映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「騙し絵の牙」(2021)「めちゃくちゃ面白いです!」、・・

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作品タイトルがピンとこないと放置しておいた作品。WOWOWで鑑賞しました。今年3月の公開作品ですので、TV放送では早い公開になりましたね!

出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描くというもの。

原作は「罪の声」などで知られる作家・塩田武士さん大泉洋さんをイメージして主人公を「あてがき」した同名小説。これを大泉さんの主演で演じるという。😊

監督:吉田大八、脚本:楠野一郎 吉田大八、撮影:町田博、編集:小池義幸:音楽:LITE。

出演者:大泉洋松岡茉優佐藤浩市池田エライザ斎藤工中村倫也佐野史郎リリー・フランキー國村隼木村佳乃、他。とても超豪華です。

出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松(佐藤浩市)が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが……。

冒頭、文芸誌“薫風”の新人編集者・高野恵(松岡茉優)が新人賞応募作品「バイバイすると死ぬ」(矢代聖)を夜が明けるのも知らず読んでいるとき、朝の散歩中の社長の伊庭喜三郎が急逝するというシーンから物語が始まります。

後継は伊庭の息子・惟重ですが、米国で修業するとして、当面、営業畑の専務・東松(佐藤浩市)が中継ぎとして社長に就任。文芸畑の常務・宮沢と対立関係にある。速水は東松派、「雑誌トリニティを廃刊にする!」と打診された速水は「まだやれる」と啖呵を斬った。一方、文芸誌月刊“薫風”を季刊誌とした。文芸誌編集長・江波百合子から高野は管理部所属となった。

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東松には社の将来のため「KIBA」計画を進めたいと考えていた。この計画は製本と物流の拠点を作って、従来の取次所を経由しないで、直接薫風社の書籍を読者に届けようというもの。先代社長夫人の了承を得ていた。

ここから速水のトリニティ継続のための戦いが始まる。速水は高野をトリニティ部にスカウトした。

先ずは今薫風社がもっている資源の活用と、かって“薫風”誌で活躍したミステリー作家の二階堂に目を付けた。ワイン好きの二階堂をレストランに招待し高野に対応させる(社長が同席すると騙し)。二階堂が酔っぱらった高野にあわやというところに速水が現れ、二階堂の弱みを握って、漫画の原作者としてトリニティ誌に登場させる。ワインかぶれの二階堂役・國村さんのぶっ飛んだ演技が楽しい。(笑)松岡さんのほんのり酔っ払いがまたよかった(笑)。

酔払った高野をタクシーで家に送るとき、高野のバッグから新人賞応募原稿「バイバイすると死ぬ」が落ち、これに目を留めた。

編集者としては新人の高野。名著と言われているが絶版となっている神座詠一の原稿(誰の手も入れさせなかった)が社庫にあることを知って、取り出し筆を入れてみた。神座が小説を辞めたのはセスナの操縦に興味を持ったためと、飛行場を突き止め会いに行ったが逃げられた。この設定は無理がありますね!(笑)この話を速水にすると「俺も読んだ!」と言った。

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ある日突然に八代聖さんだと社みに連れて来て皆に紹介。高野は大感激。が、速水は高野にも話をさせない。新人作家だから誰も知らない。文芸部は驚く。なぜ新人賞に選ばなかったと江波が宮沢常務から責められる。宮沢と江波が文芸部に引きたがる(大きな嘘の布石)

次に目をつけたのがカリスマモデルの城島咲池田エライザ)。彼女の裏趣味、3Dプリンターによる拳銃作りににつけて近づき、あたらしい彼女の魅力を引き出してシークレットサービス」スタイルでトリニティの表紙を飾る。二階堂のおかしなファッションで、イケメンの八代でトリニティの表紙を盛り上げて、トリニティの売り上げが伸びてくる。

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ここで仕掛けるのが八代と城島咲の恋愛スクープ。これでトリニティの売り上げがまた伸びる。ついにストーカー男が城島のマンションで襲った!銃が壊れて咲が受傷、男に怪我はなかった。大ニュースだ!この男が「なんでここまでやらされる!」と吐くから、これは嘘と分かった。(笑)

このスキャンダルをどう処理するか?これは話題のテーマですね!😊

表現者と小説は関係ない。文学の世界は常識の枠には収まらない。美しさの中の美しいものが消えてしまう」「スキャンダルネタで咲本人に小説を書かせる方が損害より大きな利益が出る」を東松の頭に叩き込み、これで重役会議を凌いだ。雑誌の売行きは、ツイッターで話題になり、思ったとおりで大成功。これで宮沢がピンチに立たされた。

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「バイバイすると死ぬ」の発表会衣装で八代が速水の勧めるものに反対して喧嘩別れ。これを知った江波が薫風で掲載すると八代をスカウトし「連載広告」を打って、常務の宮沢同席のもとで記者会見を行った。ところが八代は「この作品は自分が書いたものではない。本人は別にいる、芥川賞を取らせてやるというからその言葉に乗った。申し訳ありません」と告白し、会場は大混乱となった。

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会見室を出た八代を速水がエスコートして別室に。高野が追った。その部屋にリリー・フランキーが居て「私が神座だ!あの原稿は俺が描いた。若いやつが書いたというから悔しくて出てきた。結局、“この人”の仕掛けにハマった」という。

高野は「そんなに面白いんですか!人を騙して!」と速水に抗議した。「めちゃくちゃ面白いです!」と速水。

この一件で宮沢は常務を降りた。東松が全て自分の一存で進むと「KIBA」プロゼクトを重役会議に出すと、そこに留学中の伊庭惟重が現れ「KIBAは中止、アマゾンと仮契約を結んできた。速水さんとは旧知の仲だった!」。

高野は神座に編集者としての能力を買われ、「本屋でしか買えない本を出版する」と会社を立ち上げ、初版本を3万5000円で売り出した。

速水は獄中の城島咲を訪ね「君の書きたいものを書かないか、書くしかない。映像化も目標に世界に発信する。城島咲のように跳んでる人はいない!たぶんめちゃめちゃ面白い!」と誘っていた。

感想:

改革には正面から押してもダメ、裏の裏から攻め落とせ!人たらしで柔らかく迫れと教えてくれています。(笑)主演が大泉さんでなればならない理由がわかりました。😊

この人はどんなに嘘をついても憎めない人だということがわかりました。(笑)懐が深すぎる、これでしょうね!どうしたらこうなれるんでしょうか?しかしその心には「楽しみながら苦を選ぶ」という考え方。大きな改革はこれがないと出来ない。

最初に二階堂や城島咲の攻略への嘘は見抜けましたが、後段の八代を使っての宮沢常務攻略、さらに本命東松社長攻略なんぞ絶対に分からない。嘘は構想が小さいものはバレルが、大きくなればなるほど分からない。😊

速水のように人懐っこさで騙してその裏に牙を持っている。高野恵のように騙され強くなっていった。(笑) コミカルな作品ですが、誰もが経験する、世の中は恐ろしい!と思わせてくれた作品でした。(笑)

背景が厳しい状況の出版業界を舞台にして生き残りを駆けた闘いのなかで勝ち抜くための戦略を描いているのも面白い。社会派ドラマとなっていました、これが最後まで興味を繋いでくれました。生き残りには「時間は想像より早く流れる。だから最も難しいアイデアを選んで実行する以外ない」「無理だから面白い!」という速水のセリフ。高野は「小さな会社だから守らずに責めるだけ!」と。

表現者と小説は関係ない。文学の世界は常識の枠には収まらない。美しさの中の美しいものが消えてしまう」、このセリフは、出演者が事件を起こすと、彼の出演作品が観れなくなるという我が国の社会風潮に対する批判、当然だと思いますね!

