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「エイリアン2」リドリー・スコットとジェ-ムス・キャメロンが描き上げたエイリアン、これは凄い!

 

1986年度製作作品。「エイリアン」に引き続いでの鑑賞です。監督が「ターミネーター」のジェームズ・キャメロン監督に代わり、エイリアンの大群と海兵隊の死闘を緊張感たっぷりに描くというもの

監督・脚本ジェームズ・キャメロン原案:ジェームズ・キャメロン デビッド・ガイラー ウォルター・ヒル音楽:ジェームズ・ホーナー特撮:スタン・ウィンストン

出演者:シガニー・ウィーバーマイケル・ビーンキャリー・ヘンランス・ヘンリクセンポール・ライザー、他。

物語は

宇宙貨物船ノストロモ号での惨劇から57年後。唯一の生存者である航海士リプリーが、催眠カプセルの中で眠りながら宇宙を漂っているところを発見された。目を覚ました彼女は、かつて自分たちがエイリアンと遭遇した星が現在は植民惑星となっていることを知り、がく然とする。リプリーがエイリアンの危険性を訴える中、植民惑星との通信が突如として途絶えてしまう。原因調査を依頼されたリプリーは、海兵隊とともに現地へ向かうが……。


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あらすじ&感想

ノストロモ号から脱出した艇のハイパースリープで眠るリプリーシガニー・ウィーバー)と猫のジョーンズが地球からのサルベージ船に発見され地球に生還した。57年間眠っており出発時8歳だった娘は69歳ですでに亡くなっていた。リプリーには大きな悲しみだった

帰還するとノストロモ号所有のW・ユタ社から同船の破壊罪で訴えられ、クリーチャーが出現したためと説明しても受け入れられず、星間航海士の死悪は向き停止、6カ月間の精神科施設での観察処分となった。リプリーはヒトデのような異体生物(チェストバスター)が腹から出てくる夢に悩まされていた。

前作のラストシーンから物語が始まる

前作での未知の惑星は惑星LV-426と名付けられ、大気呼吸可能な装置を設置し数十年かけて宇宙植民地として60~70家族を送り込んだが消失したという。ジョーダン家族(父母と兄妹)は新種生物探しに出かけ、母親がSOS信号を発信後状況不明となったという。

状況把握のために派遣される海兵隊にアドバイザーとしての参加をユタ社のバーク(ポール・ライザー)から勧められ一度は断ったが、トラウマを癒すには参加するのがよいと、「クリーチャーを研究や持ち帰ることなく絶滅させる」を条件に参加することにした。

宇宙戦艦“スラコ号”で出発

 スコラ号には2コ降下艇と連絡機、パワーローダー等の銃機材、弾薬が搭載されている。降下艇は海兵隊10数名とこれを搭載する装甲人員運搬車(APC)を搭載できる。

海兵隊員は指揮官・ゴーマン中尉(ウィリアム・ホープ、2コ分隊からなる。第1分隊長エイポーン軍曹(アル・マシューズ)他4名、第2分隊長ヒックス伍長(マイケル・ビーン)他3名、この中に女性隊員2名が含まれている。この他に医務担当としてアンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセン、ユタ社のバークが参加。前作から分るように、リプリーはアンドロイドのビショップを毛嫌いするが、ビショップは「アンドロイドは改善され俺は人間に危害を加えない」と笑っていた。リプリーは船内でパワーローダーの操縦を受けた

フェッロ伍長の運転する降下艇でLV-40惑星の移民コロニー地域に降着した

APC海兵隊員がAPCから下車して、動体センサーで動体物を探りながら、第1班が制御棟、第2分隊が実験棟に侵入。ゴーマンとリプリーAPCに残り1、2分隊の行動をモニターで監視していた。

大口を叩いていた兵士たちもびっくり腰だ!(笑)何も発見できず、臆病者のゴーマンが下車してリプリーともに実験棟に入る。医療研究室の試験グラス内にフェイスハガーを発見。この形態にぞっとするが、この時後方に動態センサーが作動!慎重に調べると怯えた女の子がいた。

