許す!そこを考えなくてよい、恋を楽しんで!」と答えた。

萌は日向に“ストロベリームーン”を一緒に観たい」と申し入れた

萌は「いちごの収穫時、満月はピンクに見える。一緒に見たい。今年は私の誕生日。望月瑚で見たい。夜外出したことはない。親には言いたくない」と説明した。日向はこれを受け入れた。

〇萌と日向は“ストロベリームーン”を楽しんだ!

ふたりは麗ら友人に見送られてバスで望月湖へ発った。日向はバスから“向日葵畑“を見て「花言葉は”変わらぬ思い“だ、夏になった見に来よう」と約束した。

湖につき、河畔で日が落ちるのを待った。曇りだった。萌は「好きな人と見ると永遠に結ばれるの。しかし曇っているから」と話していると、月が出た!萌が「消えないで」と湖水に入って行く。日向も入った。ふたりは手に湖水を掬うとそこに月が写っていた。萌は「日向君ありがとう、幸せになるね!」と話した。

父母が心配しているところに萌が帰宅したが、父母は何も言わなかった。萌は自室に入り泣いた

〇次の日から萌の姿が学校から消えた

あの日から2週間経っても、萌が学校に出て来なかった。日向は友達たちから「振られたんだよ」と揶揄われる。麗に聞くと「親友との約束だから言えない」と教えてくれない。

萌は自宅で酸素呼吸しながら静養中だった

麗が「日向が心配している、キスしたの?」と聞いた。「なかった、日向君がこれから生きることを思うと申し訳なく、これから出会う人のためにしなかった」と答えた。麗は「日向が可哀想だ」と言って、帰っていった。

日向はどうしても萌に会いたくて、萌の自宅を訪ねた。

父親の康介から強く拒否された。日向が帰ったあと、康介は「萌の気持ち優先でこうしているが、本当にこれが正しいのか?1回ぐらい裏切りたい気分だ」と呟いた。

自転車での帰り道、日向は「嘘だ!」と泣いた。「出来ることがあるはずだ!」と考えていて田圃に落ちた。(笑)

日向は友人たちの力を借りで、リヤカーで〇〇を萌に届けることにした

そのころ、麗は萌に日向に会うことを勧めていた。。

麗は「何で日向に会わない!そのまま死ぬの、これまで全部好きだったけど自分勝手すぎる。迷惑を掛ければいい!自分の好きにやってよ」と日向に会うことを説いていた。「ちょっと窓の外を見てよ!」と萌に勧めた。

萌が窓から外を見ると、そこは向日葵が一杯の庭になっていた。その真ん中に日向はいて手を振っていた(向日葵の花言葉は?)。

萌の部屋でふたりは話し合った

萌は日向に「すぐ死ぬのが分かって恋して自分勝手で巻き込んでしまった」と謝った。日向は「それは違う、入学式より前に会っているんだ。お母さんが亡くなった日。君がお父さんとお母さんに“一緒に居られなくなっても愛が変らない。私はお父さんとお母さんの子で遠距離家族になるだけ”と話していたのを聞いた。君が抱えた悩みは分かってはいなかったが、すごく恰好良いと思っていた。悲しいから悲しむのではなく出来ることをしようという言葉のお陰で乗り越えてきた。入学式のときには言えなかった、ちゃんと言う」と「好きです」と告白した。萌が「ハグして!」と言うので日向は抱いた。萌からキスした。

〇萌の症状が急変し、病院で亡くなった

麗、日向も萌の元に駆けつけた。しかし、日向は到着したとき萌のバイタルシグナルは消えていた。日向は泣いた。

〇14年後の萌の命日、日向が萌の墓に着くと麗が先にいた

日向は「先を越された」と悔しがった。麗は「いってくるね」と日向に伝え帰宅するとポストに萌からの郵便が入っていた。

萌が生前郵便局が企画した「未来への手紙」に参加し書いたものだった。

「驚いた!29歳の麗へ。教えなかったが一番の夢は“親友を持つこと”だった。麗に会えてよかった。麗の幸せを祈っています。もう1通、麗に託します。今、付き合っている人がいるなら渡さなくていい。未来を変えることを頼んで申し訳ありません」と書かれていた。

麗はもう1通、日向宛ての手紙を彼に渡し「じゃ行くね」と車で出発した

日向はこの手紙を教室で読んだ。

「お元気ですか!夢を叶えていますか?入学式ではびっくりさせてごめんなさい。医者から半年しか生きれないと言われた日でした。横断歩道で小さな子を守る日向君に恋をしました。あなたはヒーローでした。素直で真っ直ぐで幸せくれてありがとう。本当にうれしい、忘れて欲しくない。もっと一緒に居たかった。それが出来ない人を忘れないで人生を楽しんでください。いやなことがあったら思い出してください、こんなにあなたを好きになった女がいたことを。ずっと応援しています。新しい恋を応援します。ずっと幸せでありますように!」と書かれていた。日向は読んで涙ぐんだ。教室の外には沢山の向日葵が植えられていた。

まとめ

一番泣けるのは29歳になった日向に送られて来た萌の手紙“未来の手紙”のシーン

“命は繋がっている”と実感でき愛し合ってよかったと思える手紙でしたあの時が悲しい思い出では先に生きる意欲がなくなります。萌は余命が僅かなことを云わず恋したことを悔いていたが、麗の「迷惑を掛ければいい!自分の好きにやってよ」の言葉に励まされ、最期の日まで日向と過ごすことが出来た人生に短かったかもしれないが最高の幸せを得た

萌の悲しい恋の物語でなく、生きることのすばらしさを説く物語でした

萌が苦しむ、悲しむシーンなんてほとんどない。が、泣ける岡田惠和さんの脚本、セリフのすばらしさです

當真あみと齋藤潤の青春コンビ、爽やか、真面目、純粋が一杯の演技、これがすばらしかった。

                                                        ****

「愛はステロイド」(2024)ノワール、ラブストーリー、スリラー、ユーモアで訴えるDV男の末路!

 

タイトル?で観ることにしました。実はこの作品A24作品と知って驚きました!

