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韓国映画「ハッピーニューイヤー」(2021)美しい!いい話が沢山あって、ごちゃごちゃするけど!

 

能登半島元旦地震羽田空港での日航機炎上という暗いニュースから年が明けました。とても「ハッピーニューイヤー」という雰囲気ではないが、本作のテーマは「先が読めない人生」。今年を信じる力になるとWOWOWで鑑賞。

監督:クァク・ジェヨン脚本:ユ・スンヒ、撮影:ヤン・ヒョンソク、編集キム・ヒョンジュ音楽:キム・ジュンソン。

出演者:ハン・ジミン、イ・ドンウク、カン・ハヌル、イム・ユナ、ウォン・ジナ、イ・ヘヨン、チョン・ジニョン、キム・ヨングァン、ソ・ガンジュン、イ・グァンス、コ・ソンヒ、イ・ジヌク、チョ・ジュニョン、ウォン・ジアン、他。

物語は

みそかの夜、ホリデームードに浮き立つ高級ホテル「エムロス」。男友達への告白を15年間もためらっているホテルのマネージャー、イケメンで優秀だがクセのあるCEO、公務員試験に落ち続け恋人にも振られてしまった就活生、ミュージカル女優の夢に破れた新米ハウスキーパー、下積み時代を経てスターとなった人気アーティスト、毎週土曜日にお見合いをする整形外科医、初恋相手と40年ぶりの再会を果たしたドアマンら、年齢も職業も異なる14人の男女が、新年の到来を前にそれぞれの恋愛模様を繰り広げる。(映画COMより)


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あらすじ&感想

14人にも及ぶ登場人物の恋愛模様につき合うと思ったら嫌気がするが大丈夫!韓国映画ですからテンポがよくて味がある!(笑)

 面白さは韓国の世情を映し出したような登場人物のキャラクターです。観る人の年齢などに合わせてキャラクターを選び楽しんだらいい。

 2時間で14人分の恋愛模様を描くわけだから、その内容は浅い。が、「あ!そうか!」と思わせてくれるシーンやセリフがある。あとは観る人にお任せたいう作品だと思う。

 冒頭、ラジオスタジオでDJのイ・ガン(ソ・ガンジュン)が「変化のない人生はつまらない。先が読めないのが人生」とリスナーのレター読み始める。これがテーマ。ソ・ガンジュンの歌で綴られる物語になっている。これがいい!

新人のハウスキーパー・イヨン(ウォン・ジナ)がしばらくホテル住まいするCEO・ヨンジン(イ・ドンウク)の部屋を清掃中にヨンジンと出会った

 イヨンが清掃を終わって、オーデションのダンスの練習をしているところにヨンジンが現れ、慌てて退出、ペンダントを落としたことに気付いた。が、ヨンジンが丁寧に封筒に入れて戻してくれた。彼女は驚いた。イヨンは両親を亡くし唯一の肉親は老人ホームにいるお婆ちゃん。ヨンジンはホテルを売却するという父親との折り合いが悪くなり、ボイラー故障を理由にホテル住まいを決心。おぼっちゃまで、数字は偶数しか使わないという変わりもの。これまで父親のいう通りに過ごしてきた青年でこれはその反発か?

富豪のボンボンのヨンジンと貧しい家庭で育った美しい女性イヨンの恋の行方は?

 水泳部員のセジイ(チョ・ジュニョン)は学校プールで水泳中。誰もが憧れる美しいフィギュアスケーターのアヨン(ウォン・ジアン)にどう告白しようかと悩んでいた。

 荷物集配所で働くジェヨン(カン・ハヌル)。就活が上手く行かず彼女にも振られ落ち込んでいた

 見つけたニーチェの本「自信がなければ死」を見てホテルで自殺することにした。

そこで出会ったのがモーニングコールのスヨン(イム・ユナ)の声。0930にスヨンの声で目覚め、なぞかけで元気づけてくれる。おまけにクリスマス・サービスとしてイ・ガンのコンサートチケットと来年の宿泊チケットが当たった。このコンサートは美しく盛り上がってみせどころのひとつ。

 学歴のないもの就職難。この若者ジェヨンがスヨン声でどう救われるか

 テルマネージャーのソジン(ハン・ジミン)、土曜にはお見合いでやってくる整形外科居のジンホ(イ・ジヌク)に気を留めていた。

 ソジンは元バンド仲間のスンヒョ(キム・ヨングァン)と15年間付き合っていた

スンヒョは今ではラジオプロデューサー。仲間を集めて飲もうと誘われ、マムシ酒をたっぷり飲まされ、朝起きると何もなかったように「結婚する!大晦日に君のホテルで、相手はピアニストのヨンジュ(コ・ソンヒ)だ」と告げら「彼女・ヨンジュ(コ・ソンヒ)に会ってくれ」と言われる。ソジンは「何で私が?」とふたりのデートにつき合った。ヨンジュはマリッジブルーらしい。ソジンはスンヒョに「ちゃんとプロポーズしなさい」と促がした(笑)

スンヒョに15年付き合って、いつかプロポーズされるものと思っていたソジン。ソジンとスンヒョの関係はどうなるの!

