映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「理想郷」(2022)閉鎖社会の野獣たちにどう立ち向かう?いかにして理想郷を手に入れる!

スペイン・フランス合作作品。「閉鎖的な地方のコミュニティーにおける差別と対立をスペインで実際に起きた事件」を基に映画化した心理スリラー。 第35回東京国際映画祭で東京グランプリ(最優秀作品賞)、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞を受賞した作品。こ…

「午前4時にパリの夜は明ける」’80年代のパリ。時を経て再生される家族の物語!

2022年度フランス製作作品1980年代のフランス。深夜放送を聞いていたことが切っ掛けで、人生を取り戻す話。 日本の1980代も同じような環境にあったように思う。深夜放送ではなく深夜TVの方でしたが。(笑) ストーリーがとてもシンプルで、フィーリングで観る…

「異人たち」(2923)ゲイの孤独と愛、華族の絆を描く! 沢山泣いて、生きる力を貰った!

LiLiCoさんが“王様のブランチ”で涙しながら「見て欲しい!」と訴えた作品。これで観ることにしました。(笑) 日本を代表する名脚本家・山田太一の長編小説「異人たちとの夏」を、「荒野にて」「さざなみ」のアンドリュー・ヘイ監督が映画化。1988年に大林監督…

「The Son 息子」(2022)息子とは何者か、鬱症の子を持つ父親の苦闘を体験!

監督が「ファーザー」(2021)で第93回アカデミー脚色賞を受賞したフロリアン・ゼレール。ヒュー・ジャックマン、アンソニー・ホプキンス:アンソニー出演ということで、事前情報なくWOWOWで観ました。 これがよかった。「ファーザー」と同じく擬似体験できる…

謎解きながらの函館名所めぐり。アクション、恋も満載!おじんにはちと辛いスピード展開だった!(笑)

「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」(2024) この時期にこの作品。コナンの主題曲と自己紹介で季節を感じる!毎年楽しみにしています。今年はことの他内容が十分で何を書いてよいか分からない!(笑) 劇場版シリーズ27作目です。 土方歳三…

「リバー、流れないでよ」(2023)時間が流れないとどうなる!ヨーロッパ企画らしいコメディー!

「第33回日本映画批評家大賞」脚本賞受賞おめでとうございます! 上田誠率人気劇団「ヨーロッパ企画」が手がけたオリジナル長編映画第2作目。“ヨーロッパ企画”となると、「四畳半タイムマシンブルース」(2022)が記憶にある。苦しめられ、難解だった記憶が…

「アステロイド・シティ」(2023)宇宙人の出現で絆を取り戻す家族劇とこれを演出する舞台裏!

ウェス・アンダーソン監督といえば、私にとっては「犬が島」(2019)。あの色彩、絵の構図、ユーモア、テーマ性、日本通であることが忘れられず、映画COMの案内で、観ることにしました。 ところが本作ちょっと違った。案内と違う! 話が頭に入らず眠くなる(…

「オッペンハイマー」(2023)核のパンドラの箱を開けた男の栄光と没落!理論先行、結果後回しの罪!

クリストファー・ノーラン監督作品で、原発の父と言われるオッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。最も関心を持つ被爆国日本での公開が危ぶまれるというので心配していた作品。公開初日に駆けつけての鑑賞でした。 物語の背景となる政治状況や米ソ核競争を…

「波紋」(2023)不条理の始まりは原発事故!それを赦し我慢、我慢で堪え、その先に見えたものは!

荻上直子さんの監督・脚本作品。震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。(映画COM) 前作「ムコリッタ」は孤独をテーマにほっこりしたユーモアたっぷりの物語で楽しめましたから…

「デューン 砂の惑星 PART2」(2024)ストーリー、映像の美しさ迫力がグレードアップ、次作を期待!

期待していた作品、1週間遅れで観ました。この間にたくさんのレポートが出ており、感想も今さら感がありますが、自分のメモということで書いてみました。本作は第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作「DUNE デューン砂の惑星」の続編です。…

「ザ・ホエール」(2022)人生って懺悔だらけだ!最期はこういう死であって欲しい!