名はニュート(キャリー・ヘン)、行方不明のジョーダン家の娘だった。リプリーが亡くした娘を労わるように抱き上げた。見えない敵に恐怖を感じる。これは前作で堪能した恐怖だった

PDT(移民者たちに梅尾まれた発信機)を調べると、「大気製造工場地下3階冷却棟付近」に集中していることが分かった。

1、2分隊が大気製造工場に侵入。ゴーマンとリプリーは工場入り口にAPCを止めに車内から1、2分隊の行動をモニターで監視。

地下3階は核融合熱交換機があり高温だった。ゴーマンが徹甲弾の使用を禁止し火炎銃で対応するよう命じた。

そこには身体が繭に包まれている大量の移民の遺体があった。「殺して!」と叫ぶ女性がいた。この女性からフェイスハガーが飛び出す。海兵隊員が火炎銃で焼き殺す。そこに動体センサーが反応!何かが襲い掛かる。現場はパニック状態に陥り徹甲弾を発砲するものがでた

リプリーはゴーマンに撤退を進言した。隊員たち乱射させながら撤退を始めた。リプリーは自分でAPCを運転し建物内に入り、撤退する隊員を車内に収容する。エイリアンがウインドウに張り付く。追ってくるエイリアンを火炎銃射撃で振り切り屋外に出た。エイボーン軍曹を含む6名の隊員を失った海兵隊の生き残りはヒックスを含む3名とゴーマン中尉。ゴーマンは意識不明の負傷で指揮出来ない状態。

リプリーは「戦力がない!このままでは繭にされる!軌道上から核攻撃で衛星ごと爆破するのがよい」と「LV-426からの撤退」を提言した。バークが「この施設には金が掛かっている。めずらしい生き物だから誰もせん滅など望まない!」と反対した。「指揮官としてヒックス伍長が決めて!」と提案し、ヒックスは撤退を選んだ。

ヒックスが降下艇に着陸を命じたが、エイリアンが侵入していて墜落炎上しAPCを失った。セントリーガン4丁、各ガンに40発の弾薬、火炎銃の燃料など若干の武器は回収できた。

リプリーは「増援が来るまでここで生き抜く」と皆を説得した

コロニーの建設設計図から検討して、コロニー管理棟に入り、出入口4か所にセントリーガンとバリケードを設置してエイリアンと戦うことにした。ビショップに治療室でゴーマンの医療を指示した。リプリーは繭を作り出す幼虫を生むクイーンエイリアンの存在と判断した。植民数から100体以上のエイリアンがいると予測した。バークが「生物兵器になるから持ち帰る」という。リプリーは「このバカ!」と厳しく注意した。

4か所のバリケードに大量のエイリアンが攻めてきた。セントリーガンが火を噴く。弾薬を撃ち尽くした。そのときビショップから「降下艇爆発で原発電源がいかれている。4時間後爆発する半径30kmが吹っ飛び40メガトン級の爆発だ」と伝えてきた。リプリーは「“スラコ号”にあるもう一隻の降下艇を遠隔操縦できないか」と問うた。ビショップは「通信塔のレーダーが使えればできる。自分が行ってみる」と提案した。

ビショップは狭いパイプラインを伝って通信塔に急いだ。

エイリアンの攻撃は止まった。セントリーガンは10発を残しのみとなった。万一に備え、ヒックス伍長がリプリーにM41A自動小銃の取り扱い方を教えた

リプリーが密閉の実験室でニュートに添え寝しているとフェイスハガーが現れ襲ってくる火災報知器を反応させてヒックスを呼び、危険を逃れた。これはバークが仕組んだリプリー殺害計画だった。バークを責めようとしているとエイリアンが天井から現れた。

追ってくるエイリアンを火炎銃で戦いながらニュートの案内で狭い通路を伝って降下艇の着陸地に急いだ。バークはエイリアンに捕まった。天井からエイリアンが襲い襲い掛かる。後衛の女性海兵隊バスクエスジェニット・ゴールドスタイン)とゴーマンが手榴弾で自爆しエイリアンの追跡を断った。ニュートが爆風で地下プールに落下。リプリーとヒックスが懸命に救出を試みたがエイリアンに連れ去られた。

