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「ミセス・ハリス、パリへ行く」(2022)家政婦だからの善意で、夢のドレスを手に入れる!

 

家政婦のおばちゃんが500ポンドもってクリスチャン・ディオールのドレスを買いにゆくという話。WOWOWで放映。シンプルな話の裏に何かあるなと観ることにしました。

家政婦という仕事は最高だ!と感じました!

原作:アメリカの人気作家ポール・ギャリコの長編小説監督:アンソニー・ファビアン、脚本:キャロル・カートライト、アンソニー・ファビアン、キース・トンプソン、オリビア・ヘトリード。撮影:リックス・ビーデマン、衣装:ジェニー・ビーバン、編集:バーニー・ピリング、音楽:ラエル・ジョーンズ。

出演者:レスリー・マンビル、イザベル・ユペールランベール・ウィルソン、アルバ・バチスタ、リュカ・ブラボー、エレン・トーマス、他。

物語は

1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリス(レスリー・マンビル)は、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、フランスへドレスを買いに行くことを決意。どうにか資金を集めてパリのディオール本店を訪れたものの、威圧的な支配人コルベール(イザベル・ユペールに追い出されそうになってしまう。しかし夢を決して諦めないハリスの姿は会計士アンドレ(リュカ・ブラボー)やモデルのナターシャ(アルバ・バチスタ)、シャサーニュ公爵(ランベール・ウィルソン)ら、出会った人々の心を動かしていく。(映画COM)


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あらすじ&感想:

1957年のイギリス、家政婦のハリスは戦死した夫の遺品を受け取ったが、まだそれを見る気持ちになれなかったが、同僚のヴァイ(エレン・トーマス)に励まされ遺品を調べると結婚指輪だった。ハリスはこれを川に投げすて、新しい生活を始めると誓った

ハリスの顧客には女優のパメラ、富豪のダント夫人がいた。パメラは料理や部屋の整理ができない。ハリスは愛情をこめて料理を作り、部屋を整理して仕事に送り出していた。

ダント夫人のいろいろな要求にも献身的に応え喜ばれていたが、夫人はお給金の支払いが遅れがちだった。それでも請求せずしっかり仕事をこなしていた。ダントン夫人のクローゼットを整理していて、美しいクリスチャン・ディオールのドレスを見つけた。値段は500ポンドだという。ハリスはディオールのドレスを買いたいと思い立った。

ヴァイが「そんな高いもの買ってどうするの?」というが、ハリスは「それが夢なの!」と答え、お金を作り始めた。お給金を節約し、サッカーくじに応募して金を作り、犬のオーナー・アーチー(ジェイソン・アイザックス)に誘われ、貯めたすべての金を犬レース、オートクチュールという名の犬に賭けたが、ハズレで全額を失いがっかりしているところに好運が舞い込んできた。夫の寡婦年金が遡って支給され、オートクチュールという犬が別の犬の名前でトップだったことで600ポンドの金が入ってきた。

ハリスの誰にでも優しい善意の心が好運を拾うようです!

ハリスは飛行機でパリに着いた。フランス語のわからないハリスはディオールの店までホームレスの男に案内してもらった。ホームレスを惹きつけるほどに彼女は親しみを身につけていた。

店に着くと、モデルのナターシャが車から下りたところだった。ナターシャは人だかりに押されてバッグを落としたまま店に入っていく。ハリスがバックを拾って追っかけた。マネージャーのクロディーヌにドレスを買いにきたと話すがアポがないと断られた。

財務係のアンドレが「現金ですか?」と聞くので「そうです!」と返事するとクロディーヌは態度を変えてにこやかに応じた。

当時ディオールの店は財政的に行き詰まっていた。そこにファッションショーを見にきたシャサーヌ侯爵に「一緒に見ましょう」と誘われ、豪華なショーを楽しみ、好きなドレスを2点選んだ。

クロディーヌに「赤いドレスを買いたい」と申し込むと「すでにアバロンさんが買った」というので「青のドレスを!」を申し込んだ。オートクチュールだから出来上がるまでに2週間かかるという。ドレスの寸法とりは、職人さんたちが気さくなハリスの虜になってうまくいった。