「スペンサー ダイアナの決意」のクリステン・スチュワートと、「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」などに出演した元ボディビル選手の俳優ケイティ・オブライアンが共演したクィア・ロマンス・スリラー。

クイア・ロマンス・スリラーなんて案内を見たことがない。(笑) ケイティ・オブライアンが出演だからこうなりますね!(笑)そんな作品にクリステン・スチュワートが主演で登場、まさかと思いました。(笑)

ノワール、ラブストーリー、スリラー、ユーモアなど多様なジャンルを横断しながら、大胆で示唆に富んだストーリーテリングと刺激的な演出で描き出すと案内。

いやいや面白かった。背景にはしっかりしたテーマがありA24らしい作品でした

邦題は作品の本質を見抜いてない、原題のLove Lies Bleedingを直訳したほうがいい

巨人軍の阿部監督が娘さんの訴えでDV罪で逮捕された事件、ことの真相は分りませんが、本作を観てこの事件を思い出しました。この種の事件は無くならない!との警告だと思います。

監督:ローズ・グラス、脚本:ローズ・グラス ベロニカ・トフィウスカ、撮影:ベン・フォーデスマン、編集:マーク・タウンズ、音楽:クリント・マンセル。

出演者:クリステン・スチュワート、ケイティ・オブライアン、ジェナ・マローン、アンナ・バリシニコフ、デイブ・フランコ、エド・ハリス、他。

物語は

1989年。トレーニングジムで働くルー(クリステン・スチュワート)は、自分の夢をかなえるためラスベガスへ向かう野心家のボディビルダー、ジャッキー(ケイティ・オブライアン)と運命的な出会いを果たし恋に落ちる。しかしルーは、街の裏社会を仕切り凶悪な犯罪を繰り返す父親や、夫からDVを受けている姉など、家族にさまざまな問題を抱えていた。そんなルーをかばおうとするジャッキーは、思いもよらない犯罪網へと引きずりこまれていく。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇ルー&ジャッキー、

レーダージムの管理人ルーがトイレが詰まり掃除中、そこにレズの相手・テイジー(アンナ・バリシニコフ)が「よかったらどう?ウインスキーで待つ」と顔を見せた。ベスは「今日はダメ」と断わった。テイジーは「可哀想に、お姉さんの世話ばっかりだね、少しぐらいは遊びなよ」と身体を摺り寄せてきた。「また今度ね!」と断わった。

カーセックス中のジャッキー

ジャッキーは声を上げて答え、「仕事は?」と相手の男に聞いた。男は「明日、(射撃場)来い!寝場所は注意しろ」と去って行った。

翌朝、ヘビースモーカーのルーは禁煙CMを聞きながら姉のベスのところによって、子供を学校に送る。(姉の夫JJが昨夜のジャッキーの相手の男だった

ジャッキーはJJの紹介で射場経営者でルーの父親ルー・シニア(エド・ハリス)に会った。ルー・シニアは虫を握り潰すのが趣味の男。シニアはジャッキーの身体を見て会員証を発行した。ジャッキーはここの売店で働くことが決まった。

〇ジャッキーはリーのジムでトレーニングを始め、これを契機に愛を深めていった!

ルーは番台からジャッキーの筋肉を見て、気に入りずっと見続けていた。「FBIだ、ラングストンの娘か?お母さんどこだ?」と聞かれても無視。FBIは「電話くれ!」と名刺を渡して帰った。名刺にはオライリーとあった。ルーは「閉館です!」とジムの照明を落とした。

ルーがジムの外でタバコを喫っていると、そこにジャッキーが・・・。

ふたりでタバコを喫った。ルーが「出来上がってるね、筋肉線が普通じゃない」と褒めた。そこにジム帰りの男たちが「ルーは筋金入りのレズだ」と絡んできた。ジャッキーが男に手を出し殴合って負傷した。

ルーはジムに戻り、ジャッキーをリングに上げて傷を治療した。ジャッキーが「オクラホマからヒッチハイクできた。来月ラスベガスで開かれるボディビル大会で優勝を狙ってる」と話す。ルーが「あんたの身体で試してみよう」とステロイド150mgをお尻に打った。これが効いたか「ノンケの思い出作るではないよ」とルーがジャッキーにキス、その後ベッドでふたりは結ばれた。

朝、ルーが食事を作った。ジャッキーが「町外れの射場で働く」というのでルーは「親父の経営だから止めとけ、私のところに泊まれ」と勧めた。ジャッキーは「給料がいいから」と射場で働き、ここに泊まることにした。ルーは“マッチョと尻軽女”を読み、闇でステロイドを手に入れ、ジャッキーとの関係は一層深いものに立って行った。

ルーはジャッキーのトレーニングを支えるながら「父はメキシコへ銃の密輸をやっいてる。母は12年前に出ていったきり行方不明」と話すとジャッキーは「別の仕事探そうか?」という。

一方、ルー・シニアはジャッキーのトレーニング姿が気に入り拳銃の撃ち方を教え始めた

ジャッキーがルーに「ベガスに来て優勝を見届けて欲しい。その後、カリフォルニアへ行く。トレーナーになってよ!海辺に部屋を借りて毎日泳いでクラス」と持ち掛けた。ルーは「ここを出たことがない」と話すと「出よう!」と強く勧めた。

〇ルーはダイナーでベス夫婦にジャッキーを紹介した

ベスはジャッキーの身体に驚いた。JJはバツが悪そうに沈黙。料理が運ばれ、ベスが取り損ねJJの膝に落とした。JJが激しくベスを叱責し、トイレに立った。ルーがJJを追い「今度手荒な真似したらぶっ殺す!」と抗議した。JJが「お前の女、この街に来た夜会った。車の中に連れ込みやった。仕事を紹介しろと必死でさ!」と嘲った。ルーはショックを受けた。

ジャッキーはダイナーからの帰り、ルーにJJと寝たことを告白した

ジャッキーは「行きずりだし、あんたと会う前だし、男も好きだ」と告白した。ルーは「あんな男とよくやれるね。ベスは殴られ洗脳されているから私がついている。あのふたりはずっとあんな感じ。警察は動かないし、ベスも訴えない。今まで言わなかったのは悪かった」と詫びた。ジャッキーも「ホラーの話なら山ほどある」と謝った。ルーは「JJは殺してやりた」と訴えた。この喧嘩でふたりの関係はさらに深いものになって行った。