脚本が巧妙で、皆さんの演技が上手くて騙されますね!面白い作品でした。

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「ソウル・ステーション パンデミック」(2016)ヘスンが、本当に怖かったのは?

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大ヒットした韓国のゾンビホラー「新感染ファイナル・エクスプレス」(2017)の前日譚となるアニメです。

ソウル駅で始まった感染パニックを、ある女性の決死のサバイバルを軸に描くというもの。

ポスターで分かるように絵としての魅力はないかもしれない。しかし、ここで描かれているのは「新感染ファイナル・エクスプレス」にはない韓国の社会構造批判です。社会の底辺の人達の苦しみがユーモアたっぷりに描かれています。「ゾンビってなんだ!」それは底辺のさらにその下の人々というように捉えられます。「パラサイ」(2019)と同じテーマで、これに過ぎたる作品かもしれません。😊

監督は社会派アニメーション作家として知られ、「新感染ファイナル・エクスプレス」で実写長編監督デビューとなったヨン・サンホ。脚本:ヨン・サンホ編集:ヨン・サンホ イ・ヨンジュン音響監督:オ・ユンソク、音楽:チャン・ヨンギュ

声の出演:「サニー 永遠の仲間たち」「怪しい彼女」のシム・ウンギョン、「7番房の奇跡」「王になった男」のリュ・スンリョン、他。絵が絵ですので(笑)、よく感情の入った字幕版にしたいですね。😊

一緒に暮らす恋人のキウン(リュ・スンリョン)とケンカし、夜のソウルの街をひとりさまようヘスン(シム・ウンギョン)。その頃、ソウル駅では息絶えた血まみれのホームレスが生き返り、人を襲い出した。襲われた人がゾンビとなり、さらに人を襲っていく恐怖の連鎖が巻き起こり、ゾンビウィルスによるパンデミックの発生を知ったキウンは、ヘスンの父と名乗る男(リュ・スンリョン)とへスンを探す。ヘスンはキウンと会えたか?そして彼らのき行先はというパンデミックスリラーです。

感想(ねたばれ):

アニメは「これ、なんだ!“というポンチ絵のようだが、韓国社会の闇を写し出すストーリーがリアル過ぎて、一気に物語の世界に持っていかれます!

冒頭、「福祉は万人に保証されるべきだ」と論議している男たちの前を、首に怪我をした老人が通り過ぎる。「助けねば」と近寄ると「臭い!」と逃げ出す。「福祉の必要性は分かるが、ホームレスには行き届いていない」という韓国の実情を示しているのではないでしょうか。アニメならの表現です。こういう視点でこのアニメを見ることになります。

ソウル駅のコンコースにはごろごろとホームレスが転がっている。この老人もそこにごろりと寝た。

「ソウルのビルの8割は我が立てた」と手柄にする、懐のよさそうな人には「手榴弾を投げてやりたい」というホ-ムレス。マンション建設ブームを終えて、不景気で今では家に住めないホームレスたちが一杯いる。

隣の男が「兄どうした?」と老人の傷を見て、駅員に交渉するが「出て行け!」と取り合ってくれない。ホームレスのための宿泊センターは刺青のある立派なホームレスで占められており、ホームレスにも階層があって、急病のホームレスが出ても入れない。(笑)

隣の男が薬を買って老人のところに戻ると、老人が亡くなっていた。駅員を呼んで戻ってくると老人が消えていた!隣の男が駅を出て路地を探すと、老人が男の首にかじりついていた。老人がゾンビに!

ヘスンは家出してキウンに助けられて旅館住まい。宿泊代のためにヘスンは風俗店務め。ヘスンが目覚めるとキウンが居ない。探すとネットハウスに居た。ヘスンが「もう辞めたい!」というが「俺が拾ってやった女が」と無視。韓国は男性優位社会で、ヘスンの希望など通らない!キウンはネットに「良い女がいるぞ!」と投稿、ヘスンの今夜の相手を探していた。

ネットでこれを見た男が「ヘスンの父だ!」と連絡してきた。キウンが父親をソウル駅で出迎え、ヘスンに電話するが出ない!父の車で旅館に戻ると、ゾンビが客に喰いついていた!

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ヘスンはキウンの連絡でソウル駅に父に会いにきたが、そこでゾンビに出会い逃げて警察署に逃げ込んでいた。沢山のゾンビが寄ってきた。ゾンビは異様な体の動きと白目で人に食らいつき血を吸う。

ヘスンは名もない浮浪者、警官と一緒に留置柵に逃れた。(笑)警官が「ホームレスが襲ってくる!ホームレスの暴動だ!」と救助を要請している。名もなき浮浪者は「怪物だ!」と訂正すると、警官は浮浪者に拳銃を向ける。違うだろうが!と。警官はホームレスを目の敵にしていたんだ!

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この警官がゾンビに噛みつかれ、名もなき浮浪者が拳銃を手にした。機動隊が到着してゾンビとの闘いが始り、その隙に表に抜け出したヘスンと名もなき浮浪者は警察の救急車に救われた。病院に運ぶと走る救急車内で「病院はゾンビで一杯だろう!」と名もなき浮浪者が大暴れ。救急車が暴走して転覆。車を抜け出したふたりは地下鉄駅に急いだ。ふたりは地下鉄の線路路伝いに出来るだけ遠くに逃げることにした。ホームはゾンビが一杯でこれをやり過ごして、先に急いだ。

キウンと父親はゾンビに囲まれた宿を抜け出し、ヘスンと連絡が取れ、病院へ急いだ。病院はゾンビで一杯だった。キウンと連絡が取れない。できるだけ見晴らしのいいところでヘスンからの連絡を待つことにして車を走らせていた。

ヘスンと名もなき浮浪者は会賢駅(フェヒョンえき)に辿り着いた。ヘスンは「ここに来て!」とキウンに伝えた。

会賢駅では、乗客がゾンビを壁でブロックしていたが、出口には機動隊が車両を連ねて乗客は外に出れない状況だった。ゾンビが激しく追ってくるので乗客は外に出たいと車両の壁に飛びつくと、容赦なく放水してきた。名もなき浮浪者が車の壁を越えようとして撃たれ、「俺はゾンビではない!家さえあればこんなことにはならなかった」と悔やんで亡くなって行った。市民が懸命にゾンビと戦っていた!「警察な何をしている!」の声。

ここにやってきたキウンと父親が機動隊と「中に娘が居るんだ!」と掛け合うが埒が明かない状態。コネがないと警察は動かない!

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機動隊が首都警備隊(軍隊)に替った。もう外には出れない。そのとき黒服の男がケーブル線を使ってビルに脱出しているのを見た。ヘスンもこれに習った。が、途中でゾンビに足を噛まれた!やっとビルに移れた。そこは見たこともない高級家具が置かれた。展示用の高級マンションだった。誰がこんなところで生活しているのか?福祉はどうなっている?

ふわふわしたベッドで眠っている、キウンと父親がやってきた。父親を見てヘスンは驚いた!風俗店の店主だった。(笑)「金を返せ!」と挑んできた。キウンが部屋にあった包丁で切りかかったが逆に包丁を取り上げられ首を斬られた!怖いのはゾンビだけではなかった。

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ヘスンは逃げた。追ってくる店主。ついにヘスン捕まって暴行されようとするとゾンビに噛まれた足から毒が回り、ヘスンはゾンビになって店主の首に噛みついた。

会賢駅のバリケードを越えて外に出てくる市民に軍隊が一斉に銃撃を加えた。何のための軍隊か?

