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「荒鷲の要塞」(1968)若きクリント・イーストウッドの姿を楽しむ!

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クリント・イーストウッド、38歳、若き姿、それも軍服姿を観たいとこの作品を選びました。イーストウッド、本作も脚本が気に入って参加した作品で、イタリアからアメリカへの凱旋作となります。カッコいいイーストウッドの姿を見ることができます。観て面白かったと言える作品でした。観てない方にはお勧めです!

原作:ナバロンの要塞」の作家アリステア・マクリーン、脚本も担当です。監督:ブライアン・G・ハットン撮影:アーサー・イベットソン、音楽:ロン・グッドウィン

出演者:リチャード・バートンクリント・イーストウッド、メアリー・ユーア、マイケル・ホーダーン、ロバート・ビーティ、アントン・ディフリング、他。

あらすじ:

第二次世界大戦の最中、ヨーロッパ大陸反攻作戦を担当するアメリカ陸軍の将軍、カーナビー(ロバート・ビーティ)が飛行機事故によりドイツ軍の捕虜となる。連合国の最重要機密の漏えいを防ぐため、イギリス軍情報部(MI6)のローランド提督(マイケル・ホーダーン)とターナー大佐(パトリック・ワイマーク)は救出作戦を立案。スミス少佐(リチャード・バートン)を中心とするイギリス軍情報部員6名と、アメリカ陸軍レンジャー隊員・シェイファー中尉(クリント・イーストウッド)からなるコンバットチームが結成される。

カーナビー将軍が収容されているのは、アルプス山脈の断崖絶壁に建てられた「鷲の城」(Schloss Adler)と渾名される難攻不落の城塞である。一行はカーナビー将軍救出のため、この「鷲の城」に向かう。・・

感想:

ターナー大佐がコンバットチームに与えた「カーナビー将軍の救出」任務に、隊員から「なぜ救出するのか?」の質問。「死なせたらアイゼンハワーがイギリスを攻撃する」というローランド提督の珍回答。(笑)「大隊クラスの部隊が必要だが、時間がないので(笑)初対面の兵士で編成しそれにひとりの米兵レンジャー隊員を加えた」という大佐の部隊編成の謎。

この謎が物語の進展に合わせ解きほぐされ、ラストで真実が明かされるという、とても面白い作品です。

冒頭、コンバットチームはドイツ・ユンカース機により雪の作戦地に降下。作戦地域が美しいオーストリア中部のホーヘンヴェルフェン城付近というロケ地がすばらしい

積雪地に降下直後、なぜかひとりだけナイフで斬られて死亡。スミス少佐が別行動で女性諜報員エリソン(メアリー・ユーア)に会いに行く。雪中を移動して荒鷲の城を遠望。ケーブルカーで城に辿りつく以外、頂上の城にたどり着く手段がないことを確認。どういう戦法を取るか?

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これを観る人に読ませるように物語が展開するところが、この作品の醍醐味です。

ドイツ軍兵士に変装して、城下街に入り、酒場で情報収集。全員がドイツ語に堪能という設定。ドラマはすべて英語。これは違和感がありですが、当時は許されたんでしょうね!

スミス少佐は城内で働く女性ミス・ハイディ(イングリッド・ピット)にエリソンを会わせ、城内に仕事を見つける。酒場でまた隊員が刺殺された。シェイファー中尉が訝るが、スミスは「分からない!」で通す。何が起こっている?ミステリアスだ!

ふたりはドイツ軍武器庫から爆破薬を持ち出し、軍施設に設置する。

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エリソンが無事検問を通過し、ケーブルカーで城内に侵入。クライマー親衛大佐に出会うが、これも無事通過!誰もいない城の頂上部屋に潜入した。

スミス少佐とシェイファー中尉は他の3名とは別行動として、3名をケーブルカーで城内へ。ふたりは軍施設を爆破させ、これに敵兵を牽引し、ケーブルカーの天井に乗り、途中で岸壁に取り移り、アイスピッケルで登頂し、エリソンが準備したロープを使って、城の頂上部屋に侵入した。

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少し、うまく行きすぎるところもあります。(笑)ここはアイスピッケルによる登頂をハラハラドキドキしながら楽しむことにします。また、敵ドイツ軍の装甲車、バイクなどが派手に走り周り混乱する様を、当時のままのドイツ軍装備が見れるのも楽しみです。ドイツ軍装備は恰好いい!

