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「遊星からの物体X」(1982)奇怪な物体が人間擬態(X)となり襲いかかる恐怖、本当に怖いのは!

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宇宙生物を題材にしたSFスリラーの金字塔ともいえる作品。まだ見ていなかった!というわけで「エイリアン」(1979)とともに鑑賞しての感想です。

原作:ジョン・W・キャンベルの短編SF小説「影が行く」。本作は1951年に次ぐ2度目の映画化とのこと。

監督:ジョン・カーペンター脚本:ビル・ランカスター撮影:ディーン・カンディ音楽:エンニオ・モリコーネ特撮:アルバート・J・ウィットロック、ロイ・アーボガスト、リロイ・ルートリー、ミッチェル・A・クリフォード、メイクアップ:ロブ・ボッティン、追加モンスター(ドッグモンスター)製作:スタン・ウィンストン

出演者:アメリカ観測隊の12名。

カート・ラッセル、A・ウィルフォード・ブリムリー、T・K・カーター、デヴィッド・クレノン、キース・デイヴィッド、リチャード・ダイサート、チャールズ・ハラハン、ピーター・マローニー、リチャード・メイサー、ドナルド・モファット、ジョエル・ポリス、トーマス・G・ウェイツ、他。

テーマから12名の隊員が必要なことは分かりますが、いつ誰が生物体に乗っ取られたか?一度では覚えられない。(笑)

あらすじ;

南極の大雪原。一匹の犬がアメリカの観測隊基地に現れるが、犬の正体は10万年前に宇宙から飛来し、氷の下で眠っていた生命体だった。生命体は接触した生物に同化する能力をもっており、次々と観測隊員に姿を変えていく。このままでは、およそ2万7000時間で地球上の全人類が同化されるということがわかり、基地は通信手段、交通手段を断って孤立。そんな状況下で、隊員たちは次第に相手が生命体に同化されているのではないかと疑心暗鬼に包まれていく。

感想:

いずれの作品も、宇宙からやってきた生物がいかなる形状をしているか?とその造形に恐怖する。そしてその生物が誰に乗り移っていくかというミステリィアスな展開を楽しむことができます。

コロナ禍の環境下で観るためか、1粒に3つの味!?が楽しめるという“から揚げクン”の味にも似た、奇怪な物体が人間擬態(X)となり襲いかかる恐怖を描いた本作に、生々しい恐怖を感じます(笑)

ヘリから一匹の犬を追い詰め、射撃するがなぜか当たらない?この射撃手がアメリカ観測隊員にも銃を向ける。隊長・ギャリー(ドナルド・モファット)が射殺。この間、隊員にすがり、基地内を歩き廻る犬を檻に収容した。墜落したノルウエー隊ヘリを調べると異様な遺体? を発見。

 

ノルウエー観測隊に何があったか?とその基地をヘリパイロットのマクレディ(カート・ラッセル)とドクター(リチャード・ダイサート)が捜索。そこで見つけた焼死遺体と記録フィルムを持って基地に帰ってきた。生物学者・ブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)が物体の臓器から取り抱いた異形の人間擬態。これからどんな物が出てくるんだ!とギョットとさせられる。

犬の泣き声で、犬係・クラーク(リチャード・メイサー)が見に行き、そこで見たのは「犬の頭が割れて触手が出てくる異形物」だった。これまでに見たことのない恐怖を覚えた!

隊員総出で射殺、焼死させた。これをブレアが解剖すると内蔵から犬の擬態が出てくる。ブレアはクラークが擬態の犬と1時間一緒にいたことに不安を覚えた。

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記録フィルムからノルウエー隊が雪原の巨大なクレーターを発見した映像を見て、マクレディら3人がヘリで飛び、約10万年前のものと推測される氷の層にある巨大な構造物を発見した。

ブレアはエイリアン細胞が人間細胞と合体し増殖して人間に偽造されることが分かった。およそ2万7000時間、約3年で全人類が同化されることを知った。

誰も気づかない中で、焼死遺体から血液が流れだし、人間を求めて動き出した!

