原作は、全世界シリーズ累計発行部数8000万部超の荒川弘さんの大ヒット・コミックス作品。「鋼の錬金術師(17)を見てエドとアルの兄弟愛にほだされ、悪評をもろともせず「鋼の錬金術師 復讐者スカー」に次いで本作に挑戦です。(笑)
兄弟愛の最期を見届けようと、あえて“原作を読まず”、挑戦です。
監督:曽利文彦、脚本:曽利文彦 宮本武史、撮影:橋本桂二、美術:清水剛、装飾:岩井健志、衣装デザイン:西原梨恵、編集:洲崎千恵子、音楽:北里玲二。
出演者:山田涼介、新田真剣佑、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多、黒島結菜、渡邊圭祐、内山信二、ロン・モンロウ、水石亜飛夢、舘ひろし、山本耕史、内野聖陽、栗山千明、遼河はるひ、寺田心、他。
前作で、国中の人々を犠牲にして完全なる存在になろうとする“お父様”(内野聖陽)との最終決戦でアル(水石亜飛夢)の身体を取り戻す話になることが明かされています。
戦いはお父様が支配するホムンクルス、国軍(マスタング大佐:ディーン・フジオカ派を除く)を相手に、国軍のマスタング派、エド、アル、リン(渡邊圭祐)、メイ・チャン(ロン・モンロウ)、スカー(新田真剣佑)が協力して挑むことが明かされている。父親ホーヘンハイム(内野聖陽)の動き、反抗派指導者は誰か?は明かされていない。
前作のラストシーンはエルとリン(渡邊圭祐)、エンヴィー(本郷奏多)がグラトニー(内山信二)に飲み込まれ、腹の中で出口が見つからないというもの。
あらすじと感想(ねたばれ含む):
冒頭の砂漠を走る幌馬車のシーン。ここはどこ?兄弟の父・ホーヘンハイムと兄弟の師匠イズミ(、遼河はるひ)が乗っている、突然野盗に襲われるがイズミが対応する。その強いこと。二人が「人質として狙われている。真実の扉が開かれる日が迫っている。我々が屈すれば国が滅ぶ!」と語り合っていた。
アルは居なくなったエルを求めてグルトニーに泣きを入れて案内を請い、地下のホムンクルスのアジトに急いでいた。グルトニーは馬鹿か、説明不足。(笑)
グルトニーの腹の中。脱出を試みて、異獣と化したエンヴィーと激しく戦うと出口が見つかり、脱出するとそこはホルムンクルスのアジトだった。そこには人体錬成をした形跡があった。これを使ってエドが人体錬成術を掛けるとアルフォンスがいた。「帰ろう」と促すが「魂がない」と断る。「必ず迎えに来る」と固く約束をして戻った。元に戻るとアルがいた。
そこに父ホーヘンハイムそっくりのお父様が現れ、「父親はホーヘンハイムか!大きくなったな、約束の日が楽しみだ!」と声を掛け、側にいるリンにグリードの血魂を与えた。リンはこれで不死不老になれると飲んだ。リンはグリードの入れ物になった。グリードの説明がなく、なんのことだか分からない!
そこにスカーとメイが現れ、エルたちはスカーの隠れ家に帰った。あまりにもうまくストーリーができている。(笑)
中央軍司令部ではムスタング大佐が「噂だが!」と断り、ブラッドレイ総統(舘ひろし)に「ホムンクルスですか?」と尋ねたところ「そうだ!」と言い「君にはまだ利用価値がある」と言われた。政権は総統一派で独占されていることが分り、大佐は真っ当な政権にするとクーデターを画策していた。
エルはお父様から言われた「約束の日!」の意味が分からず、解明のためアルをリオールに送った。
アルが父に会うと「もうすぐ完成だ!」と言い、穴を掘り、「済まない」と謝り血液を採取した遺体を埋めていた。
エルはスカーの兄が残した資料をスカー、メイと一緒に解読していた。「リンの国はどこ」と話をしているところに本人が現れた。(笑)リンが「来るべき日に扉が開く!エド、注意しろ!」と謎めいたことを言う。「お前がクリードだ、信用できない」というと「ホムンクルスとは手を切った!だれの敵でもない」と帰っていった。これも調子のいい設定です!(笑)
エルが「リンはバラバラだ!」というとメイが「バラバラになったこの資料、重ねてみたら」と重ねると、アメストリスの地図が現れ、円形陣で繋がっていた。(笑)
エルがこの陣形を国土錬成陣と読み取り、ホムンクルスによる国の滅亡計画だと解釈した。細部を見ると、ホムンクルスに侵されていないのは北部ブリックス地区だけだった。エルはブリックス地区の司令官オリヴィエ少将にこのことを知らせるとブリックスに飛んだ。エルの行動が分からない。まずは最も信頼を置くマスタング大佐に連絡を取るだろう。分け分らない!調子が良すぎる!恐らくコミックのエピソードを繋げただけで、繋ぎ目の考え方が読めない!
