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宮﨑あおいさんを応援します

「罪人たち」(2025)ブルースがテーマ、アクション、ストーリーも凄い!

 

第98回アカデミー賞(2026年3月15日)に史上最多となる16部門でノミネートされている作品、ということで観ました。この時期にWOWOWで放送してくれ感謝です。

1932年、シカゴで稼いだ双子の黒人兄弟が故郷南部の田舎町に戻り、禁酒下で酒や音楽を振る舞うダンスホールを開店。その夜、ブルース曲で飲み悔い踊る最中に、招かざる客の来訪によって場は一転するサバイバルスリラー

原題はSinners。sinnersは道徳的または宗教的な罪を犯した人々を指す言葉。

まさかゾンビ映画だったとは思わなかった!驚いたゾンビ映画ならその背景がテーマ

監督が「ブラックパンサー」の黒人監督ライアン・クーグラー出演者マイケル・B・ジョーダン以下黒人俳優たちブルースを描く。black、black、blackでなんとなくテーマは想像できます

アメリカで生きる(生きた)黒人たちの生き様とそれを支えているものが描かれている。移民排斥のトランプ政権下では求められる作品ではないでしょうか。

黒人としての血の繋がり、生きる希望の歌ブルース、そして時代を超えて繋がり、ラストに近づくほどに感動するストーリーでした。

アカデミー賞、期待できると思います

監督:ライアン・クーグラー脚本:ライアン・クーグラー撮影:オータム・デュラルド・アーカポー、編集:マイケル・P・ショーバー、音楽:ルドウィグ・ゴランソン。

出演者マイケル・B・ジョーダンヘイリー・スタインフェルド、マイルズ・ケイトン、ジャック・オコンネル、ウンミ・モサク、ジェイミー・ローソン、オマー・ミラー、デルロイ・リンドー、他。

物語は

1930年代、信仰深い人々が暮らすアメリカ南部の田舎町。双子の兄弟スモークとスタックは、かつての故郷であるこの地で一獲千金を狙い、当時禁止されていた酒や音楽を振る舞うダンスホールを開店する。オープン初日の夜、欲望が渦巻く宴に多くの客が熱狂するが、招かれざる者たちの出現により事態は一変。ダンスホールは理不尽な絶望に飲み込まれ、人知を超えた者たちの狂乱の夜が幕を開ける。(映画COMより)


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あらすじ&感想(ねたばれ:注意)

〇冒頭、生まれながらに真の音楽を奏でられる人について言及がある

西アフリカで“グリオ”と呼ばれる音楽は生と死の間のベールを突き破り、過去そして未来から靈と呼ぶもので、彼らの才能は土地の人々に癒しを与えるが邪悪な存在をも引き寄せると紹介され、ブルースが本作の大きなテーマになっています

〇1932年10月16日、ミシシッピー州クラークスデールでの出来事。

綿農場の中に立つ教会に黒人の若者サミー(マイルズ・ケイトン)が血を浴びた格好でボディーを失くした壊れたギターを持って、ミサの最中の教会のドアを開ける。すると牧師で父親のジュドが「それでいい、息子に罪はない。神の声で、正しい教えを広めて道を示せ!神の名においてギターを捨てろ!」とサミーを抱き締めた。

サミーに何が起こったか、何故ギターを捨てねばならぬ

〇1日前、サミーが教会を出ていくところから物語が始まる

サミーは夜明け前に起き出して朝の綿摘み仕事を終え、教会に出向いて牧師の父に“明日朝までには戻る”と休みを願い出た。父親は「演奏すると悪魔がついてくる」と注意された。

〇双子の兄弟、スモークとスタックがダンスホール開店のため帰省した。

スモーク(兄)が青のハンチング、スタック(弟)は赤ハットを被っている。性格はこの色の意味するところに同じでスモークは厳格で、スタックは情熱的。

彼等はシカゴで稼いだ金で、賭けではなく危ない金らしいが、早く使いきりたいと今夜にもダンスホールを開きたいらしい

 まずは建物の取得と、

地主のホグウッド(デヴィッド・マルドナルド)から古い製材所を買った。「今後、あんたやKKKが敷地に入った射殺する」と話すと、「KKKはもういないよ」とバカにされた。店の名前を“クラブ・ジューク”とした。

 次に演奏者として先ずサミーを招集した。

スモーク&スタックにとってサミーは従弟の関係。スモーク&スタックが教会でサミーをピックアップした。

このあと、スモークとスタックとサミーのグループに分かれて行動

別行動を取るにあたってスモークはサミーに“スタックは隙が多いからしっかり見張れ!”と注意した。

〇スモークはトラックで中国人系のボー・チョー(ヤオ)が営む雑貨商を尋ねた。

100人分の糧食・飲み物、カードやルーレット、看板などを注文。店舗運営のためポーと妻グレース(リー・ジュン・リー)に支援を依頼した。グレースは子供を残して参加することになった。スモークはトラック荷を覗く不審者2人を銃撃で負傷させた。

この後、スモークは別れた妻のアニー(ウンミ・モサ)を尋ね、料理人を要請した。

スモークは家に入る前に亡くした娘の墓に参った。アニーとの再会は7年ぶりだった。アニーは占い師でお守りを売って生計を立てていた。「店を出しに戻った」と告げると「店を買う金が汚い金か」と問われ、「そうだ」と答えた。(笑)スモークは「シカゴには幽霊も悪魔もいない。そこは権力と金の世界だ」と話した。

アニーは「あんたもスタックも私が祈ったから無事だった。娘だけはだめだった」と悔いた。アニーはスモークがお守りを持っていることを確認し、「あんたの身体が私を覚えていた」とふたりはセックスをした。このあとふたりはクラブ・ジュークに向かった。

〇スタック&サミーはクラークスデール駅に急いだ

サミーは途中で「叔父さんを殺したのはどちらか?」と聞いた。スタックは「兄のスモークだ。俺は親父に殴られ気を失っていた」と答え、“賭けで貰った“とチャーリー・パットン”のギターをサミーに与えた。サミーは“これならいける”と喜んだ。

ハーモニカで路上ライブ中のデルタ・スリム(デルロイ・リンドー)に会った。

デルタとはシカゴで昵懇の仲だった。ピアノ&ハーモニカ奏者で最高のブルース奏者だった。しっかり稼いだが酒に溺れた。友人がKKKに騙され金を巻き上げられたことでKKKに強い嫌悪感を持っていた。クラブ・ジューク開店のため同行してくれることになった。

偶然、黒人歌手のパーリン(ジェイミー・ローソン)に出会った

彼女はサミーを覚えていた。スタックが「幸せか?」と声を掛けると「あんたの手は読まれている」と去って行った。

サミーがこちらを見ている“白人女性”に気付いた

スタックがサミーに“あっちで演奏しろ“と声を掛け、この女性と話し始めた。スタックが昔愛し合った女性メアリー(ヘイリー・スタインフェルドだった。メアリーは母親が亡くなって葬儀にはスタックたちが来ると思って街に戻って来たという。母親はスモーク&スタックが生まれるときの産婆さんでその後も面倒を看てくれた人だった。スタックは「店を開く、君の場所を設けておく」と伝えた。

スタック&サミーにデルタが加わり、3人で農夫を尋ねた

スモークが農園で働けるよう世話した農夫コーンブレッド(オマー・ミラー)。いい金になり酒が飲めると用心棒に雇った。妻のスリース(エモニエ・エリソン)は妊娠叶で一緒に来ることになった。

ここまででクラブ・ジューク開店に関わるスタッフの説明が終わったそれぞれのキャラクターが事件にどう関わってくるかが見どころです

〇夕暮れ時、傷を負った男が農夫夫婦の小屋に救助を求めてきた

謎の男・レミック(ジャック・オコンネル)は“チョクトー族に追われている”と助を求めた。応対したのはKKKの一員であるバート(ピーター・ドレイマニス)と妻ジョーン(ローラ・カーク)。ふたりは銃を突き付け断った。レミックは「金を出すから匿ってくれ!」と懇願した。

チョクトー族のチェイトン(ナサニエル・アーカンド)が訪ねてきた

2人の部下を連れ「危険な男を追っている。家に入れてはならぬ男だ、今すぐ行動せねばならぬ」と尋ねてきた。ジョーンが対応し「匿ってない!」と答えると帰って行った。ジョーンがバードに「先住民は帰った」と伝えると、レミックから「彼は眠っている」と声がした。ジョーンの“ギャア“と叫ぶ異様な声が起こった!何があったか?

〇“welcome クラブ・ジュークへようこそ”とダンスホールがオープン

電気を引き入れ電灯が点いた。料理に酒、音楽にトランプが準備でき、客が集り始めた。

パーリンが現れ、スタックが“来たか!”と歓迎

サミーにパーリンに「唄うか?」と声を掛けた。「成り行き次第よ」の返事に「男はいるか?」と聞くと「いない」と返ってきた。どうやらサミーはパーリンが気に入ったようだ。

メアリーは顔なじみのコーンブレッドに言葉を掛けてクラブに入った

サミーを見つけてスモーク&サミーとサミーの関係を聞き「血統の割には真っ当な若者だ」と評価した。(笑)しかし、スモークはメアリーにいい感情を持っていなそうだ。スタックがこれをカバーしていた。

カウンターにいるサミーのところにメアリーが近づいた

サミーは一緒にいることを嫌がり、“帰った方がいい”と勧めた。メアリーは“飲ましてあげる”と意に介しない!メアリーが「ギターで稼いでいるの?」とサミーに聞く。サミーが「今は、まだ」と答えると「あんたは何者?」と言い、“自分の血”について話した。「母の父親が半分黒人。KKKに狙われないよう母が育てた。あの双子は母が取り上げ、実母の死後、母が育てた。それなのに母の死に金を送って来ない」とスモーク&サミーを貶した。サミーは演奏のために席を外した。

カウンターにスタックが座り、メアリーと会話

スタックは「白人の夫と農場を与えた、だからもう帰れ!」と勧めた。メアリーは「私の望みでない。あなたと生きたかった」という。スタックは「ここにいるとKKKに狙われる、お前に何かあったら俺とスモークで皆殺しにしてやる」と諭すが、「若い頃はあんたが帰ってくると待ち続けた。今は分かる、あんたは留まれない、はっきり言って!」と聞く。スタックは「愛しているのか、安全でいて欲しい、ここじゃだめだ」と答え、カウンターを離れた。

デルタのピアノ演奏に続いてサミーが唄う。サミーは父親の言葉「ブルースは押し付け宗教とは違う。俺たちの中に脈々と宿っているもので魔法であり神聖で偉大なのだ」を思い出していた。

会場はブルースの歌とダンス、カードにダイスで最高潮だった

サミーとペーリンは別室で結ばれた

〇農園の農家の天井から炎が吹き上げた!!

炎に浮かぶ沢山の踊る人たち。KKK夫婦とレミックがこれを眺めていた。

コーンブレッドがクラブに近づく3人の男女を発見した

スモークとスタックが対応した。彼らは「パーティーの噂を聞いてやってきた。ミュージシャンだから中に入りたい、俺はレミックだ、ここにいるのはジョンとパートだ」と名乗り、歌い始めた。スモークが「ここはブルースだ!白人の酒場に行け!」と断った。彼らは「あの女(メアリー)はいいの?気が変ったら知らせてくれ」と帰り始めた。

メアリーは「たったの3人だから心配ない」と言い、スタックは「入れてやったらいい」と言う。スモークは「言いがかりをつけて大きな騒ぎになる」と厳重警戒を命じた。

スモークはメアリーに「夫の手下か?」と聞いた。メアリーは否定した。

サミーが家を出たいと言い出した

スモークは「奴隷によって造られた街マウンド・バイユーがいい。親父が牧師なら教会の音楽を作るか、町にでたいならバイユーで黒人と暮らせ。ヤバイものは俺たちに任せろ」と話した。メアリーは“どちらか分からない”と不機嫌だった。サミーは「スモーク&スタックの従弟だから酒場で過ごす」と答えると、スモークが「ここで過すのは最期だ」と反対した。

メアリーがクラブを抜け出してレミックに接触した

メアリーは「善人かどうか確かめにきた、お金もっている?」と聞くと、金貨が渡された。「君の悩みは金では癒せない。君の友愛のために来た。お母さんは救えなかったが、まだ君は救える」という。メアリーは“救いはいらない”と拒否し、クラブに戻った。

コーンブレッドが“小便だ”と広場に出て行った!そこに「友情と愛情だ!」と男が近付いた。

メアリーは金貨をスタックに渡した

スタックは喜んだ。メアリーが「私を盗んで!」と言い出し、スタックはメアリーを盗むことにした。

〇スモークがスタックが居ない、コーンブレッドが消えたことを知った

スモークがスタックとメアリーが消えた部屋を覗くとメアリーの口は血だらけで、スタックの首から出血していた。スモークが拳銃でメアリーを撃つと、「我々はお前らを皆殺しにする」とクラブから出て行った。スモークは“自分の側に置く”とこの部屋にスタックの遺体を閉じ込めた。そして、パーティーを中止し客を帰すよう指示した。アニーに「スタックを戻せ!」と言ったが「ムリ」と分かった。

グレースが“帰りたい“と言い出し、ボーが車を取りに外に出た!

