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「鋼の錬金術師」(2017)

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原作は、全世界シリーズ累計発行部数7000万部超の荒川弘さんの大ヒット・コミックス作。TVアニメ、劇場アニメとして公開されている作品。読みもせず、観てもいないが、ヤフーレビューの低評価も気にせず、「これほどの超人気作品の実写版を見逃してはならず」と馳せ参じました。(笑)
 
「ピンポン」「あしたのジョー」の曽利文彦監督が実写映画化したファンタジー・アクション・アドベンチャー失った身体を取り戻すべく“賢者の石”を求めて旅に出た兄弟の冒険の行方を、VFXを駆使したアクション満載に描き出す。
 
主演はHey! Say! JUMPの山田涼介さん、共演に本田翼・ディーン・フジオカ小日向文世松雪泰子さんら。錬金術師の兄弟エドとアルは、亡くなった母を生き返らせようとして失敗し、エドは右腕と左脚を、弟のアルは全身を失った。兄弟は失った身体を取り戻すため、そのカギとなる伝説の“賢者の石”を求めて旅に出るのだったが…。(allcinema
 
あらすじ:
オープニングで、
母親が洗濯物を干しているところに、小さな兄弟がやって来て、甘えるシーン。
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風景、髪、衣装が西洋風で、ヨーロッパの物語。日本人が西洋人を演じることに、違和感がある。
 
その後すぐに母を亡くし、両親を失った寂しさで兄エドが「母に会いたい」と市場で買い求めた物質に血液を加え、術をかけると、爆発が起き弟が亡くなった。エドは弟に大きな過失責任を負い、自分の体の一部を弟の魂と交換した。
 
物語はサオール市で、真紅の石がはめ込まれた指輪を着けたコーネロ(石丸謙二郎)とエル(山田涼介)の対決から始まる。
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コーネロが指輪に触れると土がぼこぼこと柱になり、地面が津波になり、エドに襲いかかるがこれを巧みに避ける。コローネが土を怪獣(石獣)に錬成して襲いかかると、エドは土を錬成して剣を作り、一撃で倒してしまう。
 
そこに鉄鎧姿のアルが助っ人に現れるが、頭部を斬られた。しかし、中身がない、「お前は何者だ」とコーネロ。エルの右腕が怪獣にかじられ技手であることが分かった。
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VFXによるこの戦闘シーン、津波や石獣が迫るが人がうまく絡まないから、痛みを感じない。
 
コーネロとエドの激しく戦いで、コーネロが着けていた真紅の石が指輪から外れ、そこに現れたマスタング大佐(ディーン・フジオカ)が拾い、「これは偽物」と燃やしてしまった。この様子をホムンクスの三人が物陰から除き見していた。大佐は軍事視察中に暴れる錬金術師に遭遇し逮捕しようとしたが、コーネロには逃げらた。()
 
兄弟が列車でイーストシテイにやってきた。オートメイル技師のウインリイ(本田翼)と落ち合い、軍司令部を訪ねた。
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そこでマスタング大佐に会うと「あの石はただの増幅器。倉庫に該当する程度のもの。人の錬成には何万個いる。止めておけ!他の手段を考えろ!」とアドバイスを受けた。エドは大佐に「賢者の石を探し出すことは決して諦めない」と伝えた。
 
ハクロ将軍(小日向文世)が急遽こちらにやってきた。そしてヒューズ中佐佐藤隆太)に会った。
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将軍はマスタング大佐に「大統領の考えは分からんが、君の能力を気にしているぞ」と伝えた。
エドはアル、ウインリイとともにヒューズ中佐の家庭デイナーに招待され、楽しく過ごした。その夜、エドは「真理の壁」の門番に「俺の弟なんだ。心臓でも何でもやるから身体を返して欲しい!」と訴えが「また来たか」と追い返される夢を見る。
 
翌日、エドはハクロ将軍の紹介で、ヒューズ中佐に案内されて、ことばをしゃべる合成獣(キメラ)研究の権威タッカー(大泉洋)に面会した。
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タッカーは娘と犬を一緒に生活していて「妻には逃げられ、国家錬金術師資格の査定もあぶない」とこぼす。中佐から「キメラに疑問を持つものが出ているから気を付けろ」と忠告された。
 
エドが「自分の身体の全部と交換してよいから弟の身体を取り戻したい」とタゥカーに相談すると「難しいが、試してみたことばある」と言い、ドクター・マルコー(岡村隼)を紹介された。
 
エドは、アルをタッカーに預けてウインリイーと共にマルコーを訪ねた。エドの不在間に、タッカーがアルを治療していると「熱い」とうめく。タッカーが「人工の魂が剥がれているからだ」という。この言葉でアルはエドが鎧に定着させた魂に疑問を持つようになった。
 
一方旅に出たエドアストン市でマルコーの居場所を探し当てたが、警戒され、銃を発砲された。
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マルコーは「軍が呼び出しに来たのか」と思ったという。賢者の石の所在を聞くと、「石に関わらないほうか良い。あれは悪魔の研究だ。地獄を見るぞ!」と答えた。
 
そこにホムンクスのラスト(松雪泰子)、グラトニー(内山信二)が現れた。二人はエドをつけていたのだ。ラストは長い刀のような爪でマルコーを壁に刺しとめ、エドには「人柱候補だから生かしてあげる」と宣う。(笑)
 
「あなたは不要だ!」とラストにマルコーは殺された。死に際にマルコーはエドに「賢者の石は第5研究所・・」と謎の言葉を残した。エドは「そこに賢者の石が存在する」と確信した。
 
石が見つかったとエドは急いでタッカーの家に戻った。するとカッターは「犬が言葉を話すようになった」と喜んでいるが、娘の姿が見えない。妻の姿が消えたのが2年前で、その時タッカーは国家錬成師として認められた。娘が犬にされたのだ!(笑)このため、軍はタッカーを軍法会議にかけると拘束したのだった。一体、軍とカッターの研究にいかなる関連があるのか?
 
