映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

日曜劇場「日本沈没-希望のひと―第4回」

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第4回「逆襲と別れ」

 新聞に「半年以内に関東圏沈没」の記事が出た。そこに17日総理会見の記述があった。里城副総理(石橋蓮司)は東山総理(仲村トオル)に「総理に担ぎあげてやったのに」と不満を露わにした。

里城副総理や長沼官房長官杉本哲太)がネタ元の特定に躍起になっている中、東山総理は椎名(杏)を呼び出し問い詰めるが、椎名は総理が会見をするべきだと伝えた。

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その後、天海(小栗旬)とも話した東山は、会見を開くことを決意。そこで、時期や確率は明確にしなかったが、関東沈没の可能性が総理の口から語られたことで、人々は大混乱に陥った。

東山の命により危機対策が日本未来推進会議に委ねられて、常盤(松山ケンイチ)を中心に迅速な対応が進んでいく。

そんな中、ワイドショーで関東沈没の現状を赤裸々に話す田所(香川照之)。

それは東山が発表していない情報で、勝手な告発に常盤は怒りを抑えられない。一方で毎朝新聞にリークしたのも天海ではないかという疑念がぬぐえずにいた。

東山総理は記者のぶらさがり取材に「田所博士に応えられるよう準備している」とうまくかわしていた。

天海と常盤の仲の不穏な空気が漂う中、二人は企業からの支援を募るために、経団連会長の生島(風間杜夫)に会いに行った。しかし、そこに里城副総理がいた。


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ねたばれ(要注意):

里城副総理は「経済が疲弊する」と天海に活動を控えるよう求めたが、天海は「国民の不安を取り除くことで、選挙に有利になる」と理解を求めた。これで副総理自らが経済会の協力依頼に走っていった。(笑)

常盤は天海のスタンドプレーに怒り、天海を日本未来推進会議の席から外すことに動いた。常盤がこのことを里城副総理に報告すると「あいつは恐ろしい男だ!Dプラントが転売されている。天海が絡んでいる」と忠告された。

こんな天海に椎名が「もし関東沈没がなかったら怖くないのか」と聞く。天海は「いい訓練をしたと思うことにしている」と答えた。

東総理が「君はこの国の指導者になったつもりか?」と天海の行動を叱責した。天海は「結果的によかったのではないですか」と返事した。

東京からの集団避難が始まった。天海は福岡へ避難する元妻・香織(比嘉愛未)と娘・茜を見送りにバスターミナルに出向くとそこで香織の再婚相手・野田満(瀧川鯉斗)に出くわした。捺印した離婚届を手渡し、茜を抱きしめて見送った。香織が「知っていて離婚したの!」と呟いた。

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椎名も母親の和子(宮﨑美子)を見送りにきていた。天海は「日本未来推進会議を外されたが、国民に危機を知らせて住民避難も実現できた。後悔することはない」と話すと椎名が「これから地震が来るというのにそれで良いんですか、やることが・・」と話しているその時、ガタガタと地面が捲れ、ビルが倒壊し始めた。これまでに日本が経験したことのない激しい揺れだ!!

感想:

今回のテーマは天海が新聞を使って早期情報公開し國を動かしたことに対する政権、官僚の反応でした。

独断専行は上手くゆけば褒められ、悪ければ貶められる。これを認めるかどうかは指導者(総理)の裁量。東山総理は天海を叱責しましたが、これは自分の権限放棄。自分の権限を最大限に使える指導者こそが真のリーダーです。責任逃れのリーダーが多すぎることへの警鐘だとドラマを観ていました。

里城副総理の発言、行動は誰のためなのか?“選挙のためだった”ということが明らかになりました。この状況で選挙?(笑)これが現実なんですね!

常盤の行動、実務能力は非常に高いが何かが欠けている。誰のための官僚なのか?天海と常盤の確執でこれが浮かび上がってくるところがいい。なぜ天海が朝かなかったかを自らに問うべきでした

椎名の行動。しっかりした首相へのコメントでした。記者としての使命、視点がどこにあるか、そしてこれを貫く覚悟がよかったですね!杏さんのキャラクターがよく出たシーンでした。

天海の独断専行。東総理の叱責に「うまく行っているんだからいいではないですか」と。万一予想が外れた場合について「よい訓練だったと思えばよい」という考え。未知の危機対処にはこれしかない、この決意ができるかどうか。彼のように人生を賭け、その結果に満足することだと思います。

天海は“この決意”で家族を失いました。おそらくもう会えない福岡へ避難する香織、茜を見送りました!離婚届けを渡してこの問題に決着をつけたかった。とても強い、愛情深い男だと思いますよ!

関東沈没対策、日本未来推進会議がうまく機能して、ちょっと拍子抜けでした!

これからの展開、天野を如何に生かすか、日本は沈没するのか、香織たちの運命は、・・。

                                ****

「エターナルズ」(2021)現代の創世記、多様なヒーローの出現に、人類の何かを知る!

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アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、これまで人知れず人類を守ってきたエターナルズが姿を現し、未曽有の危機に立ち向かうという作品。

アベンジャーズの主要ヒーローが居なくなったその後、いかなるヒーローが出てくるのか、さらに如何なる世界感の物語になっていくのかと大いに気になるところです。

そこに「ノマドランド」でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオ女性監督で描くという。監督は「ブラック・ウイドウ」(2020)を担当する予定であったが、本作に変更されたと聞けば、アベンジャーズの今後に相当大きな変革を期待しないわけにはいきません。ということで大いに期待して、初日初回満席だろうと駆けつけました。なんとなんとガラ空きでした。(笑)何で?と思ったんですが、かなり難解というか、これがマーベル作品?という感じ。(笑)

サノスの登場による世界的な危機に駆けつけなかったエターナルズとは何者か、何故駆けつけなかったかというアベンッジャーズにとっての衝撃的な作品。そこには「人間とは何者か」というメッセージ性のある作品でした。

原作:スタン・リーに並ぶアメコミ界の伝説的存在ジャック・カービーが1976年に発表した同名コミック。未読です。

監督・脚本:クロエ・ジャオ、脚本:パトリック・パーリー、撮影監督:ベン・デイヴィス、編集:クレイグ・ウッド、ディラン・ディチェナー、音楽:ラミン・ジャヴァディ。

出演者:10年ぶりのアクション作品への出演となるアンジェリーナ・ジョリー、「クレイジー・リッチ!」のジェンマ・チェン、「ゲーム・オブ・スローンズ」のリチャード・マッデンキット・ハリントン、ハリウッドデビューとなる「新感染ファイナル・エクスプレス」のマ・ドンソク、クメイル・ナンジニア、リア・マクヒュー、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ローレン・リドロフ、バリー・コーガン、ハーリシュ・パテル、マルサ・ハエック他。エターナル10人の顔と役が一致するかと恐怖でした!(笑)実はこれが監督の狙いでした!

