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「天間荘の三姉妹」(2022)テーマも俳優さんもいいだけに、惜しい感じ!

三姉妹をのん・門脇麦大島優子さんが演じということで、観ることにしました。特に“のん”さんがどのように成長しているのかなと!

原作:漫画家・高橋ツトムさんの代表作「スカイハイ」のスピンオフ作品「天間荘の三姉妹」。あの世よとこの世の間にある温泉旅館「天間荘」を舞台に描かれる「人が生きること」についてのヒューマンファンタジー作品。未読です。TVドラマ(2003)にもなったようですが観ていません。

監督:北村龍平脚本:連続TV小説「エール」(2020)の嶋田うれ葉撮影:柳島克己、照明:加持通明、編集:北島翔平、音楽:松本晃彦主題歌:玉置浩二 絢香

出演者:のん、門脇麦大島優子寺島しのぶ三田佳子山谷花純永瀬正敏高良健吾萩原利久平山浩行柳葉敏郎中村雅俊、他。


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あらすじ(ねたばれ:注意)

天界と地上の間にある三ツ瀬の街は、震災で一瞬にして亡くなった魂があまりにも多かったので、天界と地上の間に仮設した“三ツ瀬”の街だった。美しい海を見下す山の上に、老舗旅館「天間荘があった。

天間荘は“臨死状態の魂”が天に上るか地上に戻りかを決めるまでの間を過ごす宿。その選択は、宿で過ごす間に、自分で決めることになっている。

宿の経営は若女将の天間のぞみ(大島優子)だった。妹のかなえ(門脇麦)はイルカのトレーナー、母親の大女将・恵子(寺島しのぶ)は女と出て行った夫の清志(永瀬正敏)を憎み、今では酒浸りの毎日。姉妹とは良い関係ではなかった。

ある日、天界の門番イズコ(柴崎コウ)が小川たまえ(のん)という少女を連れて、黒いサングラスのわけあり運転手が運転するタクシーで、天間荘を訪れた。

たまえはのぞみとかなえの腹違いの妹で、現世では天涯孤独の身だったが、交通事故で臨死状態に陥ったのだという。たまえは父親がたまえ9歳のときに失踪したため、ひとり暮らしながらアルバイト生活をしていたところに交通事故に遭い、臨死状態に陥ったのだった。

のぞみは「どんな子か?」と心配していたが、宿につくと「海が観たい!」と走り出す天真爛漫な子で、まるで連続テレビ小説あまちゃん」の主人公そっくりだった。(笑)

たまえは宿泊客ではなくここで働きたいと申し出て、ふたりの姉とはすぐに打ち解け、のぞみ・かなえ・たまえの三人姉妹コンビで働くことになった。

たまえは長逗留の気難しい客財前玲子(三田佳子)の心を、持ち前の転進爛漫さで溶きほぐして「現世で美しいものを見たい!」という気持ちにさせ、また人生に絶望し自殺未遂を経てやってきた少女・優那(山谷花純)も“たまえ”には心を許すようになり「生きて、絵を描きた!」という気持ちにさせた。

イズコが財前と優那を引き取り、タクシーにふたりを乗せ「行き先をあなたたちが決めなさい!」と送り出した。彼女たちが向かったのは・・・。

こんな生活のなかで、たまえはかなえからイルカの調教術を教わり、一人前の調教師になって行った。

たまえも現世へ戻って生きるか天界へ旅立つかの決断を迫られる日がやってきた。そんな時に父親・清志が現れた!父親は三ツ瀬の住民だった。あの黒メガネの運転手だった。(笑)

擦った揉んだの末、恵子が清志を許し、五人家族が生まれた。たまえは家族と一緒に居たいと思ったが、家族に「私たちの魂はあなたの中で生きることができる、地上で生きなさい!」と地上に戻るよう促され、また天界に消えていく三瀬の住民から地上の家族へのメッセージを託され、イズコに「さあお行きなさい!」と見送られ地上に戻ってきた。

たまえは三瀬水族館のイルカトレーナーとなり、イルカショーの舞台に立ち、天界に消えていった人々のメッセージを家族のみなさんに伝えた

感想

「亡くなった人の魂を背負って生きる」、「忘れると亡くなった人を2度死なせることになる!」とよく戒められたことを、とても魅力的な俳優さんに演じてもらって、再確認することができました。しかし、同じことが繰り返され、無駄なシーンが多く、長すぎましたね!(笑)

前段の天間荘の役割、宿泊客:財前と優那の“臨死状態の魂”が天に上るか地上に戻りかを決めるために、たまえが誠意をもって尽くし、ふたりがその誠意を汲んで自らの道を見出していく過程は感情移入して観ることができました。しかし、後段の東北地震で亡くなった、亡くした人たちの魂の救済は、取ってくっつけたような筋運びで、ちょっと浮いた気分でした。(笑)

テーマも俳優さんの演技もいいだけに、エピソードが大雑把で、惜しい感じでしたね!

天間荘で、血の繋がらないたまえが天間荘の家族になっていく様が、まるで是枝監督の「海街diary(2015)でした!

水族館でイルカの調整中にかなえが「お父さんはどんな人だった?」とたまえに聞くシーンなど。かなえが一馬と恋をして結ばれるシーンは必要だったのですかね!よく分からなかった。死の空間にいる感じが全くしなかった。(笑)

若女将の大島さん、びっくりするぐらいによかった。門脇さんにはかなえは役不足でしたね!“のん”さんは「あまちゃん」だった。懐かしかったが、役の中で成長して、地上に戻って“輝くのん”になったのは見事でした。門脇さんと“のん”さんのイルカ乗り、これは楽しく見せてもらいました。

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