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「映画めんたいぴりり パンジーの花」(2023)よか人情噺に、たっぷりと博多が楽しめる!

 

めんたいこ製造販売「ふくや」の創業者川原俊夫をモデルにした劇場版2作目。

前作がとても面白かったのでWOWOWで観ました

 前作は戦後、大陸から引き上げ、昭和30年代に博多中州に店を構え、釜山の総菜であった明太子に改良に改良を重ね、博多辛子明太子を作り出すまでの、創業者川原俊夫夫妻の生き様を綴ったハートフルな物語だった。

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 しかし、本作は時代を昭和40年代に設定し、街にやってきた“タコ焼き屋”や絵画教室を巡る川原夫妻と従業員たちの人情噺になっており、めんたいこの話などほとんど出てこない、前作とは全く趣きが違う

 さらに時代設定が昭和・平成・令和のごちゃまぜ設定になっていて、これに拘る人にはこの作品は向かない!

 時代設定を全く気にせずに観て楽しめ、博多の人情は時代によって変わらないと感じた。博多が好きということかも(笑)

 スタッフ、キャストはほぼ前作どおり

 監督:江口カン脚本:東憲司 江口カン撮影:古屋幸一、編集:和田剛、音楽プロデューサー:渡辺秀文

 出演者博多華丸富田靖子斉藤優、瀬口寛之、福場俊策、井上佳子、博多大吉、地頭江音々、森永悠希余貴美子、他

 物語は、

福岡の下町・中洲にある食料品店「ふくのや」では、店主の海野俊之と妻・千代子、従業員たちが忙しく働いている。ある日、ふくのやの店先に、ツルという女性が営むタコ焼き屋台が現れる。住民や従業員たちは通行や営業の邪魔だと敵意を向けるが、俊之と千代子はツルを笑顔で迎え入れる。一方、八重山が奇妙な絵を描くようになり周囲が心配する中、俊之は結婚していないのが原因だと考え八重山の見合い相手を探しはじめる。しかし、実は八重山は絵画教室を営むマリに片思いをしていた(映画COMより)


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あらすじ&感想

冒頭、俊之(博多華丸)がホームレスを連れ帰り、食事させお金を与えることに妻・千代子(富田靖子)が愚痴をこぼすシーンからはじまる。

俊之たちが博多山笠の寄り合いから帰宅すると店先にツルという女性(余貴美子)がタコ焼屋台を出していた

従業員の松尾(斉藤優)らが困ると反対したが、ツルが上手く子供たちをタコ焼きで手なずけ(笑)、俊之も「タコ焼きを食べて、“めんたいこ”が売ればいいじゃないか」と認めた。

松尾が、夜間、公園で人がいなくなるとツルがひとりで公園の土を掘り起こし始める。松尾が話を聞くと、ツルは「親方には話すな!デコピンぞ」(大谷の犬ではない)と言い、「昔ここには芝居小屋があった。その役者に惚れ、10年後パンジーの花が咲くころには戻ってくると約束をした。もう30年も待っている。だからここをパンジーで一杯にする」と打ち明けた。松尾はこれに同情し手伝うようになった。(笑)

松尾が仕事にミスが出ておかしい。「松尾はツルに惚れたか?」と俊之と千代子が夜、松尾の後をつけ、公園に居るふたりを見つけ問い質すが、松尾は何も明かさない。ツルが失神して、この場は終わりとなった。(笑)

ところが公園で工事が始まることになった。パンジーの芽が出ている。松尾はツルとの約束を反故にして、俊之にツルの話を聞かせた。

俊之は町内会を動かし、パンジーの芽をプランタンに移し替え、中洲の川辺に設置した。見事なパンジーの花壇となった。この映像が見事だった。

ツルは「パンジーより大きな花が咲いた!自分の好きな人がくるところにこげ~に親切な人たちが暮らしている。私は流しのタコ焼屋」と狛犬”を置き土産にいずこかに去って行った。

この小噺、どこまで笑えたかなと、(笑)

 博多山笠の直会を終え、中州のラーメン屋台に繰り出す。“かえ玉5つ”という猛者がいる。(笑)八重山(瀬口寛之)が「山笠に芸術的要素が必要だ」と言い出した。(笑)

俊之は「何があったか?」と松尾と笹島(福場俊策)に八重山を追わせた。

松尾らは八重山が絵画教室の先生・マリ(地頭江音々)の教室に通っていることを突き止めた。

俊之報告すると、「あいつにも嫁がいる」とお得意様を廻り、花嫁候補を捜し始めた。一方、松尾らは八重山に「マリをモデルに描けばものになる」と急き立てた。

八重山がモデル依頼したところに、建築作業員の男・あつし(森永悠希)が現れ、マリが「ストーカー!」と騒ぐので追い返した。ということでマリがモデルを引き受けた。

絵が出来上がりマリに見せると「個性的な絵です」というがいい顔をしない。(笑)アトリエにあるマリの画集を見るとあつしが描いたマリ像があった。

八重山は建設現場にあつしを尋ね、ふたりが別れたわけを聞いた。あつしは「マリとは美大で知り合った。東京で勝負したいが金がなくマリを連れ出せなかった」という。八重山は「マリは君のことが忘れられない」と伝え、店に戻って絵筆を折った。

俊之と千代子はやっと八重山の見合い相手を見つけ出した。

 ふくのや一家は皆正装で、見合いの席を準備して待っているところにマリが現れた。驚いたのはマリと八重山だった。八重山はマリを連れてあつしの元に走った。これを追う大将と女将。(笑)

八重山とマリの見合いの席はあつしとマリの見合いの席に変わった。八重山は泣いた!

従業員のみっちゃん(井上佳子)が俊之に「明日9月3日は女将さんの誕生日。どうします?」と聞く

俊之は慌てて千代子に土下座して「金を貸してくれ!」と頼み込んだ。俊之はツルが残した狛犬の裏に記された

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を尋ねることにした。千代子が日帰り旅行もいいねと大喜びだった。風鈴が吊るされたドームの中を爽やかな鈴の音を聞きながらお参りするというもの。

ところがツルの屋台はあるがツルがいない。ツルは海岸で海にパンジーの花びらを流していた。泣けますね!

俊之と千代子はツルを中州の店に連れ戻し、店先にパンジーの花で飾られたタコ焼屋台を出させ、みんなで祝った。俊之はめんたいタコ焼きを思いついた。(笑)

まとめ

明太子作りの秘話などなく、ツルが思い出のパンジーを植える話と、マリが元カレとヨリを戻す話の2つだった。(笑)

しかし、俊之の家族と従業員たちに、ツルとマリが加わり、彼らが巻き起こす笑、涙、恋心を楽しむことになるが、このゆる~い感じの物語をどう評価するか。あなたに合っているか?

これを江口監督は「東京では絶対に言えないが、福岡のみなさんが一番楽しめる、ぬるま湯のような、つかり心地の良い映画だ」と語っている。(笑)

博多弁が耳ざわりよく、馴染みの博多風物というよりいろいろな食べ物、広告をみながら、心地いい映画でした特に博多でなないが“如意輪寺”の風鈴まつりは心に沁みた。

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