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「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(2023)インディの黄昏、納得の最終編だった!

 

2023年度作品。1981年「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」から始まってシリーズ5作目で完結編だという。前作から15年ぶりの公開です。しかも描かれるのは“最後にして最大の冒険”だという。これでは観ないわけにはいきません。というわけで公開日、吹替版で鑑賞しました。

監督:ジェームズ・マンゴールド脚本:ジェズ・バターワース ジョン=ヘンリー・バターワース デビッド・コープ ジェームズ・マンゴールド撮影:フェドン・パパマイケル、編集:マイケル・マカスカー アンドリュー・バックランド ダーク・ウェスターベルト、音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演者:ハリソン・フォードフィービー・ウォーラー=ブリッジアントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイビストビー・ジョーンズボイド・ホルブルック、イーサン・イシドール、マッツ・ミケルセン、シャウネット・レネー・ウィルソン、オリビエ・リヒタース、他。

物語は

考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズハリソン・フォード)の前にヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)という女性が現れ、インディが若き日に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の話を持ち掛ける。それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝であり、その「運命のダイヤル」を巡ってインディは、因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)を相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることとなる。(映画COMより)

ハリソン・フォード「インディを演じる最後の機会だ」と語るようにストーリーは展開。1944年WWⅡ末期、“運命のダイヤル”に出会った話、そして1969年ベトナム戦争末期、米ソの宇宙開発競争の中で、秘宝探しなど忘れ去られたた世界にあって“運命のダイアル”を手に入れるために立ち上がる話。これまでの作品の面白さを引き継ぎながら人生の黄昏にかかったインディの生き様が明かされるというインディ・ジョーンズ完結編になっています


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あらすじ&感想(ねたばれあり:注意)

1944年、ナチス・ドイツ軍は戦況の悪化に伴い略奪した考古学資産を列車でベルリンへ輸送する計画を進めていた。インディとバジル博士はロンギヌスの槍など秘宝奪回しようと保管施設に潜り込んだが、インディは捕られ拷問に、バジル博士は“運命のダイアル”在処の尋問を受けていた。

いよいよベルリンへ列車が出発。インディは連合軍の施設空爆を利用して、ドイツ兵に化け軍用車で貯蔵施設を脱出。追ってくるドイツ兵とカーチェイスをしながら列車に飛び乗った。そこで捉われていたバルジ博士と再会し、“運命のダイアル”を持って列車の屋根を走る。これを追うフォラーとの闘い。列車が大鉄橋に差し掛かったところでインディとバルジ博士は河に身を投げた。

若いハリソン・フォードのアクション。過去作からAI技術で取り込んだ映像にハリソン・フォードの声をつけたもの。とても懐かしく観ることができました。車や列車を用いたアクションがこれほどによく出来ていて、面白いことに感動しました。

物語は1969年に飛ぶ

ベトナム戦争の末期。ヒッピーの若者たちの嬌声、大音響のロックミュージックの中でインディは目覚め、たいした興味もなさそうな学生相手に考古学を講義していたが、ついに定年退職を迎えた。また、息子がベトナムで戦死したことで、妻マリオンと協議離婚した。

そんなある日、バルジ博士の娘・へレナが「父のノートで知った。“運命のダイアル”を探したい!」と尋ねてきた。彼女の目的は「見つけて考古学者として成功したい」というものだったが、ぽっかり心に穴が開いたインディの冒険心に火をつけた。

時を同じくして、宇宙ロケット開発で名を揚げたフォラーは“運命のダイアル“を手にして「負けたのはヒトラー。時間を戻し新しい世界を作りたい」と、元CIAのクレーバー(ボイド・ホルブルック)を引き込み軍団を作った。また、謎の捜査官・メイソン(シャウネット・レネー・ウィルソン)がインディを追っていた。

月面着陸した宇宙飛行士のパレードがある日。インディはヘレナを大学の資料室に誘い、“運命のダイアル”を貸出して「時間のみだれを探し出す機械だ」と説明。ハレナは「これはその半分」という。メイソンはクレーバーを指し向けインディの行動を察知。フォラー軍団が踏み込んできた。ヘレナは“運命のダイアル”を持って脱げ行方不明。インディは書棚を倒して資料室から外に出て、メイソンに捕まり訊問を受けたがこれを上手く切り抜け、宙飛行士のパレードの中に逃げ込み、警備官の馬を盗み地下鉄に逃げ込み、電車に乗り換えて逃走。かって共に冒険した、今はタクシー運転手のサラー(ジョン・リス=デイビス)に助けられ逃げ切った。サラーの助言で、世界的な考古学物品のオークションに参加するとモロッコの都市タンジールへ飛び立った。

エレナはアトランテックホテルで “運命のダイアル“をオークションに賭けていた。そこにフォラー軍団が現れ、インディは鞭で拳銃をぶっ放すフォラー軍団と戦ったが、ダイアルを持ち去られた。

インディとヘレナは相棒の少年・テディ(イーサン・イシドール)を伴って、迷路のタンジール街中をアンティークなオート三輪で、お互い敵か味方かと牽制しながら、フォラー軍団を追うカーチェイス。こんな奇妙で面白いカーチェイスはない!