コーンブレッドが玄関に戻って来た。

玄関でスモークとコーンブレッドが「どこに行っていた」と押し問答。アニーがコーンブレッドに「あんたは白人に殺された」と言い放った。スモークが手を出すとコーンブレッドが噛みつこうとした。スモークはコーンブレッドを突き放した。

「スモーク!」とナイフが飛んできた。スタックを閉じ込めた部屋を覗くとスタックが生き返っていた。スタックは“ジム・クロウだ“名乗り、ドアの解放を要求した。ドアを開けるとクラブから出て行った。

アニーがこの状況を”ゾンビの仕業“と判定した

アニーは “夜明けを待つ”、それまでニンニク聖水でゾンビの侵入を防ぐと考えた

アニーは“小銃で死なせることは出来ないがニンニク液で行動を鈍らせる。生き返らせることは出来ないが魂を解放してやるしかない。ひとりづつ殺す、心臓に木の杭を打つこと」とゾンビ対処法を明かした。アニーは噛まれた場合、杭を打ってくれるようスモークに依頼した。スモークは約束した。

〇クラブ玄関に大量のゾンビが“幽霊・魔物を追い払う」と押し寄せてきた

クラブ内ではニンニクを食べて、ゾンビに憑りつかれていなかいテストした。

コーンブレッド、ボーが戻ってきてドアを叩くが、開けなかった。

レミックが「生きていたら何も築けず仲間にもなれない。でも俺たちとなら一緒にやれる」と誘いに来た。拒否ならグレースの娘を誘うと脅す。「サミーを渡してくれたら他のものを生かす」と条件を出してきた。スモークは拒否した。

レミックは「お前らは殺される。ホグウッド(地主)はKKKのリーダーだスタックはもうスタックではない。ここはクラブではなく殺し場だ」と告げた。スモークは「それでも俺たちは新しい体制を造る」とレミックの要求に応じなかった。

スタックことイライアス・ムーアが「これまで自由になれなかった、一緒にやろう」と話し掛けてきた。デルダが「スモーク!行くな!」と止めた。スモークは話すことを止め、ドアを閉めた。

グレースが娘を助けたいと出たがる。火炎びんを持ってドアを開けたとろにゾンビが雪崩込んできた。

〇ゾンビとの最後の戦い

熾烈な殺し合い、焼けるゾンビと壮絶は戦いが展開される。この中で黒人たちが“誰かを生かそう”と戦う。ゾンビに憑りつかれたアニーの胸をスモークが木の杭で刺した。パーリンはゾンビにかぶりつきサリーを逃がした。サミーはギターを持ってクラブから水路に逃げた

クラブ内ではスモークとスタックの格闘が続く。スモークは「赦せ!お前を守れなかった」とスタックの胸に杭を刺した。スタックは「謝るな!いつも守ってくれた」と消えた。スモークはサミーを追った。

サミーが水路の中でレミックに追われる

レミックが「お前の物語、お前の歌が欲しい」と迫ってくる。サミーはギターでこれを避ける。

夜が明け始めた

ゾンビたちが炎上し始めたレミックが炎となって消えた。サミーとスモークはこれを見届けた。

〇スモークはサミーに車を与え、教会に帰えした

スモークはサミーのギターを見て、「誰のだ?」と聞いた。「スタックから貰った、チャーリー・パットンのものだ」と答えると、「バカ、親父のだ。強く生きろ!」と励ました。

サニーは「ギターを捨てろ!」という父の言葉を無視して、ボディーの無いギターを持って、この村を去った

〇スモークはクラブでホグウッドたちKKK待ち伏せし、ホグウッドを射殺、子供を抱くアニーの元に逝った

 〇1992年10月16日、イリノイ州シカゴ

サミーは舞台でチャーリー・パットンの歌を唄っていた。サミーはバーで飲んでいると若い男女がやってきた。女性が「噛んで殺しても生き続ける」と話すと男性が「俺だけは殺せなかった」と話す。サミーは「もう十分生きた」と応えると男性が「ギターを見せろ」という。サミーはギターを取りだし“昔、車の中でスタックに聞かせた曲”を歌った。男性がギターに”スタック“の名を貼った。サミーが「あの日、陽が沈むまでが最高だった!あんたは?」と話し掛けると「もちろんだよ、兄貴がいた!」と答え、去って行った。

サミーがあの時代ヒットしなかったチャーリー・パットンの歌をヒットさせ、最高の仲間たちを偲んでいた。これがブルースの由縁だ!

まとめ

テーマはブルースの由来、伝承。

音楽が凄いが、ゾンビとのアクション、ストーリーも凄かった!ブルースの中に黒人の生き様が刻まれ、歌い継がれるのが分かる作品だった。彼らの苦しみ・痛みが、差別や貧困、暴力、格差、文化、歴史などを絡めて重層的に描かれていた。ここから彼らの人生が始る、BLM運動に繋がる作品だった

 “黒い血で繋がる愛“のエピソード

スモークとスタックの兄弟愛。スモークとアニーの夫婦愛、サミーとスモーク&スタックの従弟関係、サミーとペーリンの恋人愛、グレースと子供の親子愛、スモーク&スタックとデルタの友情、スタックとメアリーの不倫愛。これには泣かされます。ゾンビとの戦いでは黒い血で繋がる愛のために戦った。ゾンビに堕ちてもその絆は切れることがなった。スモークとスタックの2役をマイケル・B・ジョーダンが演じた。同一人物が演じているとは思わなかった。すばらしかった。

タイトル“罪人たち”、「人間誰しも罪を負うているが、それを愛で補完し合わねばならない」と解釈しました

ブルースに賭け生き残ったサミーの生き方

サミーが唄うブルースでいかに魂が癒されるかが分かる影像。チャーリー・パットンのギターで彼を復活させてブルースの魂を引き継ぎ、未来へと渡す。マイルズ・ケイトンの歌。エンデイング後に聞かせてくれますが、すばらしい。今後の活躍が期待されます。

激しいゾンビとのアクションシーン

すさまじいシーンだった。これが彼らの戦いの実体だと思った。これがあるから魂のブルースが生まれる。そしてこれが伝承されることのすばらしさを訴えていた。

ゾンビ映画で見せた黒人の生き様とそれを歌いあげたブルースの物語、人の絆に感動する作品でした。アカデミー賞の成果が楽しみです

              *****

「父と僕の終わらない歌」(2025)アルツハイマーの父、liveで歌手レビュー、残っていた記憶は?

 

若き日に諦めたレコードデビューの夢をかなえようとするアルツハイマー認知症の男性と、彼を支える家族の姿を描いたヒューマンドラマ。2016年にイギリスであった 80歳の男性がCDデビューした実話を日本に置き換えて映画化したもの。

アルツハイマーを描いた作品は泣けるものが多い。消えゆく記憶の中で残っている寺尾聰さんの歌を聞きたい。さらに背景が横須賀ということで観ることにしました。

アルツハイマー作品で思い出すのは「私の頭の中の消しゴム」(2004)、「明日の記憶(2006)、「アリスのままで」(2014)が浮かんできます。ここでは消えないもの、消したくない記憶がある。「私の頭の中の消しゴム」ではコーラ、これが傑作だった

本作では寺尾聰さん記憶の歌は?歌ではなかった!これが泣けるところ。イギリス版と違った一味ある作品になったのではないでしょうか。

横須賀の風景、とても美しく、懐かしく、楽しかった

監督:タイヨウのうた」「ちはやふる」シリーズの小泉徳宏原案:サイモン・マクダーモット、脚本:三嶋龍朗 小泉徳宏撮影:柳田裕男、編集:穗垣順之助音楽:横山克

出演者寺尾聰松坂桃李佐藤栞里副島淳、ディーン・フジオ、カ三宅裕司石倉三郎佐藤浩、市松坂慶子、他。

物語は

かつてミュージシャンとしてレコードデビューを目指しながらも、息子・雄太(松坂桃李)のために夢を諦めた間宮哲太(寺尾聰。音楽とユーモアをこよなく愛する彼は、生まれ育った横須賀で楽器店を営みながら、時々地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきた。そんなある日、哲太はアルツハイマー認知症と診断されてしまう。すべてを忘れゆく哲太をつなぎ止めたのは、彼を信じて支え続けた息子・雄太と強く優しい母・律子(松坂慶子、固い絆で結ばれた仲間たち、そして彼が愛する音楽だった。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇冒頭、観音崎ホテルの結婚式場に急ぐ間宮父子

道を間違え2時間遅れた」という父・哲太。(笑)表通りを通らないでドブ板通りを経て馬堀海岸を急ぐ。雄太の友人・志賀聡美(佐藤栞里)とダニエル(副島淳)の結婚式。披露宴で哲太は“Love me tender”を、派手な衣装でフラダンサーをバックに歌った。(笑)

哲太は吉祥寺に戻る雄太を横須賀駅まで送ってきたが、帰り道が分からない(駅から2kmほど)。雄太は歌手で恋人の亮一(ディーン・フジオカに“しばらくこちらに残る”と伝えた。

医者(佐藤浩市)の診断を受けると“初期のアルツハイマーだった。 場所や時間が分からなくなる記憶障害段階だった。

その夜、哲太は“病名が分かってよかった”と妻の律子(松坂慶子とお酒で乾杯、陽気な夫婦だった。

哲太は楽器屋を営んでいるが、免許証を返納したので配達できない。お客の名前を忘れて相手を驚かせ、店の商売もムリ。

哲太は楽器屋の他に陽気な街の歌手だった

雄太は哲太の仲間・藤岡(三宅裕司)や門松(石倉三郎と聡美が営むバーで酒を飲んだ。哲太は歌が上手い。門松が「EMクラブ(米軍下士官クラブ)で歌ったし、レコードを出す話もあったという。オーディションの日に雄太が生まれ、これで人生が変わった」という。哲太には衝撃だった。哲太が「フェスに出るが、惚けているぞ!」と言っても、いつも惚けているみたいだから誰も信じない。(笑)

雄太はPCでアルツハイマー症について調べ“抜本的な治療法なし“と知った。雄太は“帰るわけにはいかない”と亮一に“デザイナーの仕事をこちらでやる”と伝えた。

そんなこんなで、雄太は父親につき合うことにした

〇哲太の記憶が薄れ、異変行動が見られ、次第に歌が唄えなくなった

哲太は5年続いている老人ホームでライブを行った。楽しそうに歌った。しかし、雄太が薦めた簡単な国語と算数のドリルができなくなった

そんな中で哲太は雄太のゲイ告白手紙を見つけ出して読んだ

哲太のゲイに驚いた哲太はアイロン掛けを止めて外に飛び出した。この日、律子は慈善活動で不在だった。

雄太はフェス準備から戻ると店が小火!哲太が部屋にいない。雄太は車で探しに出た。三笠公園で見つけた。雄太が「10年前に済んだこと」と話しても通じない。

雄太は車の中で哲太に、かって唄ったカセットテープを聞かせてみた!