生物学者のフェークスがブレアの論文を読んで焼かれた細胞は死んでないと内密にマクレディに伝えた。その時、通信手のウインドウズが遺体の安置部屋にいた気象学者のべニックスの姿がないことに気づき、室外を探すと、エイリアンの擬態となったべニックスを発見、焼却した。

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無線機やヘリ等を破壊するブレアを取り押さえ、別棟の倉庫に閉じ込めて厳重監視下に置いた。が、基地は孤立無援となってしまった。ブレアがクラークが危険だとマクレディに伝えた。

エイリアンに乗っ取られていないかと隊員たちが疑心暗鬼に陥った。この恐ろしさが、コロナ禍の恐ろしさに類似している!

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ドクターの見解で保管血液に採取した血液がどう反応するかを試す血液検査を実施することに決まった。が、保管血清が誰かの仕業で使えなくなっていた。鍵の保管責任者の観測隊長のキャリーが疑われ、ウインドウズと銃で向き合う事態になった。この騒ぎで、キャリーが「統率できない!」と隊長を降りると言い出す。お互いが殺しあうことになりかねない!

エイリアンは擬態となるとき衣類を脱ぐという習性がある。フェークスはマクレガーの捨てられた衣類を見て自決した。マクレディは衣類が発見されたことで屋外に放り出され、部屋に入れてもらえない。マクレディはダイナマイトを抱えて部屋の隊員を脅して部屋に入った。

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そのとき地球物理学者・ノリスが心臓発作で倒れた。ドクターが電気ショック用のパドをノリスの胸に当てようとした瞬間、その手がノリスの腹に刺さりうぃ食い千切られてしまった。中からノリスの擬態(首だけ)が出てきて威嚇する。ノリスを火炎放射器で焼くと、首が離れ、口から触手を出して、動き回るここまでくると、怖さを通り過ぎて、可笑しくなってくる。(笑)

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マクレディの指示でウインドウズとパーマーが他隊員を縄で拘束し、他の隊員の血液を採取し、マクレデが熱く熱した鉄棒を突っ込んで血液の反応を見ることにした。この検査に反対したクラークを射殺した。しかし、クラークの検査結果は人間だった。ところがパーマーの検査で異変が起きた。パーマーが擬態だった!エイリアンとなって天井に張り付き、ウインドウズに食らいつく。これをマクレディが火炎放射機で焼き殺した。

この検査で正常と判定されたキャリーとチャイルズと検査したマクレディの間に大きな不信感ができた。

ここまでで何人、誰が擬態となったか掌握できていますか?(笑)

マクレディはチャイルズに「万一、ブレヤが来たら殺せ!」と母屋に残し、ブレヤの血液検査のためにキャリーとノールスを伴って隔離部屋を訪れ、地下にヘリの廃品で作られた衛星船を発見したが、ブレヤの姿はなかった。チャイルズが姿を消していた。

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マクレディは基地施設を爆破してエイリアンを撃滅し、その暖で救助隊を待つとして、電源室に爆破を仕掛けることにした。ブレヤがキャリーとノールスを襲い巨大なエイリアンとなり、マクレディを襲ってきた。マクレディは準備した爆薬に火をつけ基地を大音響とともには破壊した。そこにチャイルズが現れ「俺は擬態か?」と言う。ふたりは救助されるのか?

まとめ:

原作のすばらしさ。空間と時間、そして音響を巧みに使って観る人を恐怖に誘うジョン・カーペンター監督の演出のうまさ。これを圧巻のメイクで仕上げたロブ・ボッティンの擬態造形術と特撮の見事さ。しかし、マクレディによる血液検査以降、エイリアンによる恐怖演出のやり過ぎが笑いになってしまうのは監督の悪戯(唐揚げの二度揚げ)?これで真の恐ろしさは何か?と、ラストの結末がよく効いて、名作です!

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