フォラーはヘリで脱出、機内でメイソンから米大統領は“運命のダイヤルに”興味を示さないことを聞き、彼女を射殺して自らが主体となって目標を達成することにした。

 ヘレナは父から聞いた“運命のダイヤル”の片割れがエーゲ海に埋まっていることを話した。インディはギリシャにいる名潜水工作員のレオナルドアントニオ・バンデラス)の援助を受ける為にアテネに飛んだ。

インディとヘレナ。インディはバジルから盗んだ“運命のダイヤル”の保管を託された日のこと(幼いヘレナはこの情景を見ていた)を思い出していた。バルジがノートを書き始めた日付や今、息子と妻を失って途方に暮れてることを話した。ヘレナは父が亡くなり信じられるのは金しかない、過去に行けるならトロイかクレオパトラに会いたいと話した。ふたりはバルジを介して心を通わせるようになっていった。

インディ、ヘレナ、レオナルドの3人がエーゲ海に潜り、大量のデカいウナギに襲われた。片割れの“運命のダイヤル“を探し当て、水面の戻ると、サポート船がフォラーに占領されていた。片割れの”運命のダイヤル“は空だった。フォラーはダイヤルと一緒に持ち帰ったポリピアスを読め!とヘレナに渡した。気丈で聡明なヘレナは「在処はアルキメデスの墓」と読み、隠し持っていたダイナマイトをインディに渡した。インディはこれに火を点け、インディ、ヘレナ、テディはサポート船を離れた。船は爆破で沈没、大切なレオナルドを失った。

インディはポリピアスに酒を振り、火を点けた。すると燃えた後に純金版が現れ、そこに「お棺に納める、耳の洞窟!」と記載されていた。3人はシチリアに急いだ!

シチリアは祭りだった。テディの悪い癖が出て、金を盗んでいるところをフォラーの手下に捕まった。インディとヘレナはロープで身体を結び危険な岩場を通過して耳の洞窟に急いだ。洞窟の中で大量のムカデに襲われる。水槽の謎を解きアルキメデスの遺体安置所を見つけた。アルキメデスが片割れの“運命のダイヤル”を抱いていた。

フォラーはテディを道案内にし、ここにやってきた。インディはヘレナを守るためにダイヤルを渡した。ふたつの“運命のダイヤル”が合体し起動しだした。機を見てインディは反撃に出た。ヘレナとテディは逃げ切った。インディはフォラーに捕えられ、彼らの航空基地に連行された。ヘレナとテディは途中でオートバイをかっぱらって彼等を追った。

フォラー軍団はナチスの軍装に着替え、インディを伴って爆撃機ハインケルに搭乗。“運命のダイアル“に行先をセットした。ヘレナはハインケルに追いつき車輪にしがみついて機内に侵入。テディは小型機をかっぱらってハインケルを追った。

フォラーが「1939年のシシリア空域に入る。V1ロケットは新調した。ヒトラーの世は1000年続く。あらゆるものを消す」と宣言。しかしインディは異変に気付いた。そこはBC212年のシュラクサイの戦場だった。セットが間違いだったらしい。ハインケルンをドラゴンと間違えてローマ軍が槍を撃ちかけてきた。

インディはヘレナを抱き抱えパラシュートで飛び出した。ハインケルは墜落し炎上、フォラー軍団は壊滅した。インディはアルキメデスに会えて大感激。「歴史をこの目で見ている、ここに残りだい」と申し出た。ヘレナが「あなたの力にはなれない、時間の裂け目が閉じられる」と、インディをぶん殴って失神させ、テディが待つ小型機で今の世界に戻ってきた。

インディは自室で目覚めた。そこにはヘレナの配慮で妻のマリオンが立っていた。インディはマリオンとの絆を取り戻した。

 まとめ

BC212年のシュラクサイの戦場でアルキメデスに遭遇し、もう元に返りたくないという考子学者インディの学究に殉じた生き様。この一瞬のために老体を鞭打って奮闘する姿はハリソン・フォードそのものだった。涙が止まらなかった

 そして今の世界に戻り、マリオンとの愛の生活に入るエンデイング。だれしもが願うすばらしい人生、ハリソン・フォードの演じるインディ・ジョーンズの完結編で、ストーリーがすばらしかった。

 80歳のハリソン・フォードが1969年の冒頭で衰えた身体を見せ、アクションは大丈夫かと危惧させられたが、よく頑張った。というより、この老体で演じるからエンデイングのすばらしさが浮き上がった。悪評を耳にしますが、年をとれば分かる (笑)

秘宝探検物語の面白さを改めて認識した。第4作で終ることが出来なかったわけが分かる。1944年のシーンでたっぷりと往年のシリーズの面白さを堪能し、AIを使うという新たな映画技法に驚かされた。1969年に入って、その面白さを引き継ぎスピード感のある展開とストーリーの奇抜さに、ジョージ・ルーカスが去り、スピルバーグが総監督となり、ジェームズ・マンゴールドに監督を委ねたことの意義が分かった。

ジョン・ウィリアムズの奏でるインディのテーマ曲が永遠の名作に押し上げるでしょう!

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