〇ベスが顔面を潰され入院した

ルーとジャッキーが病院に駆け付けた。JJが犯人と思われるが警察は何も言わない。そこにルー・シニアがやってきた。シニアは「JJはおいおい始末する。しかし、ベスが悲しむ。ベスの気持ちを大切にする」と曖昧な態度を示し、ベスの顔を撫でて帰って行った。ルーは泣いた!それを見たジャッキーの筋肉が動いた

〇夜、ジャックーはルーを病院に残しベスのアパートを尋ねた。JJと格闘の末、殺害した

ルーは「ここにいても仕方ないよ」とベスに起こされ、帰宅途中、ベスのアパートに立ち寄った。そこで見たのは顔を潰されたJJの遺体と息絶え絶えのジャッキーだった

ルーは「いい場所がある」と砂漠にある地隙にJJの遺体を車ごと捨てることにした。ルーはJJの遺体を自分の車(ハーフトラック)に乗せ、JJの車をジャッキーが運転し、現地に出発した。途中でテイジーに会った。「明日、ウインキーに行こう」と騙して現地に急いだ。ルーはJJを彼の車に乗せ地隙に落とし、火炎びんを投げ込み焼却した。ルーはリルー・シニアがこのことを知ったら激高すると思った。

〇ルーはジャッキーによるJJ殺害証拠を消すことにした

朝、ルーはジャッキーに「ベスの家の証拠を完全に消してくる。警察はベスの関係者に容疑を向ける。だからここで待っていて。夕方にはラスベガスに着ける」とジャッキーを部屋に閉じ込め、ベスの家に向かった。

ルーはJJ放棄場所から煙が上がるのを確認しベスの家の清掃を始めた。

飛散った血痕を洗い落とした。ところがソファーに録音マイクが仕込んであることに気付いた。

一方、ジャッキーはアパートを抜け出しジムでステロイドを打って、鏡に映しながらボディビルのトレーニングを始めた。

清掃中のルーのこころに、ルー・シニアが部下と一緒に現れた。ルーはロッカーの中に身を隠した。ルー・シニアは何も見つけることなく去って行った。

FBIが砂漠の煙に異変を感じ調査に乗り出した(ニュース)

FBIがルー・シニアのところにJJの車番を確認にきた。シニアは「何のために金払っている!」と追い返した。(笑)

ルーが帰宅するとジャッキーが消えていた

そこにジャッキーが戻って来た。ルーはジャッキーの身体を見て「何本打った?」と怒った。ジャッキーは「私を閉じ込めた」とルーを殴って、荷物を持って外に出て、車を拾ってラスベガスに向かった

病院でベスの誕生会が持たれた

ベスはJJがいないことを気にする。ルーは「帰ってくる」と慰めた。ルー・シニアが「姉思いもいいが次からはやり方を注意しろ!JJが見つかった、マイクからの調査からだ。火を点けて燃やしたら見つかる、お前バカか」とルーを罵倒した。そこにFBIがやってきてベスに告げた。ベスは泣き崩れた。

〇ジャッキーがボディビル大会に出場、思わぬトラブルを起こした

ジャッキーは自信たっぷりだった。ステロイドを打って準備した。審査員の厳重な審査を得て舞台に立った。「ジャッキーの勝ち!」というルーの叫び声が聞こえ、シャッキーは堂々とその肉体美を披露した。ここは、ケイティ・オブライアンの見せ場、すばらしい筋肉美だ!

突然、JJの死顔が浮かびジャッキーが吐いた。それを幕間で見る競争相手が「デブ、食べすぎ!」と笑った。ジャッキーは彼らに飛び付き殴った。ジャッキーは警察に取り押さえられ拘置所に送られた

〇ルー・シニアが拘置所のジャッキーを引取った

ジャッキーはルー・シニアが渡した会員証の電話番号にしか連絡出来なかった。リー・シニアは「安心しろ!全て部下に処分させる。事情も知らないで人を殺すな」と引き取った。ジャッキーは「ルーは人を殺してない」と言った。

ジャッキーはルー・シニアから指示を受け、ルーのアパートに向かった。

〇ルーはラスベガスへ出発しようとしてデイジーに呼び止められた

テイジーが「聞きたいことがある。あの夜、ルーがJJの車、私は乗ったことがある、ムキムキ女があんたの車で、何があったの?警察に喋る」と言い出した。ルーはテイジーをダイナーに誘って酒を飲ませ家に送った。

ルーは「あなたがシャベルと私が事件に引き込まれる」と懸命に説得に努め納得させた。「今からラスベガスに」行く!」とドアを開けるとジャッキーが駆け込み拳銃でテイジーを撃った

ルーは「違う、彼女はそんなんでないよ!」と叫んだ。ジャッキーはルーに拳銃を向けたが撃てず、ルー・シニアの部下の車で逃げた。ルー・シニアに「ルーがいた」と電話した。

ジャッキーはオクラホマの母に電話した。母から「二度と返ってくるな」と怒鳴られた。

〇ルーはデイジーをマットで巻いたところにFBIがやってきた。

ルーはテイジーを隠し、FBIを家に入れた。FBIはふたりだった。ひとりは家内を捜索、もうひとりのFBIから尋問を受けた。

ルーはFBIから「君のお父さんをずっと追っている情報提供者が次々と消える。JJは最後の情報源だったが死んだ。お父さんはそれに気づいていたか?君のママも夫について相談があると警察に連絡があり消えた」と聞かれた。

ルーは父親に殴られ、ずっと支配されていることを思い出した

そこにルー・シニアから電話が掛かって来た

遊びは終わりだ。お前の不利な証人は消した。感謝したいか?お前が殺人2件で警察に捕まったら困る。何も警察に喋るな!俺に濡れ衣着せてどうする」と電話してきた。ルーは「ジャッキーを解放しないとFBIに何もかも話す」と話し電話を切った。FBIは帰っていった

ルー・シニアは地団駄踏んで悔しがりルーに刺客を向けた。ルーは拳銃をめくら撃ちし追い返した。

〇ルーはテイジーを車に乗せ、ジャッキー救出にルー・シニアの家に向かった

ルーが家に入ると祖母が出てきた。祖母は「何をした!」と怒鳴った。「姉さんを殺されないようによ」と言うと「あんたは愛というものが分かってない」と怒る。ルーは「あんたは大バカ、彼女はどこ?正直に話せ!」と脅した。「あの怪物はテニスコートを愛している」と教えた。