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ヘスンはゾンビだらけの街を駆けたが、本当に怖かったのは何か?彼女にはゾンビになる以外に生きる道はなかった。

こうして彼女はソウル駅、に忍び込み、「新感染ファイナル・エクスプレス」物語へと繋がる。

貧しさがゾンビ化の原因となりましたが、ジム・ジャームッシュ監督作「デッド・ドント・ダイ」(2019)では資源の食いつぶしがゾンビ化の原因でした。

「ソウル・ステーション パンデミック」は跳んだゾンビ作品と言ってよさそうですね。😊

          *****

日曜劇場「日本沈没ー希望のひとー第1話」(2021)

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第1回「見えない敵と戦え」

伊豆半島のある島が沈没する」という予言が真実であったか?

 くしくも10月7日(木)東京、埼玉で震度5強の地震発生で首都圏の交通が混乱した直後の放送となり、興味を持って観て貰えたのではないではないでしょうか。😊

局挙げての作品。とても贅沢なスタッフ、キャストで見応えのある作品になっていました。

原作:SF作家小松左京さんの同名小説。ほぼ小松作品を踏襲していました。

スタッフ:

脚本:橋本裕志音楽:菅野祐悟演出:平野俊一土井裕泰、宮崎陽平、プロデューサー:東仲恵吾。

キャスト:

小栗旬松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士与田祐希乃木坂46)、國村隼風吹ジュン、比嘉愛美、宮崎美子吉田鋼太郎(特別出演)、杉本哲太風間杜夫石橋蓮司仲村トオル香川照之ほか

あらすじ

冒頭、青い海中を泳ぐダイバーの映像から物始ります。映画「グラン・ブルー」を彷彿とさせます!

2023年、東京。東山総理(仲村トオル)は、世界環境会議で、地球物理学の権威である世良教授(國村隼)のもと、「2050年までにCO2をゼロにする。このために海底資源採掘事業「COMS<コムス>」海底地盤深くからエネルギー物質セルステイックを吸い上げる)計画を推進する」と宣言した。

官房長官の長沼周也(杉本哲太)が首相に応えるように、“未来の日本”を見据えて各省庁の優秀な若手官僚たちを集めた“日本未来推進会議”を立ち上げた。

そのメンバーに環境省の天海啓示(小栗旬)、経産省の常盤紘一(松山ケンイチ)も選ばれていた。ふたりは総理に「COMS<コムス>」計画を進めるために「グリーン・エネルギー」計画書を提出した。

天海は、自身の提案を通したいがために東山総理にすり寄り、同時に総理の抵抗勢力である政界のドン・里城副総理(石橋蓮司)をも懐柔しようとする。さらには、両者に顔が利く「生島自動車」会長兼経団連会長の生島誠(風間杜夫)のも近づいていった。

大量のセルステイックが吸い上げにより、房総沖の3つのプレートが重なる境界の滑り込みが早まり関東が沈没する(プレート境界のスロー・スリップ)と主張する地震学者の田所雄介博士(香川照之)の記事が話題になる。博士は東大地震研究所を首になり、現在は民間の環境ビジネス会社“Dプタンズ”で地震を研究している。

この記事で、一部の団体によるCOMS反対デモが発生、大きくなっていく恐れが出てきた。天海は田所博士と世良教授を交えた公聴会を開催し、事態収拾を図ろうとした。が、田所は一切耳を傾けず、「近い将来、伊豆沖で島が沈没する。その島の沈没は関東沈没の前兆になる」という不気味な予言を放ち、一向にデモは治まる機運がない。

ここからねたばれ(要注意)。

彼は田所の説を試すように常盤を誘って彼の持つヨットで伊豆半島の日乃出島付近をダイビングして、大きな乱流に巻き込まれる体験をした。

天海は昵懇のサンデー毎朝記者・椎名実梨(杏)を使って、大々的に田所の説を煽って内閣を動かし、房総沖で大々的に国立海洋開発機構所属の深海調査船で3000mでのスロースリップ痕跡を調べることになった。

この調査には田所博士、世良教授も搭乗し、現地で眼で視認するものだった。シロウリ貝やバクテリアマットを発見、熱水が噴出していてある地点で田所が「痕跡だ!」と声を上げたが、乗員の安藤が潜水急病で倒れたため、急遽調査は取りやめてしまった。

後日、天海は世良教授に呼ばれ、「根拠なない」と報告を受けた。総理もこの結果に満足しているということだった。この結果に天海は不吉な夢を見た。

調査の検討会。スリップデーター、映像を検討。田所博士は強く「痕跡を発見した!」と主張。世良教授は「データー、映像で確認できない」と否定した。参加者が全員が田所博士の発言を疑ったが、博士は一歩も引かない。世良教授の顔に困惑の表情が見えた。

天海は「いくら否定しても田所博士は主張し続ける。再調査してもいい。沈没しないと決定することに違和感があります。決定して良い訳がない!私は日本の未来の話をしたい」と発言し、世良教授や常盤から批判を浴びているところに「日之出島は消えている」というニュースが飛び込んできた。

感想:

予言は当たりましたね!😊

根拠はプレート境界のスロー・スリップ論阪神地震後さかんに出てきたものだったと記憶しています。小松左京さんの当時の最先端地震論“プレートテクトニクス”論の説得力には負けますね!ことが事だけにいい加減には描けない! 専門家の意見を聞きたい!

香川さんの狂気溢れる熱演で押し通した感じでした。(笑)でもこれ、マンネリですね!(笑)

しかし、ロケやVFXを用いた映像でリアリティを上げる努力が見えました!並みのドラマではなかった!

専門会議。反対者がひとりでもいたら、その案を大切にしたい!未知の問題にはこれが一番です!

原作はSF作家小松左京さんの同名小説。ほぼ小松作品を踏襲していますが、見どころはここからで、日本沈没に首相の決断は?国民はどう行動するかです。

多様性の時代、小松左京さんの小説を越えるものにして欲しい!この危機管理がどう描かれるかと楽しみにしています。

大変豪華な俳優陣ですが、首相に中村トオルさんというのは、副総理の石橋蓮司さんと対決させ、若い官僚の意見を取り入れ総理として大きく育っていくところが描かれるのでしょうが、ちょっと違和感を持ちました!

“日本の未来のために“若い官僚像をしっかり描いて欲しい。コロナ禍で未知の危機に直面しているだけに、面白いドラマだと思います!

         ***

「キャッシュトラック」(2021)WRATH OF MAN

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“キャッシュトラック”現金を護る側か、盗むが側か?劇場予告編で曖昧だから観ることにしました。😊その展開は予想外でした。邦題に騙された!(笑)

監督ガイ・リッチャーとジェイソン・ステイサムでなければ作れないクライム・アクション作品、面白い!殺し方に余韻がありました。😊

原案はフランス映画ブルー・レクイエム(04/監督ニコラ・ブークリエフ)の脚本家エリック・ベナール。

監督:「アラジン」(19)のガイ・リッチャー、脚本:マーン・デイヴィス、脚本・製作:アイヴァン・アトキンソン撮影:アラン・スチュワート、編集:ジェームス・ハーバート、音楽:クリストファー・ベンステッド。

出演者:ワイルド・スピード」シリーズのジェイソン・ステイサムホルト・マッキャラニー、ジェフェリー・ドノバン、ジョシュ・ハートネット、ニーヴ・アルガー、エディ・マーサンスコット・イーストウッド、他。

LAにある現金輸送専門の武装警備会社フォーティコ・セキュリティ社に、ヨーロッパの倒産した警備会社で働いていたパトリック・ヒルジェイソン・ステイサム)、通称“H”が新人警備員として雇われる。ある日、Hの乗った現金輸送車が強盗に襲われると、彼は驚異的な戦闘スキルで犯人たちを皆殺しにしてしまう。数ヵ月後、今度はHの顔を見た強盗犯が何も盗らずにその場から逃げ出してしまった。次第に同僚たちも彼が何者なのか訝るようになっていく。そんな中、全米で最も現金が動く日と言われる“ブラック・フライデー”に、フォーティコ社に集められる約1億8,000万ドルの大金を狙った強奪計画が秘かに進行していくのだったが…。(allcinemaから引用)

