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「ミザリー」(1991)なんでこんな映画を観るの? アニーのミザリーへの偏執性。これをうまく使って、ポールが復讐を謀るという結末のカタルシス。

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スティーブン・キングの同名小説を「スタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナー監督が映画化した傑作サイコスリラー。ということで、WOWOWで観ました!

精神的に重く追い詰めてくるところ、残酷なシーンは「シャイニング」?

ミザリー」シリーズで人気の作家が、雪道で事故に遭い瀕死の状態で、狂信的な読者である元看護師に救われる。作家が携帯していたシリーズ最終版で、ヒロイン・ミザリーが死んだことを知った彼女が逆上して、狂気で、自分好みに修正を求めてくる。作家は小説の結末を巡る駆け引きをしながら、はたして執拗な彼女の狂気から逃げることができるか。

出演はジェームズ・カーンキャシー・ベイツフランセス・スターンヘイゲン、リチャード・ファーンズワース、ローレン・バコール。主演のキャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞を受賞しています。


Misery (1990) - Original Trailer

あらすじ(ねたばれ):

ベストセラー小説「ミザリー」シリーズの人気作家ポール・シェルダン(ジェームズ・カーン)は、ミザリーを殺さなければ一生自分の書きたい作品を書けないと、出版編集者マーシャル・シンデル(ローレン・バコール)に伝え、いつものシルバー・グリークにあるロッジで仕上げることにした。

書き終えての帰り、雪道で事故に遭い瀕死に陥ったところを、近くに住む元看護師の中年女性アニー(キャシー・ベイツ)に救われた。

2日後目が覚めると、両足骨折、右腕骨折で身動きできない状態でベットに寝せられていた。雪のため道路は通行は使用できず、電話もかけられないという陸の孤島となっていた。

アニーはにっこり笑ってとても親切そうで、2錠の薬と食事をいて、自分の部屋に戻っていく。

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編集者は6週間経ってもポールから連絡がないので、シンデルは地元警察官バスター(リチャード・ファーンズワース)に安否確認を依頼した。

アニーはポールの意識回復を待って、カバンにある新作を見せて欲しいと申し出でて、ポールはそれを許可した。

食事と薬を運んできた際、40ページまで読んだが、言葉が汚いと不満を漏らし、「愛しているポール!」と部屋を出て行った。ポールはスープをこぼされ、ギョットした。

朝、いつものように朝食と2錠の薬を持ってきたアニーが「300ページまで読んだ、神よ!完璧!」と褒め、「結婚は特別な男でないと」と思わせぶりな言葉を残して自室に戻っていた。ポールはトイレを尿瓶で済ませる状況だった。

夜になって、アニーがやってきて「何故ミザリーを殺した!」と怒り、ベットで動けないポールに椅子を投げるつける!痛がるポール。

アニーが去って、ポールが不自由な動作でイザってドアのノブを調べると鍵が掛けられていた。

ジェームズ・カーンの演技が上手くって、とにかく動作が痛々しい!!

ポールはベッドに戻れない。床に寝ていた。そこにアニーがバーベキュー鍋を持ってやってきて、釜に原稿を入れ、油をふりかける。さらにポールの身体にも油をかけ、ポールにマッチを渡して「火を点けろ!」と脅迫する。ポールがマッチを擦って釜に投げ入れた。燃え上がる炎! アニーが水で消した。

捜索ヘリでバスター保安官が捜索するが、車(マスタング)は発見されず、ポールは行方不明と報道された。

ポールは食後、2錠の薬を飲まず、ホークでベットに穴を開け、そこに隠すことにした。何を企んでいるのかと恐ろしくなる!

ポールは車椅子で動けるまでに回復し、右腕は不自由ではあるが、執筆活動ができる状態になった。アニーはテーブル、タイプライターと原稿用紙を準備して、「すばらしい作品を書いて!ミザリーの生還を!」ミザリーの最終版を新たに書くよう求めた。

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ポールは床に落ちたアニーのヘヤピンをアニーに気付かれないように、車椅子から、苦労しながら拾い上げた!

ポールが「原稿用紙の質が悪くインクが滲む」と難癖をつけた。アニーは今までの優しい態度を一転して激怒。脚に原稿用紙を投げつける。痛い!

アニーは町に原稿用紙を買いに車で出て行った。ポールはヘアピンでドアを開け、アニーの部屋や台所を調べ、睡眠薬を盗んだ。いつアニーが戻ってくるか?車椅子が思うように動かない! ドキドキハラハラの展開!

ポールは小説を書き始めた。出来た原稿をアニーがその都度点検し、読むたびに一喜一憂。いつ怒りが爆発するかとこれが怖い!

ポールは「ミザリーが生き返る」と感激するアニーに「今夜食事を一緒にしよう!」と誘った。

ポールはこれまでため込んだ睡眠薬をアニーのワイングラスに入れてたが、アニーがこれを零ししてしまう。「ミザリー(みじめだ!)」とポール。(笑)

この夜からポールは結末までを書きに書きまくった。アニーが「あんたに惹かれた!」と言い出し、「本が出来上がると別れになる!」と拳銃を見せて、弾を買いに出た。

ポールはアニーのいない間に彼女の部屋でアルバムを見て、彼女が連続幼児殺人者であることを知った。そして、台所に入り包丁を持ち出し、ベッドに戻って、回復した右手(アニーには隠していた)で刺殺する練習をして、アニーの帰りを待った。ところが大雨で雷。アニーがなかなか帰って来ない。寝てしまった!

目を覚ますとアニーが腕に注射を刺していた。これが一番怖かったシーン!

朝になり、アニーがやってきて、「あんたの行動は全部読めていた!」と両脚をハンマーで折られる。観ていられない恐ろしさ!

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アニーが町に買い物に出た。バスターはアニーの姿を見て、昔の事件を思い出し、その記録から、アニーがミザリーの狂信的な読者だと見抜き、ポールを隠していると断定した。

アニーを訪ねてきたバスターは、アニーによって射殺された。アニーは「愛するあなたを守った!死のう!」という。

ポールはアニーに「愛してる!」と伝え、「ミザリーを完璧に生き返させる!」と本を書き上げ、完結祝いにタバコとマッチ、シャンペンを求めた。

アニーが祝いの席についたところで、準備していた油を原稿にかけ、ライターで火を点け、「復讐だ!」と叫んだ。アニーが原稿の火を消そうとするところをタイプライターで殴った。ここからふたりのすざましい格闘が始まる。アニーの狂った形相が凄い。

感想:

大怪我をして密閉した部屋に閉じ込められたポール。「ミザリー」の描き方しだいで、突然感情を荒げ挑みかかるアニーのこの異常さ。ミザリー」の結末を巡り、アニーの感情が激変するのが怖かった。

両足を斧で折られる暴力は写し出されず、その恐ろしさを脳で感じることになりましたが、おそらく小説の方が怖いかもしれませんね。でも怖かった!

アニーの暴力に、不自由な身体でこれに抗するポールの辛さ、痛さに耐えられない!(笑)

なんでこんな映画を観るの? アニーのミザリーへの偏執性。これをうまく使って、ポールが復讐を謀るという結末のカタルシス。ストーリー展開はとても面白く、すばらしいミステリー作品で、キャシー・ベイツジェームズ・カーンの演技は完璧でした!

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