ジャッキーは猿ぐつわを噛まされ手に鎖が掛けられてテニスコートに転がっていた

ルーは猿ぐつわを外し「逃げよう!」と誘った。ジャッキーは不器用に拳銃を向けてきた。ルーが「それなんなの?愛しているよ」と言うと「嘘つかないで!」と1発発砲し「一晩も待てず浮気した!」と怒った。「あれはあんたのためよ。あんたを売る気ならとっくに警察に話している。テイジーの死体は私が始末する。あんたを守る」と説得した。ジャッキーは「人を殺した、どうしたらいい」と座り込んだ。ルーは「あんたはどこもおかしくない。今まで会った中で一番きれい。JJは自業自得、テイジーはパパの命令でやった。あいつが悪い。この先の道路で待っていて。直ぐにFBIが来る。私はやることがある」と歩き出した。そこにルー・シニアが「この恩知らず」と拳銃を持って現れた。ルーは「FBIに全部話した初めて正しいことをした。あんたは口封じに母を殺した」と父に罪を宣告した。

巨人になったジャッキーがルー・シニアを虫けらのように押さえ込んだルーがその口に拳銃を入れた。引き金は引かなかった?

〇ルーとジャッキーは車で夢の国への脱走を図った

ルーは途中で車を止め、テイジーを降ろし処分した。ジャッキーは車の中で眠っていた。

まとめ

前段のルーとジャッキーの愛の物語

ルーとジャッキーの関係は暗いクイアの関係ではなく、暴力から抜け出して自由に生きようとするところにテーマがある。ちょと泣ける話になっている。クリステン・スチュワートとケイティ・オブライアンがふたりでなければ演じられない関係を美しく演じてくれます。

ラスベガスのボディビル大会、ケイティ・オブライアンが見せる筋肉美、これは必見です!

ストーリー展開がハイテンポで気持ちいい

ジャッキーによるJJ殺しから始まる後段、

ルー・シニアの生き延び作戦とルーの父への復讐の駆け引きが面白く、ミステリアスでホラー。ジャッキーがストロイド効果で巨人化しルー・シニアを虫にして捕まえるシーンは暴力男の末路として最適処置。(笑)

テイジーのアンナ・バリシニコフ、ねちねちとルーを弄る演技は最高。そしてルー・シニア役のエド・ハリスの不気味な親父演技もよかった。

ノワール、ラブストーリー、スリラー、ユーモアなどエンターテインメント作品として面白くみせながらDV暴力を訴えるテーマ性、見事でした

              ****

「旅と日々」(2025)旅で言葉を越えた驚きや美しさを知り、生きる力を貰う!

 

「夜明けのすべて」「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱が監督・脚本を手がけ、つげ義春の短編漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作に撮りあげたドラマ。

行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけに人生と向き合っていく様子を、三宅監督ならではの繊細なストーリーテリングと独特の空気感で描き出すというもの。

三宅唱監督ならではの“生きる力を貰えるだろう”と観ることにしました。河合優実出演というのも後押ししてくれました。

前半は、映画化されたつげ義春の「海辺の叙景」を監督と一緒に観た韓国人脚本家が「自分には才能がない」と不安も漏らす。後半は脚本家が「ほんやら洞のべんさん」が経営する寂れた民宿に泊まり、ベンさんと交流して書く気力を得る物語。旅によって日常では感じない、言葉を越えた驚きや美しさに生きる力を貰う結末、納得です

監督・脚本:三宅唱、原作:つげ義春、撮影:月永雄太、編集:大川景子、音楽:Hi'Spec。

出演者:シム・ウンギョン、河合優実、髙田万作、斉藤陽一郎、松浦慎一郎、足立智充、梅舟惟永、佐野史郎、堤真一。

物語は

強い日差しが降り注ぐ夏の海。浜辺にひとりたたずんでいた夏男(髙田万作)は、影のある女・渚(河合優実)と出会い、ふたりは何を語るでもなく散策する。翌日、再び浜辺で会った夏男と渚は、台風が接近し大雨が降りしきるなか、海で泳ぐのだった……。とある大学の授業で、つげ義春の漫画を原作に李(シム・ウンギョン)が脚本を書いた映画を上映している。上映後、質疑応答で学生から映画の感想を問われた李は「自分には才能がないと思った」と答える。

冬になり、李はひょんなことから雪に覆われた山奥を訪れ、おんぼろ宿にたどり着く。宿の主人・べん造(堤真一)はやる気がなく、暖房もまともな食事もない。ある夜、べん造(堤真一)は李を夜の雪の原へと連れ出す。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇李が悩みながら韓国語で書いたシーン1「浜辺のシーン」から物語が始める

「行き止まりに一台の車。後部座席で女が目を覚ます」、この映像シーンが写し出される。

後部座席に渚が眠っている。目覚めたところに男が乗り込みワイパーでフロントウインドウの火山灰を払い黒曜石が露出した山肌を抜けて青い海岸を走る。泳ぐ人、海岸でバレーボールに興ずる人、岩礁から海に飛ぶ込む人、・・・。

李が書くシーンなんて、この大自然の中では何の役にも立たない!

〇夏男は美しいビーチで本を読んでいた

水着の外国女性が写真を撮らせて欲しいと請われた。美しい波は打ち寄せる風景。人が集ってきて、夏男は居心地が悪くなりビーチを離れた。

一方、渚は山道を登り資料館を見学して海岸に至る。

ここには昔、小舟で漁を獲り生計を立てていた島の生活が写真に収められ資料として展示されている。渚はこれを見学した後、立入禁止の山道を通ってビーチに出る。途中、横穴の住宅跡地を目にする。一面の低い松林が美しい。

大きな石がゴロゴロ転がる海岸、渚はタバコを喫おうとして夏男に出合った

夏男は「4日前、親戚がこっちで来た。退屈でもひとりで来るところではない」と話し掛けた。渚は「何でいるの?こんないいところとは知らなかった。本当に生き返った!」と答えた。夏男は切り立った岬を見て「小さい頃の話、あの岬の海から子供を抱いた女性の白骨遺体が上がった。タコが喰ったんだよ」と話す。渚は「怖い悲しい話だね」と言った。