死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描くというA24 作品。以下肥満症の男をデブと呼びますが、他意はない、ご容赦のほどを。 いかなるホラーを見せてくれるかと思ったら全く違っていた。長く人生を送った者にしか分からない、人生の閉じ…

「アダマン号に乗って」(2023)まさか精神疾患施設とは、ここに求められるものを問うドキュメンタリー!

「ぼくの好きな先生」「人生、ただいま修行中」などで知られるフランスのドキュメンタリー監督ニコラ・フィリベールが、パリのセーヌ川に浮かぶデイケアセンターの船「アダマン号」にカメラを向けたドキュメンタリー。 精神疾患のデイケア施設、私には映画「…

「LOVE LIFE」(2022)愛という心理の揺れ、なくしてその存在に気付く!

「淵に立つ」(2016)「よこがお」(2019)の深田晃司監督作品。矢野顕子さんのアルバム「LOVE LIFE」(1991)に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を描いたもの。ベネチア国際映画祭(2022)コンペティション部門作品。…

「ちひろさん」(2023)風俗嬢と弁当屋を掛けて描く人生訓、生きるに必要なこと全部教えてくれる。

“ちひろ“という平凡な名にさん付けとは?監督が今泉力哉さんだから何か曰くがあるなとWOWOWで観ることにしました。(笑) 作品紹介を見ると「弁当屋さんで働く女性・ちひろ。元風俗嬢である」とある。 演じるのが有村架純さんとなると観ようかとなる。これを戒…

「52ヘルツのクジラたち」(2024)家族という呪いから解かれた命、聞こえない弱者の声を捜して生きる!

タイトルがいい!これで観ることにしました。 多用な家庭環境、ヤングケアラー、児童虐待、トランスジェンダーと苦を抱える人たちの物語。ラストで涙に溢れた。何もしてあげられないが、泣けたことが少しはみなさんに近づけたかなと思わせてくれる作品だった…

NHK「マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪」(2024)

3月29日公開の「オッペンハイマー」(2023)。これに先立ちNHK番組「映像の世紀」(2024.2.19)で放送されたもの。映画の参考になればと観てみました。 なかなかの力作。日本の原爆開発視点からの描写もあり興味深かった。何よりも驚いたのはアインシュタイ…

「エゴイスト」(2023)性愛で描く、エゴイストが愛に目覚める物語!

昨年の邦画の中で評判のよかった作品。見逃していてWOWOWでやっと観ることができました。 男性カップルの性愛をここまで描くようになったかと思った。これがあるから「エゴイスト」のタイトルが分からる作品だった。(笑) 原作:エッセイスト・高山真さん(20…

「コヴェナント 約束の救出」(2024)友を見捨てないとガイ・リッチーが描くアフガン戦場描写の見事さ!

「スナッチ」「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督が、アフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーに着想を得て撮りあげた社会派ドラマ。 2021年8月21日、アメリカ軍がアフガニスタンから撤退することに伴い自衛隊機…

「肉弾」(1968)自らが体験した太平洋戦争。青春を無駄にされた監督の悔しさが伝わる!

WOWOW「生誕100年岡本喜八監督特集」で放送された第2作目の作品。「日本のいちばん長い日」(1967)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971)をとばしてこの作品ということが分かる作品だった。 岡本監督は1945年1月に松戸の陸軍工兵学校に入隊し愛知県豊橋市に…

「658km、陽子の旅」(2023)菊池凛子が学んだことは人生におけるとてもシンプルなことだった。

NHK朝ドラ「ブギウギ」に淡谷のり子役で出演の菊地凛子さん。朝イチでのトークで、「この作品で私は変わった」と話す。いかなる作品なりやと観ることにしました。彼女の作品では「バベル」(2006)しか観ていない。 夢やぶれフリーターとして、人との接触を…

「ボーはおそれている」(2023)これ、アリ・アスター作品、大笑い。こんなやついる一杯!親の責任だ!