冒頭、大音響!これが耳障り。全編にこれが鳴り響く。現金輸送車が渋滞で停止しているところに、大型車がぶつかってきて、道路工事の連中に車規正され、その間に現金を盗み「エルビス、Bチーム行くぞ!」と去って行った。5か月前の事件だった。

パトリック・ヒルというクールで精悍、無口な男が金融輸送会社・オーティコ・セキュリティ社に入社してきた。かって同じ部隊にいたブレッド(ホルト・マッキャラニー)に教育・訓練され、70点で合格と採用になり、Hという名を貰った。007と同じように記号で呼ばれるようになった。

 ヘタレのエイブ(ジョシュ・ハートネット)や女性警備員デイナ(ニーヴ・アルガー)ら仲間の中にうまく溶け込んでいった。デイナとは少し溶け込み過ぎた。(笑)

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ワールドクルーズセンターへ移動中に強盗に襲われた。運転手のデイブがおたおたするなかでHが車を降りて、こいつらを撃って撃ちまくり、6人を射殺した。捕まえたやつは覆面を剥がして顔を確認した。ここまでやるか!という感じ。社に戻ると「70点の腕にしては凄すぎる」「前職は何か?」と話題になった。車庫管理人のデリー(エディ・マーサン)が過去の事件ビデオを見せて「(犯人は)道路工事の連中か!」と聞くが「ない」と答えた。これでブレットの絶対的な信頼を得た。大金を持っているデイナを拳銃をぶっ放して「本当のことを言え!」と責めた!FBIの大物エージェント(アンディ・ガルシア)に照合するが何も出て来なかった。

Hは便利屋カースティ(リン・ルネー)を訪ね、死体検視書を手にいれた。誰の、何のために!不気味です!

チャイナタウンで集金中にオートバイによる賊に襲われた。Hが下車して現金輸送車の後ろに回ると、ふたりの賊が逃げてく。デイブが「なんであいつらは?お前へサイコパスか?」と驚く。この噂が社内に広がり「悪霊!」と言われるようになった。

Hはヒローなのかヒールなのか?

 物語は章建てしてあって、4章からなる。これまでのストーリーは第1章「悪霊」に相当します。ここから時制が過去現在と混在しながら描かれます。第2「しらみつぶし」第3章「野獣ども」で、あっさりHの身元と戦う目的、戦う相手の闘う心情がミステリアスでスリリングに描かれ、第4章(最終章)へのガンアクションに繋がります。が、簡単には終わらない!ひとひねりある結末(原題)「WRATH OF MAN」となっています。

ここからはねたばれ(要注意!)になります。

5か月前、パトリック・ヒル犯罪シンジケートのボスだった。若頭マイク(ダレル・デシルヴァ)の頼みごとを受けて、名門高校から帰省中の息子・ダギーを連れて現場に。道路工事に出会って道路規制。フード店でタギーにとテークアウトを注文していて、タギーが道路工事の連中に襲われ、駆けつけたヒルも撃たれた。ヒル撃ったやつの顔を見た。タギーは即死だった。この事件で妻と別れ、家族を失った。

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ヒルはマイクら配下を使って、他の犯罪グループを調べ上げた。ジェロームという男にブニール袋を被せて痛め、犯人を吐かせた。このシーンはメメント(2000)にあったなと?ポルノ業の「ガシ兄弟」だというのでこの店を襲った。らりった女たちが溢れていた。店の資金を調べ犯人ではないことが分かった。ヒル怒りが収まらず1発ぶっ放した。これを見たマイクが「これではこっちがやられる、やりかたを変えましょう」と具申した。ヒルは誰にも告げることなく、便利屋・カースティに頼み経歴書を作ってもらい、フォアーチコ・セキュリティに就職した。

道路工事の連中は実はアフガニスタンで任務についていた元兵士たち(元軍人フループ)だった。ブレッドの映像を見て「ブレッド最近静かだな!」と言って騒いでいる。泥棒から始まって稼ぎのよい現金輸送車襲撃。リーダーはジャクソン(ジェフェリー・ドノバン)。サブリーダーのジャン(スコット・イーストウッド)。約1個分隊の勢力。いずれもアフガニスタンから帰ってきての暮らしに不満を抱いていた

Hはチャイナタウンで賊の襲撃を受けたときの記憶が戻ってきて「ナンバーワン問題はない!」と息子を撃って、自分を撃ち、「Bチーム行くぞ」と去っていった男の声を思い出していた。やつだ!

5か月後ジャクソンは元兵士全員を集め、「このままではいずれ捕まる。全部の金融輸送車が集まった倉庫をやる。1臆5000万ポンド、これでお終いだ!」とブラック・フライデーにやることを宣言した。

ブラック・フライデー当日、車庫管理責任者のテリーが「今日はブラックデイだ!注意しろ!」と集金出発時、激を飛ばした。

集金を終わって倉庫に戻る車中でブレッドが「自分はやつらを手助けしている。見ないふりをすれば殺されない!」と言い出す。Hは同意した。元兵士たちが言う通りにして床に伏せて、元兵士たちの中にいるはずの“あの顔の男”を追っていた。警備員と元兵士たちの撃ち合いが始まった。元兵士たち、特殊戦闘部隊(SWAT)が駆けつけるまでの8分が勝負と、金をかき集める。

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元兵士たちの行動と警備員たちの行動が実際の行動と事前に計画を練るときの映像が交互に写し出され、彼らの行動の破綻が見えてくるというスリリングな映像になっています。今、何が起きているかというアクションが楽しめます。こういう映像はめずらしい!

Hは彼らが金を車に収め逃走する間際に立ち上がり、元兵士を締め上げ、銃を奪い戦闘に加入。これが他の警備員を勇気づけ、元兵士たちは損害続出で遂にジャクソンが「金は生き残った者が持ち帰り家族の面倒を見よ」と言い残してなくなった。LAの街の中に逃れ出て逃走するズアンとブレッド。SWATに追い詰められ、秘密のトンネルで金をボギー車に積み替えて逃走。最期にジャンがブレッドを撃ってひとりじめ!

HはFBIのエーゼントの手引きで、ジャンの部屋で待っていた!

 感想:

ジェイソン・ステイサムのクールさとガイ・リッチー監督のスリリングな映像でしか描けない「男の復讐」劇、堪能しました。ステイサムは監督作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(98)で世に送り出されたことを知りませんでした。

第4章が「肝臓、肺、膵臓、心臓」なんですが、この意味が凄い。部屋にジャンが帰ってきて一息ついたところで、Hが息子タギーの死亡検視で知った順に拳銃弾をぶち込む。この怒り!!

