映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

WOWOW(2024)

「理想郷」(2022)閉鎖社会の野獣たちにどう立ち向かう?いかにして理想郷を手に入れる!

スペイン・フランス合作作品。「閉鎖的な地方のコミュニティーにおける差別と対立をスペインで実際に起きた事件」を基に映画化した心理スリラー。 第35回東京国際映画祭で東京グランプリ(最優秀作品賞)、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞を受賞した作品。こ…

「午前4時にパリの夜は明ける」’80年代のパリ。時を経て再生される家族の物語!

2022年度フランス製作作品1980年代のフランス。深夜放送を聞いていたことが切っ掛けで、人生を取り戻す話。 日本の1980代も同じような環境にあったように思う。深夜放送ではなく深夜TVの方でしたが。(笑) ストーリーがとてもシンプルで、フィーリングで観る…

「The Son 息子」(2022)息子とは何者か、鬱症の子を持つ父親の苦闘を体験!

監督が「ファーザー」(2021)で第93回アカデミー脚色賞を受賞したフロリアン・ゼレール。ヒュー・ジャックマン、アンソニー・ホプキンス:アンソニー出演ということで、事前情報なくWOWOWで観ました。 これがよかった。「ファーザー」と同じく擬似体験できる…

「リバー、流れないでよ」(2023)時間が流れないとどうなる!ヨーロッパ企画らしいコメディー!

「第33回日本映画批評家大賞」脚本賞受賞おめでとうございます! 上田誠率人気劇団「ヨーロッパ企画」が手がけたオリジナル長編映画第2作目。“ヨーロッパ企画”となると、「四畳半タイムマシンブルース」(2022)が記憶にある。苦しめられ、難解だった記憶が…

「アステロイド・シティ」(2023)宇宙人の出現で絆を取り戻す家族劇とこれを演出する舞台裏!

ウェス・アンダーソン監督といえば、私にとっては「犬が島」(2019)。あの色彩、絵の構図、ユーモア、テーマ性、日本通であることが忘れられず、映画COMの案内で、観ることにしました。 ところが本作ちょっと違った。案内と違う! 話が頭に入らず眠くなる(…

「波紋」(2023)不条理の始まりは原発事故!それを赦し我慢、我慢で堪え、その先に見えたものは!

荻上直子さんの監督・脚本作品。震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。(映画COM) 前作「ムコリッタ」は孤独をテーマにほっこりしたユーモアたっぷりの物語で楽しめましたから…

「ザ・ホエール」(2022)人生って懺悔だらけだ!最期はこういう死であって欲しい!

死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描くというA24 作品。以下肥満症の男をデブと呼びますが、他意はない、ご容赦のほどを。 いかなるホラーを見せてくれるかと思ったら全く違っていた。長く人生を送った者にしか分からない、人生の閉じ…

「アダマン号に乗って」(2023)まさか精神疾患施設とは、ここに求められるものを問うドキュメンタリー!

「ぼくの好きな先生」「人生、ただいま修行中」などで知られるフランスのドキュメンタリー監督ニコラ・フィリベールが、パリのセーヌ川に浮かぶデイケアセンターの船「アダマン号」にカメラを向けたドキュメンタリー。 精神疾患のデイケア施設、私には映画「…

「LOVE LIFE」(2022)愛という心理の揺れ、なくしてその存在に気付く!

「淵に立つ」(2016)「よこがお」(2019)の深田晃司監督作品。矢野顕子さんのアルバム「LOVE LIFE」(1991)に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を描いたもの。ベネチア国際映画祭(2022)コンペティション部門作品。…

「ちひろさん」(2023)風俗嬢と弁当屋を掛けて描く人生訓、生きるに必要なこと全部教えてくれる。

“ちひろ“という平凡な名にさん付けとは?監督が今泉力哉さんだから何か曰くがあるなとWOWOWで観ることにしました。(笑) 作品紹介を見ると「弁当屋さんで働く女性・ちひろ。元風俗嬢である」とある。 演じるのが有村架純さんとなると観ようかとなる。これを戒…

「エゴイスト」(2023)性愛で描く、エゴイストが愛に目覚める物語!

昨年の邦画の中で評判のよかった作品。見逃していてWOWOWでやっと観ることができました。 男性カップルの性愛をここまで描くようになったかと思った。これがあるから「エゴイスト」のタイトルが分からる作品だった。(笑) 原作:エッセイスト・高山真さん(20…

「肉弾」(1968)自らが体験した太平洋戦争。青春を無駄にされた監督の悔しさが伝わる!

