デビッド・O・ラッセル監督の「アムステルダム」を観る前にこの作品をと、WOWOWで観ました。
監督：デビッド・O・ラッセル、脚本：エリック・ウォーレン・シンガー デビッド・O・ラッセル、撮影：リヌス・サンドグレン、編集：ジェイ・キャシディ クリスピン・ストラザーズ アラン・ボームガーテン、音楽：ダニー・エルフマン。
出演者：クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、他。ととても豪華。これらのスターをどう使うかというのがこの作品の見せどころです。(笑)
物語は、
1970年代アメリカで起こった収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を映画化。詐欺師がFBIに協力し、おとり捜査によって真相を暴いた実話に基づいているとのこと。
79年、ラスべガスやマイアミに続くカジノタウンとして開発中のニュージャージー州アトランティックシティ。詐欺師のアーヴィン（クリスチャン・ベール）を逮捕したFBI捜査官のリッチー（ブラッドリー・クーパー）は、司法取引でアーヴィンを捜査に協力させ、偽のアラブの大富豪をエサにした巧妙なおとり捜査によって、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちを逮捕していくというもの。
あらすじ＆感想：
アーヴィンは幼い頃父親が騙されて苦労するのを目にし、騙す側には立たないという固い信念を持って育ち、ランドリー商売を始め、盗品や贋作のアートを売って成功した。英国なまりの言葉で話す美人でセクシーなシドニー（エイミー・アダムス）に一目で惚れパートナーとしたことで、相手が“ころっと”シドニーの言葉に騙される。(笑)
これで一層詐欺師商売がうまくいき、米国一の詐欺師と言われるようになった。
しかし悩みがあった。妻のロザリン（ジェニファー・ローレンス）だ！美人で若い妻だか鼻につくことが多くなり別れたいが「別れるなら商売をばらす！」と脅され、可愛い長男をも担保にして家に居つきセックスだけは求めてくる。(笑)
シドニーがバーで拾ったカモがFBI捜査官のリッチーだった。リッチーは囮捜査でシドニーを逮捕し、「君が好きだ！」とシドニーに囁き牢にぶち込んで疲弊させ、この状態をアーヴィンに見せて、「4件の詐欺師を売れ！釈放してやる」と取引した。シドニーはルーマニアに逃げようと誘ったが、アーヴィンの詐欺師魂がこれを許さなかった！
リッチーはカジノで市の活性化を図ろうとする市長・マーカイン（ジェレミー・レナー）と議員たちが賄賂を受け取る現場を撮影して一網打尽にする計画を進めることにした。まずはマーカインに200万ドル掴ませ、これでカジノ営業権取得に奔らせることにした。
アーヴィンはシークという架空のアラブ人富豪を投資家にして、詐欺師・カール（シェー・ウィガム）の仲介で、リッキーがシークの代理人となり、200万ドルを贈る作戦を立て、200万ドルはアーヴィンがバーの女主人を騙して借りた。(笑)
アーヴィンとリッチー、シドニーは金を準備して、ホテルの一室で、市長マーカインに会った。話をしないうちにリッキーが金を押し付けたため、怪しんだマーカインは金を受け取らずホテルを出て行った。リッチーは「何とかしろ！」とアーヴィンを叱責した。
アーヴィンにも面子がある。市長を追っかけ「シークに会わせるアラブの金を出させる！」と約束した。喜んだ市長はパーティーにアーヴィン夫妻を招待するという。
パーティーに参加したアーヴィン夫妻。妻のロザリンが訳ありの香水で市長の妻ドリー（エリザベス・ローム）と意気投合し、絶対的な信頼を受けた。
ここでのロザリン、ジェニファー・ローレンスの“はしゃぎ”演技が見もの！腹抱えて笑った！
ロザリンが舞台に登場してきたことで「私は捨てられる」とシドニーの気持ちが収まらない！シドニーとリッチーはクラブに出かけトイレの中で愛を誓った。(笑)
マーカインはマフィアの親分テレジオ（ロバート・デ・ニーロ）から経営に関するアドバイスを受けることにした。
マーカインが空港でシークを出迎えるという。リッチーは上司のパコ（マイケル・ペーニャ）を脅迫して空港駐機のジェット機借用し、その機にシークを待機させておくことにした。シークはFBI捜査官（ボー・クリアリー）。とりあえず、リッチーは予定通り行くと有頂天だった。
マーカインがアーヴィンに「アドバイス会場に必ずロザリンを連れてこい」という。アーヴィンは、ロザリンが何を喋りか分からないと、反対だったが「ドリーの頼みだ」とマーカインに押し切られた。
これを知ったシドニーはリッチーを訪ねて「抱いて！」と言い出し、リッチーがその気になったところで「成功したら！」と逃げた。(笑)シドニーは、何が良いのか、アーヴィンが忘れられないらしい。(笑)