エターナルズとは、宇宙の創造主セレスティアルズに命じられ、7000年前に遠い惑星から地球にやってきた不死の異星種族。彼らはディヴィアンツと呼ばれる凶悪な怪物から人類を守り、時には智慧を授け、人知れず導いていた。そして長い時間が流れ、仲間たちは世界中に散り散りになって暮らしていた。しかし、最凶最悪の敵サノスによって半分が消滅させられた全宇宙の生命は、アベンジャーズの戦いによって復活したが、その時の強大なエネルギーによって新たな脅威が誕生し、地球に迫っていた。地球滅亡まで残された時間は7日間。戦略的リーダーのイカリスとその元恋人セルシは、バラバラになっていた仲間をもう一度結集させようとする。だがやがてふたりは、チームを根底的に揺るがす数世紀にわたる驚愕的な秘密を知ることになる・・・(はしがき)。

はしがきに見るように、今の時代の人類創世記です。なんとなく聖書というところが面白い。エターナルズとは何ものか、人類をどう見たか、これがテーマです。このテーマに合わせるように作られたエターナルズのキャラクター、キャステングが見どころです。

人類を如何に救済するかという中で5000年に及ぶ主人公の愛を描くというジャオ監督らしい物語です。濃厚なベッドシーンがあるマーベル作品はこれまでないでしょう。(笑)当然と言えば当然ですが「ノマドランド」の作風を強く受けていて、美しい自然の風景のなかでエターナルズたちの繊細な心情を描いてくれます。宇宙の自立したノマドの物語です。

ヴィランはディヴィアンツ、怪獣です。怪獣とエターナルズの格闘は神話の戦闘を見ているようで、実はとんでもないコズミック・パワーを持つヒーローたちで、その戦闘描写に驚かされ、まるで彼らが星座になっていくように感じました。

ジャオ監督は日本のアニメに大変興味のある方だそうで、そんな視点で観ていると、セレスティアルズやディヴィアンツが日本製だなと感じました!😊広島の原爆に触れたエピソード、エターナルズがこの事実に下す人類評価がとても印象的なメッセージになっていて、すばらしいと思いました。

物語は数百年ぶりに出現した知性を持ち言葉を話すディヴィアンツの出現で、エターナルズが再結集を目指し、メンバーを訪ね歩く中で過去が語られ、それぞれのキャラクターの能力、どう人間と関りがあったかが見え、クライマックスは荒れ狂う地球の断末魔の中で、予期しなかった敵に遭遇した彼らの生き様が描かれます。取っつき難いですが、気にしないで辛抱強く(何しろ7000年を生きてきた物たちの話ですから)観ると、最後には大きな感動が得られます!

あらすじ:

BC7000年、エターナルズはセレスティアルズの主・エリシェムの命で、ディヴィアンツ制圧のため地球に使わされた。メンバーのリーダー・エイジャックサルマ・ハエック)、彼女はエターナルの中で唯一エリシェムと交信することが出来る能力があった。

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BC5000メソポタミア、BC575年バビロンでの戦闘のあと陰で人類を支えていたが、ある理由でエターナルズの意見が対立し、それぞれが分散して人類の中に溶け込んで生活している。エイジャックは、バビロンの戦闘後役割は終わったとエリシュムに帰還を申請したが断られ、“人類が進化し永遠に平和に生きること”を願っていた。発明パワーを持つファストス(ブライアン・タイリー・ヘンリー)が人類に蒸気機関智慧を与えようとしたが、鋤を与えれば彼らは新しいものを生み出す創造力があると、これを止めた。

現在のロンドン。エターナルズのセルシジェンマ・チャン)は同僚のスプライト(リア・マクヒュー)と生活しながら、人類博物館の学芸員として勤務している。セシルはスプライトと一緒に同僚で恋人のデイン・ウイットマン(キッド・ハリソン)の誕生祝いをデイスコハウスでやっていた。プレゼントに中世の指輪を渡すと「一緒に住みたい!」というが、「恋人いる」と断った。そこにスプライトが迎えにきて、三人が外に出て川辺の道を歩いていた。スプライトがセルシに「同棲したら!」勧める。何故スプライトが結婚を勧めたかが、実は大きな布石なんです。

そこに突然河から怪獣が襲ってきた。スプライトが「ディヴィアンツだ!」と声を上げ、セシルが道を砂に変えて対処するが逃げられた。セルシはあらゆる物質を変化させるコズミックエナルギーを持つエターナルだった。そこにイカリスリチャード・マッデン)が駆けつけ、目からコズミック・パワーを照射して追い払った。パトカーが駆けつける。現場をスプライトがコスミック・パワーで偽装した。スプライトは13歳の少女の外見をしたエターナルズで本物そっくりの映像を作り出す能力を持っていた。

セルシの本性がデインに知られてしまった。「なんで宇宙に帰らない」と聞かれ、「命令がないから」と答えた。

イカリスは「1世紀ぶりだな」とセルシに挨拶。(笑)ふたりの成染めは、BC5000年のバビロンでのエターナルズの宴席で、エイジャックに「思いを告げなさい!」と促され、結ばれた。結婚したのはBC400年グプタ帝国でというからスケールが違います。(笑)

サウスダコダ、出会った3人はエターナルズの再結集が必要とサウスダコダに住むリーダーのエイジャックを訪ねたが、遅かった!エイジャックは殺されていた。遺体からエリシュムと交信する能力(光る玉)がセルシに移り、セルシがエイジャックの後継者ということになった。

何故エターナルズがバラバラに住むことになったか。

1521年、テノティトランの戦場。銃が登場し殺し合う戦場に激怒したドルイグバリー・コーガン)が操って止めようとした。ファストスは文明が進歩し過ぎた心配した。ドルイグはコズミックパワーで人間の心を操る能力を持っている。

これにセナアンジェリーナ・ジョリー)が錯乱しエターナルズに切り込んできた。ギルガメッシュ(マ・ドンソク)が拳で殴り倒して、セナの暴走を止めた。セナは戦場に居る時が一番安らげるという戦士。コズイック・エネルギーであらゆるものを武器に変えて戦う。一方のギルガメッシュはコズイック・エネルギーを使った拳で闘う戦士。

エイジャックは「セナは長い期間の記憶で混乱をきた」とセナの記憶をリセットすることにしたが、ドルイグがこれに激しく反対し、人類を連れて去っていった。

エイジャックはすでに任務は終了しており、エターナルズを分散してそれぞれが思うように生きることに決めた。ギルガメッシュはセナに寄り添って慰め、生活することにした。

インドムンバイ。セルシら3人は映画製作をしているキンゴ(クメイル・ナンジニア)を説得に向かった。ちょうどインド映画を撮影中で、彼は踊りの舞台の中にいた。(笑)撮りたい作品があるということだったが、マネージャー・カルーン(ハーリッシュ・パテル)の「家族が待っている」の言葉で、彼を伴って参加することにした。キンゴは陽気で手からコズミック・エネルギーを発射する能力を持っていた。

オーストラリア。セルシら4人はアターナルズがギルガメッシュとセナを訪ねた。セナに「オリンピアの戦士名の“アテナ”を思い出せ!」と声を掛けた。(笑)

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ここでセルシはエリジェムからの指示を受け取った

「法理で新セレスティアルズが誕生する。エネルギーが必要だ。ティエットが地球の宿主として選ばれ、間もなく地球を破壊して新セレスティアルズが誕生する。オリンピア星(エターナルズの故郷)は存在しない。地球はお前の島だ、お前がエターナルズを作り活動せよ。任務が終わったらお前の記憶はディヴィアンツに対応できるようリセットし、他の惑星の宿主に仕える」というものだった。

セシルはエリジェムの指示を他のエターナルズに知らせると皆驚いた。セルシは「地球を全滅させない方法はないか?」とキンゴに意見を求めると「地球は滅びる」と言い、イカリスも「全員そう思う!」と答えた。

アマゾンの奥。セルシらかドルイグを説得に訪れた。彼はここで住民とともに暮らしていた。「BC7000年の任務がおかしい」という彼の説得は難しかった。

そこにディヴィアンツが出現し、これとターナルが戦った。セナを助けようとしたギルガメッシュがその能力を吸収されて亡くなった。ギルガメッシュの能力を吸収したディヴィアンツは人型のクロとなった。イカリスの出現で逃げ出した。セナはギルガメッシュの死を惜しんだ。

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ドルイグの力では人間は救えないと説得に応じた。ファストスの力が必要とシカゴに向かった。

シカゴ。ファストスは男性の妻ベンと子供の家庭を持っていた。彼は1945年8月地球人が広島に原爆を投下したことに「ドレイグが言う通りだ」と人類に失望していた。これをベンが「子供の成長を見るためだ!」と説き落とした。

ここからねたばれ(要注意)

