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「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」(2022)更に進化した映像美に、生きる家族の物語だった!

ジャームズ・キャメロン監督作「アバター」から約13年ぶりとなる続編前作から約10年が経過した世界で、新たな物語が紡がれるという。あのすばらしい映像を再び観ることができるかと楽しみにしていました。公開初日、一番で観ましたが、二分の一も入ってない、これには驚きました!(笑)

2回観ることに決めていて、今回はストーリーをしっかりみようと2Dで観ることにしました。

監督:ジェームズ・キャメロン原案:ジェームズ・キャメロン リック・ジャッファ アマンダ・シルバー ジョシュ・フリードマン シェーン・サレルノ脚本:ジェームズ・キャメロン リック・ジャッファ アマンダ・シルバー、撮影:ラッセル・カーペンター美術:ディラン・コール ベン・プロクター、衣装:デボラ・L・スコット、編集:ティーブン・リフキン デビッド・ブレナー ジョン・ルフーア ジェームズ・キャメロン音楽:サイモン・フ。

出演者:サム・ワーシントンゾーイ・サルダナシガニー・ウィーバー、スティーブン・ラング、ケイト・ウィンスレットクリフ・カーティスト、ジェイミー・フラッターズ、ブリテンダルトン、トリニティ・ジョリー・ブリス、ベイリー・バス、フィリップ・ゲリオ、デュアン・エバンス・Jr、ジャック・チャンピオン、他。

物語は

地球からはるか彼方の神秘の星パンドラ。元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)はパンドラの一員となり、先住民ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と結ばれた。

2人は家族を築き、4人の子どもたちと平和に暮らしていたが、再び人類がRDA社(Resources Development Administration)の名のもとに、パンドラに現れたことで、彼らのその生活は一変した。

神聖な森を追われたジェイク一家とオマティカヤ族は、未知なる海の部族・メトケイナ族の住む島(メイケイナ・ヴィレッジ)に身を寄せることになった。ここは堡礁や環礁など、浅瀬に沿っての暮らしで、海洋生物と共存しながらの生活だった。

この美しい海辺の楽園のような生活に慣れたところに、人類の侵略の手が迫っていた。

ストーリーは上記のとおり、きわめてシンプル。(笑)前作のその後が手際よく描かれ、これで完全に「アバター」の世界感に入ることができます。物語の主体はメイケイナ・ヴィレッジでの生活とRDAの傭兵リコン部隊(遺伝子組換えで新たに生み出された人間/ナヴァのハイブリッド兵)と先住民との激闘です。

海洋生物との触れ合い、海洋作戦など、前作にない映像を観ることになり、前作以上の見ごたえのある映像と、“家族”をテーマにした情感のあるストーリーが楽しめます。

家族の物語では、特に子供たちの活動が、面白く、しっかり描かれているので、お子さんと一緒に観るにはいい作品だと思います。


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あらすじ&感想(ねたばれ:注意):

ジェイクとネイティリには4人の子供がいた。長男のネテャム(ジェイミー・フラッターズ:)はお母さん似で長男らしく云われたことはよく聞くし、真面目。長女のキリシガニー・ウィーバー)は養女でオーガステイン博士アバターの子だという。(笑)動植物の霊気に繋がるという神秘性を持っている。次男のロアクブリテンダルトン)は父親似で指が5本ある。「俺はナヴィか?」というコンプレックス、優秀な兄への競争心がある。

ネチャムとロアク兄弟の性格の違いが物語を面白くしています

 次女のタクティレイ(トリニティ・ジョリー・ブリス)、普段はタクと呼ばれている。末っ子でわがまま、兄たちには足でまといな存在だった。これに付近に住む人間のスパイダー(ジャック・チャンピオン)がサリー家の子供と遊び回っていた。彼は人間がナヴィに敗れて地球に帰る際に放置され、人間が住むことが許されている施設(ヘルス・ゲート)で育てられた。