哲太は“フェスに間に会わない“とコスプレ眼鏡を着けて唄い始めた。雄太はこれをスマホで動画にした。商店街の皆さんに”父はアルツハイマー症です。進行するばかりですが、父の変わらぬ姿を知ってください。父の歌を楽しみにしてくれた皆さんに!」と配信した。これが大好評だった!動画を作るため皆さんから哲太のテープを寄贈してもらった。

〇インスタグラムで哲太の歌を配信し、これが成功した!

アルツハイマー症には行動を繰り返すことが一番のリハビリ。ルーチンを離さないこと」、この言葉を信じて雄太は哲太を車に乗せ、三浦半島を走り哲太の唄う姿を撮って、SNSで流した。ナイスやコメントがつくようになった。そこでインスタグラムを立ち上げた日本アルツハイマー教会のサポートを受けると人気が急速に伸びた。雄太も人気ものになり、彼のイラストが広告に使用されるようになった。

このバズリで

TVの間宮親子インタビューに出演した。レコード会社の耳に入り電が話入った。哲太は “レコードを出せるか?”と舞い上がった

しかし、雄太のイラストが大手飲料メーカーの広告に起用され、ステマがあった”と評判になった店の壁に抗議ビラが貼られる。さらに哲太の記憶が劣化していった。哲太は怒りっぽくなり妻・律子に暴力を振るい、生傷が絶えない。

〇哲太に異変怒り、暴れ、暴言を吐く

哲太は急に怒り出し、家の中を探し周り、暴れる!律子はもうあきらめムードで、ゴミ屋敷のようになって行った。

雄太に向かって“出て行け、お前はゲイだから”と暴言を吐く。雄太は“俺の父親ではない”と頭にきて車で飛び出した。城ヶ島までぶっとばしてしっかり泣いて戻ってきた。

夜、帰宅すると哲太が「寒かろう!」と笑顔で迎えた。(笑)しかし、翌朝になると物を投げて何かを探している。

哲太を老人ホームに預けようと、雄太と律子は施設を尋ねた

母の律子が“寝る前に結婚プロポーズに来る。あの人はまだどこかにいる”と言い出し、入所させることを諦めた。(笑)

雄太は聡美から“父が自分のゲイについて聡美に相談したこと”を知った

雄太はウェルシティ公園で考えた。「父は俺の手紙を読むたびにがっかりしていたのか?隠す必要はなかった。今どう思っているか確認のしようがない。父は俺に楽器をやらせたかったが、出来なくて、励ましてくれたが、その夢を諦めた。何もかも応じてやれなかった」と苦しんだ。

家に戻ると哲太が何か探していた。手伝うとレコードを出すため練習した大量のカセットテープが見つかった。雄太は哲太にレコード・レビューさせてやりたいと思った。

〇雄太は哲太にレコード・レビューさせることにした

レコード会社に聞き合わせると、“会社としてはムリだが、売り上げに実績があれば”と言われ、実績を作ることにした。

生演奏付で客席70人、立席300人のライブ。ライブ配信することにした。聡美とダニエルに相談し、商店街を挙げてのイベントにすることにした

母・律子はこの案に乗りきでなかったが、“誰にも傷つけない”と実行に移すことにした。

 皆さんの協力で会場を作り、ポスターを作って張った。

イベントの開始

会場に多くの人は集まったが、哲太が出て来ない。舞台衣装に着替えた哲太は呆けて“成人式は嫌だ”と動かない。(笑)

雄太の様子を見にきた亮一に舞台に上がってもらって“弱者の唄”で時間を稼いでもらった。ネットでは“暗い”と悪評!(笑)

やっとのことで哲太を舞台に上げた

哲太は雄太の顔を撫でて(子供のころのように)、うれしそうに「俺はスターだ!」と“what now my love”を唄い始めた。途中で停まったが、大盛況だった。

2曲目の“Byond The Sea“、哲太は途中で歌えなくなくなった。雄太がステージに上がり励ましてなんとか唄い切った。

〇イベント終了

皆でイベントの成功を祝っているのに哲太がいない。雄太が探すと舞台に残っていた。哲太はギターを雄太に持たせ「続きをやろう」と誘う。雄太が「イラストレーターだぞ」と応えると「うちの息子と同じだ、あいつは頼りないところもあるが悪いやつではない。見つけたら声を掛けてくれ!」という。「息子さんのことどう思っている?」と聞くと「あいつは俺のスターなんだ」と答えた。雄太は泣いた!

哲太の記憶の中に雄太は消えてなかった。残っていた記憶は雄太への愛だった。

まとめ

雄太はゲイになった。それだけに父親に迷惑をかけた。この想いが父・哲太の夢だったレコード・レビューを叶えさせたかった。レビューのためのイベントをやってみて“お前は俺のスターだ”という父の記憶に出会う。記憶は消えるが、“愛は消えない“といういい話だった

とてもシンプルな物語でしたが寺尾聰さんの歌松坂さんの演技で暖かい物語になっていた。

この作品の良い処は寺尾さんが今、この歳で唄うところ。本人も満足だったと思います。ルビーの指環の記憶があるから、聞きたいという願望がある。どの歌もとてもよかった。

息子を松坂さんが演じ、ゲイという役がよくハマっていた。これでしっかりしが芝居になった。相棒がディーン・フジオさんで自作の“弱者の唄”を唄うというのも驚きでした。

馬堀海岸、これは美しい、ハワイ?と思った。結婚式でハワイアンで“Love me tender”を唄うとは。(笑)古事記に出てくる走水に繋がる道路とは想像できない。ドブ板通りの上空から米軍基地、海上自衛隊横須賀基地の戦艦群が望めるのは横須賀らしい。こんな風景は日本ではここしかない(戦前なら処罰ものの映像)。楽しく観せてもらいました。

               ***

「大きな玉ねぎの下で」(2025)文字で結ばれる愛を信じてみませんか!圧倒的なストーリー展開!

 

ロックバンド「爆風スランプ」が1985年にリリースした同名ヒット曲にインスパイアされ、手紙やノートでの交流を通して顔も知らない相手に恋をする人々を描いたラブストーリー。

 監督が映画「アイミタガイ」(2024)」の草野翔吾さん。絶対面白い!と監督名で観ることにしました。

顔は知ってるがバイト先の業務用ノートで繋がった令和の恋人たち顔は知らないが手紙で繋がっている昭和の恋人たちがそれぞれ日本武道館(屋根の上の擬宝珠が玉ねぎ型)で開催されるコンサート・デートを約束。時代を超えた二つの恋人たちははたして会うことができたか?

ラストシーンは二組の恋人たちが曲「大きな玉ねぎの下で」を聞きながら“相手は来ているか”と探すシーン。涙ものでした!この時代に生きたものにとって、手紙・ノートという文字でつながるラブストーリーは懐かしい!忘れられない思い出です。

物語の本筋は令和に生きる恋人たちの話ストーリー展開が素晴らしい!

偶然居酒屋で知り合ったふたりが、カフェバーの業務用ノート、ラシオ番組で繋がりながら本当の愛を探すはなし。“よくまあこんなに人が上手く繋がる”と感心させられます。これは草野監督の「アイミタガイ」で用いられた演出手法で、テーマは“人は生れたからには、生きねばならぬ。人と繋がって生きる”でした。

ここでは“生きるために本気で思った、思われた人と結ばれなさい”これがテーマです。

キャストが新鮮で、カフェバーや鎌倉の海など映像が美しく、おしゃれ。何よりもasmiに歌う「大きな玉ねぎの下で」がぴったり合う作品です

2026年8月11日、asmi武道館ライブが決定しています、本作、また話題になるでしょう!この物語、どこまで繋がるんだ!(笑)

監督:草野翔吾、ストーリー原案:中村航脚本:高橋泉撮影:小松高志、編集:相良直一郎、音楽:大友良英主題歌:asmi。

出演者:神尾楓珠桜田ひより山本美月中川大輔、伊東蒼、藤原大祐、窪塚愛流、瀧七海、Asmi、飯島直子西田尚美原田泰造江口洋介サンプラザ中野くん

物語は

夜はバー、昼はカフェとして営業する店「Double」で、夜と昼にそれぞれ働く丈流(神尾楓珠)と美優(桜田ひより。業務連絡用のノートだけでつながる2人だったが、次第に趣味や悩みもつづるようになりひかれあっていく。丈流と美優は互いの素性を知らないまま、大きな玉ねぎの下(日本武道館で初めて会う約束をする。一方、あるラジオ番組では、顔を知らずに好きになった文通相手と日本武道館で初めて会う約束をしたという30年前のエピソードが語られる。令和と平成の2つの恋が交錯し、やがて奇跡が起こる。(映画COMより)


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あらすじ&感想

冒頭は郵便局員が手紙を届けるシーン。丈流が武道館の屋根の擬宝珠が望むカフェで音楽を聞き聞きながらエントリーカードを書いているシーン。

〇丈流と美優の最初の出会いは居酒屋だったまずい出会いだった!

丈流は大学の仲間と就職について議論していた。仲間は就職が決まっても、丈流は理屈を並べるだけで今だ決まらない状況だった。論議を聞いていた美優たち女性グループ。美優が丈流に「あんた一体何なの?」と絡んだ。これを止めようとした喜一がひっくり返って倒れた。美優は喜一の応急処置をして救急隊に渡した。丈流は“この女性、何者?だ“と思った。

丈流は大学病院に入院中の母(西田尚美を見舞った。母は浮かぬ顔の丈流に「人生は退屈、楽しいことは自分で探さない」と励ました。丈流は廊下で看護師見習中の美優に出会ったが、美優の素気ない態度に何も話さず別れた

〇そんな丈流と美優はカフェバー“Doubule”で働いていた

夜、丈流はバーテンとして、昼、美優はカフェの店員として働いていた。顔を合わせることはなかった。

備品など共有事項で連絡し合うためにカフェとバーは業務ノートで連絡し合うことになっれいた。

丈流が“トイパの発注済み”と書けば、美優が“よろしく!筋肉マン(丈流のサイン)”と書き込み、 “A-riが好き“と書けば、”私も好き“と返事、“俺はマウントとることでしか自分を保てない、最悪だ”には“自分で分っている、それ最悪ではないよ”と返事、“流れているだけの人“と書き込めば”そういう気持ち分る、生れちゃったんだから生きてみようよ“と返ってくる。”悩みは?“と書くと”棚が高い“を返って来た。ふたりはノートも交換日記のようで楽しいしノートを見るのが楽しくなった

ふたりは歌手A-riの曲が好きで、ナビゲーター大樹のラシオ番組Top popで繋がるようになった。しかし、病院で出会うと居酒屋で会ったときと同じで喧嘩別れの状態だった

ある日、“Double”に馴染みの旅行会社の人事課長が立ち寄った

丈流が部長から「どこに就職?」と声を掛けられた。「これからです」と返事すると「うち募集しているから遊びに来て!」と誘われた。

〇丈流が“Double”でTop popを聞いていると、自分がリクエストした手紙が読まれた。

大樹が「夜働いている人、同じ場所にいるんだけど会ったことがない人。メモ交換してる」と紹介、聞き手はA-ri (asmi)。「これはペンフレンドのふたりの恋の歌、A-riもカバーしてるね。30年前だ、俺も文通やっていた」とその話をした。美優も放送を聞いていた。

高校生の府川大樹(窪塚愛流)はペンフレンドから返信がきて大喜びだった。

しかし、手紙を書いたのは字が上手い虎太郎(藤原大祐)だった。大樹はペンパル誌の写真を見て、気に入らないらしい。(笑)虎太郎は「明日香は病院に入院だ」と同情し、何通も手紙を書いて文通を続けた。ある日、大樹が「明日香をコンサートに誘いたいが金がないと言い出し、校内放送で金欠を訴えてお金を集め爆風スランプの武道館コンサートチケットを買った

しかし、大樹は「親父のロス転勤に同行する。自分で手紙を書いていないから気分が入ってない」とコンサート参加を降りた。虎太郎は「俺みたいなダサい人でよかったら」と明日香にチケットを送った。