ハリスは泊まるところがないと話すとアンドレが妹の部屋を貸すと申し出たアンドレのアパートまでナターシャがパリ見物しながら車で送ってくれた。ハリスには好運の神が付いているようです。(笑)

アンドレのアパートについて、部屋を清掃・整理して料理を作ってアンドレとナターシャに食べてもらうと、ふたりは大感激ですっかりハリスのフアンになってしまった。

シャサーヌ侯爵からクラブに誘われ。ストリップショーを見ることになった。そこでお客さんを案内するナターシャに出会った。ナターシャが「これも仕事のうち!」と話す。ハリスは「モデルは大変な仕事だ」と思った。侯爵の勧めでお酒を呑み過ぎ、目覚めたとき衣装合わせの時間を過ぎていた!

店までアンドレにバイクで送ってもらった。クロディーヌは不機嫌だったが、職人たちは気さくに応じてくれ、ドレスの作業場に連れて行ってもらい自分でドレスの裁縫をはじめ、みんなが驚いた。クロディーヌは「ドレスをどこで着るの?あなたはふさわしくない」と馬鹿にするが、ハリスは「夢を買うの!」と答えた。職人たちはハリスを応援してくれ、ドレスが出来上がっていく。

ハリスは侯爵の家に誘われた。ハリスは親切にしてくれる侯爵にその理由を聞くと「幼い頃家政婦に親切にしてもらった思い出が忘れられず誘った」という。ハリスの心はときめいていただけにがっかりだった。(笑)

パリの街は労働者のストライキでごった返していた。ハリスが店に顔を出すと職人たちが解雇されると騒いでいる。ハリスはディオールの部屋に急いだ。「もっと安いオートクチュールをつくれば沢山売れて職人たちを解雇しないで済む」と提案した。クロディーヌは「ブランドの値打ちが下がる」と反対したが、ディオールはこの案に賛成した。モデルを辞めて国に帰るナターシャを「早まるな!」とハルスとアンドレが追った。ハリスはナターシャをディオールに戻すため、アンドレナターシャにキスすることを求めた。お節介焼きのおばちゃん家政婦でした。(笑)

こうしてハリスはすばらしいクリスチャン・ディオールの青いドレスを手にいれロンドンに戻った。クローゼットに大切にしまっておいた。

女優のパメラがパーティーに着ていくドレスにしみができて取れないのでドレスを貸して欲しいという。人の良いハリスは応じた。パーティーで暖炉の火でドレスが燃え、焼けただれたドレスが帰ってきた。ハリスはドレスを川に投げ捨てた。

ところが燃え上がるパメラのドレス姿が新聞に掲載された。これでパメラが女優として脚光を浴び、それを見てダントンが未払い金を払ってくれた。これを知ったディオールの店から最初の希望だった赤いドレスが「いい宣伝になった」とプレゼントされた。

ハリスはこのドレスを着て、軍人会のパーティーに参加し、参加者にあっと言わせた

まとめ

お金を作る話からディオールの店でドレスが出来るまでの話。ハリスが家政婦であるが故の善意の美徳で、ことがうまく運ぶという、善意が善意を呼ぶ幸せの連鎖がテンポよく描かれ気持がいい。脚本のすばらしさです!

ハリスが家政婦で身につけた人のために尽くす善意の連鎖でことがうまく進むレスリー・マンビルの可愛い愛嬌のあるおばさん演技がすばらしかった!

ディオールの店は経済的に行き詰まっていて、ハリスの提案で安価なオートクチュールを扱い、従業員も首にすることなく、この困難を乗り切ったという話、これは愉快でした。これは史実のとおりだそうです!

ハリスはドレスを買うのが夢だといい、これほど高いものを買って何に使うのかと思っていましたが、ラストでその謎が明かされる。オートクチュールのドレスを着ることは“新しい自分を作ること”、夢の達成です!オートクチュールは夢、その値段はその人にしかわからないということを知りました。 (笑)

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