ジェイクはイクランで森林内を散策し、子供たちに弓を教えで過ごしていた。

「地球は滅亡する」とパンドラ衛星に活路を見出しRDA社は最新装備でパンドラに侵入し基地(ブリッジヘッド)を構築した。基地司令は女性のアードモア大将。

ジェイクはRDAの基地活動を妨害するために資材運搬列車を襲撃するなど戦闘行動を行っていた。敵のヘリに発見され襲撃されることがあったが、これが次男ロアクの不注意な行動によるもので、ジェイクは厳しく注意し、「厳しすぎる!」とネイティリと揉めることがあった。

重要な問題にぶち当たるとジェイクとネイティが必ず話し合い、物事を決める

 リコン部隊長としてクオリッチ(スティーブン・ラング)大佐が着任した。大佐は人間クオリッチ大佐の精神が全て移植されたナヴィのアバター。クオリッチをこういう形で再登場させるという上手い手でした。(笑)

アードモア大将のクオリッチ大佐に与えた命令は「パンドラは次の地球だ。まずは亡ぼせ!」だった。(笑)

サリー家の子供たちが、禁止されているにも関わらず、昔のラボに付近で遊んでいた。そこに偵察にやってきたクオリッチ大佐に発見され捕獲された。

知らせを受けたジェイクとネイティリが駆けつけ戦闘になったが、大佐はスパイダーを連れてヘリで脱出した。大佐は「地球に返されたと思ったいた」と驚きを見せた。

ジェイクはハレルヤ・マウンテンの秘密基地を去ろうとするが、ネイティリは亡くなった父のことを思い反対だった。ジェイクは「ここにいたら皆殺しに会う。俺は家族を守る。家族は砦だ!」とネイティを説得した。

捉えられたスパイダーはジェイクの居場所を吐くよう拷問されたが、決して吐かなかった。クオリッチ大佐はスパイダーを伴って偵察を開始し、怪鳥イクランにも乗れるようになっていった。

ジェイク一家とオマティカヤ族は、メトケイナ族の住む島(メイケイナ・ヴィレッジ)に着いた。

酋長のトノワリ(クリフ・カーティス)、妻ロナル(ケイト・ウィンスレット)に迎えられた。

オノワリは「ここの生活は森の民には無理」と言い、キリを見てロナルが「悪魔の血が流れている」と嫌がった。これにネイティリが「私の夫は経験済み、適応できます」と掛け合い、了解された。避難民という視点からドラマを見ることになります。

トノワリの娘ツィレヤ (ベイリー・バス)によって海中でトレーニングが始まった。海での生活に欠かせない乗り物、イルの乗り方、海中での潜り方を教わる。ジェイクは戦場で必要なトビ魚のように飛ぶスキムウイングの乗り方を学んだ。

魚たちがとても美しく作られているが、実在の魚たちとちょっと似ていて、とてもリアルだ。どのシーンも美しい写真になっている。

しかし、ロアクの指を見て「これがナヴィか?」とトノワリの長男アオヌング(フィリップ・ゲリオ)らが虐める。ロアクはこんなアオヌングに挑み、これには兄のネチャムが応援に加わる。虐めに立ち向かうというのがいい。こうして子供たちの中に友情が育っていった。

岩礁の中のイソギンチャク、サンゴ、微生物などが美しい。キリは優雅で透明なル・マントルという大きなクラゲと会話を交わすようになっていった。そして母オーガステイン博士に繋がった。母に父親の名を聞いたが返事はなかった!

ロアクはアオヌングの誘いで禁じられている岩礁スリーブラザーズ・ロックにイルに乗って出かけた。そこでロアクは獰猛なアクラ(鮫)に襲われ岩礁に逃れたが、それは岩礁ではなくタルカン(クジラ)だったタルカンは高度な知能を有する巨大海洋生物だった。タルカンの翼にイカリが刺さっており、これを抜いたことで、ロアクはタルカンと友達になっていった。ロアクは兄とは違った能力があることが分かった。

ロアクとタルカンが泳ぐ姿が感動的です!

