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宮﨑あおいさんを応援します

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」(2021)やられたと思ったがいい嫁でした!

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今週の作品選定は悩みました!キャストでこの作品を選びました。😊

夫の不倫に気づいた人気漫画家の妻が新作で不倫漫画を描き、虚実あいまいなその内容に夫が不安と恐怖を募らせていく夫婦の心理戦がスリリングに展開していく物語。

監督・脚本堀江貴大撮影:平野礼、編集:佐藤聡崇、音楽:渡邊琢磨。主題歌:eillの「プラスティック・ラブ」。

出演者黒木華柄本佑、金子大地、奈緒風吹ジュン、他。

堀江監督が“TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018”で準グランプリを獲得した企画を映画化したサスペンス・コメディとのこと。

結婚生活5年目の夏。漫画家の佐和子が新作のテーマに選んだ題材は不倫。彼女のアシスタントを務める夫の俊夫は、担当編集者の千佳と不倫関係にあり、妻の本心が掴めず疑心暗鬼になっていく。しかも物語は、自動車教習所のイケメン先生と佐和子のただならぬ関係を匂わせる展開となり、どこまでが創作なのか分からぬまま、不安と嫉妬に苛まれていく俊夫だったが…。(allcinemaから引用)

佐和子の描くマンガがファンタジーなのか彼女の本心なのかと、疑心暗鬼の俊夫。ふたりの心理サスペンスが見どころの作品で、ハラハラドキドキでとても面白い。そして物語は二転三転、その結末の解釈に悩まされます。浮気の話でなく人生再生の話、私の回答は爽快でした!😊

ストーリー展開に、キャタクターに、巧みな演者の演技に、タイトルに、騙されっぱなしでした。(笑)

あらすじ(ねたばれ):

売れっ子漫画家の早川佐和子が連載マンガの最終回原稿を彼女の後ろで色つけする夫・俊夫に渡して「終わり!」と言えば、編集者の桜田千佳が「良いですね」と褒め、俊夫が「終わったよ、よろしく」と。佐和子、千佳、俊夫の立ち位置。 (笑)

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俊夫は佐和子ノマンガの先生でいまは佐和子のアシスタンス。4年前からスランプで新作を書いていない。

佐和子はもの静かで聡明、ちょっと自分勝手なころがあります。俊夫は陽気で明るいが、おおざっぱでどこか抜けて鈍感、こんな生活も不平はないらしい。(笑)千佳は俊夫と不倫関係にあるがべたべたしたところは全くない、いたって明け透けな性格。(笑)この3人のキャラクターが見事に生かされたドラマになっています。黒木さんにはめずらしい役、柄本さんにはいくつか似た役があったように思います。黒木さんの隠れた魔性を見ることになりますが、とても可愛いです!

最終回が終わって原稿を持って帰る千佳に「駅まで送ってあげたら!」と俊夫に声を掛け、「浮気している夫、どうしようか!」と考えているところに佐和子の田舎の母・下条真美から怪我したという知らせが入った。

佐和子と俊夫は俊夫の車で田舎に向かった。 田舎の家に着くと、佐和子はさっさと二階に上がり、次作の構想を練るための自分の部屋を調べる。真美は「自分のやりたいことをする子だから」と俊夫に謝る。真美は「この夫婦ちょっとおかしいな!」という直感が働いたようだった。この直感が、観る人の感を狂わせ、物語を面白くしてくれます。(笑)

夫婦の部屋でふたりが寝ることになったがセックスレス。どちらも関係ないみたい!(笑)

俊夫は「芋調理がうまい!」と義母をうまく取り込みますが・・。車の免許証が欲しいと佐和子が自動車教習所通い。毎日俊夫が送り迎え。こんな生活に全く退屈しない俊夫、義母の買い物、料理を手伝うという・・。(笑)

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佐和子は当日の先生は年齢のいった人で丁寧に教えてくれるんですが、運転恐怖症でアクセルが踏めなかった。ところが2日目、若い先生でイケメンの新谷歩に出会って、心ときめいた。この新谷先生というのがとても言葉が柔らかくてうまく運転恐怖症の佐和子にアドバイスしてアクセルを踏せるとことに成功。

佐和子は家の戻って、新谷先生を頭に描きなから、一気にマンガのタイトル「先生、私の隣に座っていただけませんか?」でネームを書き始めた。俊夫にタイトルを見せると「不倫か!」と興味を示さなかった。俊夫はある意味純粋な男だった。

第1話は「夫の浮気」最終原稿が出来て、社に持ち帰る編集者を夫が電車に送るシーンまで。そこには編集者に夫がキスするシーンがある。俊夫が「俺か?」という感じで、ファンタジーだろうと思った。(笑)

第2話は「田舎暮らし」。佐和子が自動車教習所で若い先生にあって運転恐怖症を克服する話。「スピードに乗って走ると気持ちが良いんです。危ないときは私があなたは私が守ります」「免許証取ったら夫を捨てます」なんてセリフがある。原稿は二階の佐和子の部屋に無造作に置かれていたし、送り迎え時佐和子に変化はない。ファンタジーだろうと俊夫は思った。しかし、先生がイケメンだなと気になった。

