
WOWOW“W座からの招待”で紹介された作品。このタイトルにいかなる作品なりやと興味を持ちました。案内による、主演者の高石あかり、伊澤彩織さんを全く知らない。しかし、悪を演じたらこの人の右に出る人はいない渡辺哲さんと名子役だった濱田龍臣さんが名を連ねている。
2021年「ベイビーわるきゅーれ」が公開され、2023年の本作、さらに2024年9月に第3作「ベイビーわるきゅーれナイスデイズ」が公開される。そして「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」が地上波連続ドラマとして公開される予定とのこと。
これは見逃せないと観ることにしました。
シリーズを通して、脱力系の殺し屋コンビ・杉本ちさとと深川まひろの暮らしを描いた青春バイオレンスアクション、ちさととまひろコンビが凄腕の殺し屋と対峙するストーリー。
アクションは流行りのワイヤーなんぞ使わない生のアクション、これが凄い。さらに、物語の背景、社会に適合できない殺し屋コンビが繰り広げるのんびりまったりな暮らしと本格派アクションのギャップ、これが今の若者の感覚じゃないかと、楽しめました。
監督・脚本:阪元裕吾、アクション監督:園村健介、撮影:伊集守忠、編集:遊佐和寿、音楽:SUPA LOVE、主題歌:新しい学校のリーダーズ、オープニングテーマ曲:KYONO。
出演者:高石あかり、伊澤彩織、亜飛夢、中井友望、飛永翼、橋野純平、安倍乙、MIZYU、RIN、SUZUKA、KANON、渡辺哲、丞威、濱田龍臣。
物語は、
組織からの依頼で殺しを請け負っている、ちさととまひろの2人は、ジムの会費、保険のプラン変更など、日々のお金に頭を悩ませ、いつものように途方に暮れていた。一方、殺し屋協会アルバイトの兄・ゆうりと弟・まことの兄弟もまた、お金の悩みを抱えていた。上からの指令ミスでバイト代はもらえず、正社員ではないため働いても満足した生活ができない。そんな現実を前に、お金が欲しい兄弟は、「ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、ちさととまひろの前にたちはだかる。(映画COMより)
あらすじ&感想:
冒頭、殺し屋アルバイトの兄弟が標的の男たちを襲うシーンから物語が始める。
男たちは麻雀中のヤクザだった。やばいと思ったが兄・ゆうり(丞威)が拳銃をぶっ放し、これに弟・まこと(濱田龍臣)「やりますか!」と加わり、狭い部屋の中で男たちが繰り広げる格闘。結果は兄弟の勝利で終った。
丞威のアクションが凄い、他作品には負けないリアルな格闘だった。
戦勝祝いの焼き肉屋。仲介屋の赤木(橋の純平)が「標的が間違いで金が出ない」と言う。(笑)「下請けはバイト扱いでこういうことがある。上に行くには正規の殺し屋を殺すことだ。いいカモがいる、女のふたり組だ!」と教えた。兄弟はこれを狙うことにした。
狭いアパートで暮らすふたりに組織から389万円の請求書が届いた。
ジムに通った4年分のトレーニング代、殺し屋保険、事務経費などを金曜日午後3時までに振り込めと請求してきた。大きなパッフェを喰いながらふたりは考えた。(笑)払わないと職を失う。(笑)組織の須佐野(飛永翼)に相談すると「契約書通りだ」という。(笑)

