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「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(2019)

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山崎貴監督の描くVFX映像が観たくて、これまでず~と作品を追っています。今回も、全く「ドラゴンクエスト」で遊んだこともなく、ストーリーも知らずに観ました。全くの「ドラゴンクエスト」の門外漢の感想です。( ^)o(^ )

ドラゴンクエスト天空の花嫁」(1992)を原案に総監督・脚本:山崎貴さん。監督は八木隆一・花房真さん。原作監修を堀井雄二さん。音楽はすぎやまこういちさん。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ドラゴンクエストV_天空の花嫁

あらすじ:
主人公リュカは魔物たちに誘われた母を救うため、パパスとともに旅を続けていた。しかしある日、リュカの目の前でパパスが殺されてしまう。
10年後、故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探せば母を救うことが出来る」というパパスの日記を見つける。
「魔界の門を封じれば母を救えるのか。世界を暗黒に鎮めるわけにはいかない」と父の意思を受け継ぎ、魔物たちに支配させた世界から母を救う旅にでた。
立ちはだかるいくつのも試練、くじけそうになったとき、側で支えてくれる人たちがいた。フローラとビアンカに出会い、やがてリュカは二人の女性のどちらかと結ばれ、人生を賭けた壮大な冒険が始まる。はたしてリュカは父の果たせなかった想いを胸に、母をそしてこの世界を守ることが出来るのか・・。
                         (王様のブランチから)。

映像は、これまでの監督作のなかでもっともよく出来ていると感激しましたが、ストーリーは、おそらく2時間に納めるために短縮されて分からないことが多く、大河ドラマを2時間で観た感じで感情移入することはなかった。主人公とその家族の波乱の人生に多くのものを学び、感動できるものだろうなとは思いました。

ラストシーンが、原作にない監督の想いが篭ったものになっていて、大きな物議を起こしているようですが、門外漢の私にとっては全く違和感なしでした!
むしろ、「ユア・ストーリーを作りなさいよ!」と激励されたような気分でした。

恐らくゲームに熱中した人たちには、受け入れられなかったかもしれませんね。( ^)o(^ )

沢山のキャラクター。これに多くの名優たちを当てたのはよかった。どのキャラクターが、どのような感情で話しているかが分かりとてもよかった。特にキャラクターの顔の表情が、演じる俳優さんによく似ていることが驚きでした。

***(ねたばれ)
PCで楽しんでいるゲームシーンが、父親パパスと息子リュカが剣を鍛錬し旅に出る映画シーンに繋がり、ここから物語が始まる。バーチャルな世界で遊んでいるんだという大切なメッセージを発している。

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ラインハッド城を訪ね、パパスが大王に会っているとき、王子ヘンリーがブラックドラゴンに連れ去られ、パパスとリュカが王子を追って古代の城跡で魔者・ゲマと対峙することに。パパスが斬りかかるが、リュカの目の前で刺殺される。死に際に「お母さんは生きている、頼む」という父の遺言がリュカの生きる指針となる。リュカとヘンリーはセレベス山の死体流し場で強制労働を強いられが、10年後、死人に成りすまして脱出し、プサンという老人に救出される。ヘンリー王子と別れ、生まれ故郷、雪国・サンタローズに戻る。

母親がいかなる人なのか、父親との関係。プサンがいかなる人物なのか、ほとんど明かされることなく物語は進んでいく。とにかく、出てくる施設、風景が精緻で美しく表現されており驚きました。3Dの人物像も美しく見事です。が、3Dの特色である感情表現が、物語が平板なため、それを感じられなかった。

パパスの隠し部屋で父の手記「マーサは生きている。魔界の門を閉じれば救える。リュカが天空の勇者であると信じている」を見つけ、パパスの従者であったサンチョの「剣を投げれば救える。剣はサラボナの富豪・ルドマンに会えば得られる」という言葉で、母を救う旅に発つ。

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こうしてルドマンの屋敷で、娘フローラに再会。また、この町の宿場で働いているビアンカとも再会を果たす。