エターナルズのメンバーがバビロンにある活動拠点(隠ぺいされた宇宙船ドモ)に集まった。そこではマッカリ(ローレン・リドロフ)が情報を収集し、拠点を守っていた。マッカリは超音速で走る能力をもっていた。

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集まったエターナルたちは対ディヴィアンツ戦の戦略を練った。エターナルズ全員の力を集めドルイグに集中させ、セレスティアルズを眠らせると、ファストスは「“ユニ・マインド”」と名付けた腕輪を造り始めた。

誰をリーダーにするかで、スプライトが「一番力がある者」とイカリスを推薦したが、本人が拒否し、「あんただ!」とセルシを押した。セルシは「殺し合う地球人を変えたい!」と決意を明らかにした。イカリスが席を外し、出て行った。

 6日前のサウスダコタイカリスはエイジャックの家を訪れていた。エイジャックが「7日後、新しいセレスティアルズの誕生し、地球と人類が滅亡する。サノスによって消された全宇宙の半分の生命を再び戻し人類を救う」という。

セレスティアルズ殺害は無理!」とエイジャックをディヴィアンツがうじゃうじゃいる湖に突き落として殺害した。エイジャックの遺体をサウスダコタに持ち帰り放置していた。ディヴィアンツが襲ったように偽装していた。

 セルシがイカリスに居る岩場を訪ね協力を依頼した。が、「闘いたくない!」とイカリスに告げると「君を覚えている。愛している」と去って行った。

宇宙船に戻ったイカリスはファストスが作っている腕輪を目の前で破壊し、「新セレスティアルズの誕生を守る」と出て行った。これをスプライトが追った。キンゴはイカリスと戦うことを拒否して去って行った。

マッカリがセルシを支持すと伝えた。セナが「あなたがリーダー!」と励ました。

ファストスは、セルシの喉で光る球を使って力を増幅する腕輪を完成させた。残ったエターナルズに腕輪を嵌め込んだ。そして宇宙船(ドーモ)で新セレスティアルズ誕生の火山島に向かった。

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火山が噴火開始。エターナルズが力をドルイグに集めて鎮火させようとするが、イカリスが妨害。イカリスとの闘いが始まった。ファストスはイカリスを雁字搦めに縛れ挙げて、拘束した。

火山に向かうセシルの前にスプライトがエイジャックに化けて現れ、「人間が羨ましかった。人間として生きて、恋とは何か、成長とは何かを知りたかった」とナイフでセシルを刺した。そこにドルイグが駆けつけ、セシルを救出した。セルシは火山にエナーナルズ全員のエネルギーを集めて地面を凍らせるという戦法で立ち向かった。

こんな仲間割れの中で、クロが襲撃してきた。セナが洞窟の中でクロと対峙し、壮烈な戦闘のすえこれを倒した。

闘いが終わり、大津波が襲ってきて、全てを海に洗い去った。そこにセレスティアルズの身体の一部が現れた。セルシはコズミック・パワーでセレスティアルズの誕生を阻止した。

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イカリスがセルシの元にやってきて「すまなかった!」と謝り、太陽に向かって飛び込んで行った。

セルシは、大人になりたがっていたスプライトの願いに報い人間に変えた。

2週間後、テレビのニュースが「インド洋に巨大な物体が出現した」と報じていた。

ファストス、セルシ、スプライトが地球に残り、他は宇宙船で他の惑星に飛び立った。

セルシに出会ったデインが「俺の家系に問題があるんだ」と話しかけているとき、セシルはエリシュムによって宇宙に連れ去られた。エリシュムが「地球に起こったことはいずれ審判する!」と呟いていた。

感想:

長かった。遂に耐えられず・・・でした。冒頭で「エンデイングの後にお知らせがあります」と告示されていましたが、見損じました。(笑)後半は複雑で掌握しきれなかった。(笑)

テーマは「新たなヒーロー像」。そして彼らが愛した「地球人」。

新ヒーローたちは今までで見たことのないユニークなキャラクターでした。見た目は神話の戦士のようで、観たことのないアクションが楽しめました。

エターナルズは10名編成でしたが、キャラクター・キャステイングで多国籍、多カラーで、聾者であるローレン・リドロフやファストスのゲイなどLGTSQにまでに及ぶという「多様性」揉め事、喧嘩シーンが多かったが、この多様性の結び付きで結果を出すという結末。生存にはこれが一番大切というメッセージは頷けます。アンジーがリーダーでないということで一目瞭然!(笑)

ヒーローたちが人間に期待したのは「創造性」と「愛」。悪化する環境や戦争する人類に嫌悪しました!これから地球人がどう生きていくかが問われるメッセージでした。

5000年の愛を育んできたイカリスとセルシの愛の結末。イカリスは愛より使命を選びました。究極の状態で、生きる望が“愛”という人間の価値観のすばらしいが分かります。

ジェンマ・チャンのリーダーとしての演技、しっかり意見を聞き、すべてのメンバーに気配りし、精神的な支柱へと成長していく演技がみごとでした。アンジーの格闘演技、狂った剣士だけに使うという発想も凄いが、その存在感が凄かった。ドンソクの鉄拳もよかった。アンジーを思いやる役なんて最高でした。いち押しは凛として美しいローレン・リドロフ。😊みなさんの演技、とても楽しく見ました。

次作、エターナルズが活躍、引き続きクロエ・ジャオ監督にお願いしたいです!

           ****

「劇場版 きのう何食べた?」(2021)相手を日々思うことで深化する愛、西島・内野さん夫婦の魅力を堪能!

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よしながふみさんの発行部数840万部という人気漫画。2019年4月、西島秀俊さんと内野聖陽さん主演で連続TV化されて大変な話題となった作品おふたりがゲイを演じるという、いかなる作品なのか公開初日駆けつけました。レディース・デイということもありましたが、なんとほぼ満席!女性ばかり!驚きました!!(ということで全く原作知らずの鑑賞でした)

監督、脚本、キャストは連ドラほぼ連ドラどおりだそうです!

監督:中江和仁脚本:安達奈緒子撮影:柴崎幸三、編集:鈴木真一、音楽:澤田かおり主題歌:「大好物」スピッツ

出演者:西島秀俊内野聖陽山本耕史磯村勇斗マキタスポーツ梶芽衣子松村北斗ら。

雇われ弁護士の筧史朗(シロさん)とその恋人で美容師の矢吹賢二(ケンジ)にとって、2人でとる夕食の時間が日々の大切なひとときとなっている。ある日、史朗の提案で、賢二の誕生日プレゼントとして京都旅行に行くことに。賢二は京都を満喫していたが、道中に史朗からショックな話を切り出されてしまう。この京都旅行をきっかけに、2人はお互いの心の内を明かすことができなくなってしまい……。というはしがき

京都旅行を楽しむシロ(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)夫婦。この姿にゲイなんて言葉を忘れて、お互いを大切にする大人という感じ。ケンジ役の内野聖陽さんの、なんとも言えない、女性でもない男でもない色気に圧倒されました。これなら紫綬褒章受章に納得でした!(笑)

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作品は連ドラの最終章に継ぐ作品という位置づけ。しかし、これまでの12話を知らなくても、これまでのエピソードが取り入れられてようで?楽しめる作品つくりがしてあります。これまでのエピソードとふたりが更に愛情を深めていく様に、アップで映し出される西島さんと内野さんの魅力がスクリーン一杯に映し出され、TVフアンには堪らないでしょう。

全くTVを観ていない人には、日々の何気ない生活のなかで、相手を想い、人生を生きていくための何気ないヒントが貰えるのではないでしょうか。うまく繋る伏線で繊細な感情を描写するという脚本・演出が見事でした。

連ドラでの大ヒットに納得でした。ドラマの背景を料理で描写するということを忘れてはいけませんね!“料理は人を創る”です。

あらすじ(取り扱い注意):

南禅寺高台寺八坂通りを楽しむふたり。ケンジの喜びようが半端ない。こんな喜び方をしてくれるケンジに、「受け入れてくれる」とシロは「今年の正月にはケンジを実家に連れていかない!母親が嫌がるんだ」と言い出します。ケンジは「いいよ!いいよ!」と答えます。ふたりはこれで本当にいいのか?これがテーマです。この「いいよ!いいよ!」に含まれたケンジの気持ちを知って、後に、泣かされます!