リッチーはシドニーといちゃつきながら空港で市長と共にシークと出迎えることができ、とりあえずリッキーの作戦は大成功だった。しかし、シークはアラビア人ではなく、メキシコ人だった。(笑)
市長カーマインはシークを予定賭博会場に案内して賭博事業の意気ごみを語った。そして、パーティールームでマフィアの親分・テレジオ （ロバート・デ・ニーロ）のアドバイスを聞くことにした。が、マフィアのオーラに恐怖して誰も近づかない！そこで活躍したのがまたもやロザリン。(笑)すっかりマフィアの女になり切って啖呵を切ると場が一転、穏やかになった。これを見たマフィアのひとり・ピート（ジャック・ヒューストン）がロザリンに一目惚れした。マリリンもまんざらではないらしい。(笑)
テレジオが「シークの狙いは何か？」と疑い始めた。テレジオがアラビア語？で質問し始めたので、「身元が割れる！」と思った瞬間に、シークがアラビア語？で話し出す。テレジオが「2週間以内に1000万ドル振り込め！」と要求した。
テレジオは「事業をうまくやるために、こいつに米国籍を取らせろ！」とマーカインにアドバイスした。
シドニーとロザリンが初対面。シドニーが「あなたは息子を使ってアーヴィンを引き止めているだけ！」と貶すと「あなたは泥棒！」と怖いシーンだった。(笑)
マーカインは「手が打てる！」と返事した。(笑)リッキーは「これで全てが上手くいく」と次のステップ「ホテルに政治家たちを集め、金を配る」計画に移行することにした。上司のバコに1000万ドルの準備とホテル一階フロアーの貸し切りを提案するが、埒が明かない。パコをぶん殴って特捜主任検事のアマド（アレッサンドロ・ニヴォラ）の仲裁を受けた。ここで計画「議員とテレジオを集めて小切手を渡す」を話し、アマドから「テレジオの写真を取れ！」と計画が認められた。
リッチーはシドニーに求婚したが「私はイギリス人ではなくアメリカ人、もうやめる」と断られた。シドニーは「あなたの側にいたい！」とアーヴィンに言い寄った。アーヴィンは「最後の仕事がある！一緒にやろう」と返事した。
ロザリンはカフェにピートとデート。「マイアミに行こう！」と甘い言葉を投げられ、その気になって「アーヴィンの秘密」と喋った！(笑)
これでアーヴィンはピートに捉われ、痛い目に会わされた。アーヴィンは家に戻り、ザリンに抗議した。すると「大人になりなさい！」と離婚を言い渡された。この夫婦喧嘩も見もの！(笑)
このとき、アーヴィンは閃いた！
ホテルに議員とテレジオを招いて金を渡す日。リッキーが議員たちに小切手を渡した。この連中を全部隠しカメラに収めた。ところがテレジオが来なかった。
テレジオの弁護士シモーン（ポール・ハーマン）から「会いたい！」と連絡が入った。アーヴィン、リッチー、シドニーが弁護士事務所を訪れると、「200万ドル振り込めば約束する」という。
シドニーが「ねばりましょう、シークに電話したら」とリッチーを促した。リッチーが「相談がある」と受話器を上げた時、シーモン弁護士が「まかしておけ、マフィアが付いているから心配ない」と喋った。この喋りがFBIに筒抜けで録音された。リッキーは弁護士が渡した口座先に振り込んだ！
「これで全てが上手くいった」とリッチーが歓声を上げているところに、アマド特捜主任刑事に「アーヴィンとシドニー、カーマインを減刑をするなら金を返したい！」と電話が入った。弁護士も金の受取人もアーヴィンが準備したものだった。アーヴィンはFBIを騙すことに成功したということ。
ホテルに集まった議員たちは撮られた写真を根拠に全員逮捕された。
まとめ：
市長・議員のカジノ建設賄賂事件を暴くアーヴィンとリッチーの囮作戦が、シドニーとロザリンの愛の思惑を絡めて描かれた。作戦の主導権がリッチーとアーヴィンの間を行き来しながら、事件終末を迎えるというややこしい物語でした！(笑)
ややこしい物語だったが、スリングな騙しに、ユーモア一たっぷりの、最後にドン返しがあるという予測不能なクライム物語だった。
ラストシーンは絶対に実話と違うと思うのですが？「エンターテインメントに徹する」というデビッド・O・ラッセル監督の気持ちだったのではないでしょうか。ちなみに、第86回アカデミー賞において、作品賞・監督賞をふくむ10部門でノミネートされたが無冠に終わったという。無茶苦茶に面白かったのに、なんだ！これは！
物語の中心はリッチー、アーヴィン、シドニー、ロザンナの4人のハッスルぶりでした。(笑)
クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンスのキャラクターの面白さと演技合戦、見事でした。やはりトップはジェニファー・ローレンスのハッスル振り！クリスチャン・ベールの禿に鬘、デブデブ腹もよかった！いや、ブラッドリー・クーパーに、エイミー・アラムスのお色気作戦・・・・。(笑)
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