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「お母さんが一緒」(2024)姉妹3人の仰天のバトル!母あってこの姉妹あり!大爆笑!

 

橋口亮輔監督作に「愛に乱暴」の江口のりこさんが出演。原作は劇団「ブス会*」主宰のペヤンヌマキさんの舞台劇。これが“面白くないわけがない”と観ることにしました

母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹の親孝行巡る一夜のバトルを描いたもの。舞台劇が原作で会話劇!

お母さんが一緒なのに、母親への愚痴がやがて壮絶な姉妹喧嘩に。母親とは、親子の絆とは何かがテーマ。三姉妹の壮絶バトルに抱腹絶倒。しかし、家族って煩わしくって、厄介だ。それでもやっぱり愛おしい!というのがしみじみと分かった。(笑)

私は3人兄弟で育った。だから3人姉妹の話は実感が湧かないが、幸い妻が久留米育ちの3人姉妹の長女で、妻の姿を重ねて見ました。共通点がいくつもあり大笑いしました。

監督:橋口亮輔原作:ペヤンヌマキ、脚本:ペヤンヌマキ 橋口亮輔撮影:上野彰吾、編集:宮島竜治、音楽:平井真美子

出演者江口のりこ、内田慈、古川琴音、青山フォール勝ち、他。

物語は

親孝行のつもりで母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女・弥生(江口のりこは美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを持ち、次女・愛美(内田慈)は優等生の長女と比べられたせいで自分の能力を発揮できなかった恨みを心の奥に抱えている。三女・清美(古川琴音)はそんな姉たちを冷めた目で観察する。「母親みたいな人生を送りたくない」という共通の思いを持つ3人は、宿の一室で母親への愚痴を爆発させるうちにエスカレートしていき、お互いを罵り合う修羅場へと発展。そこへ清美がサプライズで呼んだ恋人タカヒロ青山フォール勝ちが現れ、事態は思わぬ方向へとハ転がっていく。(映画COMより)


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あらすじ&感想

○お母さんはめんどくさい!

姉妹とお母さんを乗せた車が温泉旅館“岩園館”への誘導路で脱輪。長女の弥生が「あんたのすることには穴がある」と次女の愛美に嫌味を言う。「なんで?」と愛美が問えば「いい顔ばかりしよっと!」と長崎弁で答える。(笑)

弥生が部屋に入ると「部屋がくさい、あの子は部屋選びのセンスがない。私がやればよかった」と気にいらない。風呂を調べて「女湯の露天風呂が男湯に比べて狭い」そして「浴衣がくさい、男女ひとくみしかない」「あの子にまかせて上手くいったことがない、男もそうだ」と不平たらたら!(笑)

この会話から長女弥生の性格が分かるというもの

母の部屋を見てきた愛美が「あっちの部屋の眺めはいいよ、お姉ちゃん見てきたら」と報告すると「あの人とふたりになるのが嫌だ」と断わる。(笑)

「母は何で4人なのに2部屋もとると文句を言った」と愛美。弥生が「今日も第一声は父への文句よ」と言えば愛美が「離婚すればいいのに、よく同じ部屋で暮らせるよ」と母をくさす。弥生は「20年前に東京の大学に出てよかった。自分を誉めたい」と言えば、愛美は「私も家跳び出して正解だった」と応え、「君が偉い!」と三女の清美を誉めた。

○母の誕生日、母へのプレゼントは何にする?

弥生が「母へのプレゼントは?」と愛美に聞く。「ケーキと花」と答えると「個人的なものは」と聞き返す。清美が「私なりに準備している」と明かさない。「そうだよね」と言い、弥生も明かさない。愛美は「何もない」と言うと「主催者、しっかりして!歌え!あんたは歌手希望だった」と。愛美のプレゼントは唄うことに決まった。

弥生は浴衣に着替えて風呂に。弥生が居なくなった愛美と清美

愛美が「あのださい下着見た!」と清美と一緒に笑う。そこに弥生が戻って来て「歌えよ!34歳!」と声を掛け出て行った。愛美は「お母さんそっくりだ、人の話を聞かない。どちらもどっち!」と清美に話す。次女と三女の関係はこういうものだと思った。(笑)