リプリーは負傷したヒックスを降下艇に運びビショップに託して、原発電元爆発まで26分、ニュートを救出に向かった。

時間内にニュートを救出できるか。前作と同じ恐怖スキームで恐怖を味わうことになる

大量のエイリアン繭がある大気製造工場地下3階に急いだM41A自動小銃で繭を焼き払いながらニュートを捜した。繭糸に絡まれたニュートが金切り声で叫ぶ!リプリーがニュートを抱え上げた。そこにクイーン・エイリアンが襲い掛かる。リプリーは恐れることなくM41A自動小銃で立ち向かい、エレベターで脱出。これをクイーンが追ってくる。間一髪のところでビショップが待つ降下艇に乗り移った。原発が爆発。ニュートは「助けにきてくれると思った」と言い、ヒックスは生きていた。安堵した。

降下艇が“スラコ号”に戻った。そのときビショップの身体が胴体で真っ二つに斬られた。クイーンの仕業だった。クイーンがリプリーに襲い掛かる。リプリーは格納庫に走り、パワーローダーを操縦してクイーンと戦う。(笑)

ここまでやるとホラーも笑いになる

クイーンをエアロック室に突き落とし、エアロックを解放してクイーンを宇宙空間に放出した。この時の風圧で吹き飛ばされないように半身のビショップがニュートを支えていた。ビショップの最期の言葉、「人間としてはよくやるな」だった。

ニュートが「ママ!」と呼ぶリプリーはニュートを抱きしめた。

リプリーはヒックスをハイパースリープに納め、自身も下着になり、この下着姿も前作で好評のため、ニュートとともにハイパースリープに収まった。

まとめ:

リドリー・スコットの前作「エイリアン」を上手く引き継ぎながら、ヴァイオンスなアクション一杯のジェームズ・キャメロンのホラー作品となっている。スコットとキャメロンの二つの作風が一体となった作品、これは最高です。前作と異なってエイリアンが姿を現し、海兵隊そしてリプリーとの大アクション劇が描かれる圧倒的な映像だ

 出だしはリプリーが静かにハイパースリープで眠るシーンから始まり、奇怪で驚異的は力を見せるエイリアンの登場とこれに対する海兵隊そしてリプリーターミネーター化されたバイオレンスな闘いぶり、クイーン・エイリアンを宇宙空間に放出、ラストはニュートと一緒に下着になってナイパースリープに入り地球に向かうというプロット。うまく前作「エイリアン」のプロットに合わせています。

リプリーの変貌が凄すぎる前作の見えない敵に戦う静の闘いからバイオレンスなパワーで戦う姿に変質、ターミネータ化です。当初アドバイザーとして参加したが、大気製造工場地下3階での作戦失敗からは指揮官となり海兵隊顔負けの活動だった。

リプリーの変貌が母性に基ずくというのは面白いリプリーは我が子を失いニュートを発見し抱き上げたときの感触、実験室での添え寝で、一度エイリアンに奪われながら繭の中にニュートを探し求めて走った。もうニュートの母親になり切っての行動だった。ニュートの「ママ!」と呼ぶ声に、熱い親子の絆を感じる作品だった。これをシガニー・ウィーバーが上手く演じてくれる!

ニュート役のキャリー・ヘンが可憐で叫び声がいいんですこれをぜひ字幕版で確認して欲しい。

ウーマンパワー全開という作品だったリプリーの行動そのものがそうなんですが3人の女性海兵隊員が男性隊員をはるか凌ぐ活躍をしている。ゴーマン中尉の木偶の坊ぶり、海兵隊に撤退がこれをさらに後押しする。(笑)1986という年代を考えると、まさに時代をリードする女性が活躍する作品だった。

アンドロイドに対する見方を、将来を見据えて前作と真逆にしたのはよかったと思う。

W・ユタ社、社員のバークの描き方。まるで現代の産軍一体の悪弊を引き継ぎ、未来の宇宙時代にあっても儲け主義に徹するというのも面白い。

最高のエイリアン作品ではないでしょうか?ぜひ前作「エイリアン」を見てからの鑑賞をお勧めしますが、もうみなさん鑑賞済みですよね!(笑)

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