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「ゴッドファーザー 最終章 マイケル・コルレオーネの最期」(2020)最終章にふさわしいマイケルの死様だった!

言わずと知れたフランシス・フォード・コッポラ監督による傑作ゴッドファーザー」3部作の完結編「ゴッドファーザーPARTIII」の再編集版。その全米公開30周年を記念して、コッポラ監督自身の手により再編集されたもの。

歳のせいか、最盛期の時代よりも「マイケル・コルレオーネの最期」という、この時期の生き方を見たかった。

監督:フランシス・フォード・コッポラ脚本:フランシス・フォード・コッポラ マリオ・プーゾ撮影:ゴードン・ウィリス編集:バリー・マルキン リサ・フラックマン ウォルター・マーチ音楽:カーマイン・コッポラ

出演者:アル・パチーノダイアン・キートンタリア・シャイアアンディ・ガルシアイーライ・ウォラックジョー・マンテーニャブリジット・フォンダ、ジョージ・ハミルトン、ソフィア・コッポラ、他。


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あらすじ

1979、老境に入ったマイケルは、自分の犯してきた罪に苦悩していた。そんな彼は、資産を合法化するためバチカン銀行と大司教・ギルディ大司教(ドナル・ドネリー)に接近し、寄付の見返りに叙勲を受け、その祝いの席で家族と再会。

そこに元妻ケイ(ダイアン・キートン)が「次男アンソニーの歌手志望を認めて欲しい」とやってきていた。マイケルは「誰が後を継ぐ!」と反対したが、忌々しい過去を持ち出し説得するケイには逆らえず、赦すことにした。これがマイケルの人生末路に大きな影響を及ぼすことになった。

そして亡き長兄ソニーの息子ビンセント(アンディ・ガルシア)も顔を見せ、かつてのコルレオーネ家の縄張りアトランティック・シティのカジノホテルを支配するジョーイ・ザザが「ビンセントは扱い難いから注意してくれ」と訪れた。ふたりを仲裁して握手させようとするとビンセントがジョーイの耳にかぶりつき負傷される始末。マイケルはジョーイに侘びを入れてビンセントを引き取り、側に置くことにした。

しかし、この一件がこれでは終わらなかった。ビンセントが彼女と寝ているところを、ジョーイが刺客を送った。ビンセントは灘を逃れたが、これが大きく彼の生き方に影響を与えた。

バチカン銀行の投資会社「インターナショナル・インモビリアーレ」の経営権を手に入れる工作も順調に進み、あと法王の認可があればよいところまできた

ファミリーに合法ビジネス転換を説明するために、アトランティック・シティのカジノホテルにやってきた。多くの友好ファミリー幹部の賛同を得たが、若いジョーイの反発を招き、夜間宿泊ホテルをヘリで襲撃されるという事態を招いた。

ビンセントの機転で脱出することができたが、糖尿病の発症で、これ以降この病に悩まされることになった。

この物語のマイケルの表情は終始疲れた正気のない表情をしている。

ヘリ襲撃という大それた襲撃事件は、背後にジョーイの親分アルトベッロ(イーライ・ウォラック)が関わっていると睨んでいた。

こんなときにビンセントが相談もなく、街の祭典を巡視するジョーイを警官に化けて馬上から射殺し、 新たな紛争種が生まれた。これも元を質せばマイケルが作った罪。

ビンセントが娘のメアリー(ソフィア・コッポラ)と恋仲であることが分かってきた。マイケルはこの恋に近親結婚という“血の恐ろしさ”を感じていた。

法王の危篤が伝えられる中で、「インターナショナル・インモビリアーレ」の経営権奪取が怪しくなってきた。

投資会社事業を進めるために、故郷バレオーネに立ち寄り、恩人ドン・トマシーノらと絆を温め、策を練っていた。

ビンセントをスパイとしてアルトベッロの元へ潜入させ動向を探らせた。アルトベッロが、イタリアの政治家ドン・ルケージや関係銀行頭取と組み、マイケルの投資事業を妨害していることが明らかになった。

合法的に事態を収拾するため、法王に意見の言える改革派のランベルト枢機卿に取り入り、ソニーを殺したことを懺悔して過去の罪を消すことにした。

ケイが息子アンソニーを訪ねてイタリヤにやってきた。マイケルはケイをコパレオーネに連れ出し、叔父の家や結婚式場、人形劇を案内して、ふたりは邂逅していった。メアリーやアンソニーも加わり、久しぶりの家族の味を味わった。が、ドン・トマシーノが射殺され、また復讐戦が始まった。

バチカンでは新しい法王としてランベルト枢機卿が選ばれた。事態は改善すると思ったが、ギルディ大司教を通して融資していた金がルケージの指示で持ち出されるという事件が起きた。ビンセントは「命令をくれ!」と迫るが、二度と罪は起こさない!と断った。

コニー(タリア・シャイア)の強い勧めもあってメアリーとの恋を諦めることを条件に、ゴッドファーザーの座をビンセントに譲った

次男アンソニーのオペラ初公演を祝おうとケイら家族と一緒にオペラ劇場に乗り込んだところで、ビンセントとアルトベッロの謀略戦に巻き込まれ、これからの人生で最も切な家族、メアリーを失うことになった。

感想

マイケルは闇の事業を真っ当なものにして、マイケルに受け継がせ、元妻ケイと寄りを戻し、静かにシチリアで過ごすのが夢だったと思いますが、叶わなかった。原因は全て自分が作った過去の災いによるものであった。これらから必死に逃れようとするが、逃れられない!すべてが裏目に出る。ラストシーンで、ひとりバレオーネの片田舎に佇む姿に堪らなく寂しさを感じました。しかし、「因果応報、これが人生!」と納得する最終章でした。面白くない作品だと思う人が多いと思いますが、よくぞここまで描いたという味のある作品だと思いました。

Ⅰ、Ⅱ作に比して、派手さのない静かな作品になっている。アクションシーンはド派手なヘリによる襲撃(ベトナム戦)とジョーイ襲撃戦、そしてラストはオペラ座のオペラ劇にシンクロするように起きる暗殺・毒殺というこれまでとは違った静かな殺人劇だった。しかし、とてもスリリングで面白かった。

娘メアリーの死に号泣するマイケルとケイの姿に、これほどの悲劇はないと思った。悲劇で終るマイケル・コルレオーネの最期だった。

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