この物語のハイライトの一つ、人生最大のイベント、このふたりのどちらと結婚するかという物語。実は、結論が「何でも話し合える人」という、初めから答えが出ているような描き方で、過去に何があったかなど全く触れず、あっという展開でした。(笑) 子供騙しだな!と。ゲームでは色々と難題をクリアし悩んで結論に至るのでしょうが、これがない。

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しかし、ここでのフローラの波留さんとビアンカの有村さんの声の演技はよかったです。特に波留さんの占いババアの声が見事で、これが波留さんとは気づきませんでした。

リュカはビアンカと結婚し、サンタローズで過ごし、間もなく長男・アルスは生まれる。そこに魔物ゲマの忠臣ゴンズとシャミが現れ、リュカは家族を伴って母を救う旅に出かける。

ここからは、これまでの展開と異なって、夫婦の愛や親が子を、子が親を思う気持ちがよく出て、親子、従者が一体となって母親に辿りつくという壮大な物語になる。沢山のモンスターとの闘や、魔者ゲマの仕掛ける魔術解きなど、アクションシーンが凄い。監督が参画する、オリンピック開・閉会式展アトラクションが楽しみになります!

旅の途中での魔物ゲマの襲撃でリュカが石化され、ピアンカは連れ去られる。石化されていく映像が凄い。
しかし、8年後にサンチョに育てられた息子・アルスが、洞穴で魔法の杖を手に入れモンスターのギガンデスを倒し、父親リュカを石化から解き放つ。救出されたリュカがアルスを天空の勇者だと認めるくだりは、三代目にして真の勇者が現れるという感動物語ですが、魔法の杖の由来も分からず、あまりの急展開に、理解不能でした。(笑)
連れ去られたピアンカは、王家ゆかりの者であることが分かり、エビルマウンテンの祭殿に連れ出され、義母・マーサと対面。マーサの嫁にかける言葉が優しい。が、ビアンカは呪文を唱えることができず石化されてしまう。

船で、リュカとアルスは従者となっているスラりん、キラーパンサーのゲレゲレを伴いエビルマウンテンに入った。
襲ってくるモンスターを退け、マスタードラゴンに会い、窮状を伝え協力を依頼する。マスタードラゴンが何者かわからない。(笑)

マスタードラゴンの進言で、まずは妖精に頼もうと出かける。キラーマシンの襲撃を交わし、大渓谷をスラりんの伸びる身体を利用しての通過に大笑い。しかし、妖精には「過去に帰って自分を見つめ直しなさい」と協力を断られる。

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リュカは過去に戻り、自分と対峙し、父パパスの想いを胸に、エビルマウンテンの祭殿に。魔界の門前で魔者ゲマ、モンスターたちと激しく戦う。魔法の杖でビアンカの石化が解かれた。そこにヘンリーが大兵を連れてやって来る。ここの戦闘映像はとても見応えがある。

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リュカは魔者ゲマを撃ち破るが、彼によってマーサが絶命し、魔界の扉が開かれた。

スクリーンは暗転、無音、魔界の世界。リュカは最恐の魔王・ミルドラース対峙。なんとミルドラースはウイールスだった。(笑)「あんたが観たドラマは上手く作られているバーチャル世界だ。現実の世界を見よう。プログラマーなんて気まぐれだから、大人になれ!」という。リュカは「あの世界には大切なものが残っている」とスラりんのアンチプログラムで戦場に戻り、勝利に終わった。

リュカは「この冒険を忘れることはない。美しい世界を作った。俺は勇者だった」と雄叫びを上げた!

ゲームはバーチャル世界だから、いい加減にして、もっと現実的に生きろという意見。しかし、ここで生きようとするリュカ(ゲーマー)の執念は見上げたげたもの。こうやって大人に育っていけばいいというエールに聞こえるのですが・・・。
                                                  ***
出演者:
佐藤健:リュカ
有村架純ビアンカ
波瑠:フローラ
坂口健太郎:ヘンリー
山田孝之:パパス
ケンドーコバヤシ:サンチョ
安田顕プサン
古田新太ブオーン
松尾スズキ:ルドマン
山寺宏一:スラりん
井浦新ミルドラース
賀来千香子:マーサ
吉田鋼太郎:ゲマ
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「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」予告②