ふたりは2LDKのアパートに戻って、日常が始まる。シロは出来る弁護士で上町弁護士事務所に席を置いている。西島さんにぴったりのキャストです!出勤すると殺人犯の弁護を言い出された。これを受けたシロに所長の上原美江(高泉淳子)からリンゴをおすそ分けされた。

ケンジが美容師として美容室「ファーム」に勤務。ずけずけものをいう同僚・田淵剛(松村北斗)に店長の三宅佑(マキタスポーツ)が注意すると「一番人間に思っていることを言わないで、誰と本音でつき合えるの!」と反発する。ケンジは“なるほど”と思った。

朝、シロは「ケンジには無理を言った」と戴いたリンゴを用いて、キャラメルリンゴのトーストを作ってケンジに出した。とても喜んで食べた!本当においしそうだった。喜んで食べるからシロは料理をしたくなる!

その日、シロが事務所から帰ると、同じゲイカップルの小日向(山本耕史)と井上航(磯村勇人)が、「冷蔵庫が壊れたからそっちの冷蔵庫貸して」とやってきた。ふたりはシロのアパートで料理を作ろうと、シロの買い物仲間の富永さん(田中美佐子)を呼んでいた。富永さんの指導で、シロでは絶対につくれない贅沢なローストビーフとアクアパッツアを作った。この料理作りシーンは見事でした。我儘な航とこれに惚れ抜いた小日向カップルの姿が面白い!料理が出来て、富永さんは「娘に孫ができる」と喜んで帰っていった。そこに仕事を終えてケンジが帰ってきて、4人で食事。シロが正月実家に帰ることに、航が「親を放っておけば!」と言った。

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小日向カップルが帰った後、シロが「連れて帰れないことを気にしている」とケンジに謝ると「やだよ!もう大丈夫だよ!」と言った。が、ケンジが堪られなくなった。「自分は嫁にも奥さんにもなれない。世間では普通ではないと思われている。それは怒らないが、ふたりの間が壊れるのを恐れていて怖いんだ!」「いいよ、いいよは自分のため。シロさんに恨みはない」と本音を吐露し、「これですっきりした、寝よう!」と。シロもこれを聞いてほっとした。

ケンジのシロ想いの言葉に泣けます!どんな夫婦にも使える言葉。これがTVヒットする理由ではないでしょうか。

翌日、シロは法律事務所で裁判の資料作りで、いつも午後6時に退社するのに、居残りで仕事。実はシロはケンジの気持ちを知って、あることをしていて仕事が遅れた。

朝、シロは「正月、ここでやることが出来た、実家に帰らない!」とケンジに伝え、時間がないと黒豆を仕込んだ!ケンジが「何で帰らないの!」と怪訝な顔して仕事に出て行った。

シロは・・・を願って正月料理の黒豆料理を作った。これがまた見事でした!

シロは「母に“来るな”とはひどい言葉だと注意した。簡単に超えられる壁だと思っていた。自分の考えが甘かった!母に自分が不幸ではないことを話し、正月帰らないことを伝えた。ごめん!」「俺は一番大切な人と正月を過ごす!」とケンジに黒豆料理を作る意義を喋った!ケンジはこの言葉に泣いた!内野さんのここでの泣きシーンが絶品です!

正月をふたりは幸せをかみしめるように過ごした。

2月になって、ケンジは美容院で田淵に整髪してもらっていて白髪が見つかった。これがショックだった。

父が亡くなって葬儀で千葉の母親・峰子(鷲尾真智子)の元に帰った。姉たちが「老けた!」という。(笑)美容院を営んでいる母に、「店を継がないか?」と勧められたが、「一緒に居たい人がいる」とこれを断った。母に「あんたは寂しがり屋だからひとりは無理!」と言われた。

アパートに戻るとシロが「何食べる?」と聞くから「油ものはだめだ!」というと「じゃブリ大根!」と作り始めた。これがまた見事!食べたくなりますね!

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シロはほっそりしたケンジに「大丈夫か?」と聞いた。

シロは殺人犯の裁判に出廷した。判決は「9年の懲役」だった。これに同僚の弁護士・上町修(チャンカワイ)が再審を申請しようという。シロが「判決を尊重しよう」というと「それでも弁護士か!」と一喝され、ぼんやりしている自分に気付いた。

ケンジが若い男(剛)と親しそうに歩いている。シロは「あいつ何で髪を切った!なんだ、あの男は?俺は嫉妬しているのか」と不安になった。ケンジは朝飯もそこそこに出勤していく。ケンジの後をつけると病院に入って行った。嫉妬どころではない、もうただ事ではない!とシロは驚いた。

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航が居なくなったと大慌てで探している小日向に出会った。「あわてるな!」と言うと「あいつは拾った男だ。もたもたしていると誰かに持っていかれる」と走り去った。(笑)これに刺激され、シロもケンジが心配になった。

ケンジが金髪でアパートに戻ってきた。シロは「よく似合い!」と褒めた。ケンジは「気に入ってくれてうれしい」という。「お前どこか悪いのか?飯は食べないし、病院にいく。正直に言ってくれ!死ぬんではないだろうな?」と聞くと「髪が薄くなって病院に行った」「葬式で家に帰って母から店を継がないかと言われた」と話す。シロが「俺も引っ越すのか?」と聞くと「来てくれるか、それなら断らなければよかった」とケンジ。

シロは「怖かった!お前が病院に通って髪切った!死ぬと思った」と安堵した。「簡単に死ぬなんていうな!」とケンジ。

富永さんの娘さんに男の子が生また。シロの名から一字もらって悟郎と名付けたという。これは父親の名と同じだった。シロは子供を残せないが、このことがとても嬉しかった。

シロの誕生日。ケンジが正装で黒のサングラスでやってきて、指輪を着けて祝ってくれた。けじめをつけた誕生祝いというのがいい。シロにサングラスを渡し、トムクルーズだと喜ぶが、西島さんはよく似ていた!(笑)

夜の街を歩きながら、ケンジが「正月、シロが言ってくれたことが嬉しかった。ふたりでずっとこうしていられることが嬉しい。しかし、ふたりだけではダメだ。ふたりだけで生きているわけではない!だから、両親を大事にしてくれ」と話すと、「俺、今ここを歩いていて、君を自慢したい!」とシロが応えた。

感想:

肩の凝らない、楽しいドラマでした。

お互いが自立し、自分のことより相手のことを思い合うふたり、うらやましいですね!相手が男だとか女だとか関係ない。遠い先の死、老いの寂しさを見ているところもいい。

小日向カップルや美容室の仲間を見て、自分たちを見直す。これがまた微笑ましい!日々進歩していくふたりがすばらしい!