愛美と清美が風呂に行こうと着替え。愛美が清美の下着に「彼氏いるの?」と気付いた。「お姉ちゃんにはいないの?」と聞くと「いない、あの変なインナー!おしゃれなのかババくさいのか分けわからない」とふたりで笑った。そのとき清美のスマホが鳴った。清美の彼氏からのものだった。清美は「結婚する。お母さんに会わせる、これがプレゼント」と説明した。彼氏から「脱輪した!」と電話があり、清美が援助に出掛けた。

弥生は風呂で自分の手、顔のしわを見て嘆いていた。

愛美は畳の上で脚をバタつかせ、「清美に結婚を越されるとは」と嘆いていた。

清美と彼氏のタカヒロが旅館に戻ってきた

愛美は愛想よくタカヒロを迎えた。そこに風呂から弥生が戻って来た。清美がタカヒロを「町田さん、お付き合いしている人」と紹介すると「全然わからん、あんたたちいつも勝手なことばかりしよる」とパニックに。

タカヒロに席を外してもらって姉妹3人で話し合った

愛美が「酒屋の息子で長男はだめ」と主張。清美は「関係ない」と返事する。結論は出ない。そこにタカヒロが戻って来た。

弥生がタカヒロに「今日は帰って!」と頼んだ。愛美が「母に紹介するのが無理。うちには受け入れる窓が狭い、この子はよく分かっていない」と言い添えた。タカヒロが「清美が一番よく分かっているといっていた。一緒に住んでいるのだから、お母さんは喜んでくれますよ」と反論した。

突然弥生が態度を変え、清美の結婚を認めた。

清美が「私が結婚するのはハードルが高い?」と弥生に聞いた。弥生は「そこまで言うなら」と結婚を認めた。タカヒロが「笑っているお姉さんは可愛いか」と褒めると弥生は「どこ見ているの、私なんか笑うと変に見られてきた。初めて言われた」と恥ずかしがる。「このふたりが美人、美人と言われて、何で美人に産んでくれなかったかとですかね」とタカヒロにお茶を出す。(笑)

お母さんに喜んでもらおうとタカヒロの紹介手順を考え予行をした。

○誕生会に母が欠席。プレゼントが渡せない、弥生の暴走が始まった。

愛美は食堂で準備した花束、ケーキ、料理を見ながら、「なんで?」と嘆いていた。

弥生は部屋に戻り、母へのプレゼントとして準備していた赤いストール投げ出し、感謝の手紙を破いてゴミ箱に捨てた。その後、レクレーション室でひとりになり、ソファに座って足を踏み鳴らし「クソ、クソ」と悔しがった。(笑)

タカヒロは部屋に戻って風呂に入ろうと着替え中、パンツ一丁のところに愛美が戻ってきて驚く。そこに清美が戻ってきて、「なんばしよっと!」とタカヒロを叱る。(笑)「お姉ちゃんは?」と聞くと、愛美が「弥生姉ちゃん、これ!」と赤いストールを渡した。

弥生はソファで泣いて、アイメイクが流れ出し顔が真っ黒け!ソファを叩いて悔しがる。この顔が傑作です

愛美が「お母さんの好きな色よ」とストールを羽織る。清美と一緒に羽織って踊った。(笑)タカヒロが「女兄弟はいいすね!」と笑う。

清美がタカヒロに「今日は帰って!お母さんがお姉ちゃんを怒らせた」と言う。愛美が「お母さんをひとりで喜ばせようとして暴走した」と、清美が「これをプレゼントしたら、お母さんが早く結婚して子供産まんねとストールを投げつけた」と、愛美が「孫作れと言われたら私でも、お姉ちゃん可哀そう」と言う。清美が「お姉ちゃん、見てくる」と部屋を出た。

○「結婚できないのは母のせい」と長女(弥生)と次女(愛美)の戦いが始まった

弥生が戻ってきた。鏡で顔を見て寝た。タカヒロはラーメンを食べに出て行った。

愛美は清美を相手にお酒を飲みだす。愛美が「お母さんとお母さんの喧嘩は凄かった。人に見られて、家族と思われたくなかった」と話す、清美は「どっちもどっちよ、お母さんの言葉は暴力で凄い!」と相槌を打っていた。「プレゼントありがとうと言えばいいのに。お母さんは男と付き合ったことがないからお父さんと一緒になった。私が大人になって考えるとお母さんの女としての人生はなんだったんだろうね」と愛美に聞かせる。