「ボーダーライン」(15)のラストでベニチオ・レル・トロが麻薬王の夫婦を銃殺するシーンに似ていますね!😊ちなみにガイ・リッチー監督2作スナッチ」(00)にベニチオ・レル・トロが出演しているんです!スコット・イーストウッドはちょっと気の毒な役でした!(笑)

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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2020)人生の終わりが007、納得の結末でした。

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真っ白な状態で観て欲しい、面白いから!」という感想文に接して、ダニエル・グレイブ版最終作を観ることにしました。ということで全く素人の感想文になります。

本作はダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを演じる5作目にして最後のダニエル版ボンドとなる「007」シリーズ第25作目。「カジノ・ロワイヤル」に始まるグレイブ版ボンド作品に込められた伏線を回収し決着をつけて集大成となる立ち位置にあります。ジュームスボンドで終わるのか007で終わるのかという結末が見えてきた感じがしますね!😊

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ、シリーズ初監督、日系3世で今村昌平監督フアンとか。脚本:過去6作のシリーズを手掛けたニール・バーヴィス&ロバート・ウエイド、フクナガ監督、フィービー・ヴォーラー=ブリッジ。撮影:「ラ・ラ・ランド」のリヌス・サンドグレン、音楽:「ライオン・キング」のハンス・ジマー主題歌:ビリー・アイリッシュ

出演:ダニエル・クレイグ、ミラ・マレック、レア・セドゥ、ラシャーナ・リンチ、アナ・デ・アルマス、ジェフリー・ライトレイフ・ファインズロリー・キニア、他。

MI-6を辞職し、現役を退いたジェームスポンド(ダニエル・クレイグ)は、愛するマドレード(レア・セドゥ)と共にジャマイカで平穏な日々を過ごしていた。そんな彼のもとに旧友のCIA諜報部員フェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)が訪れ、誘拐された科学者の救出を依頼。現役復帰したボンドは、危険な最新技術を操る正体不明の敵との創造を越える過酷な戦いに身を投じていくというもの。

冒頭、マドレードの幼少時の秘密、トラウマが明かされます。ヘビードリンカーの母親と暮らす彼女のところに、能面を被った男がやってきて「父の仇!」と母親を射殺。マドレーは屋外に逃げ凍結した湖面を走るが、割れて水中に。そこを拳銃で撃ってくる男、ミラ・マレックでした。😊

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しかし、彼はマドレードを殺しはしなかった。いつか彼が殺しにくるというのが彼女のトラウマ。これをボンドに告白したいが、今の幸せを失いたくない。

一方のボンドも自分が幸せであればあるほどに、無念に死なせたヴェスパー・リンドが思い出される。マドレードは「あとで話すから、それを忘れて!」とボンドにリンドの墓参りを促した。

「決着をつける」とやってきたリンドの墓参りで、彼が対峙してきた最大の敵スペクターの残党プリモ(ダリ・ベンサーラ)に襲撃された。ボンドはマドレードを連れ出し愛車アストロン・マーチンで逃げ出すが、敵は執拗に攻撃してくる。なぜこうなるか?マドレードの答えも曖昧だった。これでは殺されると、マドレードと別れひっそりジャマイカに逃れ過ごすことにした。ふたりが別れなければならない理由付けの30分にも及ぶ長い前振り。(笑)しかし、イタリア南部のマテーラも街をバックにしたカーアクションがすばらしく全く問題なしです。😊ダニエル・クレイグのアクションにはリアリティを感じ、彼のこれまでの精進が偲ばれます!

この長い前振りが切ない結末“NO TIME TO DIE”に結び付くといううまい脚本です。ここでのマドレードの恨み節がいい!!😊

この事件から5年後。DNA兵器研究者のオブルテェフ(デヴィッド・デンシック)が、研究試薬とデーターベースとともに、スペクターだと名乗る男たちに誘拐されるという事件が発生した。

MI6のM(レイフ・ファインズ)は秘書イヴ・マネーペニー(ナオミ・ハリス)からの事件の報告を受け、密かに処理したいと後任の007・ノーミ(ラシャーナ・リンチ)に捜査を命じた。

元CIA諜報員フェッリクス・ライターがCIA諜報部員ローガン・アッシュ(ビリー・マグヌッセン)を伴って、悠々自適生活のボンドを訪れ、オプルチェフ確保に協力してくれと依頼した。一方、ノーミも007を名乗って協力を求めてきた。ノーミの007、精悍な感じでいいですね!

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退役中のボンドはMにノーミの件を確認すると「CIAを出し抜く!」と自慢げに言うから、旧友ライターに協力することにして、スペクターが開催するキューバの集会に参加することにした。

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現地ではキューバの諜報員・パロマ(アナ・デ・アルマス)が待っていた。ふたりで会場に乗り込むとボンドの出現を待っていたように、刑務所にいるはずの元スペクター元首領ブロフェルドの声、「逃げられんぞ!」と。液体噴霧下、一斉に襲い掛かるが、相手がバタバタと火傷して倒れる。その隙にオプルチェフが逃走。スペクターの残党にパロマが対応、ボンドはオプルチェフを確保してライターが待つ船舶に戻った。何が何だかよく分からなかったが、パロマ役のアナ・デ・アルマスが美しく、舞うような格闘シーンが見事です。彼女の出番はこれでお終い。ここまではテンポよく、アクションに音楽が上手く絡み、臨場感のあるアクションドラマになっています。

会場での顛末をオプルチェフが「ボンドのDNAをスペクターのものに入れ替えていた」と自慢げに語る。「これを指示したのはアッシュだ」と言った途端に、アッシュがライターを射殺し、船舶を爆破して、オプルチェフを連れ準備していた水上機で飛び去った。ライトが亡くなり、オプルチェフ取り逃がしトリックはよく分からなかったが、スパイドラマらしくていい。(笑)

ここでいよいよ冒頭の仮面男・サフィンが登場です。マドレードはボンドと別れたあと、精神科セラピストとして病院で働いていた。そこにサフィンが現れ、マドレードは震えあがった。「あのときの貸しを返せ!」といわんばかりに、ある薬(ナノポット)を飲まされた。サフィンは悪魔のような男ですが、ミラ・マレックの冴えない表情では少し物足りない!(笑)

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ボンドはオプルチェフを取り逃がし、そのことの重大性でMに会うためMI6を訪ねたが、受付で名を名乗らねばならぬ身。Mは聞く耳を持たぬ!幸いオプルチェフが残したUSBを秘密兵器担当主任Q(ベン・ウイショー)が分析したところ、世界がひっくりかえるほどにデーターがあり、これでボンドは現役復帰した。

ブロフェルドは誰に攻撃されているのか?本人に聞きたいと、彼を良く知るマドレードとともに刑務所に捕らわれている彼に会いに行く。

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再会したボンドとマドレードが撚りを戻す切っ掛けは何か、その後のふたり、そしてボンドの最期を見届けてください!感動的です。しかし160分は長すぎる!アクションもダブリが多く、森林内の戦闘シーンなんぞ不要で、ここからはかなりカットできますよね!でも監督の日本へのサービス映像があって楽しめます。

感想:

一見さんに!過去作知らなくても、大丈夫です!十分に楽しめます。分からないところは解説ブログがわんさかありますから、これで肉付けです。😊しかし、ダニエル・クレイグの007としての成長を、過去作を通して見たくなりますね!

諜報員に勲章を授けるとしたら、膨大なものになるでしょう。名も知られず、使命に生きる人たちだから泣けます。

この作品はスパイ物語というより愛の物語。随分変質したんだなと思っていましたが、ボンドの最期は“NO TIME TO DIE”、007として亡くなるんですね!名も財も遺すことはなかったが、娘を遺すという最後、泣けますね!

エンドクレジットでサッチモが唄う「女王陛下の007」の愛のテーマ「We have all the time in the world」。クレイブ・ボンド追悼として、なんとも感無量でした。

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「護られなかった者たちへ」(2021)少しの勇気でよ い、 声を上げよ!