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「由宇子の天秤」(2020)

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「火口のふたり」の瀧内公美さんの演技が大変話題になっている作品。3年前に起きた女子高生いじめ事件を追うドキュメンタリーディレクラーを通して、情報化社会の抱える問題や矛盾を真正面からあぶり出していくドラマ。

「火口のふたり」の舞台挨拶で言葉を交わしたことがあり、その演技に注目していました。当地ではやっと公開され早速足を運びました。😊

監督・脚本・編集・プロデューサー:「かぞくへ」の春本雄二郎、初見の監督さんです。プロデューサー:松島哲也、片淵須直撮影:野口健司。

出演者:瀧内公美光石研、梅田誠弘、河合優実、丘みつ子和田光沙、川島陽太、他。

3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う木下由宇子(瀧内公美)は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしている。その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親の政志(光石研)と二人三脚で幸せに生きてきた。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる・・・。

作品のすばらしさは、3年前の事件と父政志が起こした事件のふたつの事件を見つめる中で、有宇子の正義を問う展開

前段で3年前の取材でディレクラーとしての正義を描きながら、父親の起こした事件にこの正義が守れるかという“天秤にかける展開”テンポよく描かれます。ミステリアスで、先の読めない巧みな展開はよかったですが、すこし冗長になりましたね!そして結末で、この問題の深さを思い知らされる演出が見事でした。

瀧内さん。ディレクラーとしての正義を貫く強さ、反面、父親の塾を手伝う親思いの娘。硬弱の感情表現が見事で、自然な演技がリアル感を醸し、“揺れる正義”をうまく見せてくれました。 

あらすじ:

冒頭、娘・広美が自殺した河原で父親・長谷部仁(松浦裕也)が娘を偲びリコーダーで“Greensleeves to ground”を演奏しながら、「娘は教師の矢野和弘(自殺)との関係が噂され、学校から退学を言い出され、それを苦に自殺した。教師の矢野が殺した!話合う機会を失った」と怒りを露わにするシーンをカメラに収めた。取材チームの相棒・富山(川瀬陽太)が「なにやってんだ、何回も撮る!」とクレームをつける。が、“この映像に真実はないか?”と一向に気にしない有宇子。

編集会議でTV局のプロデューサー・保土田(松本大輔)が、撮影された映像も見ず、シナリを見ながら「シナリオと違う、“矢野が殺した部分をカット”、構成変えて!」と審議打ち切った有宇子は“女高生・広美と男性教師・矢野を自殺に追い込んだのは学校側かメディアか”を明らかにしたかった。

教師だった矢野和弘の家族の証言収録にかかる。局が準備した矢野家族、母親の登志子(丘みつこ)のインタビューはカーテンで顔を隠して行うというものだった。有宇子は“目を見ないインタビュ-はない”と拒否、これでカーテンなしで行いことになったが、有宇子の和弘の自殺と学校の関りに関する質問に、登志子が答えられなくなり中止となった。登志子が「家にきて頂戴!」と申し出た。

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有宇子が自殺した矢野家、「矢野の遺体は姉によって発見され、自分は潔白だと学校に抗議したと書かれた遺書があった」、現場を検証した。近隣の女性から「報道の人は来るな!」と追い返された。激しい報道合戦があったことが伺われた。

有宇子は家に帰って、父の経営する学習塾講師として父を助けていた。新入生の小畑萌(河合優美)と出会った。テストで優美がカンニングする姿を見て、テストを止め、やさしく注意するという優しい、正義感のある教師。父との間もとても信頼し合う仲だった。

取材チームで矢野登志子のアパートを訪ねると、室内を暗くして自分がここに居ることが知られないようひっそりと生活していた。登志子が「誰が加害者かって、そのカメラが人を殺した」という。有宇子は「誰の味方にもなれないが、光を当てることはできます」と話すと、書き留めたノートを渡された。

 教室で騒ぎ!萌がトイレから戻らない!有宇子はトイレから萌を連れ出し病院に連れていった。医者から「妊娠!」と言われ、萌に「相手は?」と聞くと「木下先生!」。

ここからねたばれ(取り扱い注意)

有宇子は萌をアパートに送っていって、心配しないように諭し、そこで父親・哲也に出会った。娘に無関心なことを知った。

塾に戻り父・政志に“携帯(カメラ)を向けて”「萌と何があった」と迫った。政志は「萌と関係を持った!すまん」と謝った。政志は正直に生きてきた人。「しばらく考えさせて欲しい!」という。

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有宇子はどうするか?と思料!父の不祥事を隠すことにした。友人に相談し、闇で堕胎してくれる医者を紹介してもらった!

萌の家を訪ね、勉強を教え、食事を作り、萌の生活を支援して、秘密裏に父の不祥事を解決したいと努力を続けた。萌はすっかり有宇子を信じるよういなり「大学に行きたい!」と言い出す。哲也もこの生活に口を挟むことはなかった。どちらかというと喜んでいるように感じられた。

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有宇子はドキュメンタリーに厚みをつけるため、自殺した矢野和弘の姉・志保(和田光沙)にインタビューしたい旨伝えたが、断わってきた。

原稿を見せて局プロの保土田の意見を聞くと「やめとけ、売れもしないものを作って!」という。登志子がインタビューで喋った「カメラが殺した!」という映像を見せて、(自殺に追い込んだのはメディアか?)志保さんに会って真実を掴むと走りだした。

有宇子はケーキを持って志帆を訪ねたが「家を出るのは反対だったが“娘愛理沙(大原結未)を守るため”にどんなに苦労したか!」とインタビューを断った。ふたりでケーキを食べて家に戻った。

家に戻ると父・政志が「萌の父親が訪ねてきた。もう話し合おうと思う」という。「告訴されたらどうするの。社会は許さない!ドキュメンタリーをやり遂げたい、でないとチームを失う、お父さんは楽になりたいだけ!」と父親を慰留した。

政志が駅前の遊歩道で哲也に会うと「女紹介します」と声を掛けられた。

有宇子は紹介された医師に萌を診断してもらった。「子宮外妊娠で手術が必要!このままにしておいたら死ぬよ!」と注意勧告された。

このようにドラマ進展に緊迫感があってとても面白い!

富山から「志保さんからアクションがあった」と連絡が入り、ふたりで様子見に出向いた。今の生活のことを話して、アルバイトに出て行った。

富山と別れ、遊んでいる愛理沙に声を掛けると「お前の家族は血筋が悪いと友達に虐められる」と話す。アパートに戻って愛理沙の勉強を教えながら、志保の帰りを待って“愛理沙の悩み“を話すと「あの子は分かっていたんだ!」と泣き崩れた。こんな志保を慰めて家に戻った。

編集会議で「矢島和之は学校側の被害者!」ということで、ドキュメンタリー構想が採用された。富山は大喜びだった。しかし、有宇子には問題が残っていた!「もうすぐ作品が放送されるから、待って!」と苛立つ父親を諫めた。

塾生のダイチから「萌は売りをやっている、信じるな!」と聞かされた。

有宇子は萌を病院に連れていくことにした。その途中で高山から「1分だけでいい、志保さんが話したいと言ってんだ!」と呼び出しが掛かった。

放送局の駐車場に萌を残して、部屋に入ると志保が「すいませんでした」と和之が女生徒を犯す映像を見せ、「遺言は自分が書いた!」と告白した。局プロの保土田が「登志子と志保をカット、編集やり直せ!」と求めてきたが、有宇子はこれを拒否した。「お前はどっち側だ!俺たちが繋いできたものが真実だ!」という富山を携帯で撮って、志保を庇って外に出た。

駐車場の車に戻って、病院に急ぐ車の中で萌に「あなたのお腹の中の子は誰の子?」と聞いた。萌が車を降りて走り出し、有宇子が追ったが見失った。萌は車両と衝突、大怪我を負い入院。

有宇子は病院で、「一命は取り留めた。萌は妊娠していた」と優しく見守る哲也に会った。お金の支援を申し出た。

病院から出て駐車場で「父が萌ちゃんを妊娠させた」と告白した。哲也が有宇子の首を絞めてきた。そこに富山からの携帯が鳴った、「構想なくなったじゃないか!」。

感想:

ドキュメンタリー・ディレクターとしての有宇子の正義が、父親の不義に直面して貫き通せるかを問いましたが、志保の告白を聞いて、自分のあるべき姿に辿り着けました。自分に直接降り掛かる問題には保身的になる!その正義を貫くことが如何に難しいか。

携帯で、父を、富山を、最後に“自分を写し”それぞれの正義を問うという演出が素晴らしかった!