弥生が起き出してきた

「むかつく!なんであんなこと言われんといかんの。勉強して大学に入れというからそうした。いい会社に入れというから頑張った。変な男に捕まるなというから結婚しなかった。くやしい」と悔しがる。(笑)

愛美が「お姉ちゃんは仕事があるからいい、私はないからといって、自分がお見合い結婚に失敗して何で私を責めるの」と文句を言う。弥生は「それはお母さんが正しい、あんたは東京でやりたいことがあるの?生活費も稼げないのに。お母さんはあんたに帰って欲しいのよ、あんたの方が可愛がられていたから。帰ったらいい、早く孫産んだら!でもだめだ、結婚しても長く続かない。ゴミ屋敷にされたら旦那さんは逃げるやろ。私のところにきてゴミ屋敷にした」とボロクソに貶す。(笑)

愛美は「私は傾ける派、結婚したらちゃんとやる」と反論、弥生が「あんたは結婚したい派、仕事を辞めたいのよ。ただの投資結婚に逃げようとしている」と批判した。

そこまで言うか!!

愛美は「お姉ちゃん、お母さんにそっくり。一緒にいるとおかしくなる」と反論。(笑)「私が悪い?人のせいにするな!私は恵まれてないからコツコツ努力した」と弥生、愛美が「私のどこが恵まれているの?」、「生まれたときから可愛い可愛いとちやほやされてきた。あんたは赤ちゃんの時から人生もの!あんただけが可愛がられ、何で私が可愛くないかと思った」と弥生がぼやく。

愛美は「お姉ちゃんは勉強が出来るといわれた」と。「私は勉強頑張ったから、あんたは勉強頑張っていない」と弥生。愛美が「頑張った。お姉ちゃんが先に100点取るから私が90点でも・・」と泣く。弥生が「あなたは見た目がいいから努力せんでやってきた。なんでも諦める癖がある」と言うと、愛美は布団をかぶって泣いた。(笑)

清美は成り行きを見守っていた。

さらに弥生が追い打ちをかけた。「あんたは一生私の気持ちはわからん。あんたたちは可愛かったから名前に美をつけつけられた。あんたたちが生まれたのはお姉ちゃんのお陰よ」と。(笑)

弥生がビールのラッパ飲みを始めた。(笑)

弥生の怒りが清美に向かった。「あの人は信用できない。ああいうお世辞をいう人は誰にでも言うプレイボーイよ。あの家の父親もそうよ、血には勝てない!」とラッパ飲み。(笑)清美は傲然とした!(笑)

さらに「なんで三人がうまく行かない!お母さんのせいよ。お母さんの問題よ。お父さんと結婚せんだったら良かったと聞かされて結婚するのがバカバカしくなった。孫がいないのは自業自得!」と言い放た。(笑)

愛美が「お姉ちゃんの人のせいにしている。結婚できないのはお母さんのせいにして、そんな愚痴毎日ぶつぶつ言って、何でも悪い方に考えて、そんな人と一緒にいたい人はいない」と反撃。(笑)これに清美が「タカヒロはお姉ちゃんがお母さんに紹介すると言った人よ」と。

弥生は「あんたまでお姉ちゃんのせいにするの。分かりました、お姉ちゃんがおらん方がいいということ」と泣き出す!(笑)清美が「最後まで話を聞かん!」と言えば、「頭が痛い!」と布団を被った。(笑)

○姉たちが自分の面子にかけて清美の結婚をぶち壊す!

清美がラーメン屋にタカヒロを迎えに行った。愛美が清美が荷物を持って居なくなったことに気付き弥生を起こした。「私にどうしろと!全部ぶち壊した!面倒みきれん!」とふたりで探し出す。

清美はタカヒロに「あの人たちがああだこうだと反対する最低の姉たちよ!」とぶちまけた。タカヒロは「俺、今帰ったら後悔する。夜、暗いとこき思いついて考えたことは大抵間違っている。大切なことは太陽が出ているときに考えることだ」と清美の家出に反対した。

清美が見つからない!