大樹は「ネットのない時代一度離れるとムリな時代だった」と話し、「今日のテーマは“会ってみたい人”」とリクエストを募った。

丈流は昼のDoubleで働いている女性を下見したポニーテールの女性がひとりだった。要望の棚を低く修理するとノートに喜ぶ返事がきた。

〇丈流は“会ってみたい人”として“美優”を選び鎌倉の由比ガ浜に誘った

先に美優が着いていた。丈流が「喜一が世話になった」と挨拶すると「その話はもういい」と不機嫌。美優にとって丈流は、居酒屋で会ったうさん臭い男だった。丈流は“ノートの話など出てこない”と「ブラジルに行ってサンバにでも集中したら」と言うと「A-riが好き、Top pop好きなの。お母さんよくなるといいね」と返ってきた。丈流は「どうも」と礼を言って、“この人ではない”と帰った

〇丈流は喜一に頼まれ紗季とデートした。

丈流は喜一から“倒れたとき美優の隣にいた人に奢ってくれ!”と頼まれ、“Double”にlineで「サキさん、喜一から頼まれた。喜一のためにお礼したい」と誘った。(美優はlineの写真を店の先輩・紗季(山本美月の見せ許可を得て)“鎌倉の仕返し”とばかりに美優が行くことにした。(笑)

丈流は美優をA-riがいたレストランに連れていった

美優は大興奮だった。ふたりはTop popにリクエストしてA-riの「大きな玉ねぎの下で」を聞いた。その後、喜一がバイトしている店に移った。

喜一がビールを運んできた。ふたりはTop popの「大きな玉ねぎの下で」を聞いて、美優が酔っ払い店や病院での愚痴を吐き鳴きだした。丈流は「ひとつことにすがるのはダサいと思っていたがそう思うのが一番ダサい。だからあなたは恰好いい」と褒めた。

店を出てふたりは歌いながら歩いた。丈流が「俺は好きな人を誘う。友達ではないけど気になっている人だ。お前ではないが脈ありだと思っている」と美優に話した。美優は「応援してあげます」と答えた。(笑)

〇美優は“Double“でノートを書くのは”居酒屋で会った丈流“と知った

美優は病院で丈流の母の病室を掃除していて、丈流が書いたメモを見た。字が業務ノートのものと同じだった。夜、“Double“を覗いて丈流がいることを確認した。大ショックで髪を切った。美優は「ノート書いた人はLineの人で本気で思っている人がいた」と紗季に話した。紗季は「A-riに恋しているのよ」と応えた。

〇丈流は喜一に“Double“にいるポニーテールの女性は誰かを調べてもらい、サキと確認してA-ri武道館コンサートチケットを送った。

丈流が「ノートに書き込みする人、ポニーテールで年上の人を見つけてくれ」と喜一に頼んだ。喜一はカフェ“Double”を訪れ、(アルバイトの子は休みで)ノートに書き込みするポニーテールの女性の名前を聞き出した。Lineで「名前はサキさん、本音で話せるタイプでフリー」と送った。丈流は授業中にこれを受けすぐに“A-ri武道館コンサート”チケットを買った

〇大学病院で治療中の丈流の母に父(原田泰造)が付き添い、ペンパルで交際していたころの思い出を話していた

若いころの丈流の母・池尻今日子(伊東蒼)は病弱で入院中だった。友人の谷崎明日香(瀧七海)が気休めにペンパル誌に登録し、今日子が手紙を書いていた

返信された手紙を大樹が受け取り、虎太郎に返事を書かせた。今日子は送られた大樹と虎太郎が写った写真を見て、“虎太郎が書いたものだ”と思って返事を書いていた。今日子は武道館コンサートのチケットが送られてきたとき自分が行く積りだったが、当日、症状が許さず明日香に“断りの手紙”を持って行ってもらった。「明日香に悪いことをした」と夫・虎太郎に述懐した

虎太郎は医者から“今日子の寿命はわずか”と聞かされ、今日子に昔のペンパル仲間の明日香、大樹に会わせてやりたいと考えた

丈流の父母は顔も知らず、相手を違えて文通して結ばれたというエピソード。この繋がりには驚いた。この話がラジオ番組Top popを通して丈流と美優に繋がる。(笑)

〇丈流は業務ノートにチケット(サキ宛て)を挟んでおいた。美憂が受け取らなかった

丈流は喜一にも当たり、宛先を間違えたことを確認し、美憂に謝った。美憂は「ノートを書いているのは堤君だというのは初めから分っていた。早く断ればよかった。誰の顔を見てノートを書いた?」と怒り、態度を変えることはなかった。

丈流は父から「お母さんは長くない、背広姿を見せてやれ!」と促がされた。父が「お母さんに手紙を書くときは本当に好きだった書いているときも。考えるときも、届いた瞬間も全部お母さんのことを考えていた」と話した。

〇丈流は母を喜ばすために“Double”で出会った旅行会社課長の面接試験を受けた。い

課長から面接時間に遅れたことを非難され断られたが「なりふり言っていられない。自分に何もないのは分かっている。生きるしかない」と頼み込み、やっと就職が決まった。丈流は今までいい加減に生きてきたことを思い知った。一方、美憂も大学病院の看護師として就職が決まった。“Double”を去るにあたって紗季からチケットを受け取ってと言われたが、そうしなかった。

丈流の父と母は鎌倉の由比ガ浜に大樹と明日香を誘った

四人でペンパル時代を懐かしんだ。母は明日香に感謝し、“結婚できてよかった”と伝えた。大樹は「あんたの息子が俺の放送を聞いていてくれて偶然、文通であんたたちが結婚したことを知った」と言った。

〇丈流の母が亡くなった。父の言葉で再度業務ノートの文章を読み、チケットと共にメモを残した

丈流は葬儀後、父が母に送った写真を見せて「手紙を書くとき相手を想って書くと気持ちは伝わる」と言った。丈流には心に残る話だった。丈流は“Double”に出勤しメモを書き、チケットとともにノートに挟んだ。

〇丈流は武道館コンサートに駆け付け、美優を待ったTop popで大樹が丈流夫婦のペンパルの結末を語り始めた。

沢山に人は武道館目指して駆けつけていた。その中で丈流は美優を待った。Top popの大樹がラジオで「あの息子の父親・虎太郎は文通で結婚していた。奥さんは亡くなっていたけどちゃんと会いたい人に想いを伝えていた」とその経過を話し出した。丈流と同じように30年前、父・虎太郎がここで今日子を待っている映像が流れる。

親子二組の愛の成り行きを見るという面白い演出になっています

丈流は美優と虎太郎は今日子と会えたのか

美憂はTop popの放送で「最後に彼女が会いたいという気持ちは嘘ついても消えなかったから」を聞いて“Dubble”に走り、ノートの中にチケットと「武道館で待っている」のメモを見つけ、自転車で武道館に走った。

Top pop、大樹の話が続く。コンサートが終わっても虎太郎は待っていた。そこに明日香がオートバイで手紙を届け「私は今日子ではない、今日子は病院にいる」と告げた。虎太郎は明日香のオートバイを借りて病院に走った。今日子は明日香に手紙を渡したが、“会いたい”と病院を抜け自転車で走っていた。ふたりは出会った。今日子が「今日子です」と名乗ると虎太郎が「君だと思った!」と答えた。

コンサートは終って、観客が帰った後も丈流はそこに佇んでいた。そこに自転車で転んで顔に傷つけた美優が「私なら待たない!」と現われた。(笑)

まとめ

脚本が面白くて素晴らしい!よく人と人が繋がる暖かい、でもややこしい恋話しでした。(笑)

居酒屋で出会い、顔を会わすことなくカッフェバーの表務ノートで繋がる愛、これがラジオ番組を経て丈流の父と母のペンパルの恋に繋がり、その結末が武道館コンサートで明かされるという実によく出来た物語・脚本でした

名前と顔が一致しないで苦しむ令和の恋の話

これを昭和のペンパルの話“手紙を書くとき相手を想って書くと気持ちは伝わる”で決着をつけた結末、温もりのある恋の物語になっていました。

ラストシーンの描き方が秀逸でした

武道館で丈流が来るかどうか分からない美優を待つ。これにTop popの大樹が丈流の父母のペンパルの恋を語り、これに触発されるようにふたりが行動する。さらにasmiの「大きな玉ねぎの下で」を被せる演出、これは憎い!

丈流役の神尾楓珠さんと美優役の桜田ひよりさんのフレッシュコンビがこの作品を面白くしています。そしてカフェバー“Double”の雰囲気がおしゃれでよかった。由比ガ浜の映像も美しかった。

30年まえのペンパルの話はとてもいい話で、「書いているときも。考えるときも、届いた瞬間も相手の気持ちを考える」を忘れないようにしたい!

              *****

「片思い世界」(2025)素粒子幽霊に驚き、笑い、泣いた!!

 

キャッチコピーが“究極の片思い”?

「花束みたいな恋をした」の脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰が再タッグ作品、加て広瀬すず杉咲花、清原果耶の3人を主演。これに横浜流星が共演。とても豪華な作品ということで観ることにしまいた。

若い女性の片思いをおじんが観てどうすると思いましたが、脚本を書いたのは男性のおじん、だから大丈夫と。(笑)

これなら究極の片思い世界でした!(笑)

観始めたところから三人の世界はおかしかった。気が付くのが遅かった。(笑)まさか素粒子の世界にいたとは!亡くなった人への愛を忘れたら彼らは天国にゆけない。片思い世界にさせないために何をするべきか?

「花束みたいな恋をした」より「ファーストキス」に近い世界感。いつもの名セリフはなかったが、板元流に泣かせる“死者への愛”を描いた作品でした

広瀬すず杉咲花、清原果耶3人の個性が出た演技を楽しみました。

監督土井裕泰脚本:坂元裕二撮影:鎌苅洋一 小林拓、編集:穗垣順之助、音楽:鈴木慶一

出演者広瀬すず杉咲花、清原果耶、横浜流星小野花梨、伊島空、Moonriders田口トモロヲ西田尚美

物語は

相楽美咲、片石優花、阿澄さくらの3人は、東京の片隅に建つ古い一軒家で一緒に暮らしている。それぞれ仕事、学校、アルバイトへ毎日出かけていき、帰ってきたら3人で一緒に晩ごはんを食べる。リビングでおしゃべりをして、同じ寝室で眠り、朝になったら一緒に歯磨きをする。家族でも同級生でもない彼女たちだったが、お互いのことを思いあいながら、楽しく気ままな3人だけの日々を過ごしている。もう12年、ある理由によって強い絆で結ばれてきた3人には、それぞれが抱える“片思い”があった……(映画COMより)


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あらすじ&感想

冒頭シーン。

雪の中に足跡を残して男がホールに近づく。詩を書く少女・美咲が“できた“とピアノを弾く男の子・典真を見るが、彼がいない。美咲は典真に詩を渡せないまま合唱クラブの生徒たちと写真を撮った。そのときホールのドアが開いた。・・・

〇相楽美咲、片石優花、阿澄さくらの3人に気になる人が現れた!

さくら(清原果耶)の二十歳の誕生日。夜、勤めから戻ったさくらをふたりが「おめでとう、二十歳だよ」と迎えるとさくらは「あんたたちのやること、これで3年失敗だ!家族でもないのに」と言い放って二階に上がり、三人のベッドが電飾に飾る。これをみた美咲と優花が驚いた。(笑)三人の幸せそうな風景!

