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「オペラ座の怪人」(2004)“忍ぶ恋”という結末に泣いた!

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全世界で大ヒットのミュージカル「オペラ座の怪人」の映画化。ミュージカルは苦手で観ませんが、大ヒットということで、NHKBSプレミアムで観賞。

音楽が素晴らしく、ミュージカル部分が普通の会話のように耳に入って来て、映画だからこそ描けるスケール感がある壮大な恋の物語を楽しみました。“忍ぶ恋”(「武士道」)という結末に泣けます! 

19世紀のパリ、オペラ座。幼いころの顔の傷で闇を背負い、その地下に棲む謎の怪人ファンタム。音楽の天才的才能を持つ彼は寄宿生のクリスティーヌに惹かれ、姿を隠して歌を指導し、彼女をプリマにまで育てるが、クリスティーヌの幼な友達ラウル子爵が現れたことで、ファントム、クリスティーヌ、ラウルの恋の行方は?

監督はジョエル・シューマカー。原作:ガストン・ルルー、脚本:ジョエル・シューマカーアンドリュー・ロイド・ウェバー、撮影:ジョン・マシソン、美術:アンソニー・プラット、編集:テリー・ローリングス、音楽:アンドリュー・ロイド・ウェバー

出演はジェラルド・バトラーエミー・ロッサムパトリック・ウィルソンミランダ・リチャードソン、ミニー・ドライヴァー、シアラン・ハインズ、サイモン・キャロウ、ジェニファー・エリソン。


映画「オペラ座の怪人」日本版劇場予告

あらすじ(ねたばれ):

1919年パリ、今や廃墟と化したオペラ座で、かつての栄華を偲ぶ品々がオークションにかけられていた。 そこに、老紳士ラウル・シャニュイ子爵( パトリック・ウィルソン)と年老いたバレエ教師マダム・ジリー(ミランダ・リチャードソン)がやってきて、地下で発見されたという振り子のオルゴールをジリーが20フランで指したが、ラウルが30フランで競り落とした。

次に、衝撃的な事件に登場したシャンデリアが競りに掛けられ、このシャンデエリアに関わる物語が始まる。

モノトーンで描かれる1919年からカラーで描かれる1870年のパリ、オペラ座の新作オペラハンニバルのリハーサル風景への変化、この演出がすばらしい!

そこに新支配人フィルマン(シアラン・ハインズ)とアンドレ(サイモン・キャロウ)が、そして新しくパトロンとなったラウル子爵が到着。踊り子のクリスティーヌ(エミー・ロッサム)は幼馴染みのラウルと気付いたが、支配人たちが「美人だ!」というクリスティーヌにラウルは気付かなかった。

突然、天井からたれものが落ちてきて、プリマのカルロッタ(ミニー・ドライヴァー)が「よくある事故!二度とこの種の事故が無くならないと歌わない!」と舞台を去ってしまった。

ピンチヒッターに押されたのがクリスティーヌ。素晴らしい歌声で唄い出して、一気に本番ステージに移る。この歌声にラウルが「クリスティーヌか?」と気付いた。

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ステージが終わって、親友の踊り子メグ・ジリー(ジェニファー・エリソン)が「完璧!何故?」とやってきた。「いつも夢の中にいる音楽の天子が守ってくれている」と応えた。楽屋にはファントムからの一輪のバラが届けられていた。

ラウルが食事に誘って馬車を呼びに行った隙に、突然灯が消えて、ファントム(ジェラルド・バトラー)が現れ、「俺が天子だ!」とクルスティーヌを誘い、オペラ座の地下を流れる運河を舟で彼の隠し部屋、ロウソクの灯で浮き上がる豪華な部屋に連れてきた。そこにはクリスティーヌそっくりの等身大の蝋人形があった。「もう逃げられないぞ!」と身体に触れられ、気を失って、赤いベットに運ばれた。目覚めたクリスティーヌがファントムの仮面の下の顔を見たとき、激しく彼が怒った!

クリスティーヌがいなくなって楽屋は大騒ぎ。裏方のジョセフが「怪人が現れて首にロープを捲くぞ!」と脅す。次のステージで彼がこの罠にはまるとは!

支配人たちが騒いでいるとき、ファントムから「クリスティーヌは無事だ!カルロッタは歌手生命が終わった、クルスティーヌが後を継ぐ!5番席を開けておけ!」という手紙が舞い込んできた。クルスティーヌは無事、戻されていた。

これに反発するのがカルロッタ。「クリスティーヌはパトロンと寝た!」というスキャンダルを流し、これに支配人たちも動かされ、カルロッタがプリマとして幕が開いた。

5番席に現れたファントムは汚い手を使った。カルロッタが喉を癒すために使ったスプレーに薬を入れて彼女の喉を潰した。突然声の出なくなったカルロッタに代わって、クルスティーヌの代役が告げられ、しばらくの間バレーで繋いでいるとき、裏方のジョセフが首にロープを掛けられ天井から舞台に落下!劇場内が大混乱に陥った。