ラストシーン、有宇子が哲也に首を絞められて“崩れ堕ち正気を戻すまでの間”、これが絶妙だった。この間、この親子の運命はどうなるんだ!と考えていた。有宇子の正義を問い直す演出が素晴らしい。

滝内さんの演技、完璧でした!「火口のふたり」のときと全く異なる演技、こんな人であったかとその変化に驚きました。

親子を演じた梅田誠弘さんと河合優実さんの演技がすばらしい。梅田さんの強面であるようで、決してそうではなかった。病院で傷ついた萌を優しく労わる柔らかい演技。河合さんの媚びることのない無垢な、自然な演技。この優しさが有宇子の正義を問う布石になりました。

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「ビューティフル・ボーイ」(2018)ティモシー・シャラメの進化を確認!

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「DUNE/デューン 砂の惑星」を観て、ティモシー・シャラメの進化を確かめようとWOWOWで鑑賞しました。

原作Netflix「13の理由」の脚本家として活躍する父親:デヴィッド・シェフが書いた「Beautiful Boy」と、息子:ニック・シェフが書いた回顧録「Tweak」と「We All Fall Down」。父親と息子それぞれの視点から描いた2冊のベストセラー回顧録です。

タイトルジョン・レノンの名曲「ビューティフル・ボーイ」、デヴィッド・シェフがレノンの最後のインタビュアーだったというから、レノンに捧げた作品かもしれませんね!

監督:フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン。脚本:「LION ライオン 25年目のただいま」のルーク・デイビス美術:「ルーム」のイーサン・トーマン、衣装:エマ・ポッター、編集:ニコ・ルーネン、音楽監修:ゲイブ・ヒルファー。

出演者:ティーブ・カレル、ティモシー・シャラメモーラ・ティアニーエイミー・ライアン、ケイトリン・デバー、他。

8年もの長い期間を経てドラッグ依存を克服した息子と、彼を支え続けた父親のヒューマンドラマ。

8年間をどう描くか?時期を「1年前」「大学生のニック」「今、」の3つのパートにわけ、過去の記憶を張り付けて、麻薬は一度やると決して元に戻らないことを描くといううまい脚本・演出でした。特に過去の記憶を張り付けるとき、数多くの曲で繋ぐという音楽の使い方が絶妙でした。しかし、各パートの繋ぎ、回想シーンが分かりずらかったですね!

テーマはタイトル通りで分かりやすいです。カレルとシャメラの親子の関係に泣かされますね!

物語は文筆家のデヴィッド・シエフ(スティーブ・カレル)がカウンセラーを訪ね、どうしようもなくなった麻薬常習者の息子・ニック(ティモシー・シャラメ)のことを相談するシーン、今!から始まる。相談しながら1年前の状況に移って行きます。

ニックはデヴィッドと前妻ヴィッキーの子。離婚して親権はヴィッキー。デヴィッドは画家のカレン・バーバー(モーラ・ティアニー)と結婚し、ふたりの子をなしている。ヴィッキーはロサンゼルスに、デヴィッドはサンフランシスコに住んでいる。

〇1年前のニック

大学がいやになってデヴィッドの元に帰っていたニックが、夜いなくなった。前妻ヴィッキーに居なくなったことを話すと「あんたのせい!」という。

18歳になったからやらない」というニックを治療施設に預けた。ニックはスポーツも万能、文学、音楽に優れた才能を持っていた。異母姉妹をとても愛するケチのつけようのない子だった。

4週間の治療を終えて、迎えに行くと「もうすこしここに居たい」と施設に残ったが、ある日突然施設を抜け出し行方不明。施設から出れば捜索は家族の責任と言われ、デヴィッドは雨の中、車で必死に探す。これまで何度もあった、確保したニックが車の中で暴れる姿を思い出す。濡れそぼったニックを家に連れ戻した。「みんなやっているんだ、くだらない現実を忘れるんだ!」と、やっと止めた麻薬をやりはじめる。うんざりするデヴィッド。

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デヴィッドはクリスタル・メタル使用の兆候や症状を調べてみた。ニックは「クルスタルメタルは特別だ、失望したか」という。この言い方にデヴィッドは「もう親子じゃない」と嘆いた。ニックが子供の頃、サーフィン中に沖に流され、見えなくなったがうまく波に乗って帰った記憶が戻ってきた。ニックは戻れる!!

「書くことが好きだから、ューヨークの大学に行きたい」と電話してきた日のことを思い出した。「なにしに大学へ行ったんだ!」と。

〇大学生のニック

デヴィッドはニューヨークの大学寮までニックを送って、部屋を点検して戻るほどの親バカだった。

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ニックはすぐに文学的能力を発揮して、学友の中でも目立ち、寮のパーティーでローレン(ケイトリン・デバー)と知合った。トイレに薬が置いてあり、これで味を覚えた。デヴィッドは「どうだ?」と電話し、ニックの声を聞いて安心していた。が、ニックはローレンと恋に落ち、薬の世界に深く入って行った。そして虚ろな目で街を彷徨するようになった。ここでのシャラメの表情は秀逸です!

休暇でデヴィッドの家に戻った。義理の姉妹と楽しそうに遊ぶニック。父の車を借り、薬をやって運転。帰宅し眠った。朝起きると「姉妹の小遣いを盗んだ。ハイなのか?」「原因はお前だ!お前にしか止められん」とデヴィッドから注意され、嫌になってニックが出て行った。

この夜、ニックの断禁状態を思い出しながら、デヴィッドはニックが記録していた“麻薬日記”を読んだ。そこには余りにもおぞましい症状と「戻るのはあまりにも遠い旅だ!」と書かれていた。

カフェでニックに会った。ニックは「200ドル欲しい、ニューヨークに行く」と言った。「家に帰って来い」と言ったが、「無理だ。あんたはいつも管理したがる」と怒って店を出ていった。家に戻ると「あなたはニックにばかりに拘わる、娘たちが待っているのに」と妻のカレンがヒステリックになる。

 ここからねたばれ(取り扱い注意!)

〇今、

デヴィッドはカウンセラーからニックの状態は「戻る確率は一桁だ!」と聞かされた。

夜、ニューヨークのベルビュー病院から連絡があり、駆けつけた。病院で薬の過剰摂取だと言われたが、本人がすでにどこかに消えていた。空港の待合室で会った。「もう止める」と泣くニック。寮に戻り、前妻のヴィッキーに電話して病院を探した。LAに見つかり「私が引き取る」という。

幼かったときのように、眠るニックに毛布をかけて、「ビューティフル、ビューティフル、ビューティフルボーイ」と歌った。そして、幼いころ、空港で「愛している世界中の言葉を集めても伝えきれない、お前を思う気持ちが全てだ!」とヴィッキーの元に送り返した日のことを思い出した。こんなダメ息子の姿に一層愛しさがこみあげてきた。

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ロスの施設で治療に励んだ。ヴィッキーの支援を受けた。すっかりやせた(シャラメは9kg減量をしたという)。施設の反省会で「薬のない人生が最高だ。父も母もすばらしい、僕を誇りに思っている」と自己反省するまでに回復した。

父のいるサンフランシスコへ。ドライブ中に窓から手を出して風を受けるのが気持ちよかった。父が結婚式で「息子を愛してくれてありがとう」とカレンに感謝する姿を思い出した。

家に着くと家族が暖かく迎えてくれた。デヴィッドはしっかりニックの症状を把握していて(カウンセラーから知識を得ていた)「2年はかかるが大丈夫だ」と励ました。しかし、ニックに尿検査を求め、これがニックには気に障った。

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翌日、家族でサーフィンに出掛けた。波が高く子供たちに海に入ることを禁止した。ニックも海に入らず、子供たちの相手をして遊んだ。

ひとりでドライブしていると施設のカウンセラー・スペンサーから「一歩づつ現実社会に戻るんだ!」と連絡が入った。「現実社会なんて嫌だ!」と夜の街に出て、ローレンに会った。ホテルにしけ込みふたりで薬をやった。