次の朝から日常が始った

ラジオで“ツナガユウキの天気予報”を聞きながら一緒に歯磨きして、身長を計り、食事を作り、弁当を持ってそれぞれが出勤。一番のしっかりものはさくらのようだ。

さくらと美咲(広瀬すず)は同じバスで出勤

ふたりは乗り合わせた男性(横浜流星)が気になった。美咲は会社でデーターの打ち込作業に追われていた。

優花(杉咲花)は理学部専攻の大学生

スーパーカミオカンデの抗議を受けていた。帰校時、花屋のショッピングカーから降りて優花を見ている女性に気付いた

美咲はコンペに参加したが、途中で抜け出し帰宅。途中で、スーパーに寄るとバスで見た“男性”に出会った。美咲がバスに乗ると前席に“男性”がいる。バスを降りると“男性”も降りる。バス停で待っていたさくらが、「バスで会うだけの人に片思いしている」という。

アパートに戻った美咲は「ありえない」と否定するが優花は「何だって起こる!誘ってみたら!」と勧めた。さくらは「無理、面白くない」と反対した。優花は「本当に片思いに終わるよ、さくらは嫉妬しているだけ」と美咲を応援した。

次の朝、さくらと美咲がバスに乗ると“男性”がいた

さくらが“男性”のスマホをのぞき込む。“男性“は知らんぷり。こんな厚かましい行動をするさくらはバカと思った。(笑)

バスを降りてさくらが美咲を“男性“に紹介しようとすると、そこに”女性“(小野花梨が現れ、ふたりで去っていく。さくらと美咲はふたりを追った。ふたりはピアノ演奏会場に入った。さくらと美咲も会場に。ピアノ演奏時にサクラは寝落ちしていた。が、休憩中に”女性”の電話を盗み聞きし、”男性“に「あの女にはあなたの他に42歳の恋人がいる二股だよ。ホテルで会う約束していた」と大声で教えた。そして舞台に上がり「あなたは隣の女性に騙されている、43番のあなた!」と語り掛けた。美咲が舞台に上がりこれを止めた。

三人は相手に姿も声を悟られない幽霊だった、“やられた!こういうことか!究極の片思”という意味が分かった。(笑)

優花はショッピングカーの後ろに乗って“花屋の女性”を観察した

“花屋の女性“は駅前で車を停め鍵を掛けて花を届けに出かけた。赤ん坊が車の中に残されていた。優花はどうしてよいか焦った。そこで出会ったさくらと一緒に道行く人に助けを求めた。作業員風男性がやってきて赤ん坊を確認し、警察に電話した。(笑)

三人で昔、合唱コンクールのあったホールを尋ねた

そこで記念碑を見つけた。子連れの親が「昔ここで事件があった。子供たちの合唱大会でナイフを持った男が侵入、子供たちを殺害した」と説明していた。さくらがこの碑に魅入った

さくらの片思い人は典真、優花は花屋のお母さんん。さくらは事件の記念碑らしい

三人でTVの幽霊ドラマを観た。三人は“こんな幽霊ではないぞ”と一緒に生活している奇跡を祝って街に出た

さくらが「こいつらは横暴でおかしい、人を襲っている。こちは普通に暮らしている」と批判した。(笑)美咲が「この人達はご飯がないからこうなった。わたしはあのときひとりだったから、どうしていいか分からなかった」と言った。さくらが「普通に生きようと美咲が言い出してよかった。三人で家探して、美咲のお陰で大人になれた」と応えた。

さくらがバスケットボールを突きながら、ふたりがさくらを追ってアパートを出た。ストリートミュージシャン(:moonridersに出会い、大通りに出て公園に。三人でいることを喜んだ。さくらが「あの男は違う」と言うが、美咲は「背が伸びて、高杉典真だった」と言い返した。

〇美咲、片石優花、さくら3人の片思い相手探しが始った

さくらは水族館で仕事中に週刊誌“かささぎ児童合唱会加害者少年”記事を見つけた。さくらは加害少年を探し出すことにした。

美咲はス^パーでバイト中の“男性“に近づくと、あの”女性“が現れた。美咲はバスに乗ったふたりを追った。”女性“が「事件に巻き込まれただけよ、それでピアノを止めたの?外国に行って立ち直って欲しい、私のため」と話すと”男性”が「給食費も払えない家族が居ない子だったから、歌がへたなら詩を書けと勧めた」と応えた。美咲は“この男は成長した高杉典真だ”と確信した

優花は公園で本を読んでいてそこに現れた亀を持ち帰った!

アパートに不動産屋が客を連れて現れ、このアパートは買い取られるらしい

客はアパートが気にいったらしい。三人が「幽霊が出る」と言っても「リホーム出来る」と買い取るらしい。(笑)

〇優花が“この世とあの世は素粒子で繋がっている”と美咲とあくらを説得した

優花はふたりを公園に誘い亀を見せて「私たちの世界と元の世界は繋がっている。この世界は素粒子でできている」と言い出した。不思議がるふたりを教授が素粒子講義する教室に連れ出した。

ニュートリノは検出が難しい人間は死ぬと消えていると思われていたがそうではない。現に、私たちはここにいる。人間が幽霊と思われているがまだ検出されていないだけ。生きていることと死んでいることに大きな差はない。少し移動しただけよ」と説明した。

美咲が「帰れるの?」と聞いた。優花は「5年前にこの装置に侵入した人がいて、幽霊が観測可能だと言っていた」と実験室VEP加速器室(Visual Evoked Potential)にさくらを誘った案内した。 美咲は音楽ホールを尋ねた。

優花とサクラはVEP加速室に閉じ込められたが、“ツナガユウキがここに来た文書”を見つけ、さくらがこの人を思い出し脱出できた。

美咲は児童音楽コンクールの練習教室を覗き、典真は今でも自分のことを想っていることを確認した。

典真が先生(田口トモロヲから合唱コンクールのピアノ演奏を依頼されても「僕にはふさわしくない」と断わっている姿を見た。美咲が帰りのバスで典真に会った。「典真さんからは見えないですが、美咲です。肉まん2個買ってくれたこと覚えています。幸せでいて欲しい、応援しています」と話し掛けた。返事はなかった。美咲は児童音楽コンクールのパンフレトを拾った。

〇三人はラジオでツナガユウキが話す“生きた世界にもどれる方法”を聞いた。

優花とさくらがツナガコウキの天気予報を聞いていた。美咲は「その人はいつも間違える」と言うと優花が「気象予報士ではなく死んだ人だよ」と反論した。

優花がバスの中で拾ったパンフレトをさくらに見せ“参加しよう“と誘ったが “聞こえないよ“と反対された。

その時、ツナガユウキが話し掛けてきた。「そちらの死んでいる方、聞いていますか?僕は一度死にました。そちらの世界から戻れたんです。方法があります!今は五感が亡くなっているが誰かと感情の素粒子が繋がれば肉体の互換性を取り戻せます。大切な人に想いを届けてください。私がこちらの世界に引き込みますから7月7日の日ノ出時、4時30分、星ヶ崎灯台で待っています」と。

美咲が「放送は出鱈目だよ」と生の世界に戻るのを止めようとしたが、優花は「花屋の母に会いたい、自分の存在を証明したい」とヒナカユウキの話を試すことにした。さくらは「親でなくても強く思っている人がいる、帰る」と言った。優花と美咲はさくらは誰に会いたいのか心配していた。

さくらが“かささぎ児童合唱クラブ殺傷事件”の犯人を見つけた

さくらは“かささぎ児童合唱クラブ殺傷事件”を報じた出版社に侵入して犯人・増崎要平(伊島空)の資料を見つけ、増崎が働いている輸送会社を尋ね、ここで働いていることを突きとめた。増崎は並んで昼食を受け取る受刑者だった。

夜になってもさくらが帰宅しない。心配で優花と美咲は駅に迎えに出ると、放心状態で歩いているさくらに会った。

優花は美咲、さくらと一緒に母親の家を尋ねた。

母・木幡彩芽(西田尚美は再婚して子供がいた。母は子供のためにクッキーを作って、楽しそうに食べた。三人はこれを見ていた。優花は「早く死ぬなら生まれてこなければよかった」と泣いた。美咲が抱いて慰めた。優花と美咲は生の世界に戻るのを諦めかけた。さくらが「何故私たちは殺されたか、ふたりが行かなくても私は増崎に伝えに戻る」と生の世界に戻ることに拘った。

〇増崎に会うさくらに美咲、優花が同行した。そこで思いもしないことが起こった

日の出時間に10時間しか残されてなかった。三人が輸送会社に着くと倉庫から増崎と優花の母・彩芽が出てきた。彩芽が「少し時間をください、結婚するそうですね」と増崎に近づいていた。増崎は「刑期を終えて真面目に働いています」と答えた。

「送ってください」と彩芽のショッピングカーに乗った。さくらたち三人もこの車に乗った

彩芽は「支えてくれている人と再婚した、子供も出来た。12年経って許すという想いも時々よぎります。大勢の人が9歳で可哀そうだと云った。私は“それは違う”と思っていた。優花に言いたい“あなたは生れてきたことはムダではなかった。”生れてきてありがとう“と言いたかった。あなたは優花に同じことを言えますか?」と増崎に聞いた。この間、ずっと優花は彩芽の側で嬉しそうに聞いていた。(笑)

増崎が「天国にいる子は喜ばない。前向きに生きようと考えている」と応え、「荷物の整理があります、送ってください」と彩芽のショッピングカーに乗った。彩芽運転席に着くや否や「何故殺したの?」と増崎に包丁を突き付けた。優花は「もういい!」と声を掛けた。増崎と彩芽が車の中で争い始めた。

三人は車を叩き「止めろ!」と叫んだ。彩芽が車を降りて三人と一緒に逃げた。三人で彩芽に被さり増崎の攻撃を守ろうとした時、追ってくる増崎にトラックが衝突、増崎は立ち上がったが倒れた。

優花は彩芽が持っていた(優花の)ハンカチで包んでいるものを見た。クッキーの半分だった。優花は泣いた!美咲は優花を抱き締めた。警察によって彩芽は連れ去られた。

〇感情の素粒子は繋がっていた!さあ、これから三人は生き返るぞと星ヶ崎燈台に向かった

三人は夜間、電車で急いだ。日の出に間に合った。燈台に着いたがツナガユウキは現れなかった。燈台に登り、大海原を仰いで“跳べ!”と叫んだ。三人は燈台を降りて海辺を歩いていた。釣り人から「どこから来?」と聞かれ、「東京から」と答えた。生き返ったのかと思ったら、別の釣り人に話し掛けていたと知って、三人は笑った。

三人が幽霊のままだった。ツナガユウキに嘘ちうかれた。(笑)

バスでの帰り、スマホで「児童殺害事件の加害者少年は車に跳ねられ死亡した」記事を見た。

さくらがバスの中から歩いている典真を見つけた。バスが停まりあの“女性”が降りた。さくらが「行け!」と美咲を降ろした。

〇美咲は典真に会い、詩をふたり読んでお互いの愛を確認した

美咲がホールの教場を覗いた。先生が「君が背負うことはない」とピアノを弾くことを薦めたが「僕が居なかったらあの子が消えてしまう」」と断っていた。典真はピアノのある部屋に入って泣いていた。

突然風は吹き込み、積み重ねていた書類が飛散った。その中に美咲が描いた詩“音楽劇王妃アグリビナの片思い”があった。典真は拾って読み始めた。美咲が王妃となり、典真が王となり一緒に読んだ。ラストは美咲が「私の望みはあなたの幸福を願うこと、そこに私はいない」と泣いた。典真が「あなたのいない場所には私の居場所はない」と美咲を抱いた。そして典真はピアノで曲を弾いた。美咲はこれを聞いて消えた。

〇三人は子供音楽会に参加して歌うことにした

美咲がアパートに戻って来て、三人で食事。さくらが「あの妄想やろうはどこか?」と怒って、ラシオを聞いた。ラジオにツナガユウキは現れない。(笑)三人は子供たちと同じ制服で音楽会に参加した。典真がピアノを弾いた。三人はしっかり歌って、拍手を貰った。観客は三人の歌は聞こえず、姿は見えていなかった。唄い終わって、三人は新しい家を求めて旅立った。

まとめ

本作はこれまでの坂元作品とは違っていた。

素粒子によるとんでもない幽霊ものだった。これには驚いた!これは新しい幽霊映画の出現です。幽霊を慰める作品になっていました。(笑)

笑って泣けるストーリー展開

優花の母・彩芽との出会い。彩芽が犯人と会っていた時とは驚いた。そして彩芽は常に優花を想っていた印“半分のキッキー”、これには泣かされました。さらに追い打をかけるように美咲が典真に会ってふたりで“音楽劇王妃アグリビナの片思い”を読むシーンに、“笑って泣ける幽霊映画”になっていました。

お三方、映画初出演時の雰囲気があってとても面白く観ました。清原さんフアンにとってはすこしもの足りない、早く大人になり過ぎましたかね!(笑)

ファンタジーな作品に合う映像

お三方がいつもひとつのフレームに収まり、三人が暮らすアパートやストリートミュージシャンとの出会い、朝陽に浮かぶ灯台や音楽会等の映像が美しかった。

坂元前2作に比べると、いいセリフがない。しかし、新しい幽霊映画として期待したいです!

