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「スパイダーマン:スパイダーバース」(2018)吹替版

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91アカデミー賞、長編アニメーション賞受賞作。これまで観たことのない躍動的で美しい映像と音楽、次から次へと上がる花火を楽しむ感覚でした。
初代スーパーマン:ピーター・パーカー亡き後の世界を舞台に、2代目スーパーマンとなった少年マイルス・モラレスが、時空のゆがみによって異次元からこの世界に飛ばされてきた様々なスパイダーマンたちと力を合わせて世界の危機に立ち向かう姿を描き出すというもの。

監督はボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマンの三人です。
テーマは現在社会で最も求められる多様性。多様性のなかで個性の大切さを描いています。監督の選定がまさにこれ!三人の監督の持ち味がうまくマッチングされてすばらしい作品になっています。
 
スパイダーバースという多次元世界。そこで生きる多様な人種・価値観、沢山の個性豊かなキャラクターが登場。そして、これを具現化する多様なアニメ描写と音楽。アニメの多様性を問うています。

アニメの原点に立ち返り、実写では得られない、コミックならではの驚きと美しさのある世界を、異次元・情景に合わせ3DCG2D・マンガ絵を単独あるいはシックスし、さらに必要ならキャラクターの心情が文字、スパイダーマンの危険を察知できる能力“スパイダーセンス”が漫画的な記号によって表現されるなどで、マンガをめくるような感覚で見せてくれます。
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ストーリーはシンプルで誰でもヒーローになれるというプロセス、家族の絆の大切さがユーモアをもって分かり易く描かれ感動的です!

そして、小野賢章宮野真守悠木碧大塚明夫吉野裕行・高橋季依・玄田哲章さんら声優さんの声がよく通って、大音響の中で、聞き取れるのがとてもよかった。さすがプロという感じでした!
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ニューヨーク・ブルックリン生まれのヒスパニック系とアフリカ系の血を持つ13歳の少年、マイルス。転校したばかりで新しい環境に慣れるのに苦労中。
マイルスとその家族の血が、もう多種です!( ^)o(^ ) ニューヨークのどこにでもいる普通の現代っ子という設定がいい。
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優秀校に転校したが馴染めない、それを癒すようにアーロン叔父を訪ね、立入禁止の地下鉄トンネル奥の壁に案内してもらって、好きなペインテイングを描く。マイルスは熱中していて蜘蛛に刺されたことに気付かなかった。POPな歌に合わせ絵を描くマイルスの3D映像はとてもリアル。わくわくさせてくれます。
 
手がやたらべたべと物にひっつく異変に気付いたマイルスが再度トンネルに入ると、そこでは暗黒街のボス:キングピンが時空を歪めようとしている現場。ピーターがヴィランズのゴプリンと戦っていた。ピーターはキングピンの行動を止めるオーバーライドキーをマイルスに託して亡くなる。3D映像に突然マンガ絵が差し込まれ目まぐるしく変化、ハイな気分にしてくれます。子供たちが声を上げて笑っていました。わかりやすい!

ヒーローを失い、深い悲しみに沈むニューヨーク。美しい絵です! キングピンへの脅威が続くなかで、マイルスはこの街を守れる者は自分しかいないとスタンの店で衣装をあつらえ、高層ビルからAAA123(文字)と声を出して飛び降りるが失敗。 () その際、託されたキーを破損してしまう。()

雪の降るなかでのピーター追悼式でマイルスはピーターに出会う。ピータは歪められた異空間からやってきて、かってのピーターではなかった。ちょっと年取った、疲労感のあるピーターが共感しやすい良い味を出している。
マイルスはスパイダーマンになるため彼から特訓を受ける。電車に糸をくっ付けて走ったり、ハドソンパークで木々の間を糸を操り移動する様はスピーデイーで実写では描けない。
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スパイダーマンではあるが未熟なマイルスとピーターが、壊れたキーのソフトを盗むためにキングピンの研究所に潜り込む。
しかし、キングピンの手下ドックに見つかり追い詰められる。ドックにめちゃめちゃにやられるところに迫力があります。() 幸いなことに、他空間からやってきたとても魅力的な女性スパイダー・グウエンの助力で脱出する。
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グウエンの紹介でピーターの叔母メイ叔母さんを訪ね、ピーター思い出の館でそれぞれの異空間からやってきたスパイダーたちに出会う。
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古びたギャグを連発するブタ型のスパイダー・ハム、白黒映画から飛び出したスパイダーマンノワール、小さな少女とロボが一丸となったペニー・パーカーとsp//dr。日本のアニメから飛び出した感じで彼らは2Dで描かれ、ひとつの画面に2D3Dが存在するという多様性を認めた独特な映像となり、やさしさが溢れています。
 
異空間から来たスパイダー達が帰れないという。マイルスは彼らをもとの空間に送り返すためキングピンが操る加速器を止めると宣言をするが、皆はマイルスの力に疑問を持つ。マイルスは彼らから沢山の教訓を聞き、技を教わるが自信が持てずアドバイスを貰おうとアーロン叔父を訪ねる。あろうことかそこで会ったのはプラウラー。
 
部屋に帰ってこれをスパイダーたちに報告していると、ヴィランズたちがやってきて激しいい戦闘となった。マイルスはプラウラーと対峙するが、プラウダーは叔父であった。正体がばれた叔父はキングピンに撃たれ、マイルスの腕のなかで息を引き取った。
 
アーロン叔父を死なせたことでスパイダーマンとしての自信を無くしたマイルスの元に皆が駆けつけ、「そんなことは皆経験している!全員を助けることはできない」と励ます。
しかし、マイルスは自分の力に自信が持てない。見かねたピーターがマイルスを縄で縛り上げて、「自分ひとりでキングピンに立ち向かう」と出て行った。
 
そこに心配した父が訪ねてきて、「自分の考えで、勇気をもて戦え!」と励まして帰る。このあたりの感情描写が絶妙で感情移入できます。
 
マイルスは父の言葉に励まされ自信が出てきて、縄を解いて面を被り走りだした。
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そこにスパイダーたちも駆けつけてくれキングピン一族との壮絶な戦いが始まった。ペニー・パーカーが修理したメモリーチップをマイケルに渡す。
マイルスは自慢のヴェノムストライクでドッグ、スコーピオンを見事に打ち破った。これを見たスパイダーたちが「もう大丈夫!」と去って行った。
 
マイルスはキングピンと対峙しこれを倒して、ニューヨークの街に光が戻ってきた。とても美しい夜景です。
 
マイルスは言う、「こんなことが出来るとは思わなかった。だれでもマスクを被れる。俺はスパイダーマンだ。仲間がいる、ひとりではない」と。
誰もがヒーローになれるし、何にだってなれる。もし人生で壁にぶち当たっても、友を信じ全力をだせばどんな困難も乗り切れる。さすがアカデミー賞作品でした。( ^)o(^ )
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