デヴィッドが帰ってこないニックを心配しヴィッキーに「何でこうなるんだ!」と電話した。ふたりは喧嘩になった。

カレンが「ロスでなくサンフランシスコにいるんじゃない」と言い出し、カレンとも言い合いになった。薬というは本人だけでなく、家族を破壊していく。デヴィッドは車で海岸付近の捜索に出た。

デヴィッドは子供たちの水泳大会に参加していた。が、子供たちの水泳を見ず、ニックのことばかり考えていた。

その頃、金欲しさにニックとローレンが家にやってきたが、誰も居ない。家に入って物色しているところに家族が戻ってきた。ニックとローレンは車で逃げた。カレンは必至に車で追ったが見失った。カレンは義母であることの自分の無力に泣いた。

夜、車の中でローレンが薬の過剰摂取で倒れ、救急搬送された。ニックはデヴィッドに「家に帰りたい!」と電話したが、デヴィッドは「頑張って人生をやり直せ!」と突き離した。デヴィッドは部屋に飾ってあるニックの写真を取り外した。ヴィッキーに「面倒みきれない」と連絡すると「私は諦めない!あなたの力が必要」と諦めなかった。

カレンと一緒に麻薬家族会の集まりに参加し、薬で娘を失った母親の話を聞いた。「娘が生きていても喪中だった、でも何かしようと思っていた。今は何もすることがない」と悔やむ言葉に強く打たれた。ニックを放って置けない!デヴィッドはニックを探しに出た。

ニックは父の言葉に絶望し、大量の薬を飲んで意識を失っていたところを救助され、病院に収容されていた。

デヴィッドが駆けつけるとヴィッキーが居た。

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感想:

ラストシーン。病院のベンチに掛ける父とニック。ニックが父に寄り掛かかり泣き始める。“これで決して元に戻ったわけではない”ことを、この作品で嫌というほどに見せられました。これが本作の狙いでしょうか!

ニックはナレーションで8年後もやっていないと示された。元に戻ったとはいわない!!

薬中毒は一度やると元に戻るのが難しい、どうにもならないことを教えてくれます。よくなって家に戻っていても、ひとりになると突然薬が欲しくなり、その欲望が押さえられない。これを止めるには家族の他に多くの人の手が必要だということを教えてくれます。

麻薬という病を癒す薬は愛しかない。ティーブ・カレルがたっぷりとこの愛の姿をみせてくれました。すばらしい演技でした。

病めるニック、とんでもない姿からとても美しい姿まで、これぞティモシー・シャラメとばかりに見せてくれます。フアンには堪らない作品ですね!ティモシー・シャラメのための作品でした。😊

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「燃ゆる女の肖像」(2019)

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18世紀フランスを舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像を描く女性画家の鮮烈な恋を描き、2019年・第72回カンヌ国際映画祭脚本賞クィアパルム賞を受賞したラブストーリー。

とても評判のいい作品。監督の経歴を調べていて興味を持ち、WOWOWシネマ初放送で観ることにしました。

監督・脚本:「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマ。今、フランスで最も勢いのある女性監督。同性愛者であることを告白しており、本作のエロイーズを演じるアデル・エネルとは07年頃から18年頃まで交際していたとのこと。

撮影:クレール・マトン:美術:トマ・グレーゾ、衣装:ドロテ・ギロー、編集:ジュリアン・ラシュレー、音楽:ジャン=バティスト・デ・ラウビエ。

出演者:ノエミ・メルラン、アデル・エネル、ルアナ・バイラミ、バレリア・ゴリノ。

画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)ブルターニュの貴婦人から娘エロイーズ(アデル・エネル)の見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。エロイーズは結婚を嫌がっているため、マリアンヌは正体を隠して彼女に近づき密かに肖像画を完成させるが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを批判されてしまう。描き直すと決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出る。キャンパスをはさんで見つめ合い、美しい島をともに散策し、音楽や文学について語り合ううちに、激しい恋に落ちていく2人だったが……。

物語はマリアンヌがモデルとなって、生徒に描かせているシーンから始まります。生徒が「誰の自画像?」と尋ねる。この自画像を巡るマリアンヌの回想という形で描かれます。

あらすじ(ねたばれ):

マリアンヌは伯爵家から娘エロイーズの婚礼に必要な自画像の製作を依頼された。自画像は輿入れに先立ち、結婚相手に自分を差し出すために作られるもの。

マリアンヌが汽船を降りてボートーでエロイーズが暮らすブルターニアの孤島を訪ねる際、ボートが揺れ、海に投げ出された画具を自ら海に飛び込み拾い上げます。とても気丈な女性です。

伯爵館にはメードのソフィア(ルアナ・バイラミ)が待っていた。姉が縁談を断り断崖から飛び込み自殺しエロイーズがその代わりに嫁ぐことになった。が、彼女は自画像を画かせないという。肖像画はエロイーズにより顔が黒く塗りつぶされていた。

母親の伯爵夫人(バレリア・ゴリノ)に、「これまでの画家は画くことが出来なかった。あなたは画けますか?」と聞かれ、「画家ですから!」と自信をもって返事した。「エロイーズは散歩好きだから付き合って!」という夫人の示唆で、エロイーズをモデルとして椅子に座らせポーズをとって画くのではなく、散歩しながら彼女の特徴を押えて秘密裏に仕上げることにした。

エロイーズは修道院で生活していた。そのせいか、散歩中話すことなく自分勝手に歩き、海辺では姉を偲ぶように海に目線を送り、「泳ぎたい!」と言い出すが海に入ることはなく、閉ざされた中での生活しか知らない女性だった。荒れる海と殺風景な陸地がエロイーズの気持ちを暗示しているようです!

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顔や手など露出した部分は観察した感で、洋服部分は自分が衣装を着て鏡で見て画いた。

エロイーズに見せると、「あなたは画家だったの。この絵は私でない」と怒った。伯爵夫人は「本土に帰るので、戻ってくるまでに仕上げて!」と厳命して家を出て行った。

厳しい伯爵夫人の態度に毅然としているマリアンヌに、エロイーズは「(この女は信頼できる)モデルになる!」と言い出した。エロイーズはマリアンヌに「結婚しているの?」と聞いてきた。「結婚したが今はひとり。これからずっとひとりで父の跡を継ぎたい」と答えた。

伯爵夫人不在で、箍が外れたようになり、散歩も今までと違って会話を交わしながら歩き、エロイーズは海に入り楽しみ、マリアンヌからギリシャ神話を借りて読むようになっていった。

ソフィアが妊娠してると告げた。マリアンヌとエロイーズはソフィアを原っぱに連れ出して、駆けっこしたり、転がすが、子は下りない。(笑)この時代の女性蔑視の惨めさが痛い。三人には連帯感が生まれ、エロイーズに笑みがみられるようになっていった。

ソファーで眠るエロイーズを画いて、マリアンヌは特別な感情が生まれてくる。

エロイーズがギリシア神話オルフェウスとエウリュディケーの物語」で、冥界に妻を救いに行ったオルフェウスが地上に戻る寸前に、なぜ妻を振り返ってしまったのかと聞く。マリアンヌは「愛があったから!」と答えると、ソフィアが「振り向いてはだめなの!」と叫んだ。エロイーズはいずれ訪れる別れで“振り返ると愛は終わることを知った。

エロイーズの肖像画がこれまでのものとは異なり、真の愛情が篭った美しいものに仕上がっていった。

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ソフィアが苦しみ始め、助産婦のところで下してもらうことにした。ソフィアは助産婦の子供のいる部屋で、股間を拡げ手術を受けた。マリアンヌは「見たくない」と言ったが、エロイーズはしっかり見るよう促した。手術が終わり館に戻った三人。ソフィアに手術時の姿勢を取らせ、エロイーズが助産婦役となり、マリアンヌに画かせた。エロイーズは堕胎を絵にして残し、女の性をしっかり自覚し始めた。

マリアンヌとエロイーズは村の火祭りに参加し、村人が一斉に歌い始め、ふたりもこの歌声に吸い込まれていった。エロイーヌの裾に火が移り燃え上がった!火の中のエロイーズの美しさ。マリアンヌがエロイーズにキスしていった。エロイーズがこれを受け入れた。

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これを機会にふたりはベッドで触れ合うようになっていった。

館に戻った伯爵夫人に、マリアンヌはエロイーズの肖像画を見せて満足してもらい、エロイーズの花嫁姿を見て、振り変えることなく館を去った。やがてエロイーズは嫁ぎ、そこで味わった愛は苦痛だった。

マリアンヌが肖像画の展覧会に出向くと、そこでエロイーズが男の子と一緒に神話オルフェウスのページを開いている肖像画を見た。最後に見たのはオペラハウスで、決してマリアンヌに視線を移さず、涙ぐむ姿だった!