ふたりは浜辺を歩きながら、

海へと落ちるなだらかな緑の丘を見ながら、夏男は「何をやってもうまくいかない」と嘆く。渚は「自分より不幸な人はいないと思っているの?浮気したことある?」と聞いた。「浮気の定義による」と言う。(笑)渚は「ここへきてぼ~としていたら楽しくなると思ったけどね」と返した。

夜、街の灯は見える

夏男が「母親が昔、退屈が想像力を生むと言ったがそれは問題だと思っている。何も出来ないくらい忙しく生きるのはどうですか?」と聞く。渚は「おいしいものを食べるとか旅行に出て別人のふりをして過ごすとか生れ変って別の人になるとか、真剣に考えないで!」と答えた。夏男は「今のままでいい」と言った。

夏男が「ここから水平線のまでいくらある?」と聞く。渚は「4kmぐらい、その4km先を見てみたい」。夏男は「泳げば辿りつける距離だ」と言った。ふたりは明日会う約束をして別れた。

次の日、台風の影響で朝、雨が降り、波が高かった

昼、雨が上がって、渚はビーチを訪れた。夏男は誰もいない海を見ていた。大きな波が打ち寄せる。ふたりは夏男のお婆ちゃんが作ったみつ豆を食べた。

渚が「泳ぐ」と水着になり、「明日帰る」と波の高い海に入って行った。夏男には渚の水着姿は眩しかった。夏男は渚を追った。渚が浜に上がっても夏男は泳いでいた。

夏男は渚から大きな力をもらったようだが、夏男と渚の関係なんて分りようがない

〇映画「海辺の叙景」を大学ゼミで上映

映画監督と脚本を書いた李が参加し、学生の質問を受けた

最初に魚沼先生(佐野史郎)から所見を戴いた。魚沼は「頭を使うより五感を使う映画だった。非常にセクシーと言えばいいか、エロチックな官能的な映画だった」と述べた。

質問:脚本と出来上がったものが全く違うということがあるのか。

李が「始めて観たときは雨のシーンが大変だと思った」と答えた。これは誤魔化しているね。

質問:旅行の映画だから楽しい映画だと思っていたら暗いシーンが多く結構分らなかった。どうしてこうなったか。

監督が「自分は小さな島の出身者で、その島が好きでなく居場所がなくて東京に出てきた」と答えた。

李が「つげ義春の“海辺の叙景”を原作に脚本を書いた。書いて半年経ったが未だに旅について考えている。故郷を離れて以来ず~と旅の途中にいるようだ」と答えた。

質問:監督に対して“人々は分かり合えないものだ“ということを書いたと思うが、自分も映画を撮りたいと思っているので、ヒントがあれば教えて欲しい欲しい。

監督が「孤独でない人はいない。自分では純粋という気持ちで書いた」と答えた。

ゼミが終った後で、李に魚沼先生から質問があった

何か新しいものを書いているか?」と聞かれ「あまりうまくいっていません。仕事に集中できません」と応えた。教授は「いいんです。仕事なんて!吉日に旅行でもしたら」と勧められた。

魚沼先生は教室を出たところで倒れ、その後亡くなった

〇監督と李は魚沼先生の命日に先生の弟さん宅を訪ねた。

李には先生が亡くなったという実感がなかった。弟さん(佐野史郎)は陶芸家で、先生はここで焼き物を沢山残していた。「持って行きなさい」と勧められたが李は断った。すると「写真でも撮ったら!生きている実感がある、まだ生きているんだから」と先生のカメラが渡された。

〇李は脚本が書けない理由を考えていた

生きているとうまく言葉にならない出来事がある。驚きや戸惑いが自分を遠くに吹き飛ばす。だから言葉から遠いところでそのまま佇んでいたい。

しかし、いつも必ず言葉に捕まる。日常とは周囲のものや感情に名前を与える。慣れ合うことだ。初めて日本に来たときは周囲や謎や恐怖に満ちていたが、新鮮だったものや感情は今の言葉に追いつかれてしまった。

私は言葉の檻の中にいる。旅とは言葉から離れようとすることかもしれない

〇李は真っ白な雪の国へと旅に出た

李は雪溶けが始った北の国にやってきた。予約なしではホテルも旅館も侏泊できない。そこで紹介されたのが山の中にある宿だった。

夕暮れ時、この宿についた

出てきたのはおやじさんで「ひとりか」と暖炉のある部屋に通された。このおじさん、ベン造が営む宿だった。

ベン造から「仕事は?」と聞かれ、「映画やドラマの脚本を書いている」と答えた。すると「どんな物語だ?テーマやユーモアのるものを観たい。笑いばかりでは面白くない。人間の悲しさが描かれるかだ」と言う。ベン造は「俺は寝る!」と寝てしまった。(笑)

次の朝、李は起きて、雪に触れ空気を吸って生きている感覚を味わった。ベン造が朝の食事を造ってくれた。ベン造が外でなにやら木工作業を始めた。

ベン造が「脚本はまず話をつくるのか?」と聞いた

李が「ストーリーがないとどうにもならない」と答えた。ベン造が「台所を題材に書けないか?題材になったら客が一杯来てくれる」と問うた。

李はベン造の不思議なところ、兎の名前は誰がつけたや家族がやるのが普通なのになぜひとりでやる、奥の襖の絵と聞き取りを始め、「これでストーリーが浮かんでくる」と言った。ベン造が「人の家をじろじろ見るな。話せば長くなる」と言うので台所を題材にして書くのは止めた

夜、外は一面の雪景色。李は「自分はもうダメかもしれない。幸せってなんですかね?」とベン造に聞いた。「いいことが突然起きる。金持ちになることだ」と言う。「それは不吉だ。その後よくないことが起きる」と返事した。

午後8時の時計の音を聞いて、李が「新しくニシキ鯉の養殖はどうですか?」と聞く。ベン造が「大きな田圃と池を持っているところでないとダメ」と否定した。李がしつこく勧めた。するとベン造が「隣村に一杯ニシキ鯉がいる。寝ていても憂鬱になるだけだから、ここに行ってみるか」と言い出した。