マスタング大佐はクーデター作戦にとりかかっていた。車で移動中に副官のホークアイ中尉に「アルはどこにいる」と聞くと「父親に会いに行ったと聞いている」と中尉が返事した。(笑)これもひどい!!
エドはブリッグスの要塞に着き、オリヴィエ少将に面会。するとホムンクルスの巨人スロウスに襲われた。ここでの少将が戦車に乗ってスロウスと戦い勝利するシーンのVFXがあまりにもひどい!(笑)
スロウスが掘った穴を調べて、それが壮大さに驚愕していると、隣国ドラクマ軍に攻められる。そこにレイアン中将(大和田伸也)がウインリィを伴って少将を訪問し、「スロウスの行動は軍の秘密だ!」と少将を解任した。ウインリィはエドのオートメメルを寒冷地仕様に変えるためだった。もっと大切なことを描かねば・・。(笑)少将とエドはセントラルシティに戻った。
オリヴィエ少将は総統にレイアン中将の後任を願い出て認められ、軍の掌握にかかった。エドは、スカーから新たな研究成果として、国土錬成陣を無力化する“裏国家錬成陣”が見つかったと知らされた。あまりにも都合がよすぎる展開に笑い。
リオールに到着したアル。父ホーヘンハイムに会い、約束の日のことを聞いた。父が語った話しは・・。
「部屋を掃除する少年がフラスコの小人(フラスコ)に声を掛けられ、少年の血で生まれたと言い、「奴隷から自由にしてやる」と少年をホーヘンハイムと呼び、色々な知識が与えられたという。フラスコがホーヘンハイムに変身(お父様)し、時のクセルクセス国王に接見して「不老不死」になると術を掛けて血を吐かせ、その血を国民に与えて魂を抜き、国をわがものにした(国土錬成陣)という。お父様はこの方法でアメストリスをわが物にしたがっているという。アルはこの情報をエドに知らせるためにセントラルシティにい急いだ。
この話がこの作品の肝だろうが、これが理解できない!山田さんが若きホーヘンハイムを演じるからますますわからない!(笑)
エドはリンと街の様子を偵察中に、リオールから戻ってきたアルに出会った。ところが、アルの首が“ぽろっと”落ち、様子がおかしい。リンの感で、犯人はプライドと分かった。「プライドの入れ物だ」と総統の息子セリムが現れた。父ホーヘンハイムがアルを追っていた。プライムとは何者?分けわからない!(笑)
アルは「俺の能力は使えない!約束の日まで待とう」と弱気な意見を吐く。しかし、ホーヘンハイムが「それでいい、全員が残れる提案だ」と約束の日に勝負をかけることになった。そこにスカーが現れ「各地に裏国家錬成陣を描く!準備は整った!」と報告してきた。 (笑)調子がよすぎますね!
マスタング大佐が訓練地からセントラルシティに戻る総統乗車列車を爆破した。これをリンが見ていた。この映像がはっきりとおもちゃだと分かるという質の悪さ。
中央軍司令部で反乱!オリヴィエ少将がレイブン中将とスロウスに襲われた。弟のフレックスが戦車部隊を引き連れて「姉上、ご無事か?」と応援にかけつけてきた。(笑)
エルとスカーは「賢者の石はないか」とかっての人体錬成跡地の門を開くと、どっと人形兵が出てきた。通りがかったマスタング大佐が「ヒューズ中佐の仇討ち」と乱心して火炎術を繰り出す。ホークアイ中尉が必死に諫めた!これを見ていたエンヴィーが賢者の石を差し出して亡くなった。大佐の怒りは分るが、これは第1作でも描かれていますね!
