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宮﨑あおいさんを応援します

映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012)

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の公開を控え、この国民的ヱヴァンゲリヲン祭りに参加しようと、歳も顧みず(笑)、「破」に続いて、NHKBSプレミアムで観賞です。
 
スタッフ、キャストは言わずもがなですが、
総監督:庵野秀明さん。監督:摩砂雪鶴巻和哉さん。
声優は緒方恵美林原めぐみ宮村優子坂本真綾三石琴乃山口由里子立木文彦清川元夢さんらです。

「Q」はこれまでの作品と違って、“一見さんお断り”というほどに、わけ分からない作品でした。(笑)
とは言え、3作品を通してのテーマは何か? これこそがヱヴァンゲリヲン物語、「人類補完計画」物語ではないかと、絵図が先行して説明が足りませんが、見ないではおれないというミステリアスで衝撃的な作品でした。(笑)


これまでの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

あらすじ:
時は「破」から14年後。ザーレとネルフの「人類補完計画」に異を唱えて、ミサトやアスカたちが「ヴィレ」なる反抗組織を結成し十分力がついたところで、ニアサードインパクトのトリガーとなった、今ではザーレの管理下にある「エヴァ初号機を奪回作戦」から物語が始まります。

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戦場は宇宙空間らしいですが、暗くて、声が小さくて、突然前作で消えたアスカが眼帯と赤い衣装でエヴァ2号(改)を操り、さらに能天気な声のマリがエヴァ8号で登場、わけわからない。(笑) 作戦は大成功で、エヴァ初号機はヴィレの旗艦AAAヴィダーに収容された。目覚めたシンジは情況が理解できない!こちらと同じです。(笑)

ミサトが隊長でリツコが副隊長です。パイロットにアスカとマリがいる。ところがシンジにはよそよそしい態度。まるで罪人扱いだ。首にDSS(Deification Shutdown System)という「神格化遮断システム」を着けられ「エヴァには乗るな!」と厳命される。

そこに、ネルフがレイ(のクローン)が搭乗するマーク9を派遣し、シンジを奪う。

シンジはネルフ本部で、父ゲンゾウと再会するが「エヴァ13号に乗れ!」と一言声を掛けられ、与えられた部屋で過ごすことになった。
そこで出会ったのが、サードインパクトを止めたマーク6号のパイロット・渚カオル。ふたりはピアノの連弾を通じて心を通わせるようになっていきます。

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第3新東京市の惨状を見て、自分が引き起こした事件だとカオルから知らされたシンジは、カオルの勧めで「フォースインパクトを起こさせないことで償う」とダブルエントリーシステムに改造されたエヴァ13号で、エヴァ9号の援護を受けながら、14年間封印されているというリリスの結界へと進入した。カオルはシンジを助けることを誓って、その担保にシンジが付けているDSSを自分の首に付けた。

目的はセントラルドグマの最深部にある2本の槍ロンギヌスとカウシウスを手にいれることであった。

最深部には無数の骸とリリスの亡骸(首がない)そしてエヴァ:マーク6の屍(自律タイプに変更されたという)を目にした。槍はリリスの屍に刺さっていた。

エヴァ13号の動きをキャッチした“ヴィレ”はエヴァ2号(改)とエヴァ8号を派遣。激しいアスカとマリの攻撃を受けながら、シンジは槍を手にするが、槍は2本ともロンギヌスだった。

これではフォースインパクトは止められない。槍を抜かれたリリスの亡骸は融解して使徒12号が現れ、エヴァ13号に寄生して覚醒。フォースインパクト発生の儀式が始まった。

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カオルとシンジはどう対処するのか? そして“ヴィレ“の対応は? さらにザーレとゲンドウの思惑は・・。

               
感想:
フォースインパクトとは何か。なぜ2本の槍でフォースインパクトが止められるのかという、この作品の基本的世界感をしっかり押さえてないと物語に入り込めない。この点について、極めて不親切です!(笑) 

ゼーレとネルフ人類補完計画」については、これまで語られることがなかったが、碇ゲンドウEVA初号機のコアに取り込まれた妻・碇ユイとの再会という目的の為に計画を私物化した為、NERVとゼーレは対立を始めてしまう。新世紀エヴァンゲリオンとは、ゼーレとゲンドウが人類補完計画と言う出来レースをどのようにして己の望む形に歪曲させるかという策謀の物語でもあることが浮き彫りになってきた。