〇李はベン造のニシキ鯉泥棒作戦に付き合うことにした

隣村の家に着くと男性がお経を上げる声が聞こえた。ベン造は「すごいやつがいる、これで儲けている奴がいる、見張っていてくれ」と言う。その時、屋敷の戸が開いて「お父さん」と呼ぶ声。ベン造が「こんな時間、外に出たら風邪ひくぞ!背が伸びたな、母ちゃんには内緒だ、またな」と話す。(笑)

ベン造は「前の嫁の実家だ。商売がうまく行っている。信心のお陰だと言う。お前も信心したら儲かると言われ、まずい生活している人間をバカにするおかしな家族だ。(だから別れた)」と説明した。(笑)

ベン造がニシキ鯉を一匹網ですくって、ふたりは逃げた。李がカメラを落としたことに気付き引っ返そうとしたがベン造が「雪の中では分らん」と止めた。

逃げ戻って、ベン造は「鑑賞用の鯉で金兜といい一匹何百万だ」と言い、小さな池にこの鯉を放した。李は「この雪の中で私たちは何をしたか、面白かった、久しぶりに楽しいと思った。私たちが雪の中を歩いている景色を遠くから見たらどんなにみえるのかな?鯉の味は?」と話した。

朝方、パトカーのサイレン

ふたりの警官が「ふたりの足跡があった。これが落ちていた(カメラ)」とやってきた。ベン造は警官に「お客さんを連れて、たまたま娘さんに会った」と告げられ連行されて行った。李は「何でこんなところに」と問われ、「ただなんとなく、旅行が好きです」、「温泉や美術館を見たか?」と聞かれ「川を見ただけです」と応えた。

雪山が光っていた

李はこの宿でいつの間にか眠った。長い夢だった。海の景色を見ていた。目が覚めるとすごく疲れていた。しかし、時計を見ると時間はあまり経っていなかった。夢の記憶はすぐ消える。顔を洗うと冷たい水と一緒に流れてしまった。ここで起こった奇跡のような出来事を思い出し、ノートを取り出し書き始めた。

電車は一日2本、さあ帰ろうと雪の中を歩き始めた

まとめ

李は自分が書いた脚本の映画「海辺の叙景」を観て、また先生や監督、学生の感想を聴き、「自分か書けない」と自信を失った。そこには言葉では表現できないものばかりだった

映画「海辺の叙景」で出てくる美しくて粗らしい火山が造る風景、孤独でどこか危なっかしさを持つ渚と夏男が会話や海で泳ぐ際に見せる感情など、言葉で表現することは出来なかった

李は生きている実感が得られるとカメラを持って旅に出た。

そこでベン造に出合い、そこには言葉に出来ない現実があった。李はこれに救われた。この体験が「海辺の叙景」に繋がり、書く意欲が出てきた。

前半の河合優実さんの危なっかしさ、後半のシム・ウンギョンの誠実さの演技。これがテーマの答えになるというすばらしい演技でした。

登山を嗜みますが「何故山に登るか?」という答えのない言葉はある。この問いに答えた作品のように思った。

               ****

「死霊館 最後の儀式」(2025)実話、心霊研究家ウォーレン夫妻にとっての因縁の戦い!

 

実在した心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレンの夫妻が体験した奇怪な事件の実話をもとに描いた人気ホラー「死霊館」シリーズの最終章。ウォーレン夫妻にとって最後の調査となった1986年ペンシルベニアでの事件を描く

このシリーズを観るは初めて。評判がいいのでいかなる作品なりやと観ることいしました。

怖くて震えあがるようなタイトルだが、それほどではなかった。霊感のる夫婦家族が靈に怯える家族を救うという話。いろいろな靈が現れそれを退治する話だが、夫婦や家族の絆をしっかり見せる作品で、夫妻は大変嫌がられた人物のようですが、人のために尽くすその姿には頭が下がります。実話だけに説得力のあるホラー作品でした。

 監督:マイケル・チャベス、原案:デビッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック ジェームズ・ワン、脚本:イアン・ゴールドバーグ リチャード・ナイン デビッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック ジェームズ・ワン、撮影:イーライ・ボーン、編集:エリオット・グリーンバーグ グレゴリー・プロトキン、音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ。

出演者:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、ミア・トムリンソン、ベン・ハーディ、他。

物語は

1986年、ペンシルベニア。「呪いの鏡」にまつわる謎の超常現象が次々と発生し、邪悪な存在は、ウォーレン夫妻(エド、ロレイン)の最愛の娘であり結婚を控えたジュディに狙いを定め、家族を引き裂こうとする。これまで科学や宗教の枠を超えて数々の悪霊や悪魔と対峙してきたウォーレン夫妻は、かつてない脅威に立ち向かうことになるが、その先には想像を絶する「最後の儀式」が待ち受けていた。(映画COMより)


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あらすじ&感想

引退したウォーレン夫妻は講演活動中。聴衆者から最初の心霊現象について質問され、処置が不十分で再現しこの事件が引退を決意させる事件となったと言う。

〇最初の心霊事件とは、1964年4月20日、父親の怪死事件

“何かに追われている、見える“という父親。朝になるドアが開いてバラバタ音を立てるので娘が歳のせいだろうと思ったが見に行くと首を吊って亡くなっていた。ウオーレン夫妻は調査を依頼された。霊感のあるロレイン(ベラ・ファーミガ)はこの家に特段に変ったことは見つからないが「何かを感じ、観られている。何かがいる。それが私を呼ぶ」と地下の倉庫を探した。すると大きながあり、触れるとバーンと音を発して割れ、その瞬間に霊が見えた。それは首を吊った男と胎児の姿だった。

その直後、ロレインは産気づき、エドに付き添われ病院で「何かが居る」と叫びながら女の子ジュディを出産した。仮死の状態で出産。ロレインが「生き返って!」と抱きしめ息を吹き返した。ジュディはロレインの靈氣で生かした子だった

ジュディはすくすくと育った。あるとき外で遊んでいたジュディが「怖いものが見えて居なくならない」と泣いて帰ってきた。ロレインは悪魔を追い払うお呪いを教えた。「ルーシーが財布を無くした。キティが見つけた。中にはお金が入ってなくてリボンの縁飾りだけ。あなたはここには居ない」と。そしてロレインはジュディを写真を収めたペンダントを身につけ守ることにした。

ここから心霊研究家のウオーレン家族と、超常現象が起きるスマール家族のエピソードが交互に描かれ、ウオーレン家族がスマール家族救出に向かうまでが描かれる。

〇1986年、ペンシルべニア州ウエスト・ピッツトで超常現象が発生!

