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「くるみ割り人形と秘密の王国」(2018)

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原題は「The Nutcracker and the Four Realms
チャイコフスキーのバレエで有名な「くるみ割り人形」を、ディズニーが実写映画化。ストーリーを全く知らないので、この機会にと出かけました。なんとクリスマスに観る作品なんですね!!() とても美しい絵とテーマ性に、満足しました!
 
ETFホフマンが描いた「くるみ割り人形とはりねずみ」(1816)とバレエ曲「くるみ割り人形」をもとに作った、デイズニー版「くるみ割り人形」という位置付け。
 
あらすじ:
愛する母を亡くし心を閉ざした少女クララは、クリスマスイブの夜にくるみ割り人形に導かれ、誰も知らない秘密の王国に迷い込む。「花の国」「雪の国」「お菓子の国」「第4の国」という4つの王国からなる世界で、プリンセスと呼バレエ戸惑うクララだったが、やがて「第4の国」の反乱によって起きた戦いに巻き込まれる。この国を救うべく奮闘し、沢山の経験を積んで、現実世界に戻ってくるというファンタジー・ストーリーです。
 
テーマは、原作のヴィクトリア時代にはない設定が加えられて、キャッチコピー「クララ、見た目に惑わされるな!」が、原作にもバレエ曲にもない現代へつながる大きなテーマとなっています。
 
14歳のクララが、秘密の国の冒険体験から、母を失った喪失の苦しみを乗り越える力、自らの勇気で困難な状況に対処する力を享受するというもの。
この作品は小中学生を対象としているとようですが、テーマ性から理解するにはすこし難しいかもそれませんね。家族の方と観るのがよいと思います。
 
美しい絵、歌曲、ダンス、スリリングなアクションを楽しめます。しかし、ストーリーが軽めなので、感情移入できないところがあります。ここが大人の不満でしょうか。( ^)o(^ )
大人がまずいまずいというのは、まずいですね!
 
監督は「ギルバート・グレイプ」のラッセ・ハルストレムと、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」のジョー・ジョンストン
主演は「インターステラー」のマッケンジー・フォイ。共演はキーラ・ナイトレイモーガン・フリーマンヘレン・ミレンら豪華キャスト。バレエ界から、ミスティ・コープランドやセルゲイ・ポルーニンといったトップダンサーたちが参加しています。
 
とにかく可愛い妖精のようなマッケンジー・フォイは必見ですよ!
 
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物語は、クリスマスイブのロンドン。14歳のクララ(マッケンジー・フォイ)は、最近母親を亡くして意気消沈。屋根裏で、運動はすべてニュートンの法則につながると、弟フィリップとからくり仕掛けの罠でねずみ取りに興ずるという科学好きな女の子。この科学好きが、彼女の行動の原点、謎解きです。原作にはない設定でしょう!
 
父からクリスマスプレゼントとして卵型の玉(金の玉)が渡され、亡くなった母マリーからの「あなたに必要なものはすべてこの中に入っています」というメッセージが添えられていました。このメセージを解き明かすことがテーマです。しかし、開ける鍵がない。
 
名付け親の叔父ドロッセルマイヤーモーガン・フリーマン)のクリスマスパーテイに父、姉、弟と三人で参加。祖父からのプレゼントは、宝物探しで、自分のタグがついたタグを辿って見つけるというもの。
 
クララはタグを辿り、暗いトンネルを抜け、そこは深い雪の森でした! 
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さらに奥に進むと大きな樅ノ木に鍵を見つけるが、ねずみ(マウスリンクス)が持って逃げる。
マウスリンクスを追い、“第4の国”の入り口で、くるみわり人形の衛兵フィリップ大尉(ジェイデン・フォーラ=ナイト)に出会う。
クララに会うと目を覚まし「プリンセス」と声を掛ける。クララが「居場所がわからない」というので案内役を買って出る。
 
途中で6万匹のねずみからなる怪物マウスキングに出会い、投げ飛ばされて、マウスリンクスを見失う。「どうしてここに来た!」と(第4の国の統治者)マザー・ジンジャー(ヘレン・ミレン)を模した大人形が追ってくる。
 
フィリップ大尉役のジェイデンが黒人であるため、この物語には違和感があるというが、世界で公開されるデイズニー作品だからのキャステイングで、テーマにも合っていると思う。“偏見”というのもこの作品のテーマです。
 
クララはフィリップの案内で、王国の宮殿に入場する。よく名が知られていて大歓迎されます。
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第4の国を除く統治者が集まっていた。最初に「雪の国」の統治者シヴャー(リチャード・E・グラント)が声を掛けてくれ、母マリーが亡くなったことに驚く。「お菓子の国」の統治者シュガー・シュガー・プラム(キーラ・ナイトレイ)がとても優しく対応してくれる。
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第4の国を経て宮殿にやってきたことを知って、「あそこは“遊びの国”だったが、諍いを起こして追放処分になっている。いまは行かないほうがいい」と忠告してくれます。
これを聞いて、この国に居たくないと帰ろうとする。クララは嫌なことはすぐ投げだすという我慢の出来ない子らしい。
「ここに比べて、ロンドンは時間の流れが遅いから、クルスマスパーテイーには間に合う」とシヴァーに諭され、しばらく留まることになる。
 