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監督が瀬々敬久さんで佐藤健阿部寛さん出演作ということでこの作品を選びました。客は「007」でこちらは空いていると思っていましたが、よく入っていました。(笑)大半が女性!男性は「007」だったんだろうと思っています。「王様のブランチ」でリリコさんが熱っぽく作品を紹介しましたが、さほどに女性にはぐっとくる作品かもしれませんね!😊

東北大地震を背景に、仙台で起きた不可解な連続殺人事件の捜査の行方と、事件の背後に浮かび上がる社会福祉行政の矛盾をミステリアスに描き出すというもの。

原作は中山七里さんの同名ベストセラー。未読です。監督・脚本:瀬々敬久脚本:林民夫、撮影:鍋島淳祐、音楽:村松崇継主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達」。

出演者。主演は佐藤健阿部寛さん、共演に清原果耶、林遣都永山瑛太緒形直人吉岡秀隆倍賞美津子さん、他。

東日本大震災から10年目の仙台で、全身を縛られたまま放置され餓死させられるという前代未聞の連続殺人事件が発生する。その残忍な殺し方から怨恨の線が有力視されたが、被害者はいずれも人格者として知られ、怨恨の可能性は低いと見えた。そんな中、事件を追う笘篠刑事(阿部寛)は、被害者がかつて同じ福祉保健事務所に勤務していた事実を突き止める。その容疑者は別の事件で服役し、刑期を終え出所したばかりの利根(佐藤健)という男。笘篠は利根を追い詰めていくが、決定的な証拠が掴めないまま、第3の事件が起きようとしていた・・・。

東北大地震を背景にして登場人物のキャラクターに深みを加え、バディ刑事で事件を追い、社会福祉行政の矛盾を考えるという、ヒューマン・ミステリーにして社会派ドラマ。地震被害者の絆の深さに泣かされ、あっと驚く事件の結末、そして生活保護費の矛盾を考えさせられる。

東北地震という大自然災害を乗り越えた人々が、貧困で生活保護費が受けられず亡くなるという人災にどう対応すべきかというテーマ。登場人物の人物像が物語の進展に応じて深まり、それがしっかり絡まりながら、感動的な結末に向かう脚本がすばらしいです。

 演じる佐藤健阿部寛、清原果耶さんの深い感情表現が物語に深みを与えてくれます。さらに悪イメージ?の社会保険福祉センター(事務所)職員をベテランの永山瑛太緒形直人吉岡秀隆さんが演じテーマの重厚性を感じさせてくれます。そして最期に桑田佳祐さんの「月光の聖者達」で物語の余韻を味わうことになります。

物語はコロナ禍の今に通じるもので、とてもよい時期に公開されたと思います。

あらすじ(ねたばれ、最小限に):

東北大地震で設置された小学校の避難所。自宅から遠島けい(倍賞美津子)、母親を探しにカンちゃん(石井心咲)がいた。利根がここに避難してきた。笘篠刑事が妻と長男を探しにやってきた。夜、彼らは満点の星空を見て、生かされていると思った!

地震から復興していくなかで、この4人がいかなる運命に巡り遭うか?

寒さに、遠島けいはひとりぼっちのカンちゃんに毛布を掛けてやる。これでカンちゃんは遠島から離れられない。利根は暴力男と格闘して泥水の中に顔を押し付けられながらカンちゃんを守ったことでカンちゃんと遠島さんと繋がっていく。笘篠はカンちゃんが息子と同じ色、黄色いジャケットを着ていたカンちゃんに声を掛け、息子を偲んだ。

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ここから物語は9年後の現在に移る。

利根はあることで放火事件を起こし、2年の服役を経て、保護司(三宅裕二)の紹介で某鉄工所に就職。

前代未聞というおかしな殺人事件が発生。これを県警の笘篠と蓮田刑事(林遣都)が現場に向かった。現場に名刺が落ちていて、身元はすぐに割れた。名前は三雲忠勝(永山瑛太)と言い、生活保護保健所勤務だった。妻は「恨みを買うよう人でなく、度が過ぎるほどの人で、震災時倒れた墓を元に戻すのに、周りの墓全部も一緒にやるような人だった」という。彼の人柄を知るうえで大きなヒントがあります。

笘篠刑事と蓮田刑事の凸凹刑事が犯人を追っていくことに合わせて、被害者と犯人像の過去が挿入され、事件の動機や犯人像が具体化していく様がミステリアスで絶妙、物語がスリリングに展開しますすばらしい脚本です!映画「マスカレード・ナイト」(2021)は比較にならない!(笑)

震災では、なにげない相手を思う心で繋がり、これが大きな絆へと育っていく。

利根とカンちゃんは半壊の遠島の家に招かれ、3人でウドンを食べたことで、もう離れられない疑似家族となっていった。ここは丁寧に描かれ、倍賞さんの演技に泣かされますね!物語の核となる部分です!

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そんな中で、利根は栃木に仕事を求めて去り、カンちゃんは孤児院に引き取られた。その後カンちゃんは養母に引き取られていった。

笘篠刑事と蓮田刑事は三雲の生活保護保険勤務で恨みを買うようなことはないかと、仙台市青葉区の保険福祉センターを訪ね円山幹子(清原果耶)の勤務現場を見せてもらう。

娘を塾にやるために臨時パートで稼ぐ、そうしないと娘が学校で虐めに会うという。反社会勢力に属する者で自家用車を持つ不正受給者。これらに毅然と対応する円山の勤務実態を見る。円山は不正受給者が震災で増えたと説明した。

円山は生活困窮者で「世間体があるからいらない」という人には、「これは権利!」と強引に申請させるという正義を持っていた。

ここでの清原さんの保護者演技はこれまでにない、落ちつきと強い意思が感じられるもので驚かされました。彼女は本当に凄い人ですね!

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三雲の事件がTVで報じられ、これを観た利根は鉄工会社を辞めた。

三雲が勤務していた杜浦市福祉保健事務所の元所長城之内猛(緒形直人)が三雲同様の奇怪な殺害者となった。笘篠は県警本部の許を得て、保険事務所の全生活保護案件文書を調べトラぶった案件はないかと、署を挙げて実施した。

さらに三雲の勤務対応について、仮設住宅を訪ね申請者から意見を聴取した。「三雲はのらりくらりとはぐらかす!」などと評判がよくなかった。

見つけた案件が遠島けいとこれに絡んだ利根のものだった。笘篠と蓮田は利根を追った!

このころ利根は塩竈市桂島のカンちゃんの養女先を訪ねていた。彼が放火の罪で服役していて2年間会ってなかった。養母さんがカンちゃんの務め先に電話がしてくれたが、ポストにカンちゃんお手紙があり、居場所が分かったので仙台に戻った。

利根は雑貨店でナイフを買って、フードを被り、雨の中、貨物駅歩道卿を歩いていた。これを笘篠と蓮田が追っていた。走る!走る!利根。ちょっとした見せ場です。利根は逃げ切った。そして、野外舞台のある公園でカンちゃんに会った。カンちゃんは円山家の養女となり円山幹子となっていた。

円山は「もう出れたの!」と驚いたが、利根は「模範囚だったから」と2年ぶりの再会をした。このあと利根は円山に何も告げずある場所に向かった。

ここから利根が笘篠に追われるまでの経緯が描かれます。

利根は栃木の仕事に慣れ、カンちゃんのいる桂島に会いに戻った。利根はすっかり明るい子になっていた。ふたりで自転車に乗るシーンがふたりの関係をよく示しています。カンちゃんとふたりで遠島を訪ねた、遠島は持病で臥せっていた。起き上がって、ふたりが初めてこの家に来た時のようにウドンを振舞って喜んだ。利根は遠島が生活に困っていることを知った。

国に迷惑をかけるから、他人に口出ししないで!」と生活保護申請を断る遠島に「俺は本当の母親だと思っている」と説得し、申請のために本人とカンたんと共に杜浦市福祉保健所を訪ねた。対応に出た職員が三雲で「あんたがお婆ちゃんの関係者なら面倒見てあげて!」と申請を受け付けないことを前提にしたような物言いをした。利根が激怒した。これを見た担当者の上崎岳大(吉岡秀隆)が「一度だけやってみるか」と申請書を受け取った。遠島はとても喜んだ!