第3話は「初めて手を握る」教習運転中に道端に車を停めて、ふたりが手を握るというシーン。さすがに俊夫も冷汗が出た。義母が「佐和子がスカート履いて出て行った」という。こんなことにも気づかない俊夫だった。(笑)

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妻を迎えにきた俊夫は、身を隠して、先生に挨拶して出てくる妻を見た。車の中で俊夫が「机の上の漫画読んだ!あれ実話か!先生となら許さん!」と聞いた。(笑)佐和子が「あなたはどうなの?」という。「ない!」と俊夫。佐和子は「そうだよね!勝手に読むのはひどいよ!」と注意した。佐和子の胸には怒りが生じたが、俊夫にはそんなこと考えもしなかった。(笑)

翌日。俊夫は佐和子の市街地走行運転を追跡することにした。もう俊夫は嫉妬で狂っていた。先生の新谷の顔を確認したところで、佐和子の車を見失った。その夜、俊夫は「何やってるんだ!」と自責の念に駆られ、眠れず苦しんだ!

佐和子は原稿を書いていて「もう描くのを止める!」と言い、「マンガ描いている?」と聞く。俊夫が「描くつもりはない、心が動かない!」と答えると佐和子は「描けるよ!」と言った。不倫を認めず漫画を描く気概もない夫に佐和子の心境はなんであったのか?

佐和子は俊夫とスーパーで買い物。毎日台所に立ち、家族3人で食事。遂に免許証を取得した。

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佐和子は俊夫の車を借りてドライブに出た。2日経っても戻って来ない。俊夫は「そちらに連絡ないか?」と千佳に久しぶりに電話した。千佳は佐和子が居なくなったことに興味を持って、田舎に出てきた。

佐和子は漫画を書いたり、新谷と海にデートしていた。モーテルで新谷が迫ったが、佐和子は夫に復讐を終えてと断った。ふたりで田舎に戻り、俊夫に復讐することにした。

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田舎に戻りと、母・麻美、夫・俊夫、編集者・千佳、佐和子と新谷の5人が一同に会することになった。

俊夫が家政婦の役割でみなさんにコーヒーを運んでくる。(笑)新谷には厳しい目線を送った。(笑)

突然佐和子が二階に上がって漫画を書き始めた!新谷は「佐和子さんと外に遊びに出たのは今日が初めてです」と言い出す。

俊夫は新谷の言うことが真実かどうかなどどうでもよかった!二階に駆け上がり佐和子の部屋に入った。ここからふたりは横に並んでピアノの連弾のように漫画を描くシーンは秀逸です。若き日にふたりは戻っていた!

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俊夫は佐和子の描く千佳の絵を見て、「俺と彼女はそういう感じではない。全部君の妄想だ!」と彼女の絵を消して訂正した。千佳というのはそういう関係だと佐和子の手を止めて「続きを考えて!」と促す。

愛がある。許してと言いたいわけでなく、話して信じて貰えないと思うけど、佐和をここに置いて出るつもりはない!ここでやり直してみる」。

「なんで不倫を認めなかったの?」「ごめん!でも俺は佐和が好きだ!」。佐和は俊夫にピンタを食らわして「もう遅い!」と泣いた!

佐和は「私の先生はあなただけ!」と俊夫に佐和が描いた絵にペンを入れさせた。

目が覚めると佐和と新谷がいない。実は佐和子が新谷と朝早く出て行った。見送った母・真美は「初めから別れる気だったんだ」と声を掛けた。ええ!

この漫画を見た千佳はファックスで編集部に送り、連載漫画として掲載されるという許可を取った。著者は早川俊夫、編集者桜田千佳。千佳という女性の強さ恐ろしさに驚きますね。(笑)

さてラストシーン。長いトンネルを抜ける佐和が運転する車の助手席には誰が載っているのか、いないのか分からなかった!ナイスな結末です😊

 感想:

あらすじは“私が感じたあらすじ”です。観る人で異なる、これが面白いところなんだと思います。

佐和子は俊夫に浮気の復讐をした!それだけではない、夫を元の漫画家に戻そうと叱咤激励しました。佐和子はちっちゃな浮気に捕らわれるのではなく、夫は自分に正直であって欲しい、そして自分の漫画の先生であって欲しいという願いでの復讐劇だったと思います。

ラストシーンでトンネルから出てくる佐和子の助手席に誰が座っているのか、いないのか。回答はありませんが、彼女はこの一件で長い苦しみを抜けて、新しい世界に飛び出したと思います。おそらくその席はしばらく空席にするのではないでしょうか。俊夫も漫画家として現役復帰です。夫婦はどうあるべきか、「ゴーンガール」(2014)なんてとんでもない!良い夫婦の形に落ち着いたと思います。

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