ホーヘンハイムはお父様に会っていた。お父様は「お前はつまらんやつになったな!俺はこの国をものにする。50万人分の賢者の石を貰う」と血液を抜いた。ホーエンハイムは「その魂は貴様に協力しない。クセルクセスの50万人との会話が完了している」とバカにするとフラスコになった。
中央軍司令部のオリヴィエ少将の部屋に、死んだはずの総統が「裏口から入る理由はないが」と現れ(笑)、これを追ってリンとその部下ランファン、フーがやってきた。セリムもやってきた。リンと総統の因縁の格闘が始まり、フーがダイナマイトを腹に巻き奮闘したが、亡くなった。このシーンは面白かったが、この作品の結末には関係ない、必要ですかね!(笑)
約束の日。エド、アル、イズミ、ホーヘンハイムは、ホムンクルスのアジトに集まった。「人体精錬には人柱がひとり足りない」というセリム。そこにやってきたのがマスタング大佐。これで揃ったと、ブラッドレイ総統が大佐に扉を開くよう命じた。日蝕が始まり、市民は不安げに空を見上げていた。
ここからはよく分からなかった!(笑)
大佐が扉を開きアルフォンスと呼びかけるが、目がいかれて何も見えない。フラフラで出てきたアルフォンスをイズミが支えた。
ブラッドレイ総統が大佐に「これが真理だ!」と錬成陣を示すと、そこにスカーが現れ大佐に斬りかかった。これを見たブラッドレイ総統がスカーの右腕を切ったが、スカーは左腕に描かれた錬成陣を見せ、ブラッドレイの目を破壊した。
フラスコが「これでこの国が手に入る」と国家錬成陣を発動した!天が裂けた!
目覚めたエルが「何があったか?」と聞いた。フラスコは「神を手に入れた俺は擬似太陽を作る」と横柄な物言い。ホーヘンハイムが「全国に裏国家錬成陣配置してあり元に戻る」と宣言した。
リンが恨みを晴らすようにブラッドレイ総統を斬った。総統は「やりがいのある良い人生だった」と言葉を残し亡くなった。エドはセリムの頭を掴むと破壊していった。
スカーが「裏国土錬成陣」を完成させた。フラスコは逃げだす。エドがフラスコにとどめを刺すと真理の扉の中に引きずり込まれ、アルがバラバラになり消えた。
ホーヘンハイムが「この危機はすべて自分が作り出したもの、だから自分がアルフォンスを取り戻す」というが、エルが「くそ親父、二度と言う名!自分がやる」「誰も俺たちに止めろとは言わなかった、最期の錬成だ!」と地面に人体錬成陣を書き、真理の扉を開いた。
真理に「お前の肉体を差し出すか」と問われ「代価はここにいる」と答えた。「お前は錬金術師に成り下がるか?」に「ただの人間だ。錬金術はいらない!大切なのは友達だ」と答えると「正解!もってゆけ!」と声があって、振り返るとアルフォンスが立っていた。
その後の皆さん、
スカー、リンとメイ・チャン、がそれぞれ国に帰っていった。父ホーヘンハイムは迎えにきた母トリシャと一緒に天国へと旅立った。失明のマスタング大佐はホークアイ中尉の手を借りて生きることに。エルはウインリィと婚約して旅にでた。
まとめ:
おそらく、初めて観る人は絶対に理解できない!1、2作を観ていても難解だった!用語が分からない(笑)いい加減なあらすじになっているのではと危惧しています。(笑)
エピソードが突飛すぎて繋がらず、理解に困難を極めた。(笑)しかし、ラストの兄弟愛には感動しました!!
分からないと言いながらも、戦争や民族問題に遭遇し、親や兄弟、友人との絆を築き、辛抱強く苦難に立ち向かい、目的を達成するという人間の成長が描かれており、原作にはすばらしい世界感があることが分かり、とても残念な気持ちです。
当初から3作を通じる製作ポリシーが必要ではなかったか?ここにきて、国家の生い立ちや父親の過去が明らかになり、同じ復讐劇が繰り返さるようでは、評価がこうなるのは!むべなるかな“です。
見せたいものがキャラクターの面白さとアクションに走り、CGやVFXで苦労して作ってみたが、ボロが出てうまく伝わらず、最後には笑いがでました!実写ではストーリー勝負で、テーマをしっかり見せる作品に徹すべきでした! これからの作品に生かされるだろうと期待しています!
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