しかし、このことは兄ネチャムには面白くなかった。こういう泥臭い物語が、SFでありながら、身近なリアリティを感じる物語にしてくれる。

スリーブラザーズ・ロック行はご法度だったからロアクは父ジェイクから注意される。「息子が誘って悪かった」とトノワリが謝りにきた。こうして小さなことの積み上げで両種族の間には信頼感が育まれていった。

タルカンがメイケイナ・ブリッジ沖にやってきて大ジャンプを見せる。これは見事です!キリがタルカンと会話を交わした。

ネチャムは「タルカンは殺し屋だ」と言い、ロアルと言い合う。ネチャムの妬みでしょう。ロアルはタルカンのお腹の中に入り、人間がタルカン狩りに使う大量の爆薬を呑み仲間を守っていることを明らかにして、兄の誤解を解くが、受け入れない。(笑)ツィレヤがネチャムに「弟さんだから、大切な仲間よ!」と忠告をした。(笑)

このころクオリッチ大佐は大型漁船シードラゴンを雇い、各種の海洋線、武器を搭載し、ジェイクらの行方を探っていたが掴めなかった。そこで漁船の仕事、タルカン狩りにつき合うことにした。科学兵器による残虐なタルカン狩りの様相が克明に描かれ、捕鯨をイメージアップしたもので、地球人がパンドラでこんなことをやっているようでは、ナヴィは地球人を受け入れない

タルカン狩りの目的はタルカンの脳液に含まれる長寿のエキスだった。脳液を採取したタルカンの遺体がそのまま海に放置され、子供たちが遊んでいるメイケル・ヴィレッジの浜に流れ着く。その向こうにシードラゴンが現れた。タルカンに銛が撃ち込まれていた。

RDAの攻撃が明らかになった。戦場はスリーブラザーズ・ロックジェイクは「これは自分への戦争だ!」とトノワリに伝えた。トノワリも参戦することに決まった。

多勢に無勢とばかりに、大量のナヴィ兵たちがイクランに乗り空から、水上から敵艦ドラゴンに襲い掛かる。ロアクはタルカンに襲撃を命じた。

ナヴィのローテクvsRDAのハイテク装備の決戦が始まった。

クオリッチ大佐が高速哨戒艇ピカドールでサリー家の子供たちを標的に攻撃し、捕獲した。タルカンがダイブしてドラゴンを攻撃、甲板は大混乱、艦が傾き座礁、浸水が始まった。

クオリッチ大佐はジェイクをドラゴン艦に誘き入れ、決着をつける作戦に出た。

ネチャムが密かに艦内に侵入してロアクとキリを救出して海に逃げる際、射撃されて負傷。艦内に末娘のタクが捉えられていた。

ジェイクは妻ネイティリに「君が必要だ!」と誘い、クオリッチ大佐の要求に応じて艦内での決戦に挑むことにしたここからの戦い、タクを取り返すためのネイティリの戦いぶりがすざましい。浸水していく艦内での戦いが、「タイタニック」の監督だけに、面白い映像が観られます。

戦の結末は、ネイティリはタクを取り戻し、水没するジェイクをロアクが救出。一方、水没するクオリッチ大佐はスパイダーによって救出された。長男ネチャムを失ったサリー家は深い悲しみの中で「家族は最大の弱点だったが、武器だった」と確信した。

ジェイクはトノワリの言葉「貴方の息子は我々と一緒にここに居る」に「逃げても守れない、ここで戦う」と決心した。

まとめ:

映像の美しさ、精緻さはさすがで、今回はこれにさらに胸熱ストーリの感情が加わり、すばらしい映像になっていた。特に生物や武器に新たな知見を加え独創的に描かれ、さすが映像作家キャメロン監督だと納得しました。3時間の尺も13年間の努力を見せるためには必要だったと納得しています。

夫婦が、兄弟が、家族が、喧嘩することもあるが、危機にあたりすべての力を出し合って、家族のために戦う。タクを救うためのジェイクとネイティリの凄まじい闘志、兄弟を救うために戦った兄ネチャムの死、感動しました。

闘いを終え、「闘いは戦いを呼ぶ」、「もう二度と逃げない」というジェイクの言葉。今の日本に必要な言葉だと思いました

SFでありながらリアリティのある物語。そこには、現代社会の戦争、難民、環境、資源、民族などの問題が背景となっており、これがリアリティに結びついていると思います。底が浅いという意見もあるかもしれないが、この点を高く評価したい。

尺が長かったのは上述理由によるものだと思っていて、引き続き準備されている3、4作では、さらに大きな世界感のあるストーリーになっていくと期待したいです。

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