弥生が「あんたみたいな身の証をした生き方をしていない」と愛美に怒りをぶつける。愛美は「私が不倫したことを言ってるの、不可抗力、付き合うまで分からんかった」と返事。「不潔よ!」と弥生。愛美が「お姉ちゃんは瞼一重というけど一重も二重も変らんよ。お姉ちゃんの人生が不細工だけ!」とかました。(笑)弥生が「姉妹でも言っていいことと悪いことがある」と激怒。愛美が「私はさんざん言われている」と返した。(笑)

清美とタカヒロが戻って来た

タカヒロが「お互いに言いたいこと言っていたらまとまらん」と注意し、バナナを渡した。

弥生がタカヒロに「姉妹だけでは血が絶える、婿養子に入ってくれないか」と聞く。タカヒロが「家を継ぐからダメだ」と断った。「お盆どうする、無縁仏になる」と心配し出す。清美が「私に押し付ける!知ったことではない」と断わると「私は愛美と同じで結婚には向かん」という。

タカヒロが「車両事故を起こして相手夫婦からお前が死ねばよかったと言われ、100%自分が悪いが、何でそこまで言われる。自分は他人にそんなことは云わない。自分は最低なのかと母に話したら、あんたは足が速かった。転んだ子を助けてビリになったが優しい子だと話してくれた。俺は優しさを持っている人間だと思った。ありがとう母ちゃん、母は凄いよ」と自分の母のことを話して聞かせた。弥生は「こんな話を聞くとは」としんみりした。が、タカヒロが「清美ちゃんはいい母親になる」と言ったことに弥生が「あんた子供がいるの?」と聞いた。タカヒロには龍馬という男の子がいた。

話が違う、お母さんは喜ばん!」と清美の結婚に弥生と愛美の反撃が始まった

清美が「本当の子供だと思っている」というが、弥生は「先々の子供の気持ちを考えてない」と言い、愛美は「あとで気付くのはあんた、ちょっと進んで子供の気持ちになっても所詮は他人の子、本物の母親を求める」と反対した。清美が「それ不倫相手の子の話しやろ!一緒にしないで!ちゃんと結婚する」と反論した。

愛美は頭にきて菓子箱を投げた!清美が「変なアドバイスで私はなかなか男が見つからんかった」と怒った。愛美は「男にもてなかっただけ!」と、清美は「結婚できなかったら意味ない」と返すと愛美が清美に「ふざけんな!」と挑みかかった。

タカヒロが止めようと仲に割って入ったが、3人の取っ組み合いとなった。愛美は「私に触った!彼女の姉に色目を使う男が絶対に浮気するよ」と叫んだ。清美が「あんたに子供がいなかったらよかった」とタカヒロを批判した。タカヒロは部屋から出て行った。

弥生が「お母さんから子供を産めと言われたが私は40よ、どうにもならん。30過ぎると1年は早い、気付いたら40よ。今から好きな男ができて子供を作るまで何年かかる。お姉ちゃんはお母さんをよろこばせん」と言った。愛美が「もう旅行なんかせん!」と宣言。三人で赤いストールを被って泣いた

○朝、露天風呂に入って「お母さんどうしているかな」と考えた

露天風呂に三人で入って青い空を眺めた。弥生が「お母さんの露天風呂をみてくる」と言う。弥生がスカーフにアイロンをかけている間に、愛美がパワースポットの水をお母さんに届けた。

タカヒロは「昨夜のことは覚えてない」と戻って来た。清美が泣いた

愛美が「お母さんが水飲んで美味しいねといった。奇跡が起こった!お姉ちゃんとストールもよかねだよ」と戻って来た。三人で「よかった!よかった」とお母さんの部屋に。

まとめ

会話をしっかり読んでいただけましたか。長崎弁の会話がめっちゃ面白い。脚本がすばらしい。江口さん、内田さん、古川さんによる三姉妹の見事な演技に抱腹絶倒、最後にはお母さんの誉め言葉に歓喜する姿に感動でした

弥生役の江口さんのぶっ飛んだ演技、「愛に乱暴」より過激でした。(笑)愛美役の内田さん、お姉ちゃんにいびられながら喰らいついていく上手い演技でした。古川さん、しっかりお姉ちゃんの話を聞きながら自分の意見を持つ芯のある清美役をしっかり演じていました。3人の会話は息がよく合って、本当の姉妹のようでした。

年子の姉妹の喧嘩の壮烈さ、ここまでやるかという感じ、姉妹だから出来る!姉妹が一緒になることは不満発散の場なんですかね!

いくつになってもお母さんに褒められたい

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