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今から2年前、利根が遠島を訪ねると誰も看取られることなく、餓死していた。利根は保険事務所前で上崎を呼び止め、「何故生活保護を止めた!」と食って掛かった。

家崎は「本人が辞退した。死ぬときは人間らしく死にたいが、それは難しい」と平然と言い放った。利根の激しい怒りに、所長の城之内が「国の方針が厳しいものに変わったんだ!君たちに言ったって分からんよ」と口を挟んできた。「見殺しにするのか!」と利根の怒りは収まらなかった。これをカンちゃんが見ていた。

遠島を送る火葬場に上崎がやってきて「死んでしまっては何もできない」と弔って帰っていった。「なぜ生きてるときにしてやらぬ!」という利根の怒りは収まらず、福祉保健所に火を放った!

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笘篠と蓮田は遠島と利根の関係を洗っていく。遠島は利根とカンちゃんという子と仲のよい家族のように見えたという話を聞く。そこにカンちゃんという子の存在を知った。まさか自分が義難所で会った少女であったとは気づかなかった!

さらに遠島が生活保護を辞退した理由も分かってきた。彼女には幼いころ捨てた娘がいた。今は学習塾を経営していた。その娘(西田尚美)にも会って話を聞いた。遠島は「娘に迷惑を掛けたくない、さらに三人で家族になりたい!」と辞退した事実を知った。

笘篠と蓮田は「利根は間違いなくここに来る」と今では国会議員になっている上崎の講演会場にやってきて、利根の現れるのを待っていた。講演が終わって駐車場から車で去っていく上崎。駐車場の出口で突然利根が踊り出てきた。笘篠と蓮田が取り押さえた。

利根の尋問は笘篠とは違う刑事が担当した。利根は黙秘して何も発言しない。笘篠は「俺にやらせてくれ!」と申し出たがやらせてもらえない。第3の犯行を防止したかったが、それだけではなかったのではないでしょうか。彼には利根に伝えたいメッセージがあった。

遂に笘篠が尋問を担当することになった。その時、「上崎が消えた!」と秘書から連絡が入った。笘篠は利根に「連れて行け!」と命じた。ここからは伏せます。劇場で確認してください。

感想:

犯人は誰?これは言えないですね。ということでとても曖昧な感想となります。

利根とカンちゃんは兄妹ではないですが、震災で出合って、これ以上ない兄妹になりました。その愛に泣きました!佐藤さんの笑わない孤独な演技、彼にはよく合っていますね。😊

遠島と利根、カンちゃんは本当の親子のようになりました。遠島けいが生活保護を断った理由は「三人で家族になりたい」と死を選択した家族愛にも泣かされます。これが本作の見どころで、説得力のある脚本でした。

 遠島の生活保護辞退に誰かが声を上げることができなかったか?「決まった通りにするなら誰でもこの職は務まる」と職員を責めたいですが、震災で混乱し生活保護申請が余りにも多かったことを考えるとこれも難しかったかも知れない。三雲のような平等主義を貫く気性の人には難しい仕事だった。所長は何を判断するためにその職に就いていたのか、国会議員は何をしていたか。どこに怒りを持っていけばいいのでしょうか。新種コロナで入院できず亡くなった人のことが思い出されます。

最後に紹介される円山のSNS投稿文生活保護は最後の手段、突破してください。護れない人のために声を上げてください。私も責任を取ります」、こうありたいですね!

ラストシーン。笘篠は妻が遺体で発見された海岸に利根を連れてきて「息子はまだだ!君は守ろうとした!」というと「黄色いジャケットの男の子が流れていくのに飛び込めなかった。その子を見捨てた」と利根が後悔を示した。すると笘篠は「ありがとう」と答えた。「ありがとう」と声を上げてくれ、これに救われたということだと思います。笘篠刑事の仕事っぷりは刑事の粋を越えていた。「護られない人を守る!」だった。蓮田は警視庁から流れてきた刑事で笘篠とまさに正反対の刑事だった。いいコンビでした。

震災復興がまだまだ残されたままの映像に心が痛みます。

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「MINAMATA ミナマタ」(2020)久しぶりに涙が止まらなかった!

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水俣病の存在を世界に知らしめた写真家ユージン・スミスアイリーン・美緒子・スミスの写真集「MINAMATA」を題材に描いた伝記ドラマだという。ジョニー・デップが製作・主演を務め、日本からは実力俳優の真田広之國村隼、美波さんらが参加、坂本龍一さんが音楽を手がけた作品です。

監督:アンドリュー・レビタス。脚本:デビッド・ケスラー、スティーブン・ドイターズ、アンドリュー・レビタス、ジェイソン・フォーマン、撮影:ブノワ・ドゥローム音楽:坂本龍一

出演者:ジョニー・デップ真田広之國村隼、美波、加瀬亮浅野忠信、岩瀬晶子、キャサリンジェンキンスビル・ナイ、青木柚、他。

1970年、ニューヨーク。かつてアメリカを代表する写真家と称えられたユージン・スミスは、現在は酒に溺れる日々を送っていた。そんなある日、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市チッソ工場が海に流す有害物質によって苦しんでいる人々を撮影してほしいと頼まれる。そこで彼が見たのは、水銀に冒され歩くことも話すこともできない子どもたちの姿や、激化する抗議運動、そしてそれを力で押さえ込もうとする工場側という信じられない光景だった。衝撃を受けながらも冷静にカメラを向け続けるユージンだったが、やがて自らも危険にさらされてしまう。追い詰められた彼は水俣病と共に生きる人々に、あることを提案。ユージンが撮影した写真は、彼自身の人生と世界を変えることになっていくというもの。

水俣チッソ垂れ流し事件はまだまだ記憶から消えることはありません。作品の中で、水俣病の我が子を「私の宝もの!」と抱く母親の姿に「こんなことがあってはならない!」と涙しました。そしてこの写真を撮ったユージン・スミスの生き様に・・・。

ユージン・スミスは“LIFE誌”を代表するカメラマンではあったが、今はただの酔っ払いのよれよれカメラマン。水俣水銀被害者を前にして、過去の栄光だけではどうにも撮れない。水俣の被害者や支援者に助けられ、彼らの心を掴んだ入魂の一枚「入浴する智子の母」。母の願いを聞き、子を抱いて、ユージンの心が母と子の心に繋がっていくところに「この写真に偽りなし!」と涙しました。

あらすじ(ねたばれ):

冒頭、脳性麻痺の子を“五木の子守歌”を唄いながらあやす母親の映像から物語が始まります。この母親と子供をユージン・スミスアイリーン・美緒子・スミスがどう撮ったかというのがテーマです。

この母親と子供が物語の中に、3度、酔っ払いのユージン・スミスが写真家として生き返る過程に合わせて出てきます。

1970年ニューヨーク。ユージン・スミスジョニー・デップ)は“LIFE”の編集長ボブ(ビル・ナイ)に自分の回顧展のオープニングで「LIFE史上最高の写真家だとスピーチしてくれと頼むが「君は史上最も厄介な写真家だ」と断られる。「あんたをその席につけたのは俺だ!」と皮肉って自分のスタジオに戻った。

今でも腕は一流だと思っているが、輝かしい時代は去り、金もなく酒に溺れる日々を送っていた。

そこに富士フィルムのCMを撮って欲しいとアイリーン(美波)がスタジオにやってきた。「カラーはやらない」と断った。アイリーンはユージンをジャズクラブへ誘っていい気分にさせて、翌日スタジオに現れて「日本で今、海の沈殿物チッソで人々が苦しんでいる。これを世界に広めたい」と申し出た。ユージンは「興味ない!と断った。アイリーンが去って彼女が残していった写真をみて、衝撃を受けた。ユージンはアイリーンにうまく嵌められましたね!(笑)