前作で、ふたりは高校生でありながらアルバイトとして殺し屋をやっていた。ピンクサロンで名うてのヤクザを殺害したことで、卒業後正規の殺し屋として採用され、この時代の経費の請求だった。
ふたりの生活は早朝の川辺のランニングから始まる、アパートに戻るとまひろがダミーサンドバックを殴る。これを見たらまひろの強さが分かる。伊澤彩織は恐ろしい人だ。(笑)その後食事。この食事が何を食べているのか分からない。(笑)コンビニおにぎりの蘊蓄を語る。(笑)しかし、これも食えないらしい。(笑)
前作との大きな違いは、人づきあいが出来ないまひろがよく喋るようになっていた。ということで前作に比べてドラマ性ということで優れている。
ふたりは支払いのため蔵前の銀行に行くと、そこで仮面を被ったふたり組のギャングに遭遇。ふたりはおもちゃの手錠を掛けられていたが、午後3時前になっても開放されず、業を煮やしたふたりは手錠を外しギャングと格闘、銃撃戦となった。銀行員に送金を依頼したら、警察に訴えられた。(笑)ここでのアクションも見事だ。
ふたりは諏佐野から謹慎を命じられ、アルバイトで生活すことになった。
ぬいぐるみのバイトを始めた。子供にぶん殴られる。(笑)これで8000円稼いだ。が、ちさとが街頭の将棋博打に賭けて全部すってしまった。その夜は豆苗料理だった。(笑)

次の日、ぬいぐるみを被ったふたり。まひろが「約束を破った」とちさとを叱責、ふたりは掴み合いの喧嘩をした。ふたりの喧嘩も見どころだ!(笑)
これでぬいぐるみのアルバイトも解雇された。まひろはスマホで映画が見れない、ちさとは食べる物がないと嘆く。
街を散策するふたりを兄弟がつける。
まひろが気付き、空手棒でなぐりかかると兄弟は逃亡。ふたりは謹慎中で兄弟と戦うことに躊躇したが、ふたりを追って、廃車置き場で拳銃による銃撃戦。これもとてもうまく出来ていた!

ふたりは兄弟を組織に引き渡した。
組織から田坂(亜飛夢)と宮内(中井友望)が収容車で兄弟を引き取りにきた。宮内がボディランゲージで話し、書類にサインを求める。(笑)田坂がくだらない話をしている間に、兄弟が逃亡しだ。田坂と宮内が追ったが田坂が撃たれ、拳銃を盗まれた。田坂は宮内に「田坂守、銃傷で出血多量」と保険請求書を描かせた。(笑)そこにふたりが駆けつけ、「どこに逃げた」と聞く。(笑)
兄弟は赤木をスマホで呼び出すが出ない。組織によって赤木は殺されて川に投げ捨てられていた。兄弟は河原で赤木を火葬した。
入院中の田坂を須佐野と宮内がヨーグルトを持って見舞っていた。
兄弟は食堂で焼肉を喰っていた。偶然そこにふたりがやってきた。
ちさとは焼肉の匂いが気になる。ちさとが兄のゆうりがテーブルの下で拳銃を握ったのを発見。と同時にまひろが弟の頭に拳銃を当てた。
兄弟を店外に連れ出したところでふたりが逃亡し、倉庫に逃げ込んだ。ちさとがスマホで病院の須佐野に謹慎を解いてもらう交渉をする。宮内が依頼人として殺害を要請することで謹慎が解かれ、須佐野が「殺せ!」と指示した。
倉庫内でふたつのグループが戦う。
ちさととまことが負傷し、まひろよとゆうりの戦いが続く。伊澤彩織さんと丞威さんのすばらしいアクションを楽しむことができる。勝負がつかない。

ふたつのグループがお互いに相手を褒め合った。車座になってまことが差し出す干し魚をかじった。まひろが須佐野に「すべて終わった!」と報告した。その直後ふたりは兄弟を射殺した。驚きの結末だった。
まとめ:
予告編を観てください!どんな映画かすぐ分かる、これほどの切れのあるアクション、女性ペアによるアクション作品を知らない。綾瀬はるかさんも顔負けです。(笑)
アクションで語る物語になっている。ドラマとして、殺し屋コンビののんびりまったり生活とシュールな笑いも楽しめる。
ラストシーンの正規の殺し屋が非正規の殺し屋を排除するという結末、まさに今の日本社会だと笑った。
今や日本を代表するアクション映画監督の阪元裕吾と園村健介アクション監督、これに女子アクションスターの高石あかり、伊澤彩織で描く作品だった。
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