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「インターステラー」(2014)5次元は空間、時間、重力、愛情の世界だった!

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[テネット]、映像の謎解きのような難解な作品でした。そこで、監督の映像世界を知りたくて、この作品に挑戦、DVD鑑賞です。

世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来。最愛の娘を残し未知の宇宙へと旅立った元宇宙飛行士が、宇宙と地球の時間差という大きな壁を乗り越えた愛の力で、世界を救うという物語。

しっかりした科学的な根拠を持たせたSFとして、“驚くべき宇宙”を見せてくれます。 “宇宙で試される人間性、そして“重力に負けない愛の力”が描かれています。「テネット」より人間ドラマになっていて楽しめます。

相対性理論なんか知らないでも、十分楽しめる作品でした。これが良い!

監督:クリストファー・ノーラン、脚本:クリストファー・ノーランジョナサン・ノーラン、製作総指揮:ジェイク・マイヤーズ、ジョーダン・ゴールドバーグ、“キップ・ソーン”,撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ、編集:リー・スミス、音楽:ハンス・ジマー。“キップ・ソーン”はノーベル賞学者です。

出演:マシュー・マコノヒーアン・ハサウェイジェシカ・チャステイン、ビル・アーウィンマッケンジー・フォイエレン・バースティンマット・デイモンマイケル・ケイン


映画『インターステラー』特別予告 2020年9月4日(金)IMAX®にて緊急公開【2週間限定】

あらすじ(ねたばれあり)

地球環境の変化で食糧危機。いまではNASAも空軍も亡くなった元宇宙飛行士・クーパー(マシュー・マコノヒー)は、飛行士時代の技術を生かして、トウモロコシ農業を営んでいるが、例年猛烈な砂嵐に見舞われ、人類が滅びるのでなないかと不安を持っていた。彼にはトム(ティモシー・シャラメ)という長男、マーフィ―(マッケンジー・フォイ)という娘がいた。マーフィーは父親が宇宙飛行士ということに誇りを持ち、天才的な能力、ポルターガイスト現象を読み解く力があった。クーパーの書斎で時に起こる本の位置のずれに規則性を見出し“ユウレイ”がいるという。

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親子がインド軍のドローンを、トウモロコシ畑を踏み倒して追い駆けるシーンは爽快でした。

野球見物中に発生した大砂塵の波紋に規則性があることに、マーフィーの予言が当たっていると気付き、ある地点が関係していることを突き止めた。そこは潰れたはずのNASAだった。

ブラウン博士(マイケル・ケイン)から請われてラザロ計画」のために移住可能な星を探すパイロットとしての参加を要請された。ラザロ計画にはA計画:地球人を他の惑星に移住するという案と、B計画:受精卵を保管し、移住先の惑星で人口培養する案から成り立ち、A案で実行、すでに別の銀河の3つの星に人を送っているという。博士は重力方程式を示し、「君が帰るまでには必ず解く」と約束した。クーパーは「家族に会えれば」とパイロットになることを引き受けた。

しかし、マーフィーを納得させることは難しく、「親は子供の記憶の中に生きる」と後ろ髪惹かれる思いで宇宙に旅立った。

クルーはクーパー、ブラウン博士の娘アメリア(アン・ハサウェイ)、ロミリー博士(デヴィッド・ジャーシー)、ドイル(ウェス・ベントリー)にロボットのTARS、CASE。レンジャー号で地球を発ち、宇宙船エンゲュランスに乗り変え、14か月の冬眠カプセルで土星近くのワームホームに。手動でこれを通過。ワームホームは初めて見るのでとても興味がありました。

ワームホームを抜けたところで、先人の3つの星は“ミラー星”、“マン星”、“エドマンズ”のいずれを検証するかを論議した。

マン星は先発12名を率いたマン博士(マット・デイモン)が発見した星で、毎年報告がある。ミラー星も毎年報告がありここからの距離が最も近いが、ガルカンチェア(ブラックホール)の軌道上にある。エドマンズ星は3年前で報告が途絶えているが、彼はアメリアの恋人だった。

ドイルが「ミラー星は重力が強く時間の流れは遅い。1時間が地上の7年に相当する」とミレー星を押した。クーパーは「確実性、短距離、任務の容易性」ということでミラー星調査を主張すると、アメリアがこれに賛成し、ミレー星に決定。

クーパー、アメリア、ドイル、CASEがレンジャー号でミレー星に向かった。ロミリーはエンゲュランスに残り、ブラックホールのデーター収集に当たった。

一面海だった。膝までの水深。アメリアとドイルが船を降りてミレーの足跡を探す。機体の破片が見つかった!ブラックボックスを収容している時、大きな山のような波が襲ってくる。重い重力によるもの。急いでCASEがアメリアを収容したが、ドイルを置き去りにして宇宙エンゲュランスに戻った。アメリアは「命よりデーターが大切だ」と言い張った。

使った時間は23年4か月。地上から送られてきたビデオレターを見た。トム(ケイシー・アフレック)は農業を継ぎ結婚し子供が出来てクーパーはお爺ちゃんになった。マーフィー(ジェシカ・チャステイン)は「父とあのころと同じ歳になった」と言い帰って来ると言ったのにと悲しそうな表情をした。マーフィーはブラウン博士と一緒に重力の方程式を研究していた。

次に調査する星は決まっているようなもの。だか、アメリアがエドマンズだと言い張る。クーパー7が恋人だからかと聞くと「そうだ!」と言い「愛は時間も空間も超える。愛の未知の世界で信じていい」という。クーパーが「間違いだ!」と反対。アメリアは受精卵が安全であることを確認し「エドマンズの星でコロニーを作れば人類を救える。あなたは子供に会うことを考えているが、それが人類の未来を選ぶことにふさわしいのか」と反論。TARSが決を採ってマン博士の星に決まった。

マーフィーは病院で療養中のブラウン博士に呼ばれ「嘘ついていた。方程式は解けず、クーパーが地球に戻っても救えない!」と告白した。マーフィーは激怒した。父も嘘を言ったのか?