シュガー・プラムの助けで服装を整え、王宮の間での歓迎会に臨む。ここで演じられるバレエ「くるみ割り人形」を観る。
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バレエは4つの国の生い立ちを語るもので主役はバレエリーナ・プリンセス(ミスティ・コープランド)。劇中のひとりになり、大変うつくしいバレエを楽しみました!
ミスティ・コープランドも黒人で、ジェイデン同様、特別なキャステイングです。
 
観終わって、シュガー・プラムが「あなたなら第4の国の混乱を止められる」という。そして、「私たちはオモチャの人形だったの。お母さんが作ったエンジンで命を吹き込んでくれた」言い「第4の国の統治者マザー・マザー・ジンジャーがまた攻めてくる。兵隊が必要だけど、エンジン作動に必要な鍵をお母さんが持ち帰ったため、造れない」と嘆く。
クララは金の玉を取り出し、エンジンの鍵穴と比べて見ると同じだと分かる。
くるみ割り人形を見たいならひとりで出かける旅もあるよ」という母の言葉を思い出し、鍵を取り返そうと決心する。
 
兵隊をつれて、霧の中を進み第4の国に乗り込む。やるべきことが決まると、こんなに“勇敢”に行動できる。
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マザー・ジンジャーは、落し穴を仕掛けたり、巨大なマザー・ジンジャー人形やそのスカートの中に隠していた道化を使って、またマウスキングで挑んでくる。
クララは捉えられて、マザー・ジンジャーのいるテントに連れてこられ、彼女に会う。ちょっと怖い顔。
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「ここでお母さんに会ったことがある。なぜ自分で作った国を壊すの?」と詰問される。スキを見て、鍵を取り戻して逃げ出す。
 
しかし、鍵で金の玉を開けると、そこには何もない“ただの”オルゴールだった。「必要なものはすべて中にある」というが、そこには何にもないとがっかり。
「必要とされているのはお母さんで自分ではない」と落ち込むが、フィリップ大尉に「鍵があればすべてが動き出す」と励まされ、宮殿に戻り、鍵をシュガー・プラムに渡す。
 
シュガー・プラムはエンジンを作動させ、「くるみ割り人形を生きた兵士にして、これで第4の国を攻め、王国を自分のものにする」と言い、クララと「雪の国」「花の国」の統治者を独房に閉じ込めてしまう。
 
「雪の国」の統治者シヴァーから「騙されたか!」と聞かされる。クララは「帰りたいのに、ここに留まったからこんなことになった」と彼を責めます。
クララは金の玉を取り出して蓋を開け、その裏蓋の鏡に映る自分の顔を見て、「必要なものは全部中にある、“自分の中にある”。人を責めてはいけない」と気付き動き出す。
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フィリップ大尉の力を借りて、絶壁に立つ独房から物理の力を信じて脱出を図る。() とてもスリリングですが、既視感がある。もうひと工夫欲しいところでした!
 
脱出に成功したクララは、「第4の国」にシュガー・プラムの兵隊を向かっていることを知らせるようフィリップ大尉に頼み、自分は宮殿のエンジン室に戻り、兵士製造を止めることにする。
 
マザー・ジンジャーとフィリップ大尉は、シュガー・プラムをおびき寄せ放った兵士と激しく戦う。一方、クララはエンジン室に戻り、マウスリンクスのうまい陽動行動でシュガー・プラムを誑かし、エンジン部の操作機能に仕掛けをする。
 
クララが冒頭で見せた“からくり技術”がどう生かされているのかよくわからない。()
 
マザー・ジンジャーがクララを助けようと宮殿に入ってくるが、シュガー・プラムの兵隊に捕まってしまう。
 
シュガー・プラムは「お母さんはあなたを愛している。わたしは捨てられた」とクララに挑みかかる。クララは、「そうじゃない!私たちはひとりではないよ」「そうね、すばらしい軍隊がいるわ」
「あなたは正しいことができるのよ」
「自分のやりたいことをするのが一番よ」
「そう、わたしは母に一番似てるの」
「クララ!何をしなの?」
シュガー・プラムとその兵士たちが人形に戻ってしまった。フィリップ大尉が「クララよくやった」と叫びマザー・ジンジャーがクララのところに駆け寄り「よくやった」と抱きしめました。
クララのエンジン操作がうまく作動、ちょっと複雑でよくわからない() クララは家族のなかで何が大切かを学びましたね! 
 
4の国は“遊びの国”として再生され、クララはフィリップ大尉に見送られ、もと来た道を辿ってクリスマスパーテイーの席に戻った。
ドロッセルマイヤーは「金の玉の謎は難しかったか?お母さんはすばらしい発明家だった。その最高傑作は君だ」と称えました。
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クララはお母さんの作った「秘密の国」という“からくりの国”をうまく修理し、お母さんを失った悲しみを乗り越えました!
 
クララは父にこれまでの我儘を詫び、父の望であったダンスを踊ります。
 
後半意外な展開でしたが、クララは自分の中にはどんな事態になっても対応できる力があると信じ、勇気をもって、まわりの人と協力し、難問に挑戦できる子になりました。
シンプルナなストーリーのなかに、しっかりとテーマが仕組まれていました。
「それぞれの国の統治者はどんな人でしたか、見た目で判断してはだめよ」、これがクララに課したお母さんの課題でした! おわり
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