冬月は「ゼーレンの人類補完計画死海文書のとおりだが、もはや我々の知るところではない。ゼーレの計画は書き換える」というゲンドウに「13号を使うつもりか?俺はお前の計画について行くだけだ。ユイ君(ゲンドウの亡き妻)のために!」と答え、シンジを将棋に誘ってゲンゾウの考え方を伝えた。

「君の母親は綾波ユイだ。エヴァの初期型の制御システムになっている。ダイレクトエントリーの実験者となって消えた。レイはユイ君の複製体のひとつだ。レイは初号機の中に存在している。碇は自分の願いを叶えるために“あらゆる犠牲を払って自分の魂を賭けている”」と伝えた。シンジは聞いた振りをして去った。

ここにきてやっと、ゲンドウの人類補完計画の概要とゲンドウとレイ、シンジとレイの関係が見えてきたようです。

ゼーレが、知恵の実を食べてしまったという人類の原罪を自らの手で贖罪し、全ての生命が生み出される前の状態にまで回帰することを目的としているのに対し、ゲンドウは、人間がすでに手に入れている知恵の実(科学)を最大限に活用して、原罪による人類の欠陥を自らの手によって補い、新たな生物(神)となって生きることを選択した。両者の目指すところは全くの正反対であるが、そのためにはどちらの目的を目指す場合であっても生命の樹ロンギヌスの槍、全使徒の殲滅などが必要である。そのためゼーレとゲンドウはまず協力関係を築き、互いに牽制しあいながらも各々の目的を達するための準備を整えた。

「ニアサードインパクト」後の14年間に何があったか?

セントラルドグマで繰り広げられたエヴァ13号の覚醒ドラマは????だらけでした。(笑)

エヴァ6号が骸として鎮座し、リリスに刺さった2本の槍がロンギヌスで、カオルはこのカラクリがゲンドウの仕業と気付き、「自分は第13使徒だ」と告白。ザーレの廻し者カオルは何故ザーレ、ゲンドウを裏切ったのか?

ゲンドウの指令室にリリスの首が鎮座している。誰が斬ったか。その首がレイにそっくり、何故か?

また、マリには分からないことが多すぎる。(笑)

マリはエヴァ9を見て「ゼーレンの探偵さん!ここから出ていった方がいいよ」「アダムスの器になる前に!」と檄を飛ばす。レイは「ダメ!それは命令でない」と応じると「あんたのオリジナルさんはもっと愛嬌があった」という。このふたりの関係はどうなっているの?

さらに、エヴァ13号を攻撃するアスカを見て「やめとけ!あれ、コアーだから手の打ちようがない。“最後の使徒”を倒したところで骨が出るか蛇がでるか?」と揶揄する。エヴァ13号が覚醒したのを確認して「書にないはずの13番目。ゲンドウ君の狙いはこれ!」という。この人、人類補完計画を知り尽くしているようで、何者ですか?

覚醒したエヴァ13号は天に上り始め、フォースインパクトが始まる。これを懸命にエヴァ2号改、エヴァ8号、AAAヴィダーが追う。

カオルがシンジに「希望に沿えなかった」と詫びているところで、DSSが作動し亡くなった。ミサトの仕業?
アスカはフォースインパクトを停めるため「ガフの扉を閉める」とエヴァとシンジを切り離すためエヴァ13号に体当たりして爆破。二人は地上に落下。また、エヴァ8号はマーク9との激しい戦闘で損傷し、“ヴィレ”艦隊に収容された。

副長のリツコが「作戦はここまで!」と止めた。女性たちの活躍、成長がみごとな本作でした。ミサト、リツコの声が凛々しい!

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地上に降りたアスカとシンジ。赤い大地をアスカに「馬鹿シンジ!私を助けないの!自分のことばかり!」と急かれて歩くシンジ、これに続くレイ。シンジはアスカが叱る如く、全く成長してない。(笑) この三人、次作にどう繋がるのか?美しい絵でした!

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ゲンドウはエヴァ13号が覚醒した状況で、ゼーレ本部に契約完了と決別の報告をした。この際本部から「我らの願いはすでに叶った。すべてこれでよい。人類の補完、安らかな魂の浄化を願う」という労いの言葉を得た。

この言葉、コロナ感染に伴う社会変化を見でいると、頷けます!

このあと、ゲンドウがどう自らの人類補完計画を完成するか、世間を“あっ”と言わせるほどのメッセージを期待しています。(笑)
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