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レンジャー号でクーパー、アメリア、ロミリーが氷のマン星に降り、マン博士のキャンプに入った。博士は日付も決めず冬眠カプセルに入っていた。起こすと感激で泣いた。「マン星は氷の下は地表があり水と大気も大丈夫、人類は生存できる」という。

そのときアメリアにマーフィーからの「博士は嘘ついていた」のメッセージが伝えられた。クーパーはブラウン教授の目的は人類の移住ではないことに疑念を持ちアメリア、ロミリーに説明を求めた。ここはしっかり両博士が相対性理論ブラックホールを説明してくれるがよく分からなかった。(笑) ブラックホールの中が解明されていないらしい。マン博士が「その代案がB計画だ!」という。クーパーは「地球人を皆殺しにするのか?」と反発すると「地球は終わりだ。希望はない」と言い切った。

クーパーは地球に帰ることに決めた。ロミリーから「ガルカンチェアは重力が強力だか潮汐力を利用して地平線を猛スピードで突っ走れば生きれる。地平線の向こうは全くの謎だから量子データーを送信できたら方程式は解ける。送信機をTARSに持たせればいい。光通信装置はマンのものを使えばいい」と教えられた。

ロミリー、アメリアがここで活動できるよう研究棟、生活棟を作る資材をCASEの操縦するランダー号で運び込むことにして、その場所選定にマンの案内で出掛けた。

マンは「ここは人類の星だと思ったが嘘だ。死を覚悟していたが誰かが迎えにくるよう信号を送り永眠カプセルに入っていた。生きると決まったら(他の星の探索だ)、お前を帰すわけにはいかん!宇宙船エンゲュランスが必要だ!」とクーパーを襲い、谷に突き落とした。クーパーは目覚めアメリアに連絡してランダー号に収容された。

命を捨てて宇宙探索に執念を燃やす狂気の男がいる。監督はうまく描いたと思います。

マンは資材を焼き払い、ロミリーを殺害してレンジャー号を奪い、エンゲュランスに向かい、これにドッキングを試みる。クーパーとアメリアはランダー号でマンを追った。マンは主動でのドッキングに失敗し宇宙に消えた。

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エンゲュランスはガルカンチェアに向かっていた。クーパーは「エドマンズ星に行こう」とアメリアを誘った。彼女が微笑んだ!「ガルカンチェアの水平線まで行き重力ターンでエドマンズに行く」と伝え、通信機を備えたランダー号にTARSを乗せてエドマンズから切り離し、次いでターンのためとレンジャー2号にアメリアを乗せて切り離したアメリアは「別れるの!」と驚いた!

クーパーはロミリーに教わったように宇宙船をブラックホールに突っ込んだ。そこは第5次元の世界だった。過去や未来が同時に存在して、空間を移動するように自由に行き来することができる。クーパーは本棚の裏側でマーフィーに会って(姿は見えない)、コトコトとブラックホールのデーターを残した腕時計で届けた。

マーフィーはこれを解析し重力方程式を完全に解くことに成功した。

クーパーは土星軌道上の宇宙ステーションで目覚めた。「クーパーステーション」と名付けられていた。年老いたマーフィー(エレン・バースティン)に会った。「私には沢山の孫がいる。だからアメリアの元に!」と送り出され、再び宇宙に向かった。

アメリアはエドマンズ星にコロニーをつくり、たったひとりで眠りにつくところだった。彼女の「愛」で感じた予想は当たったようです!

感想:

マーフィーが幼いころ本棚の本がコトコトと音を立てて動いたことをオバケがいると話した伏線に、ブラックホールからクーパーが送るデーターの音が繋がるという、うまい筋書きでした。

愛がふたりを結び付けた!5次元。5次元は空間、時間、重力、愛情だと思いました。アメリアもそうでした!未来の宇宙物語で“愛の物語”が描かれるなんて、おもしろかった。

未知に挑む人たちの夢と愛、生きる欲望との葛藤。なかでも氷の星で繰り広げられてたクーパーとマン博士の戦いは面白かった。

相対性理論などわけ分からない科学用語が出てきますが、監督は嘘をつかないと信じて(笑)、楽しめる作品でした。物理学がしっかり分かればもっと楽しめるのかもしれません。

レンジャー号でリフトアップと飛び出し宇宙船との連接。ここから他の銀河系へ向かい、ワームホームの通過。海のミラー星、氷のマレー星の観測を終えて、第5次元のブラックホールへの突入、みたこともない映像でこれだけで十分に観た価値があります。

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