                ****

「グリーンマイル」(1999)独房から処刑室に向かう通路、冤罪死刑囚を送る看守の嘆き!

 

グリーンマイルとは処刑室に向かう最期も通路で床があせた緑色に塗られていたという。NHKプレミアムシネマで鑑賞。

ふたりの少女を強姦殺害した2mを超す厳つい体格の黒人・コーフィ。この死刑囚は根がやさしく人を癒す能力を持っていた。コーフィの死刑の執行に悩む死刑執行官と死刑囚の心情をファンタスティックにホラーで描いた作品

テーマは冤罪電気椅子処刑の実体に恐怖し、コーフィの運命の結末に泣かされる感動的な作品だった

死刑執行官と死刑囚の緊張関係を描きながら、電気椅子による死刑執行を見せる。焼ける匂いを嗅ぎながら執行を待つ受刑者たち。惨い

主人公ポールは看守と死刑囚との緊張関係、死刑囚を巡る看守仲間のもめ事に対処しながら、コーフィの死刑処分に疑問を抱き悩み、最期の執ったコーフィの運命には泣かされる。偏見や権力闘争で本当に悪いやつが一杯いるのに何故コーフィはこうなったかと怒りを感じる作品でもあった。コーフィの言葉「愛に付け込んで殺す、また起きる」は忘れられない現実の言葉だ。

監督:フランク・ダラボン原作:スティーブン・キング脚本:フランク・ダラボン撮影:デビッド・タッターサル、編集:リチャード・フランシス=ブルース、音楽:トーマス・ニューマン

出演者トム・ハンクスデビッド・モースボニー・ハント:ジャン、、マイケル・クラーク・ダンカンジェームズ・クロムウェル、、イケル・ジェッター、グレアム・グリーン、ダグ・ハッチソン、サム・ロックウェル、ダブス・グリア、イヴ・ブレント、他。

物語は

大恐慌時代の1935年、ポール(トム・ハンクスは刑務所の看守主任を務めていた。グリーンマイルと呼ばれる通路を通って電気椅子に向かう受刑者たちに安らかな死を迎えさせてやることが、彼らの仕事だった。ある年、この刑務所に身長2メートルを越す黒人の大男、コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカンが送られてくる。双子の少女を殺害した罪で死刑囚となった男だ。ところがこの男は、ある日不思議な力でポールが患っていた病気を治してしまう……。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇物語は老人ホームで過ごす老いたポールがエレーン夫人に昔話をするシーンから始まる。

ポール(ダブス・グリア)は悪夢にうなされ早朝起き出して散歩にでる。そしてTVで映画「トップ・ハット」(1935)のダンスシーンを観て泣き出す。エレーン夫人(イヴ・ブレント)が心配すると“誰にも話してない話だが”と、60年前、大恐慌時代に刑務所の看守だったとき扱った1935年の事件について話始めた。

〇ポールは刑務所で尿道感染症に苦しんでいたとき、死刑囚コーフィを受け入れた

ポール(トム・ハンクスはゴールド・マウンテン刑務所のEブロックの看守主任だった。この日、尿道感染症で苦しんでいるところに副主任・ブルータス(デビッド・モース以下4名により連行されてきた。

幼い姉妹を殺害した死刑囚・コーフィは2mを超す厳つい体格の目が優しい黒人男だった。新米看守・パーシー(ダグ・ハッチソン)が“死人だ!死人だ!”と大声で警棒を振るい追い立て、これを覗き見した死刑囚のドラクロア(マイケル・ジェッター)の手を“覗くな”と叩き骨折させた。ポールは「囚人を興奮させる!お前はこの棟から消えろ!」と強く叱責した。

パーシーは “死刑を自分で執行したい”ために“市長のこね”でここに配置された男で囚人を動物として扱うが辞めさせも出来ずポールにとっては嫌な奴だった。

独房に入ったコーフィは“どうしようもなかった!元に戻らなかった”と呟いた。ポールは裁判記録を読んだ。

逮捕されたときコーフィは“だめっだた!元に戻そうとして遅かった”と話したことが書かれていた。

所長のハル(ジェームズ・クロムウェルがやってきて“ビターバック(グレアム・グリーン)の死刑執行日が決まった”と告げた。ハルは妻・メリンダが脳の腫瘍であることに悩んでおり、ポールはハルに症状を聞き一緒に悩んでいた

〇一匹のねずみがE棟に迷い込み、大騒動になった

パーシーが踏みつけたためねずみが逃げ出し、大騒ぎして捜索したが見つからなかった。これでブルータスがパーシーと激しく対立するようになった。

ねじみはドラクロアの独房に逃げ込み、彼がシングルズと名付け芸を仕込んだ

〇ビターバックの処刑

執行指揮をポールが執る。予行2回実施して本番!これは惨め!被害者家族など立会者が見つめる中で執行が始まる。

電気椅子に座らせ締め具を装着。“第1スイッチ”の号令で暗室になり死刑囚が懺悔する。次いでポールが“州法に従い死に至るまで身体に電流を流す、神よご慈悲を”を宣告し“第2スイッチ”で電流が流される。ビターバックは検死の結果不十分として再度スイッチが入れられた。パーシーが“ポールの役をやりたい”と言い出した

〇死刑囚ウォートンがE棟に収監されることになった。こいつは狂暴なやつだった

精神病院からこちらに送られる時、正体を失くした状態であったので、パーシーが「何も分からん!このバカ!」と侮った。拘束具を付けずに移送した。E棟に入るや否や大暴れ、看守のディーンとハリーは怪我した。パーシーの監視不十分のせいだった。ポールが拳銃を突き付けたことで事態は収まった。しかし、ポールは尿道が痛み出し動けない。するとコーフィが「ボス、ここに来てくれ!」と叫ぶ。

〇ポールはコーフィによって尿道感染症が完治するという異変が起こった!

ポールが恐る恐る近づくとコーフィがポールの手を握り尿道の痛みを吸い取り、吐き出した。ポールはその夜、妻と4回もセックスをした。(笑)

翌日ポールはコーフィの弁護士を尋ね「コーフィは殺人を犯すほどの乱暴者には見えない」と意見を聞いた。弁護士は「間違いない!ニグロは雑種の犬と同じで情を掛けると噛みつかれる」と話した。ポールは病が治ったお礼に内緒で妻が作ったコーンブレッドを差し入れた。

これを羨んだウォートンがポールに唾を吐きかけ、ディーンに小便を掛けた。ポールとディーンはウォートンに消防ホースから水をぶっかけ徹底的にしごいた。(笑)

〇パーシーが芸を仕込んだドラクロアのねずみを殺害する事件が勃発。コーフィがこのネズミを生き返らすという第2の奇跡が生まれた

何故こうなったかは風邪が吹けば桶屋が儲かる式の因果関係を説明することになる。本作が3時間の長編になった理由です。(笑)

施設見学にきたお偉いさんたちにパーシーは電気椅子による処刑を展示しそのあとドラクロアがねずみ・シングルズの芸を見せた。ねずみの芸の方が人気があり、これに嫉妬したパーシーがいたずらしてドラクロアを転ばした。これを見たウォートンが怒ってパーシーを独房に引き込もうとし、驚いたパーシーは小便を漏らした。パーシーは看守たちに「お前らの不正を喋って全員首にする」と脅した。ポールが“喋らない”ことを条件にこの騒動は収めた。しかし、パーシーはウォートンに強い敵意を持った

ポールはドラクロアの処刑にあたり、シングルズをどうするかについて話し合った。

フロリダのサーカスで働かせることにして、シングルズの芸を見ているところにパーシーがやってきてシングルズを踏み潰した!ドラクロアが泣き叫んだ!

第2のコーフィの奇跡が憩った

コーフィが踏み潰されたシングルズの痛みを吸い取り生き返らした。看守全員がこの奇跡を確認した

〇バーシーがドラクロアの死刑執行を指揮した。これでパーシーの転属が決まった

ポールはパーシーとの約束通り、死刑執行を指揮させて転属届けを出させることにした。処刑囚はドラクロアだった。シングルズを一時コーフィに預けることにした。

ドラクロアは陽気にグリーンマイルを通って処刑室に入った。電気椅子に座ったドラクロアは“生きたかった”と懺悔した。頭部に水に浸したスポンジを置きこの上に電極端子を装着するが、パーシーはスポンジに水を吸わせたふりで電源端子を装着した。第2スイッチで電流がながれるが水分がないため絶命するまでに時間がかかる。匂いが施設内に充満する。ドラクロアの悲鳴!見るに堪えない修羅場となった。ポールは“死に至るまで”と電源を止めさせなかった。焦げたドラクロアの遺体の消火を“お前の責任だ”とパーシーにやらせた。

ハル所長がパーシーを叱責した。ポールは“パーシーはこれで転職願いを出す“と説得した。

〇ポールは第3の奇跡をハル所長の妻・メリンドの健康回復で起こし、コーフィを救済できるのではいかと考えた

ポールは妻と一緒にハル所長宅を尋ね、メリンドの症状を確認した。生かす治療法はないことを確認した

次いで。ブルータスら看守3人を自宅に呼び、実行案を検討した。当初3人は反対した。ポールは絶対にバレない方法があることを示し了解された。

夜間に実行開始した。

コーヒーに睡眠薬を入れ、パーシーとウォートンに飲ませ眠らせた。さらにパーシーは拘束服を着せ、猿くつわを噛ませ、倉庫に監禁した。

ポールとブルータスは万一の場合に備えてライフル銃を携行、コーフィを連れてハル所長宅に乗り込んだ。ハル所長はコーフィの治療を信じなかったが、ポールは実行に移した。コーフィはメリンドの患部を全部吸い取った。メリンドが全快した。しかしこれを吐き出すことが出来なかった。

ポールたちはE棟に帰還した

コーフィは吐き出せず苦しんでいた。倉庫からパーシーを解放した。ポールは「何もなかった“とパーシーに告げたが、不機嫌そうに倉庫を出てコーフィの独房に近づいた。コーフィはパーシーを捕まえ口の中にメリンドの患部を吹き込んだ。するとパーシーは精神病者のように正体を失くした。ウォートンの「俺のケツを舐めるか!」を聞いたパーシーはウォートンの独房に近づき拳銃を数発発射した。ウォートンは即死だった。

コーフィはポールを呼び「悪人に罰を下した。手を出せ!」と言った。

ポールが手を出すとコーフィが手を繋ぎ、コーフィの事件記憶がポールに移ってきた。ふたりの娘を殺したのはウォートンだった。ポールはふたりの娘を生かそうとして捕まったのだった

パーシーは皮肉にも患者として慶進病院送りとなった。

〇コーフィの処刑。

ポールはコーフィに“逃げるか?俺が神に責められる”と聞いた。コーフィは「疲れた!もう人の望みを聞くのは嫌だ」と答えた。ポールは死ぬ前にやりたいことを聞いた。ビーフステーキにポテトスープ、ポールの妻が作るコーンブレッド。それに映画「トップ・ハット」を観ることだった。

コーフィの処刑執行

執行指揮と牧師役をポールが勤めた。立会人には被害者夫婦がいた。“二度殺せ”という声がする。しかし、ポール以下看守たちは泣いた。コーフィの懺悔は“生まれてこなければよかった”だった。コーフィはポールを呼び、手を握り“愛に付け込んで殺す、また起きる”と伝えた。目隠しをせず、スポンジにはたっぷり水をつけて電源端子を装着した。コーフィは苦しむことなく絶命した。

〇老人ホームのポール。話し終わってエレーン夫人を散歩に連れ出した

廃屋の中で年老いたねずみ・シングルズの芸を見せた。そして、自分は108歳でシングルズとともにコーフィによって生かされているという。

ポールは「これはコーフィへの償い、わしへの罰だ人は皆、自分自身のグリーンマイルを歩いている。いつか死が来ると思うが時々長すぎると思っている」と話した。

まとめ

ポールが60年後にコーフィの殺人事件の真実を明かし、これが映画になるという結末。袴田事件に繋がり、冤罪事件の罪の深さを感じる作品でした

コーフィが死刑直前にポールに伝えた“愛に付け込んで殺す、また起きる”を防止するためにポールは生かされたと思った。

今尚絶えないこの問題。黒人への偏見、権力による判決。まともに見えてパーシーのようなキチガイ看守がいる。コーフィとの比較で描く冤罪の話、いい視点だった。

長く残る作品であって欲しい

ポール役のトム・ハンクス、やさしさがあっていい役でした。

心暖まる演技。当初彼ではなかったらしいが、原作者は“彼に決まって良かった”と言ったとか。こういう難役には欠かせない俳優さんです。

ポールの対抗するパーシー役のウェットモア。本当に悪だったが、彼がいてこの作品が成り立つ。とてもよかった。

コーフィ役のマイケル・クラーク・ダンカン。優しさが滲み出ており、この役には適任だった。

テーマのあるファンタジーでホラーな作品、怖くて泣けてすばらしかった。

           ****

「夏の砂の上」(2025)感覚で観る、「苦しいだろうが生きろ! ひとりじゃない、必ず光が見つかる!」

 

長崎を舞台に、愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女が、それぞれの痛みと向き合いながら小さな希望を見出していく姿を描くヒューマンドラマ

原作者も監督も知らないが、今人気の髙石あかりさん出演で、出演者たちがとても豪華ということで観ることにしました。(笑)

タイトルはピンとこないがテーマは何か?