WOWOW「生誕100年岡本喜八監督特集」で放送された第2作目の作品。「日本のいちばん長い日」(1967)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971)をとばしてこの作品ということが分かる作品だった。 岡本監督は1945年1月に松戸の陸軍工兵学校に入隊し愛知県豊橋市に…

「658km、陽子の旅」(2023)菊池凛子が学んだことは人生におけるとてもシンプルなことだった。

NHK朝ドラ「ブギウギ」に淡谷のり子役で出演の菊地凛子さん。朝イチでのトークで、「この作品で私は変わった」と話す。いかなる作品なりやと観ることにしました。彼女の作品では「バベル」(2006)しか観ていない。 夢やぶれフリーターとして、人との接触を…

「侍」(1965)圧倒される時代劇だった!侍になれなかった男の話にテーマを感じる。

岡本喜八作品で観ているのは「日本のいちばん長い日」(1967)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971)のみということで、WOWOW「生誕100年岡本喜八監督特集」での鑑賞です。 大老井伊直弼の落胤が、桜田門外の変で実父を斬るまでを描くというもの。 原作:群司…

「スープとイデオロギー」(2022)イデオロギーには裏切られるが、スープの味は裏切らない!

タイトル名、これは洒落ている!と観ることにしました。(笑) 監督・脚本が「かぞくのくに」(2012)のヤン ヨンヒさん。韓国現代史最大のタブーとされる“済州4・3事件”を体験した母を主役に撮りあげたドキュメンタリー作品。 物語は、 朝鮮総連の熱心な活動…

「オオカミ狩り」(2022)見せ場のあるスプラッター映像だが、テーマをわかり易くリアリティが欲しい!

2022年度韓国作品「凶悪犯たちを乗せた船で生き残りをかけて繰り広げられる戦いの行方を、容赦ない暴力描写で描いた韓国製サバイバルアクション」ということで、前情報なしに韓国映画が好きだとWOWOWで観ました。今作はちょっと様子が違った。(笑) 監督・脚…

「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(2024)歌舞伎町、“なんとかなる!”とPOPに生きる!

「ミッドナイトスワン」の内田英治と「岬の兄弟」「さがす」の片山慎三が共同で監督を務め、出演者に伊藤沙莉、竹野内豊、北村有起哉が名を連ねる。当県では上映館がなくWOWOW放送時に観ることにしました。 新宿・歌舞伎町を舞台にブラックユーモアたっぷり…

「対峙」(2021)“罪を憎んで人を憎まず“、この言葉の重さを考えた!

高校銃乱射事件の被害者家族と加害者家族による対話を描いたドラマ。このキャッチコピーに、WOWOWで観ることにした。 監督・脚本:「キャビン」などの俳優フラン・クランツ、初監督・初脚本です。 撮影:ライアン・ジャクソン=ヒーリー、編集:ヤン・ホア・…

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」(2021)荒野の用心棒は屈辱だと探す映画音楽の旅!

「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、師であり友でもある映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネに迫ったドキュメンタリー。 いくつかの作品は観ているがどのような人なのかほとんど知らない。音楽音痴が感想書くのもおこがましい…

「1秒先の彼」(2023)不思議な物語だった!20年間の積り積もった初恋の記憶に泣けた!

監督・山下敦弘と脚本家・宮藤官九郎が初タッグを組み、台湾映画「1秒先の彼女」(2020)をリメイクしたラブストーリー。原作の舞台を京都に移して男女のキャラクター設定を逆転し、周囲よりワンテンポ早い男性とワンテンポ遅い女性の“消えた1日”をめぐるフ…

「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室」(2023)待っていては救えない命がある!熱血彼らに涙!

能登の地震災害を見て、今、この作品をみたとき、待っていては救えない命があることの意味が重く圧し掛かる。家屋の下敷きになり誰かが助けてくれると頑張りながら亡くなった人に申し訳ないような気分です。 林官房長官の地震直後の記者発表(これも遅かった…

「映画めんたいぴりり パンジーの花」(2023)よか人情噺に、たっぷりと博多が楽しめる!

めんたいこ製造販売「ふくや」の創業者川原俊夫をモデルにした劇場版2作目。 前作がとても面白かったのでWOWOWで観ました。 前作は戦後、大陸から引き上げ、昭和30年代に博多中州に店を構え、釜山の総菜であった明太子に改良に改良を重ね、博多辛子明太子を…

韓国映画「ハッピーニューイヤー」(2021)美しい!いい話が沢山あって、ごちゃごちゃするけど!

能登半島元旦地震に羽田空港での日航機炎上という暗いニュースから年が明けました。とても「ハッピーニューイヤー」という雰囲気ではないが、本作のテーマは「先が読めない人生」。今年を信じる力になるとWOWOWで鑑賞。 監督:クァク・ジェヨン、脚本:ユ・…