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「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」(2019)

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中合作作品に役所広司さん出演ということで観ることにしました。役所さんのこんな激しいアクション作品を知りません。ご本人はもうやらないと仰っておられるようですが、よくぞ怪我がなくてよかったと思います。(笑)

標高8,848メートルを誇る世界最高峰のエベレストを舞台に、救助隊チーム・ウイングが墜落した飛行機からの機密文書回収に挑むというスペクタクルエンタテイメント作品。エベレストを背景にした愛とアクションの物語が、中国風に味付けされ、それは壮大です!!

監督がゲーム会社Gameloft社の元中国グラーバル副総裁、中国支社の創立者、エベレストに登頂しているという異色の監督ユー・フェイ。初監督作品で、監督の経歴がよく出た作品だと思います。

プロデューサーは「レッドクリフ」のテレンス・チャン。このあたりに役所さんの出演理由があるようです。

共演は、チャン・ジンチュー、リン・ボーホン、ビクター・ウエブスター、ノア・ダンビー、グラハム・シールズ、ババック・ハーキー、ブブツニン。

あらすじ:
ヒマラヤ周辺国家が地域の平和のためのカトマンズサミット。サミット開催前に機密文書搭載の飛行機がエベレスト南部に墜落。その文書はヒマラヤ地区の平和的局面を脅かす可能性のあるもの。インド軍側は特別捜査官を自称する2人の男を緊急に派遣し、ヒマラヤ救助隊「チーム・ウイング」に機密文書回収を依頼する。回収に与えられた時間は48時間。隊長のジアン(役訴広司)は隊が深刻的な財政難であるという現実を前にガイドの依頼を引き受け、標高8848m、氷点下50度という苛烈な雪山の頂・デスゾーンに挑む背後で、世界規模の陰謀が動き始めていた。ジアンと新たにテームに加わったシャオタイズ(チャン・ジンチュー)はこの山で大切な人を失っていた。

物語は非常にシンプル。機密文書の回収を巡るチーム・ウイングと特別捜査官の戦いにシャオタイズの亡き恋人探しを絡め、アクションと結構な泣ける愛の物語になっています。
嘘みたい話しだと思いましたがそうでない!
この脚本は、テロリストが登山客を標的に自分たちの権威を示してパキスタン政府に圧力をかけたというナンガ・バルバット登山家襲撃事件(2013)、エレベストで多いデス・ゾーンでの死亡事故、ここでの危機に直面したパーティの決断、イギリスの登山家ジョージ・マロリーの逸話(映画「エヴェレスト神々の山嶺」)を加えて出来上がっています。 

しかし、8000mのエレベストでこのアクションが可能なのか?監督が出来るというのであれば出来るんです。(笑)

主役は役所さんになっていますが、大半のアクションを担当し元恋を探し求めるシャオタイズ役のチャン・ジンチューが実の主役。登山技術、格闘技をしっかり見せてくれますが、登山装備が一番のお気に入りで、特にスカルパの靴。(笑)
チーム・ウイングの隊長・ジアンを演じる役所さん。64才にしてこのアクションは大変でしたでしょう。日中合作で“特にということ”でテレンス・チャンからのオファーは断れなかったでしょうね。
日中友好のために、若い監督、諸外国の俳優さん、若い人と一緒になりリーダーシップを執ったのが良い! 役名はジアンでなく日本名にして欲しかった!

**(ねたばれ)
冒頭、チーム・ウイングが、ジアン隊長指揮のもと、岩壁で動けなくなった登山者の救出時、突然の雪流れが起こる。この状況でジアン自らがヘリから飛び降り救助に・・。

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この事故から3日後、チームウイングのクラブバーに、自称インドの捜査官、ヴィクター(ビクター・ウエブスター)とマーカス(グラハム・シールズ)のふたりがやってきて、「インドの航空機がネパール側、デッドゾーンに墜落。機には平和の鍵を握る重要文書が載せてあるとして、この文書を探して欲しい」という。

ジアンは乗り気ではなかったが、会計担当のスヤ(ババック・ハーキー)の金がないという意見で、行うことにした。

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メンバーを強化したいと思っていたところに5年前に恋人を失ってチーム・ウイングを離れていたシャオタイズが一緒に連れていってくれという。ジアンは名アルピニストといわれた亡き娘を見る思いでこれを受け入れた。出動チームはカナダ人のジェームス(ノア・ダンビー)、山岳医師のタシ(ブブツニン)、パイロットのハン(リン・ボーホン)、これにシャオタイズが加わった。

まずはパイロット・ハンの操縦するヘリで、5900mの第1キャンプに降り立った。深いクレパスにロープを張って渡るシーンは迫力がある。ロープで繋がっての雪中行進でここから7300mの第3キャンプへ移動。ヘリは5300mのベースキャンプで待機。

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ここから秘密文書回収に隊長のジアンと依頼人のヴィクターが出発。ジェームスとシャオタイズ、マーカスがここで待機。

シャオタイズが、クラブバーで留守番しているスヤから、ふたりは怪しいという情報を聞き終えたところにマーカスがテントに入って来る。スヤは金に目が眩んだようで顧客選びに失敗したらしい。

シャオタイズは逃げたが、谷に突き落とされ気を失い、翌朝目覚めキャンプに戻って来る。

無線機を巡ってマーカスとシャオタイズの格闘。氷壁に逃げるシャオタイズ。負うマーカス。氷壁でロープにぶら下りながらの格闘。シャオタイズのアクションが見せ場です。

無線機を手にしたシャオタイズがマーカスニに気付かれないようモールス信号でベースキャンプのハンに連絡。ハンがヘリで現場に。しかし、そこにマーカスがいて、拳銃で後部回転翼を撃たれ、ヘリが激しい回転しながら地表に激突炎上、ハンが危機一発で脱出したが負傷。
シャオタイズとマーカスがアイスハンマーで激しく戦うが、ハンの投げたライターでマーカスの登山衣が炎上、火ダルマになって谷底へと消えた。

一方、ジアンは第3キャンプとの通信が途絶えたことで、「文書回収より大切なものがある」と下山しようとすると、ヴィクターが正体を表しジャンに墜落機への誘導を強要する。

通信が途絶え負傷したハンはシャオタイズに「自分を置いて降りろ!」と勧めるが、シャオタイズは亡くした恋人のことを想い諦めなかった。ジアンの位置(GPS)を知ったシャオタイズはハンに「待っていて!」と声を掛け、氷壁を登り始めた。

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遂にジアンとヴィクターが取っ組み合いの格闘となった。ヴィクターのピッケルがジアンの腹に刺さる。ジアンは「あいつには追い付けん!」とシャオタイズが先に墜落機に着くと期待して倒れ込んだ。

シャオタイズは氷壁を登り切り、墜落機にたどり着き、機密文書を手に入れた。そこにヴィクターが現れたが、目の前で文章を焼き、遅れてたどり着いたジアンとパラグライダーで、追いすがるヴィクターを振り切って脱出。唖然!! この手があったか。(笑) しかし、失速しシャオタイズはクレパスに落下。ジアンは行方不明に。

物語には終わりがあれば始まりがあると、(笑)シャオタイズがクレパスのなかで氷詰めになっていた恋人と再会を果たすという恋物語

誰が要請したかは分からないがというヘリで救出されたハンが、かってのチーム・ウイングのクラブバーを訪ね、亡きメンバーを追悼するシーンで終わります。
突っ込みどころが沢山ありますが、役所さんの熱演を観て、満足でした。
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映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」本予告(60秒)11/15全国公開!