タイトルは「熱いトタン屋根」(1958)のような感じで洒落ている。テーマは作品を観れば分るだろうと気楽に観始めました。辛い生活の中で淡々と交わされる言葉・エピソードのなかに、見えにくいが、少しづつ愛が見えてきて、渇き切った大地が水を吸うように愛が流れ込み、人生不幸ではあるが必ず救いはある、生きてゆかねば!に辿りつく結末に感動します

原爆が投下された熱い夏の長崎が生き返ったように大きな生命の循環の中で描かれるころがすばらしい

原作:美しい夏キリシマ」の松田正隆監督・脚本:現代口語演劇作家&演出家の玉田真也。撮影:月永雄太、編集:ウエダアツシ音楽:原摩利彦。

出演者オダギリジョー、髙石あかり、松たか子森山直太朗、高橋文哉、篠原ゆき子満島ひかり斉藤陽一郎、浅井浩介、花瀬琴音、光石研

物語は

雨が降らず、からからに乾いた夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子(松たか子と別居している小浦治(オダギリジョーは、働いていた造船所が潰れても新しい職を探さずふらふらしていた。そんな治のもとに、妹の阿佐子(満島ひかり17歳の娘・優子(髙石あかり)を連れて訪ねてくる。阿佐子は治に優子を預けて1人で博多の男に会いに行ってしまい、治と優子の突然の同居生活が始まる。高校へ行かずアルバイトを始めた優子は、そこで働く先輩・立山(高橋文哉)と親しくなる。不器用ながらも懸命に父親代わりを務める治との暮らしになじんできた頃、優子は治と恵子が言い争う現場に遭遇する。(映画COMより)


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あらすじ&感想

大雨で川に激流が流れる。これ、長崎の特性!その川にタバコを投げ捨てる治。随分と吸い殻が貯まっている。治はここに佇んでかなりの時間が経っている。今だにここで長男を失った悲しみが取れないようだ。

〇治が別居中の恵子と喧嘩中のところに阿佐子が来て娘・優子を治に預けた。

治が買い物して坂道を登り二階建ての一軒家の自宅に戻った。坂道も長崎の特性。家には別居中の恵子が居て“長男の位牌を取りにきた”という。治が反対して喧嘩となった。恵子は失業中の治に“給付金もらった?”と聞く。治は「どうにもならん!“と言い、就職の意欲もないらしい

そこに治の妹・川上阿佐子が娘の優子を連れて尋ねてきた。「博多でスナック店を任せてくれる男が現れたからしばらくの間娘を見て欲しい」と言う。治は“無理!“と断ったが阿佐子は優子をおいて出て行った。優子に母親を追う気配はなかった。治は優しい男らしい、こえを受け入れた。

〇次の日、優子はスーパーに働きに出た。治は首になった仲間の懇親会に出席した優子が治の秘密を知った

優子はアルバイトの立山に仕事を教わり、早速に“明日の飲み会”に誘われた。

治は同じ造船所を首になり近所のタクシー会社に就職した持田(光石研の車で街に出て、そのあと懇親会に参加した。

懇親会で、治は陣野(森山直太朗から「奥さん大丈夫か?」と声を掛けられた。すると持田が「あいつは若いときからそういうところがある」という。“女ができたか?”という声が起こった。治が仕事に就かずぶらぶらしていることへの冷やかしかなと思ったが・・・。

懇親会後、治は持田と神野を家に誘った

帰宅すると居間に優子がいた。優子は二階の自室に場所を移した。三人が飲み始めた。陣野が「仕事もせずぶらぶらして、情ない!」と言ったことで治と喧嘩になったが持田が止めた。治が「妻の居場所を知っているのか?」と陣野に聞くと「昔の社宅のアパートだ」と答えた。治は妻と陣野の関係を知った。

ふたりが帰ったあと、優子は治に“息子の死”について聞いた

治は「5歳のとき家を出た先の溝に落ちて亡くなった。可哀そうなことをした」と話した。優子は「わたしの従弟だった!」と話すと「そうだな」と答えた。治は優子の言葉に“血の繋がり”を感じた。

〇次の日、優子は飲み会に参加し、朝帰りして治に説教された。

優子は参加する積りはなかったが、帰り際に立山に捕まって参加した。スナックでゲームして朝まで楽しんだ。立山が家まで送ってくれ「君が好きだ!」と告白し、別れた。

家に戻ると治が食事を作っていた

ふたりで食事した。治は「何時に戻った!預かっているから何かったら取り返しがつかない。男やろう、血は争えん」と注意した。優子は怒って外出した。優子は父親からこんなこと言われたことはなかった。

〇優子は立山とデート治はハローワークに出掛けた。この日、大変なことが起きた。

優子と立山のデート

当初、素っ気ないデートだったが、家に送ってもらって坂道を登るころには手を継ぐようになり、家に上げた。立山は大学生などと話していて急に優子を押し倒しキスを求めた。

治はハローワークで仕事を探した

馴れた溶接の仕事を探したが見つからず、駅前の中華屋で働くことに決めた。そこに“陣野は亡くなった”という電話が入り急いで陣野の家に駆け付けた。

陣野の妻(篠原ゆき子から「主人はあんたの奥さんと浮気し、そのことを気にして追突事故で亡くなった。自分もそのことで自転車事故で頭を怪我した」と猛烈な抗議を受けた。治は“すいません”と謝り、喪服に着替えるため家に戻った。篠原さんの抗議する演技が傑作だった。長崎弁の喧嘩はこうなるかと楽しみました。(笑)

〇優子と立山がいちゃついているところに治が戻った。(笑)

治はふたりに説教する余裕もなく立山に“帰れ!“というのが精いっぱいだった。自室に入り喪服に着替えているところに妻の恵子が喪服に着替えにもどって来た。治は恵子を押さえつけたが激しい抵抗するので止めた。優子と立山に”何でもない“と声をかけ家を出た。優子が部屋に入ると恵子から”ファスナーを上げて!」と言われ、手伝った。恵子から「居心地が悪いがお母さんが迎えにくるまで辛抱して」と声を掛けられた。優子は立山を無視して二階の自室に戻った。優子が治夫婦の仲の悪さ、恵子は戻って来ないと知った

優子はスーパーで働き、治は中華屋で働く毎日が続いた。

〇治は職場で優子が悩んでいることを知った。

治が働く中華屋に優子が働くスーパー仲間たちが食事にやってきた。治は厨房から優子を伺っていた。優子が店長から「遅刻が多い」と注意されていた。「もうすぐ立山が来る」と揶揄われたことに腹を立てた優子が怒って帰って行った。

夜、家に戻った治は優子に「無理せんでいい、仲良くしたらいい。俺もそうしてきた」と話した。優子は「だからおばちゃんに逃げられた?」と聞いた。治は自室に優子を誘い、望遠鏡をセットし、「これで星をみろ!」と勧めた。治は“これで人とのわずらわしさを忘れろ”という気持ちだった。優子は「ありがとう」と答え、覗いてみた。治の気持ちが優子に伝わった一瞬だった。

〇治の不在間に、優子と立山は家でいちゃついていて、優子の秘密がばれた!

立山が優子に圧し掛かる際、手鏡が割れ優子が右腕に怪我をした。立山が治療した後、優子の上着を脱がそうとしてお腹に大きな痣を見て、止めた。優子は割れた鏡で光を乱射させながら、「この街はピッカと光って消えた。白く光って私も消えたい」と言った。優子が孤独で不登校なのはこれが原因だった

立山が帰り際、「それって残る傷か?残れば俺が責任を取る」と言ったが、優子は「ずっと誰にも話さない。でも治る。立山さんのことは忘れる」と断った。立山が自宅のご飯に誘った。

この日の夜、治は不愉快な話で、夜、泥酔して帰宅し優子の介抱を受けた。

治は大きな包丁で豚肉の骨を切ってちゃんぽんのスープを作る作業をしていた。

そこに昔の仲間が会いにきて「福山に転勤になり奥さんを連れていく」と謝りに来た。治は泥酔して帰宅した。優子が介抱して寝かせた

暑い晴天続きで水不足。給水車に並び給水を受ける日々が続く

〇治が帰宅すると蕙子が居て、離婚届けを差し出した

恵子は「今、ほっとしている。あんたに会ってもなんでもなくなった。長いこと暮らしたこと全部忘れられる。別れても大丈夫!」と離婚届け書を渡した。治は快く押印した。治は「アキオは何で死んだか、初めからいなかったのでは。本当に俺たちはいたのか。俺はいなかったように思う。お前が言うならいたのかな」と答えた。経子は「何でそんな悲しいことを言うの」と反発した。治は「帰らん昔のことは何にも分らんことになっている。忘れるものはない、アキオもお前のことも思い出せん」と答えた。恵子が「私は一体何だったの?位牌はいらない」と言って、帰って行った。治が穏やかに語った言葉は妻への餞別だったと思った

優子が勤めから帰ってくる途中で恵子と男に出会った。優子は何があったかはすぐに分った。恵子に「叔父さんは私が面倒見ます」と言った。

帰宅した優子は治に「立山家で準備した食事を断って帰って来た」と伝えた

優子は「立山の母親が造ったハンバーグが美味しそうだったが、“用事が出来た”と断り戻って来た」と話した。治は”夕飯は造らんと思っていたが“と答えた。

優子は「この家を出て、どこかに行こう」と誘った

治はこれまで貯まった苦しさや悔しさを吐き出すように暴れ出した!優子が治にすがりつき止めた。その時、大粒の雨が降り出した。

優子は食器を持ち出し雨を受け貯めた。そしてその雨をふたりで飲んで、“美味”いと笑い、雨水を浴びた

雨に打たれる長崎の街が生き返ったようだった

〇阿佐子が優子を引取りにきた。優子は旅立ち、治も“良いことがある“と歩きだした。

治は料理中に右手3本を喪う事故を起こした。優子は立石に別れる手紙を渡した。

治が買い物して家に戻ると阿佐子が来ていた。阿佐子は「店長の息子からカナダに店を出すので手伝ってと請われた。優子も学校に行かせてもらえる」とカナダ行を説明した。治は快く送り出した。優子は「お世話になりました」と挨拶し母親と出て行った。治は「困ったらいつでも帰ってこい」と声を掛けた。しばらくして優子はタクシーを停め治のところに戻り、自分の帽子を治に被せて去って行った。治は“まだ2本指が残っている”と青い夏空を見上げた。