スマール家は夫婦に4人の女の子、祖父母からなる8人家族。次女のヘザーが教会で堅信礼を受けた。

夜のお祝いの席、ヘザーは祖母から“高くはなかった、運ぶのが大変だった」と骨董屋で買い求めたが贈られた。鏡はひびが入っていた犬(サイモン)が激しく哭く。ヘザーがお祝いのケーキのローソクを消すと天井の電灯が落下してヘザーの頭に当たり大騒ぎになった。この状況は撮影していた。

〇この頃、ウオーレン夫妻は心霊現象の講演活動を行っていた。

夫妻が講演は興味がないのか聴衆はわずかの若者たちだった。(笑)レストランで家族が食事中、エドは自分たちの仕事について「コメディ番組のコントのようなもの」と自虐的に言うが、ロレインは「あなたか木を見て森を見てない、楽しんでいるの」とエドを励ましていた。娘のジュディ(ミア・トムリンソン)「パパは心臓が悪いから辞めたら」と勧め、「パパの誕生日に恋人のドーンを呼ぶ」と告げた。突然、ジュディがお呪いを唱え始めた。ロレインが抱いて落ち着かせた。ロレインには何かが見えた感じがして「まだまだ辞められない」と不安になった。

〇スマール家に数々の超常現象は起こり始めた

 “ママ、ママ」と叫び子供たちを追いかける人形。双子の女の子スージーが鏡のある長女ドーンと次女ハザーの部屋でこの人形と遊んでいて、人形が転んで異形の老婆が現われ激しく哭いた。

母親のジャネットが駆けつけると消えていた。電話線が誰も操作しないのに伸び縮する。スージーが帰宅した父ジャックにこの話をするが信じてもらえない。

その夜、ハザーが「怖い赤ん坊に見られている」とドーンに相談した。ふたりはこっそりこの鏡をゴミ出し場に捨てた。翌朝、ゴミ回収車が回収した。朝食時、ドーンは気分が悪くなり吐いた。大量の血を吐き、ガラス片が出てきた

〇エドの誕生会ウオーレン夫妻はジュディとトニーの結婚を認めた!

誕生会前に、エドは受診し医者から「次の発作は命取りになる」と注意勧告を受けた。

誕生会には大勢の人が集った。ジュディの恋人トニー(ベン・ハーディ)がやってきた。そこにはゴートン牧師も参加しており、トニーは挨拶した。

ジュディが「トニーは元警察官で早期退職した」とエドに紹介。エドは自分たちが何者であるかを知ってもらうため倉庫に保管してある“呪われた物”=ある種の儀式で使われたものを見せた。トニーは気になってバーベキューを料理している同僚のブラッドに「悪魔祓いを見たことがあるか?」と聞いたがブラッドの答えは曖昧だった。

ジュディが集った人たちに紹介しようとスライドのフィルムを点検していた

突然、胸が苦しくなりお呪いを唱えた。そこにトニーがやってきた。ジュディはトニーに霊感があることを告げ、お呪いを教えた。トニーはこれで安心した。

 トニーはジュディを驚かそうと彼女が居ないところでウオーレン夫妻に結婚指輪を見せた。ロレインは喜んだが、エドは微妙だったが、そこにジュディが現れ指輪を喜ぶ姿を見て賛成した。

ゴードン牧師が「連絡してきた家族がいるんだが・・」と相談をもちかけたがロレインは「私たち夫婦は辞めた」と断わった。

〇スマール家族に悪魔が出現、大々的に報道された

数々の超常現象生起に、母親のジャネットはジャックに警察の援助を求めるが証拠がないと渋る。ドーンは「呪われた家に住むのは嫌だ」と言い、ヘザーは「私を殺そうとしている。経験したものでないと分からない」と喚く。

その夜、ジャックが寝ていて、ドンと言う音で目覚めたが何者かの仕業で金縛りにあった

ヘザーは堅信礼の夜、撮影していた自分がローソクを吹き消す映像を拡大して調べていた。突然ウオーと叫び鎌を振り回す男が現れ、ヘザーは大声で父母を呼び「誰かそこにいる」と叫んだが、ジャックとジャネットには何も見えなかった。ジャックは警察に家で生起する超常現象を届け出た

この超常現象は大々的にTVで放送された

スマール家周辺は大勢の報道陣と野次馬でごった返すという事態になった。

〇ウオーレン家族にも超常現象が出始めた

ジュディとロレインはジュディの結婚式衣装の試着に呉服店を尋ねた。試着室でジュディがドレスを着て多面鏡の前に立つ。ジュディが狭所恐怖症で胸が苦しくなりお呪いを唱え、鏡の中の自分の姿に驚き鏡を叩いた。異変に気付いたロレインが駆けつけ抱いて落ち着かせた。

〇ゴードン牧師がスマール家を尋ね、解決に動きだした

ゴードン牧師は「ニュースを見て、教会には内緒で」とスマール家を尋ねた。牧師は地下室を見させてもらい、「何かがいる」と感じ、地元の教会も関わってくれると訪ねた

ゴートン牧師が教会の神父に面会しようと控え室で待機していたところ鼻血が出て洗面所に入った。牧師はそこで掃除機のコードで首つりを吊り亡くなっていた

ゴートン牧師の埋葬、

大勢の人がゴートン牧師の埋葬に駆けつけたジーグラー神父がロレインに「教会ではあなたたちの評判は悪いがゴードンは高く評価していた」と挨拶した。ジュディはロレインには内緒でジーグラー神父に「ゴートン牧師はどこで亡く亡くなりましたか?」と聞いた。「ペンシルバニア、何で行ったかは分からない」と教えてくれた。

ロレインが自宅のキッチンで皿を洗っていた

ジュディのお呪いの声が聞こえ、水洗いの中からペンダントが出てきた。水洗いは真っ赤な水で溢れた。そこにエドが「ジュディは良くないのか?」と入って来た。さらにトニーも駆けつけた。

