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「ブラックパンサー」(2018)

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オバマ前大統領の2018年のお気に入りベスト10リスト入り作品ということで、WOWOWで観賞です。
物語の背景がアフリカ、アフリカ系黒人一色の出演者、そしてテーマがまさにオバマ前大統領に被さり、アメリカ社会の行く末をモチーフにしているように見えます。

 ヴィブラニウムは、遥か太古の昔に宇宙からの隕石によって地球にもたらされ、ワカンダ国の鉱床で採掘される頑強で不可思議な性質を秘める鉱石。この鉱石の運用を巡る国王と従弟の闘いと国の行方を描くアクション作品。
製作はマーベル・スタジオ、配給はウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズです。
 
ブラックパンサーは「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(2016)で初登場したヒーロー。ヴィブラニウムの影響を受けたハート型のハーブを摂取し、特殊なスーツを身に着けて超人的な力を発揮します。
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本作は「スターウオーズ」と「マイテイーソ」が混在しているような作品ですが、人種・性差別、資源・貧困問題など現実社会へのメッセージ性があり、他のマーベル作品とは一線を隔し、これが世界から受け入れられる理由でしょう。( ^)o(^ )

監督は「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラー。出演は国王ブラックパンサー=ティ・チャラ役をチャドウィック・ボーズマンブラックパンサーを追い詰める従弟エリック・キルモンガー役をマイケル・B・ジョーダンが演じます。

そして、国王の元恋人・ナキア:ルピタ・ニョンゴ、国王の親衛隊長オコエダナイ・グリラCIA捜査官・エヴェレット・ロス:マーティン・フリーマンオコエの恋人・ウカビ:ダニエル・カルーヤ、国王の妹・シュリ:レティーシャ・ライト、その他にウィンストデューク、アンジェラ・バセッらが出演です。

あらすじ:
絶大なパワーを秘めた鉱石「ヴィブラニウム」が産出するアフリカの国ワカンダは、その恩恵にあずかり目覚しい発展を遂げていた。
この恩恵が他国に渡ることを防ぐために、歴代国王は、世界各国にスパイを放ち、秘密を守り通してきた。
 
1992年、当時のティ・チャカ国王が、米国に潜入していた弟の秘密漏洩を知り、国の安全を犯すとして亡き者にしてしまう。しかし、弟には子があった。

父のティ・チャカの死去に伴い、ティ・チャラが“自分に国王が務まるのか”という不安のなかで、恋人ナキアや妹シュリの助けを借りて王位に就く。
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就任早々の不安なときに、ワカンダの秘密を狙う元秘密工作員の男 エリック・キルモンガーが、武器商人のクロウ(アンデイ・サーキス)と組んで暗躍していることを知り、国を守るためにナキアとオコエをともない彼らが暗躍する香港に乗り込む。
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潜入していたCIAのロス捜査官と組み、激しいカーチェイスの末に、クロウを捕らえるが、取り調べ中にキルモンガーの襲撃を受け奪還され、ナキアをかばい重傷を負ったロスを連れてワカンダへの帰国をせざるをえなかった。ティ・チャラはその失態を批判され落ち込む。

そこにロスの遺体を手土産にギルモンガーは現れ、自分は先の国王に殺された弟の子エリックだと名乗り、「ワカンダの技術と武器をもって世界中のアフリカ系民族を迫害から救うために帰還した」と王位を求める。
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ふたりは、大瀑布をバックに真の王はどちらかと王位をかけた決闘を行うことになる。

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テーマは自国の繁栄を優先するか、それとも世界の苦しむ黒人たちのために ヴィブラニウム運用を開放すべきかの選択です。まさに、現在のアメリカのありようを問うているように見えます。( ^)o(^ )
 
ティ・チャラは敗れて、滝壺に突き落とされるが、敵対してきたジャバリ族首長エムバク(ウィンストデューク)に救われる。
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再び王位を賭けてヴィブラニウム採掘場でキルモンガーと戦い、激闘の末ギルモンガーを下す。
受傷したギルモンガーは、ヴィブラニウムによる治療を断り、ティ・チャラの腕の中で美しい祖国ワカンダの景色を眺めながら亡くなる。
 
この経験を踏まえ、ティ・チャラはウイーン国際会議で「ワカンドの資源を世界に分つても世界は変えられない。今の世界を見て、未来がない。他人と繋がり、相手を受け入れられる国王になる」と開国宣言をする。これにはトランプ大統領も苦笑いでしょう。( ^)o(^ )
 
物語はアフリカの森林・砂漠・大瀑布、香港の賭博場、ロンドンの博物館などが舞台で、世界の風物を楽しめます。特に国王戴冠式が行われる大瀑布が圧巻でした!
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そして、繁栄するワカンダの都市、超近代化された通信・輸送手段・病院施設などに驚かされます! 
 
キャラクターは、性差別・民族差別などの問題が浮き彫りになるよう、主人公ブラックパンサーが絶対的な強さを持つのではなく、ちょっと精神的な弱さがあり人の助けが必要というのが面白い。これに比べて女性がしかりしていて魅力的、女性優位になっています。( ^)o(^ )
 
元恋人・ナキアは世界で虐げられる弱者を見過ごせず彼らを救うため国外でスパイ活動に励む女性。ルピタ・ニョンゴが彼女の持つ明朗快活な性格と強い意思を、優しく美しく演じてくれ存在感があります。
また。妹・シュリはブラックパンサーの特殊スーツや様々なツールを創り出すヴィブラニウム工学の天才科学者・発明家、愛国心も強い真面目な少女です。彼女をレティーシャ・ライトが愛嬌たっぷりに、可愛らしく演じてくれます。必見です! 
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ソニック・スピアという槍、シールド・バリア、ロイヤル・タロン・ファイターなどの武器は、スターウオーズやマイテイソーに出てくるものよりもう少し先の技術を取り入れたもので、戦闘にスリルとテンポを与え、また、原始的な戦いと最先端技術で戦うハイロー戦闘が笑えます。
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 ラストシーン、ティ・チャラのウイーン国際会議での演説が終わるや否や「小さな国から何が学べるのですか」という声が上がる。
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次作は世界を救うティ・チャラ=ブラックパンサーの活躍が期待できます。楽しみにしたいです。
追記:第91アカデミー賞作品賞にノミネイトされています。
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 「ブラックパンサー」ワカンダのテーマ曲