雪の降る屋上に出たクリスティーヌは追って来たラウルに「ファントムの音楽はすばらしいが、目は悲しみに満ちていた」と怖さを口にした。ラウルは「闇の世界は忘れろ!僕がついている」と励ます。これをファントムが見ていた。クリスティーヌは「匿って、そして抱いて!ひとつの愛にひとつの人生」とラウルにキスした。

ファントムは「音楽を与えたがこんな仕返しか!平気で裏切る!」と悔しがった。

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仮面舞踏会(マスカレード)。マスカレードの曲で艶やかに踊り狂う!そのなかに婚約したクリスティーヌとラウルが踊っていた。そこにファントムが仮面で現れ「ドンファンの勝利」」という脚本を書いた。稽古に入る前に注意しておくと、クリスティーヌに「もっと学べ!誇りがあるなら我が師のもとに戻れ!」と語って、クリスティーヌとラウルの婚約の印をもぎ取った。そして消えていった。

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ラウルはマダム・ジリーからファントムが何者かを聞いた。サーカス団にいて醜い顔を見世物にする少年だった。叩く男を殺し逃げる彼の姿に哀れみに感じたジリーがオペラ座の地下に匿って、ここで育ち、天才的な建築家、デザイナー、作曲家、魔術師になったという。

その夜、雪の降る中、クリスティーヌは起き出して、馬車を呼び父親が眠る墓地に急いだ!抜け出したクリスティーヌをラウルが馬で追った。

クリスティーヌは「父は音楽の天才を送ると言ったが、それは幸せの世界を砕くものだった」と父に別れを言うためにやって来たのだった。墓の中からやさしい声で「私の導きが必要だ!」という優しい言葉に、クリスティーヌの閉ざされていた心が燃え上がったところに、ラウルが駆けつけ「それは父でない!」と斬りかかる。ファンタムだった。クルスティーヌは刺し殺そうとするラウルにファントムの命乞いをした。ここでのラウルとファントムのアクションも見どころです!

 ドンファンの勝利」上演時、クリスティーヌが歌えば必ずファントムは現れる。そこで彼をポリスに渡すというラウルの計画。

 クリスティーヌは「声を与えてくれた恩人を裏切れるだろうか?」と悩んで舞台に立った。ファントムが現れ、まるでふたりは恋人のように歌った。クリスティーヌが「ひとつの愛、ひとつの人生。いつも側にいて私を抱いて!」と歌って、ファントムの仮面を採った。ファントムだった。一斉にポリスが駆け出す。ファントムはあらかじめ準備していたようにシャンゼリアを吊るす索を切った。

落下するシャンゼリアで劇場が大火事に!ファントムがクリスティーヌを連れて、運河を舟で渡り、隠れ家に戻った。追うポリスたち。

 ラウルはジリーからファントムの居場所を聞いて追うが、運河に落ちで流されながら隠れ家に辿りついた。

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ファントムは「運命を受け入れろ!」とクリスティーヌに結婚指輪を渡した。クリスティーヌは「私には恐怖はない。ゆがんでいるのはあなたの顔ではなく、魂よ!あなたはひとりぼっちではない!」とキスした。クリスティーヌの愛の言葉がファンタムの心を闇から解き放った!

 やってきたラウルをロープで縛りあげていて、いつでも殺せる状態であったが、ファントムは「私を忘れろ!」とクリスティーヌをラウルに渡し、いずれかに去っていった。

 感想:

とても豪華なオペラ座を背景に繰り広げられるミステリアスでドキドキする愛のドラマ。これが堪らない!「ドンファンの勝利」のオペラの中でつぶやくふたりの愛の言葉。オペラなのか現実なのか?戸惑うクリスティーヌの行動。

 過去と現在を繋ぐ愛の物語。年老いたラウルが亡き妻クリスティーヌの墓に、オークションで手に入れたファントムの形見である振り子のオルゴールを手向けると、そこに一輪の赤いバラと指輪があることに気付いた。ファントムはクリスティーヌと別れたあとも、彼女を慕い続けていた。また、ラウルもクリスティーヌの気持ち知っていた。

「ひとつの愛にひとつの人生」。しかし、クリスティーヌはふたりの男性を愛していた。三人の愛に、いずれをとっても泣かされます!しかしファントムの「忍び恋」がベスト。

 豪華で華やかなオペラの舞台演出。まるでオペラを観ているようでした。楽屋の踊り子たち、アイロンかけ、食事の準備、楽譜の準備等、その舞台裏を丁寧に見せてくれるのも楽しい。ちらっと見せる踊り子たちの妖艶な姿が色っぽい!まるでドガの踊り子だった。

 ファントムがクリスティーヌを運河を舟で渡り秘密部屋に誘うシーンや、雪の中父の墓場を訪ねるシーンなどはミステリアスで、この時代の雰囲気が楽しめます。

 ジェラルド・バトラーエミー・ロッサムパトリック・ウィルソンの演技。感情がよく出ていて、歌の意味がよく伝わりよかったと思います。歌が上手いかどうかは分かりません!(笑)

観てない方はぜひ観ることをお勧めします。(皆さん観ていますよね!)

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