まとめ

“これで終わり”という、終わり方で、テーマは何だと思ったが、子細に検討すると雄大な癒しの物語になっていると気付いた

原爆の記憶が残る真夏の長崎、そして水か枯渇。これをバックに描かれる治と優子の再生物語。治は右手3本の指を失いながらあと2本残っているから何とかなると言い、優子は長崎を離れカナダの学校に入ることに新しい生活を見出すことができた。

 治は息子を事故失い、これが原因で妻を失ったが姪の優子を預かったことで本人が気づかない中で優子に愛情を掛けた、立派に育った優子に癒された。一方、優子は治と生活することで“愛”を知り、隠していた痛みの原因が解けだし力強く生き心が芽生えた。

セリフが印象的で、それを雨や原爆など長崎の風物に置き換えて演出するところが面白い。また役者さんの演技がすばらしい

 立山が優子の腹の痣を見てセックスを諦めるシーン

優子が鏡で光を反射させながら「この街はピッカと光って消えた。白く光って私も消えたい」と告白する。このことで彼女はこれまでの孤独、苦悩から解放された。

治が恵子に離婚届けに押印し、恵子を送り出すシーン。

「帰らん昔のことは何にも分らんことになっている。忘れるものはない、アキオもお前のことも思い出せん」と答えた。恵子は怒ったが、治にとっては恵子への花向けの言葉だった。

治が恵子を送り出したあと優子の「どこかに行こう」と誘ったシーン

治はこれまで貯まった苦しさや悔しさを吐き出すように暴れ出した。優子が治を抱いて沈めた。この優子の温かみに治は救われた。

大雨を食器で受け止め、治と優子が飲むシーン

優子は雨水を食器で集め、ふたりで“美味しい”と飲む。実際にこんなことは起きないが、ふたりが水で再生されていくのがいい。

治役のオダギリジョーさん、苦しみを隠し静でやさしいさ一杯で、ときに耐えかねてひとり暴れる演技。優子役の高石さんは孤独に苦しみながら、純粋でみずみずしさがしっかりでた演技がよかった。

全編長崎ロケで、風景と歴史が物語の中に刻まれ、“生きる”を教える物語になっていた。

 “次世代を担う気鋭の演出家”と言われる玉田真也監督作品に出会えてとてもよかった。感謝です

              *****

「アズミ・ハルコは行方不明」(2016)アラサー女性の失恋をスリリングでPOPに描いた作品!

 

アラサーの安曇春子(「アズミ・ハルコ」と20歳の木南愛菜の恋に生きる息苦しさを描いたラブサスペンス

なんとも奇妙な題名、これに蒼井優さん、高畑充希さん出演、何が起こったかと鑑賞監督が松井大悟さんというのも見るポイントだった。

とてもユニークな映像表現が面白かった!圧巻と言っていい!

安曇春子パートは恋して失恋・失踪するまで、木南愛菜は恋して春子の捜索パンフレットをアートにしたことで事件に巻き込まれ失恋するまでのふたつのエピソードが時間軸を交錯させながら描かれる。この描き方は映画「メメント」(2001)を彷彿させ、ストーリー展開がスリリングで爽快感がありさらにグラフィティーペインテイングやアニメ、環ROYの音楽が加わりPOPな作品になっている。

ストーリーは田舎でよくみられる女性に対する閉塞感が面白く描かれており、松井大悟監督らしい感性の作品になっています。

監督:松居大悟、原作:山内マリコ脚本:瀬戸山美咲撮影:塩谷大樹、編集:小原聡子:音楽:環ROY主題歌:チャットモンチー劇中アニメーション:ひらのりょう。

出演者蒼井優高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子、山田真歩、花影香音、他。

物語は

日本中どこにでもありそうな、郊外のある街。この街から独身OLの安曇春子(アズミハルコ:)が突然姿を消した。街じゅうに貼られたハルコの行方不明ポスターとともに、彼女のポスターをモチーフにしたグラフィティアートが拡散されていく。ネットでは、男だけを無差別に襲う女子高生ギャング団とハルコポスターのグラフィティアートとの関係性が噂されはじめて……。(映画COMより)


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あらすじ&感想:

冒頭、夜の闇の中を走る車がドラッグストアー前で停車

安曇春子(蒼井優が下車してタバコを吹かす。劇場で騒ぐ女子高生の集団。暗闇の中に浮かぶペインテイング絵。愛菜高畑充希の顔。男を殴る蹴る女の子。会話する春子と今井えり(菊池亜希子)。ペインテイング絵で騒ぐ高校生たち。

高速道路橋脚にある店のシャッターに“オウオウ”と声を上げてペインテイングする二人の男。春子に「離婚した。結婚はつまらなかった!」と話す今井えり、これを聞いてにんまりする春子。春子の行方不明者(missinng)ポスターを貼る警官(加瀬亮

これら脈絡の分からない影像がフラッシュ的に示され、「アズミ・ハルコは行方不明」のタイトルが出る。

ここで描かれる映像は春子が行方不明になる前後の様子、愛菜とボーイフレンドがペイント絵を描く、少女ジャング団が暴動を起す、これら3つのエピソードを描き出した映像これらの映像が最期にどうつながるか?

春子が行方不明になる前から物語はスタートし、春子と愛菜のエピソードが時間軸に関係なく交互に映し出され、“ふたりの何ともやり場のない恋の終り”が浮かび上がってくる。そしてふたりは?

○春子のエピソード

春子は実家で両親と祖母と一緒に暮らしていて、母は祖母の介護で疲れてストレスを抱え、春にとって決して実家は住安いところはなかった。

春子は母にトイレットペーパーを買ってくるよう頼まれた

ジャージ衣のままでドラッグストアーに走った。そこでひさしぶりに同級生の曽我雄三(石橋ひゅーい)に会った。彼の部屋に行くと雄三は一人暮らしで侘しい生活をしていて、同級生の杉崎ひとみ(芹那のことをひつこく聞いてきた。

会社では社長(国広富之に「結婚しないのか?」「スカートはいた方がいい」とセクハラ言葉を投げかけられ、先輩社員で独身37歳の吉沢さん(山田真歩)と見比べられる。

ある日、会社の帰り、少女ギャング団リーダー(花影香音)の暴行を受け倒れている曽我に出会った。「誰にも言うな!」と言う彼を部屋に連れ帰り怪我の治療をした。なんとなく同情心で味気ないセックスをした

後日、春子は少女ギャング団に会い「あんたは襲わない。私たちは男に復讐している」とお咎めなしだったが、その元気が欲しいと思った。

会社では“吉沢さんはフランス人と結婚しアフリカに行く”と噂になっている。これを聞いた社長と専務はびっくりし、急遽、新社員を募集することになった。が、「女性は駄目だ!」と女性をバカにする

吉沢さんの仕事を引き継ぎ慣れたころ、“曽我がひとみと付き合っている噂”を耳にした。吉沢に電話するが出ない。その時少女ギャング団に出会って「来る!」と誘われ“若かったら一緒に男に復讐してやりたい”と思ったが、“私女子高生でないから”と断った。(笑)

曽我を呼び出しなりふりかまわず復縁を説得した。ここでの春子の姿がなんとも憐れだった。これを演じる蒼井さんの演技が見事です。

曽我と別れて部屋で泣いていた

母「トイレットペーパー買ってきて」と頼まれ車で走り出し(冒頭のシーン)、ドラッグストアーで今井えりに会い行方不明(missing)を決心した

愛菜のエピソード

愛菜は成人式で同級生富樫ユキオ(大賀)に再会した。

キャバレーで働く愛菜は花魁のような和装で大学進学のため名古屋に行った中学時代の同級生富樫ユキオ(大賀)に再会した。車を持たないユキオをアパートに送って行ってそのままセックスした。

ふたりでアニメ映画のDVDを借りにレンタルビデオ店に行くとそこでアルバイトをしている同級生の三橋学(葉山奨之に出会った。

学がガソリンスタンドで働くユキオを訪ねると「愛菜はすぐやらせてくれる」と紹介しアニメのDVDを貸してくれた。学はDVDを見て「これはすげえ!」と覆面アーテイストのバクシーに憧れ、ユキオとグラフィック・アートを始めることにした

学は絵が上手かった。高速道路の橋脚に画いてみた。

ふたりはデザインを考えながらチーム名を“キルロイ”と決めた。ポスター絵を考えていて「肖像権がないからこれだ!これで発見できれば大きな貢献だ!」と“ハルコの捜索願いポスター”を描いた。壁や店のドアにこれを書きまくった。

愛菜がこれを見て「これパクリや!」とユキオを脅し、“自分も仲間に入りたい”とペインテイング道具を揃えた。三人で画きまくった。これがネットで話題になりスマホの待ち受け画に使われるようになった

ネットで「暴行事件の犯人はペインテイングしているやつだ」と大騒ぎに発展した

少女ギャング団の暴行事件とアズミ・ハルコのグラフィックアートの関係がネット上で話題になり、ニュースで流された。これに恐れをなしたユキオが「やめる」と脱退した。

ユキオが居なくなり愛菜は学とラブホテルで過ごしていた

学が「ユキオが“愛菜は1発やらせてくれる”と言ったことからこうなった!」と明かし、これを聞いた愛菜の怒りが爆発した。

ユキオと学がファミレスで事後対策を話していた

そこに車でやってきた愛菜スマホで学を呼び出すと、少女ギャング団が嗅ぎ付け寄って来て学に暴行を加えた。愛菜は恐ろしくなり車を放置して逃げた。

愛菜の車の中で発見された学は警察の取り調べを受け釈放された

学はイベント会社の男(柳憂怜)に誘われ、会場でペイント絵を画くことになった。これを聞きつけユキオがやってきて一緒に働くことになった。愛菜には誘いがない。愛菜は「またまた男がつるんで!自分をバカにしている」と怒った

しかし、イベントの2日目になると客が来ない。

ユキオが「仕事があるから」とペイントの仕事を降りた。そこにやってきた愛菜、酔っぱらっていてことの次第も知らず、会場にある大きなアズミ・ハルカのペインテイング幕に火を着け、自分を無視したことに抗議した。気がつくとなんとそこに安曇春子が立っていた。(笑)

○春子と愛菜が出会った!

春子が「ここで何しているの」と愛菜に聞くと「死にたい。ユキオを出せ!」と応えた。春子は「そんなのバカよ。女の子には優雅な女になる生活が最大の仕返しよ。あなたが幸せな生活をすることがユキオへの仕返しよ。“私を愛してくれている?”と消えたら!消えて生きるのよ!私は生きている、行方不明の子がへらへら笑いながらどこかで生きている。そうでなければ割に合わない」言い返した。

少女ギャング団が劇場で、「拳銃で男をやっつける」アニメを観ていると警官がこれを取り囲み一斉に検挙しようとした。会場を出てきた彼女らは警官に向かって拳銃をぶっ放す仕草をして一斉に逃げ出した。彼女らにはこの手があった。でも行き着く先は・・・。(笑)

春子がまさにスポーツカーで今井えりと一緒に海に出掛けようとしているところに、愛菜が走り込んできた。春子は「一緒にいかない。男への仕返し!」と愛菜を誘った。

まとめ

春子と愛菜のエピソードに少女ギャング団の行動を絡め、時制を無視してランダムに繋げて、分けわからない話だったが、たわいもない男にふられた、もてない女の話だった。(笑)

地方都市の閉塞感のなかで生きる27歳のOL春子は実家に居ずらく、会社でのセクハラにうんざり、バカな男に惚れて捨てられ人生を諦めた。20歳のキャバレーで働く20歳の木南愛菜高畑充希)はキャバレー務めで気ままに過ごし何かしたいと男を追っかけ廻るが捨てられ人生を諦めかけた。ふたりが行く着いた結論は家出して男を困らせてやるというものだった。(笑)

これじゃ結婚しない族が増える!!

物語の背景には男有利社会への嫌悪感があり、観る側特に女性にとっては「それはあるある」と結構受け入れられる話、「女性が観たらきっとわかる」という映画になっている。(笑)

蒼井優さんの春子の物憂い繊細な演技、高畑充希さんのエネルギーを爆発させ突っ走る演技、このはじけっぷりがいい。今観ると、感慨深い役だったように思います。(笑)

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