〇ウオーレン夫妻はスマール家の救出に関わることにした

ウオーレン夫妻はエドの運転するシボレー車で「必ずジュディを救い出す」とスマール家に急いだ。スマール家の周りは人で溢れていた。ロレインは家に入ると霊感を感じ、そこでジュディに会った。ジュディに「帰ろう」と誘うと「苦しんでいる家族がいるから助ける。子供のころは分からなかったが、パパもママも助けて!」と言う。ウオーレン夫妻はスマール家を救出することにした。

夫妻はスマール夫妻から聞き取りを始めた

ジュディは「ゴードン牧師の葬儀のとき予知夢を見たが、これまでのものと違っていた、ママには言えない何かがここに来させた気がする」とロレインに告げた。

ロレインはこの家に、靈氣を感じ取った

エドはスマール家のみなさんに安心してもらおうとパンケーキを作っていた。そこにトニーが来たので、早期退職の理由を聞いた。トニーは「相棒と家庭暴力事件に遭遇、駆けつけたところ猟銃で撃たれたが、不発で助かった。いつ死にぬか分からない、子供も持たずジュディと結婚もせず死ぬのは無念と即刻辞職し結婚指輪を買った」と話した。

ロレインが双子の部屋に入ると「ママ、ママ」と喋る人形が現われた。スージーから「人形、好き?」と聞かれ「嫌い」と答えた。

ヘザーとドーンの寝室に入るとマットレスが人がいないにもかかわらず膨らむ。ドアはきしみ「お前は何をしたか分るか、この薄汚い女め」と怒鳴る男の声、「止めて!」と悲鳴を上げる女の声が聞こえた。

〇ロレインはエドに靈の正体を明かした。

3つの靈がいる。この家でなくこの土地に住んでいた。ここは農地だった。心がすさんだ妻が不倫をした。これに怒った夫が妻を追い地下室で妻の母親も一緒に殺害した。しかし、3つの霊は見せかけ、何かが邪魔をしている。靈を操って家族を苦しめている」と明かした。

ジュディは屋根裏を調べ、鏡を見つけた。

屋根裏は真っ暗だった。電池の灯りで調べた。鏡があった。“私の忘れものアナベル”と書かれていた。その先に子供部屋があり人が動く気配を感じた。そこにロレインが駆けつけた。

ジュディは「屋根裏に何かがいる。鏡があった」とロレインに話した。エドは「まさか、あれを見つけた!」と驚きの声を上げた。

〇ウオーレン夫妻はスマール家族に悪魔の正体を明かした。

ロレインが「鏡だ、あの鏡を見て産気づきジュディを産んだ。死んで生まれたが息を吹き返し、1週間で元気になった。あの鏡がそれ以来見ていない」と話した。ドニーが「ヘザーと一緒に捨てた!」と信じない。ロレインは「簡単に処分できるようなものでない。あなたたちや私たちに執着している」と説明した。ドーンが「それを売った骨董屋さんはどうなったの?」と聞く。エドが「分からない、店には戻っていない」と答えた。

ロレインは「屋根裏にいるのは悪魔で、私たちが初めて出会った悪魔。私たちは若くて怯え、娘を失いかけ危険すぎると鏡を放っておいて逃げた」と話した。エドは「あなたたちを見捨てない」とスマール家の人たちをなだめた。

〇エドは鏡を自宅倉庫に持ち帰ることにした

エドはジャックとふたりで鏡を玄関に運び、トニーの車に載せて自宅倉庫に運びことにした。トニーにエンジンをかけて待つよう指示した。

エドとジャッジで鏡を布で梱包し運ぶが、鏡の重量が重くなりジャックがこけて運搬不能になった。鏡の梱包が自然に解かれ、ジャックが「人がいる」と喚いた。そのころトニーはエンジンをかけると車が急発進、その前に老婆が現れた。トニーは急ハンドルで逃げ切った。が、老婆は消えていた。

ここまでの間、ジュディは咳き込みドーンの部屋のベッドで寝ていた

ロレインが付き添っていたが外に異変を感じ窓をしめる間に、ジュディのお呪いが始り、老婆が「私たちは忍耐強く待っていた。可愛いジュディが戻ってくるのを!」といざり寄ってきた。サイモンが激しく哭く。ジュディが老婆と戦い鼻血を出し恣意状態になった

エドが止めに入ったがジュディがお呪いを唱えながらドアを開けた

男が侵入し鎌でジュディの髪を切り、ランプを点けてロレインに迫ってきた。そこにエドが駆けつけた。ロレインは家族に「もう大丈夫!警察に連絡する」と家族に屋外の出るよう指示し、ジュディを追って屋根裏に上がった

ジュディが天井に吊るされていた

追って屋根裏にきたエドが縄を切り、エドの必死の人工呼吸でジュディが蘇生した。

鏡の霊がジュディを襲ってきた

鏡が回転を始めた。エドが聖書の力を借りて動きを止めたが、蘇生したばかりのジュディに倒れ掛かる。エドとロレイン、トニーが必死にこれを支え、鏡は割れ魔力を失った

朝を迎え、ウオーレン家の3人にトニーが無事スマール家の屋敷から出てきた

鏡はウオーレン家の倉庫に収められ、管理はトニーに任された。

ジュディとトニーは結婚式を挙げた

ウオーレン夫妻はこの仕事を最後に引退。家族の物語を書き、夫婦で冒険を続けながら、人助けもすることにした。エドは79歳、ロレインは92歳で死去。夫妻は学者からバカにされながらも公然と心霊現象を語り、物議をかもしながら大勢の人を助け、心霊調査のパイオニアとみなされている

まとめ

実話だからと、超常現象を押さえてみた。“こんなことがあるのか”というのが一番怖った

どこにでもある鏡が呪い元というのが怖い。主人公たちの怖がり、音響、カメラで映し出す映像に引き込まれ、しっかり怖さを感じた。スマール家内での悪魔とウオーレン家の戦いが凄かった(分かり難いが)。これまでいくつもの心霊ものを見てきているが、本作、よくできた作品だと思う

この恐怖にどう対処するか?

悪魔や心霊に打ち勝つには家族愛とウォーレン夫妻のような専門家が必要ということ。これが言いたい作品だと思う。

トニーが警官をやめ、ジュディとの結婚を急いだのは、自分が何時命を落とすかわからにからという理由。自分もこれが理由で早期結婚しだだけに納得。トニーが警官を辞めずにいた方がよかったな。これが一番印象に残った。(笑)

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