2023年度製作作品。「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」の鬼才アリ・アスター監督と「ジョーカー」「ナポレオン」の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組み、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な旅に巻き込まれていく姿を描いたコメデ…

「侍」(1965)圧倒される時代劇だった!侍になれなかった男の話にテーマを感じる。

岡本喜八作品で観ているのは「日本のいちばん長い日」(1967)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971)のみということで、WOWOW「生誕100年岡本喜八監督特集」での鑑賞です。 大老井伊直弼の落胤が、桜田門外の変で実父を斬るまでを描くというもの。 原作:群司…

「夜明けのすべて」(2024)出会ってよかった!人は助け、助けられ、夜は明ける!

監督が「ケイコ目を澄ませて」(2022)の三宅唱さん。タイトルの“すべて”とは何か。これで観ることにしました。 主人公はPMS(月経前症候群)を抱える女性とパニック障害に苦しむ青年が出会い、生きる道を見出す物語。前作の障害者ボクサーの生き様を上回る…

「スープとイデオロギー」(2022)イデオロギーには裏切られるが、スープの味は裏切らない!

タイトル名、これは洒落ている!と観ることにしました。(笑) 監督・脚本が「かぞくのくに」(2012)のヤン ヨンヒさん。韓国現代史最大のタブーとされる“済州4・3事件”を体験した母を主役に撮りあげたドキュメンタリー作品。 物語は、 朝鮮総連の熱心な活動…

「オオカミ狩り」(2022)見せ場のあるスプラッター映像だが、テーマをわかり易くリアリティが欲しい!

2022年度韓国作品「凶悪犯たちを乗せた船で生き残りをかけて繰り広げられる戦いの行方を、容赦ない暴力描写で描いた韓国製サバイバルアクション」ということで、前情報なしに韓国映画が好きだとWOWOWで観ました。今作はちょっと様子が違った。(笑) 監督・脚…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」時代に翻弄された友情、幼い時の友情は人生の宝物だ!

1984年度製作作品。マカロニウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネの遺作となった作品。「モリコーネ 映画が恋した音楽家」(2021)で音楽のすばらしさを知りDVD(229分版)で観ることにしました。 アメリカの禁酒時代に翻弄されるギャングたちの友情物語、行…

「ヘイトフル・エイト」(2015)ストーリー、血の演出に仰天も、結末はアメリカの未来に光を放つ!

映画「モリコーネ・・」(2021)を観て、モリコーネが本作で6度目の挑戦でアカデミー賞作曲賞を手にした作品であると知った。監督のクエンティン・タランティーノが「モリコーネはバッカ、ベートーヴェンに並ぶ作曲家である」と褒めちぎった作品、観ないわけ…

「哀れなるものたち」(2024)エマ・ストーンが演じるフェミニズム、自分の体だ!人に任せるな!

「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再タッグを組み、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化作品。グレイは「フランケンシュタイン」の作家メアリー・シェリーをモチーフに書いたという。…

「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(2024)歌舞伎町、“なんとかなる!”とPOPに生きる!

「ミッドナイトスワン」の内田英治と「岬の兄弟」「さがす」の片山慎三が共同で監督を務め、出演者に伊藤沙莉、竹野内豊、北村有起哉が名を連ねる。当県では上映館がなくWOWOW放送時に観ることにしました。 新宿・歌舞伎町を舞台にブラックユーモアたっぷり…

「対峙」(2021)“罪を憎んで人を憎まず“、この言葉の重さを考えた!

高校銃乱射事件の被害者家族と加害者家族による対話を描いたドラマ。このキャッチコピーに、WOWOWで観ることにした。 監督・脚本:「キャビン」などの俳優フラン・クランツ、初監督・初脚本です。 撮影:ライアン・ジャクソン=ヒーリー、編集:ヤン・ホア・…