エドは3日間、軍部の資料室に立てこもり第5研究所の所在を調べた。アルが「旅先で何があったのか」と心配をする。そこにヒューズ中佐が訪れ、相談に乗ってくれ、「第5研究所は軍に関係している。ロス少尉(夏菜)に協力させる」と約束してくれた。
 
資料を調べているとマルコーの項目が抹消され、「テストは人間でない」と記述されていた。「場所は缶詰工場とあり、これが何故第5研究所なのか分からない」と思案していると「リヨールで暴動が発生」という緊急情報が飛び込んできた。
 
缶詰工場に入ると、そこは空の倉庫。アルが「お兄ちゃんは何も話してくれない。この魂は人工だと言われた。この身体で何ができる。お兄ちゃんは嘘つきだ」とエドに殴りかかった。二人は激しく殴り合った。しかし、アルが「右手で殴れ!左手が使えなくなる」と兄を気遣い、エドが「痛みを知れ!」と殴ると「やっぱり痛いよ」と泣くアル。兄弟愛に泣かされます。
 
一方ヒューズ中佐は暴動発生地域の分析から第5研究所を突き止めた。すると、そこにラストが現れ中佐に襲い掛かる。中佐は逃げて公衆電話でマスタング大佐に電話しようとして、そこに現れた大佐に襲われた。
 
エドは軍に拘束され、そこで「ヒューズ中佐が殺された、犯人がマスタング大佐。タッカーが逃亡した」を聞かされた。エドマスタング大佐は何処だ!」と大声を上げ、その声で、ロス少尉が駆けつけ拘束を解き外した。
 
エドが車外に出るとマスタング大佐がやって来て、火炎錬成術でロス少尉に炎を吹きかけた。「何故分かった?」とエドが聞くと「ロス少尉の“ほくろ”は左だ」という。ロス少尉はホムンクルスのエンヴィー(本郷奏多)が化けた姿だった。そこにラストが現れ「エドを殺しておけばよかった」と大佐との戦闘が始まった。
 
5研究所に入るとアルとウインデイを拘束したタッカーが銃を構えて待っていた。「魂を定着する方法が見つかった。真理の扉を覗いた。これが賢者の石だ。お前の足元を見ろ!イシュヴァール人が言うことが分かるんだ。ここには豊富な材料があった。ここは捕虜収容所だった。マルコーたちが作った石だ」と叫ぶ。そこにラストがやって来て「お喋りな男は嫌い」とタッカーを刺し殺した。
 
「そんなこと指示した覚えがないぞ、レデイー!」とハクロ将軍が現れ「この研究で沢山の兵が作れる」と言い、大天井に吊り下げられた骸骨に赤い液体が送られるとひとつ目の男たちが蘇る(人形)。
 
将軍が「わしはこれで世界の王になる」と宣言するとこの人形たちが将軍に喰いつく。
 
マスタング大佐はこれら人形たちを外に出さないよう軍に指示し、エドとアルも参加して人形を全滅させた。大佐は「ヒューズ中佐の仇討ちだ!」とラストを始末した。ラストは胸に何度でも生きれるという賢者の石を持っていた。大佐がこれをエドに渡した。
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エドは賢者の石を手にして真理の扉を訪れ、やせ細ったアルに会った。しかし、アルとの等価交換を止めた。
 
ふたりは新しい旅に出た。アルが「他の人を犠牲にするぐらいならこの姿でいいよ」という。エドは「お前の身体はあった。大きくなっていた」というとアルが大きくうなずいた。「必ず取り戻してやる、アルの身体を」というエドの声を乗せて列車が走る。
感想:
兄弟がどのようにして体の一部(弟アルは全部)を失ったのか、何故賢者の石が必要なのか、全く分からないなかで物語はスタート。しかし、その不明事項が、物語の進展で逐次明かされ、「人間の命とは、生と死とは何か」を問う物語になっていて、この世界感と物語の壮大さに圧倒されます。
 
主人公はエドだが、アルが決を下さねばこの旅は終わらない?最後にアルがどう決断するかを聞きたいと、続編を期待です!
 
ファンタジー・アクション・アドベンチャー作品と紹介されているが、宝塚歌劇を観ている感じで、物語のテーマ性・壮大さから軽すぎると感じる。
 
VFXは技術としてはすばらしいが、人としての感情・痛みが感じられない。後半の、天井に吊り下げられた骸骨が錬金術により人形に蘇る映像にはぞっとさせられ、錬金材料に人を用いることへの嫌悪感をいだかせる演出はとてもよい。
 
演技では、主人公山田さんはもう少し感情を出して欲しかった。意外と、本田翼さんが役に嵌っている。色っぽい松雪さんに圧倒されます。()
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