感想:

荒々しい波が打ち付けるブルターニュの孤島での、ふたりの愛し合う姿は、18世紀という時代を超えて、絵画のように美しかった。女性だけのドラマというもの珍しいですね!

女性の心理はよく分かりませんが、マリアンヌが屈託なく、くろいでいる柔らかいエロイーズに惹かれ、エロイーズはマリアンヌの強い意思と知性、佇まいに惹かれていったんだと思います。とてもシンプルで、セリフも少なく、ふたりの愛の表現力で見せてくれます!女性監督ならではの表現力でしょうか!

むしろこのドラマで受けた衝撃は、ラストでのエロイーズの結婚後の苦悩。ラブストーリーが僅か数分後に一転して社会派ドラマに転換し現在に繋がるという鮮やかさ!

ギリシア神話オルフェウスとエウリュディケーのように、オペラハウスで再会しても、決してエロイーズがマリアンヌを見ないというシーン。

愛を確かめることなく肖像画を差し出して結婚。男性優位の中で、女性には必ずしも幸せではなかった。ブルターニュの孤島での愛に生きていた。男性優位は200年を得た今もなお、いろいろな形で続いている。

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日曜劇場「日本沈没-希望のひと―第3回」

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第3回「守るべきは経済か?人命か?」

 あらすじ:

「関東沈没が1年以内に始まる、確率は50%」という田所博士(香川照之)の分析報告を総理官邸で聞いた天海(小栗旬)は、避難対策の緊急性を強く訴えた。しかし、里城副総理(石橋蓮司)は田所を詐欺学者と決めつけて相手にせず、東山総理(仲村トオル)もすぐには決断できないでいた。

東大地震研究所の世良教授(國村隼)が研究所を辞めたことから毎朝の記者椎名が動きだした。

天海とともに危機感を募らせる常盤(松山ケンイチ)に、毎朝の記者・椎名(杏)が接触してくる。彼女は田所が総理官邸に招かれたことで、ただならぬ事態が起きていると感じていた。

その夜、常盤は常盤グループ会長で父親の統一郎(小野武彦)に呼ばれた。そこには里城がいた。同期である天海の人間性や関東沈没説に対する見解を聞かれ……。

日本未来推進会議で関東沈没への対策を議題に検討会が開かれた。その席で天海が、地球物理学の世界的権威であるアメリカの教授・ジェンキンスモーリー・ロバートソン)が田所博士の分析を支持したことを告げると、会議は一気に緊迫感を増す。各省庁の代表がそれぞれの視点から論争が繰り広げられる中、国民にどう伝えるかで天海と常盤の意見が割れてしまう。

そして、その裏には里城副総理の影が…。四千万人の国民の命か…国の経済か…。天海が決断へ、一歩踏み出す。

ここからねたばれです(要注意)

天海のアパートに妻・香織(比嘉愛未)が色々考えた末の結論だと離婚して九州に引っ越すから離婚を認めが欲しいとやってきた。天海はあっさりとこの離婚炉解けにサインした。

常盤は会社に父統一郎を訪ね、「(会社が面倒見ることになった)世良教授から重大な秘密を聞いたか」と尋ねたが、返事はなかった。

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東山が「不動産を買う動きが拡散している、極秘情報の漏洩は困る」と里城副総理に苦言を呈すると「俺を首にしてもいい、あなたの力でどこまで政権を維持できるか見てみたい」と脅す。

常盤からホテルのバーに誘われ、「里城先生が情報を漏らしている」と話す、天海は「さすが里城先生!」と思った。田所博士からもらった新しい情報「関東沈没の開始は半年、確率は70%」を伝えた。バーには椎名がいて、この会話を傍聴していた。このあたりちょっと安っぽい!

朝、椎名は食事時、それとなく母親(宮﨑美子)に「弟が居る長崎にいったら!」と勧めた。

日本未来推進会議。常盤が「情報を明確に示す!」と主張、天海も「避難には時間があかる。一気に情報を開示すべき!」とこの考えを支持した。いかし「各省庁、地方自治体と段階的に開示すべき!」の意見が強い。決を採って「段階的に開示する」と決まった。天海は「遅れる!」と思った。ふたりが対立しているがいずれ理解し合うでしょう。

椎名が銀座のバーで傍聴した会話を記事にして、天海に見せ「自分の使命だか怖い、発表してよいか?政府に合わせます」と判断を求めてきた。天海は「政府に発表はない」と応じると「事態は切迫している。私が書きます!」と去っていった。

椎名は編集長に記事を提出したが「これは出せない。出したら廃刊になる」と断られた。

天海は総理、副総理に「記者が嗅ぎつけている。発表すべきだ」と進言したが、副総理は「握り潰せ!」嘘つけ!」と言い、総理は「2か月以内に、慎重にやる」と。官房長・長沼周也(杉本哲太)が「兆候がない!」と発言。天海が「兆候がなく地震はやってくる」と反論した。

天海は椎名に会い「記事は出るか?」と確認すると「記事は出ない。編集長が政府側の報復を恐れている」という。天海は椎名を「一緒に闘おう」と説得して記事発表に漕ぎつけた。

新聞記事、TVニュースで報道され5あ。SNSは大混乱!

日本未来推進会議。「リークしたものはいないか?」「国家秘密を洩らした者はいないか」と犯人捜しが始まった。

感想:

今まで嘘ついたんだから、嘘つけばよい」という里城副総理。これに従う総理、官僚、財界。まるで今の政治世界を見たような風景でした。よくぞ選挙の中で放送しました。(笑) 石橋蓮司さんの演技が迫力あってよかった!

今回の問題は、情報の開示時期と秘密保持。とても考えさせられる内容でした。

誰しも関東沈没など信じたくない。しかし、起きたらどうする、とんでもない災害になる。未来を考える人が必要です。

情報開示で「逐次情報を開示し、各自治体まで広めていく」という椎名のやり方に、「途中で歪曲され混乱を招く、一気にだ!」と天海が反対。ここはどちらの言い分も正しい。開示する時期、内容を見ないと判断はできない。

大きな危機対策構想の中で(目先を追うな!)、何をいつ、どう公開するかという視点から伝え方を決めるべきで、初動ではなによりも総理の決意が大切です。

情報が漏洩するなかでは、混乱を防ぐため、早期に国の情報開示が必要。天海が汚い手を使って開示しましたが、こうでもしないと政府が動かない。(笑)しかし、この時期、この新聞報道内容はまずい。大混乱でしょう。

総理が「2か月待って!」という根拠?遅すぎます、初動の失敗を早く挽回すること。もう起こってきまったこと。誰が情報を漏らしたかなど仔細なことです。

里城副総理からの地震情報漏れ。田所博士の研究を内閣府の下に置いたが、この人のコントロールが出来るか?(笑)、わが国の緊急事態下の情報管理はどうなっている。

天海が離婚して福岡に住むという妻の離婚届けにサインしたこと、椎名が母親・和子(宮﨑美子)に長崎の弟のところにいったほうがいいと勧めたこと。これが国民の心情でしょう。これに応える情報開示が必要です。

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