城内に入り、配備兵をナイフで刺殺しながら、カーナビー将軍の居場所を捜索。ここからがシェイファー中尉の出番でイーストウッドの沈着で機敏なナイフ捌きが見どころです。

カーナビー将軍が尋問されている部屋に辿りつく。そこにはロゼマイヤー将軍(ファーディ・メイン)とヴァイスナー大佐(ヴィクター・ビューモント)が尋問にあたっていた。捕らえられたコンバット隊員の3名もいた。

スミス少佐は「在イギリスのドイツスパイだ」と名乗り、「このカーナビーは偽物だ!偽物を捕まえさせたのはヴァイスナー大佐でこれを本物だと証言させようとしているのが3名の隊員だ!」とぶち上げた。驚くシェイファー中尉。イーストウッドの驚きの顔!(笑)

これにヴァイスナー大佐が反対するので、スミス少佐は3名の隊員に「誰に指示されたか?」と名前を書かせた。

そこにクライマー親衛大佐が、「英国兵を侵入させた!ヴァイスナーが隠してことを運ぶから・・、甘過ぎる」と飛び込んできた。シェイファー中尉が軽機でロゼマイヤー将軍、ヴァイスナー大佐を射殺し、カーナビー将軍(偽物)を確保し3人の隊員に縄を掛けて、この部屋を脱出した。

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荒鷲城から如何にして脱出するか?

 城兵を撃破して、ケーブルカーで脱出。バスに乗り換え空港へ移動、迎えに来た輸送機でイギリスへ脱出するという3段階の計画を持っていた。

敵の無線機を奪って、ターナー大佐に脱出のための輸送機の派遣を要請した。城から脱出し、空港までの移動バスについては女性スパイ・ハイディを使って準備させていた。

敵兵は動き出すまでに、3名の隊員を使って大量の弾薬を持ち出し、要所施設に爆破準備、敵兵士殺傷のためのトラップを仕掛けた。最後にシェイファー中尉が警報装置遮断のため放送施設に入ったが、発見された。

追ってくる敵兵との銃撃戦、施設の爆破、岸壁を伝っての脱出。さらにケーブルカー奪取時の格闘。エレベーターから脱出等のアクション、銃撃戦が見どころです。

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除雪鍬付のバスによる空港への逃走、ここではドイツ兵とのカーアクション、銃撃戦が見せ場でした。

危機一髪で迎えにきた輸送機に搭乗。機にはターナー大佐が搭乗していた。スミス少佐がターナー大佐に「あなたはドイツの逆スパイダ!」とカーナビー将軍(偽)尋問時に手に入れた証拠メモを見せる。実はターナー大佐の行動がおかしいとローランド提督が仕組んだ芝居だった。

まとめ:

あまりにも作戦がうまく運びすぎますが、観る人が「こうなるんじゃないの?」と予測しながら観ることができ、映画の中に入り込める楽しみがあります。とてもよく出来た脚本です!

机上の作戦だからできるが、実行性はゼロでしょう。(笑)しかし面白かった!

この時期、アメリカはベトナム戦争の最中。本作はとても楽天的な作品で、当時のアメリカのベトナム戦に対する雰囲気が分かるように思います。

クリント・イーストウッドの若かりしころの姿、とても端正でした。静かで意志力がある演技、機敏な動作でのナイフ格闘、軽機の射撃、いずれも見事だった!モントレ-所在のフォートオードでの訓練成果でしょうか?(笑)セリフは少ないですが存在感のある演技で、リチャード・バートンより軍人らく見えました!

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