 ビジネスウーマンのキャサリン(イ・ヘヨン)は娘に薦められホテルに宿泊。40年ぶりにドアマンのサンギュ(チョン・ジニョン)に出会った

 キャサリンは「娘がここで31日結婚式だ!」と話しかけた。ふたりは学生運動で活動し、サンギュが警察に捕まり投獄された際、「将来ひとりだったら結婚しよう」と約束した仲だった。キャサリンが「娘は誰の子だと思う」と聞く。これは面白い設定だ。(笑)ふたりはデートの散歩を楽しむようになった。

かっての革命運動家同志だったふたりの“おいらくの恋”、成就するのか

 イ・ガンは売れっ子になったのに、マネージャーのサンフン(イ・グァンス)は昔のままのケチくさいやりかで新車も買えず不満で、マネージャーを変えたいと思っていた。しかし、出演交渉でサンフンが苦労していることを知った。

晦日のカウントダウンに向けて

 クリスマスの日、ヨンジンとイヨンは教会で出会い、初雪の中、ヨンジンが車でイヨンを家まで送り届けた。このあとヨンジンの勧めでイヨンはダンスのオーディションを受けた。結果は不合格だった。ヨンジンは再挑戦を促したが、イヨンは「ベストを尽くした」と結果を受け入れ「自分は契約職員だからもう構わないで欲しい。選択のない人生だから」とヨンジンの応援を断った。この言葉がヨンジンの心を捕まえた!

 セイジはスケートリンクに出掛けアヨンの美しいスケーテイングを見た。「告白にきたの」と聞かれ「そうでない」と意地で応えたが、メリークリスマスと声を掛けられドキドキした。

 ジェヨンはイ・ガンのコンサートに参加したが、元カノと彼女の新しい恋人に会い「今度現れたら殺す」と言われ落ち込んだ。ジェヨンはプールで自殺を図ったがセイジに救助された。駆けつけたモーニングコールのスヨンがセイジにお礼をするのを聞いた。ジェヨンはスヨンに電話するようになっていった。

サンギュは亡き妻とよく訪ねた湖に「ここは妻と愛を確認する場所だった、生まれ変わっても一緒になろうと誓った場所だ」とキャサリンを案内した。サンギュの気持ちが昔の仲に戻っていなかった。

ソジンはスンヒョがヨンジュに指輪を贈る席に立会させられた。スンヒョがソジンに指輪を渡すので、ソジンは「花嫁のヨンジュが嫌がるプロポーズにしてやる」と、指輪を仕組んだケーキを出すことにした。が、意外や意外、ヨンジュは大感激だった。ソジンの最期の望みが断たれた。(笑)

 キャサリンはサンギュに「奥さんが大晦日に雪が降ったらあなたに託すと言った」と告げ散歩を楽しんでいた。

 晦日

ジェヨンはチェックアウトの日だった。彼はホテルの屋上から飛び降り自殺を図った。職員に見つかり大騒動に。そこに駆けつけたスヨンが「あなたと同じ気分よ。同じ仕事ばかりで死にたいよ」と説得、ジェヨンは「自分だけが苦しいのではない」と思い止まった。ジェヨンはスヨンのモーニングコールに感謝するようになった。

 ホテル「エムロス」の取締役会。ヨンジュは「ホテルは従業員、お客様のためにある。エムロスを守る」と発言し、大会を終えた。この決心は自分の幼い頃の夢であり、イヨンへの愛から生まれたものだった。ヨンジュはイヨンを連れ初雪の中に消えていった。

 スンヒョとヨンジュの結婚式。“雪が降った”。これにはサンギュとキャサリンも参加。ふたりは嬉しそうだった。

式後、スンヒョとソジンがエレベーターで一緒になった。ソンジが「好きだった、あなたがいつ告白するかと待っていた」と告白した。スンヒョは「俺も同じだ、15年間友人でいられて幸せだった!祝ってくれ!」と返事。ふたりはそっと抱擁して、なにもなかったようにエレベーターから下りた。

 セジイは姉ソジンの失恋を知って、大勢の学友の前でアヨンに大声で「好きだ」と伝えた。雪が降っていた。アヨンが微笑んでいた。

新年のカウントダウンが始まった

ヨンジンとイヨン、サンギュとキャサリン、ジェヨンとスヨンが楽しくダンスをする中、ソジンがひとり外に出て花火を見ていた。そこに土曜日にお見合いを繰り返しているジンポが近づいてきて「僕と見合いしてください!」と挨拶をした。ソジンは「考えてみるか」と思案中。(笑) 

まとめ

「先が読めない人生」というが、あきらめたり、他人任せにしてはダメということ。よく言われることだが、愛を告白することの大切さが説かれていた。

 お気に入りはサンギュとキャサリンのおいらくの恋。ふたりの留置場での結婚約束も面白いが、サンギュの亡くなった奥さんと話して「残りの人生でサンギュを大人にして来世で返す」と話したら、「大晦日に雪だったら許す」と奥さんが言ったというくだり。上手すぎるセリフだった。

次はソジンの失恋。バンド仲間の中では、ふたりが好きだと言い出せなかったのはリアルだし、なんといってもエレベーターの中での別れ。これにはぐっときた。(笑)

 就活で苦しむジェヨンの自殺願望モーニングコールの声に惚れて救われるという話。就職難の韓国では受けたのではないかと思った。

 ヨンジンとイヨンの恋物語御伽噺のようだった。(笑)

 物語の背景がクリスマスと年越しを迎えるソウル市街とホテル“ラハンセレクト慶州”、そこで繰り広げられるアトラクション。年末の風物詩に美しい女優さんたちの登場。さらにすばらしい音楽でいいんだが、ごちゃごちゃ過ぎで印象が薄くなったかなと。雪の風景がおかしいなと思ったら夏に撮ったと。(笑)

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