ユージンはボブを説得し日本行が決まった。ボブは「いいストーリーを作れ!」と送り出した。

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ユージンはアイリーンと共に水俣にやってきた。松村夫妻(浅野忠信、岩瀬晶子)に温かく迎えてくれた。タウオは言い難いが長女アキコが水銀中毒により目が見えず話せない胎児性水俣病だという。シッソ側は脳性麻痺だと主張してなんの保障なく、家計は行詰まっているという。「写真を撮りたい!」と申し出たが断られた。妻のマサコは「ずっと黙っている子だけど、宝ものです」と言った。

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翌朝、ユージンはアイリーンから補償を求める(自主交渉派)メンバーのひとりで、カメラマンのキヨシ(加瀬亮)を紹介された。彼の息子も胎児性水俣病で、自身も手の震えと視野狭窄の症状が出ているが、「子供のために社長に訴え、それでもこの事実を否定できるかを聞きたい。あなたがいると力強い」という。

窒素水俣工場前で自主交渉派のリーダー山崎ミツオ(真田広之)が同士に「世間体を考えて息子のことを考えているだけではダメだ。会社に責任を問う!原因ははっきりしている。声を上げて世界に訴えよう」と呼びかけていた。これを写真に収めた。

工場長の野島ジュンイチ(國村隼)はユージンが現れたと報告を受け関心を持った。

ユージンはサッカーをする子供たちを見ている少年に会った。彼は両脚をギブスで固定し、サッカーに参加できない。この事件にどう取り組むべきかと不安が襲ってくる。「覚悟しろ!ジャズは写真と同じだ!即興だ!子供でも出来る!写して見ろ!」とこの少年にカメラを渡した。

スタジオに戻るとアイリーンに「何故カメラを離した」と問われ、「次世代に渡した!おれの人生は失敗だ!」と話すと、キヨシが「見てくれ!」と準備されたカメラ、暗室、投影機を見せた。ユージンは「ありがとう!」と覚悟が決まった。

あの少年が撮った写真を見たいと訪ねてきた。フィルムの現像から丁寧に教えながら病んでいた心が癒されていった。アイリーンが現像作業を手伝い始め、「写真家は被写体の魂を奪うし、奪われる。耐えられなくなるぞ」と教えた。

ユージン、アイリーン、キヨシは窒素水俣工場付属病院に医療関係者に化けて侵入し、写真を撮ることにした。病室は痩せ衰えた、背中の骨の曲がった患者らで満杯、まるでアウシュビィッツの映像を見るようだった。写真を撮らせてくれと頼むと「顔はダメ!」と断られた」。「目に真実がある!」が、ありがとうと顔を隠した写真を撮った。患者から話も聞いた。

ラボで山下博士の猫の実験フィルムが見つかった(踊るネコ)。15年前から毒害を知りながら水銀を流し続けた!

現像室でユージンはアイリーンと現像作業を続けた。印画紙に「愛情を持って触れろ!対象が見えてくる」と教えながらの現像作業。いつしかふたりは愛を感じ始めた。

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ユージンは窒素水俣工場前の山崎が指導するデモ行動を撮影していた。すると社員にカメラを取り上げられ社長室に連れて来られた。社長の野島が「窒素は肥料として日本の食を支えており極めて大切な製品。汚染吸いに反対しているのはほんの僅かで無視できる数値だ!手を引いて欲しい」と5万ドルを渡した。ユージンは「ふざけるな!」と受け取らなかった。

住民は訴訟派と会社一任派に別れ激しく衝突する。山崎が必死に訴訟の必要性を説き、一任派の拠り所“署名名簿”のインチキを明らかにする。ユージンはこれをカメラに収めた。

ユージンが松村の家に寄ると、妻のマサコがアキコを入浴中だった。マサコが「抱いてみる?」と言うが、ユージンは子供を抱いたことがなかった。アイリーンが「ちょっと買い物」とマサコを誘い、ユージンが抱いて面倒をみることになった。彼は「星に繋がる梯子が・・」と歌いながらアキコをあやしてみた。

山崎の家で談笑していて、突然警官の捜索を受けた。事態が緊迫してきた。ボブからストックフォルムの展示会までに記事を送れと急かされていた。

夜、風呂で“社長の言ったこと”考え、これまで撮影したフィルムを一気に編集することにした。現像!現像!に追われ、やっと終わったところにで、スタジオに火を掛けられた。飛び込んだが救いだせなかった。

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ニューヨークは夜。ボブを起こして「帰国する!俺のやっていることは人を苦しめるだけだ!」と伝えると「この30年でもっともいい仕事だ!皆が期待している」と帰国を許さなかった。

あのギブスを付けた脚の悪い少年がカメラを持ってきた。写真の撮り方を教えながら、こんな子でも頑張っているともぅ一度挑戦することにした。

民集会。ユージンは「1000の言葉より1枚の写真。皆さんの役に立ちたい!家族の大切な時間を共有したい。親密な時間を分かち合い、最大限の配慮と尊厳をもって撮ります。写真を撮らして欲しい」と訴えた。参加者が賛同してくれた。

震えながら飯を盛る子供、苦しむ子を介護する母親・・と苦しむ家族の写真を撮りまくった。

1871年3月7日、大規模デモを取材。激しい投石が飛び交うなかでの取材だった。ユージンはデモ中にいて、捕らわれ、殴られ、大怪我で入院に身となった。

山崎ら自主交渉派は会社に乗り込み、社長と直接交渉していた。娘を介護する母親が「ふたりの娘は病気。長女は何度も痙攣し、泣くことも出来ない。私たちがいなくなったら娘たちはどうやって生きていくのか?社長さん教えてください」と訴えた。山崎は社長の机に乗って「社長も人間!同じ人間がこんなことしていいのですか?」と詰め寄る。社長は席を外し弁護士に「払えるか?」と検討した。

入院中のユージンの元に男が訪ねてきて「申し訳なかった。許して欲しい」と封筒を残して帰って行った。中味は火災で消滅したと覆っていた写真の一部だった。

ユージンが退院して、松村の家を訪ねると、五木の子守歌が聞こえた。マサコがアキコを入浴させているところだった。アイリーンがカメラを据えていて、ユージンに撮れと促した。ユージンは怪我で動かない手でアイリーンの助けを借りてシャッターを押した。

写真「入浴する智子の母」はボブのところに送られ、LIFEに載った。この写真を野島社長が見た。

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1973年、熊本水俣病第1次訴訟判決で原告「勝訴」となった。

感想:

久しぶりにエンデイングを見て、涙が止まらなかった!

物語はちょっとミステリアスでテンポよく、ユージンとアイリーンのラブロマンスを交えながら水俣公害闘争を追い、「入浴する智子の母」写真がその闘争に与えた意義が浮かびあがるという、うまい脚本でした。

害者たちの生き様、被害者救済をする人達。決してあきらめない!自分たちの時代で終わる問題でないと世界に抗議する姿に感動しました。決してこの惨状を起こしてはならない。しかしながら、世界には次々と海水汚染問題が起こっている。ジョニー・デップの怒りの声が聞こえるような作品です。

ジョニー・デップがこんな役を?と思いましたが、まさにユージン・スミスに成りきって、すばらしい演技でした。この演技をしっかり支える日本人俳優の皆さんの演技も見事でした。特に真田広之さんが演じるヤマザキ・ミツオの声は世界に届くでしょう。

美波さんの流暢な英語での演技、見事でした。アイリーンが主役といってもいい活躍でした!

撮影は日本ではないということですが、違和感なく美しい映像でした。

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