今回は滂沱の涙です!
安政5年4月25日。井伊直弼(中村梅雀)が大老として登城、家定(堺雅人)に慶福(松田翔太)のこと公にする旨願いでます。家定は「慶福が将軍になった暁には御台所を後見に」と申し渡します。さらに堀田老中(辰巳琢朗)にも同じことを託します。
そして牡丹の花を摘もうとして倒れる! 家定の愛情に包まれた篤姫は庭に咲く花が愛おしく感じますが、あきらめきれない幾島(松坂慶子)は「薩摩のお父上の悲願、お忘れにならぬように」と念押しする。篤姫への斉彬(高橋英樹)の文は、文箱の中にしまわれたままでした。
斉彬は、「幕府の通商条約がなったあとのために軍備を強化するため小銃3000丁、軍艦購入する」として、その訓練の指揮を帯刀(瑛太)に命じているところに、西郷(小澤征悦)が帰り付き「次の将軍は慶福様」と告げます。
「何一つあきらめていない。この秋の琉球王子の帝拝謁に付き添って京に上がる。その警護を西洋式軍隊で行う」と帯刀に伝えます。
篤姫は帝の承認を受けずに条約締結がなされたことを耳にします。ここしばらく家定に会っておらず「身体がわるいのでは・・」と気にします。
そのころ本寿院(高畑淳子)にはご殿医伊東玄朴(徳井 優)から「脚気による軽い症状」と伝えられる。「御台には知らせぬように」と指示する。篤姫はなんとかお会いしたいというが、心配ないと断られ、「それならば上様に渡して欲しい」と碁石を預けます。
井伊が強権発動し堀田を老中罷免、これを慶喜(平岳大)が「勅許も受けす条約を締結した」と責めるが「恐れ入ります!」で無視、一橋派は何もできない状態に陥る。斉昭(江守徹)が慶喜を呼び「何かの咎めがあろう。しかしそなたにはいつか大役がくるぞ!」と告げる。
安政5年(1858)7月8日。薩摩天保山では砲撃の訓練中。突然斉彬が暑気疲れ?わずか数日後危篤状態に。久光を呼び「そちの嫡男又次郎を、哲丸は準養子としてそちに後見を頼みたい」と帯刀に「姫に、会いたかった、そちから姫を奪ってしまった。許せ!わしの手紙は届いたかな」と言い残し19日に亡くなる。
滝山がやってきて「公方様は病気、半月ばかりになります。口止めされていました」と告げる。篤姫は立ち上がり、すがる滝山を振りほどいて家定のもとにと、そこに斉彬が亡くなったことが知らされます。
篤姫は「うそだ!」と、幾島は「天下に並び泣き名君と称えられたお方、よわい50で亡くなられるとは、どれほどの心残りであったでしょうか」と
涙にくれます。篤姫は斉彬の文を取り出し読みます。そこには「お篤変わりはないか?どうしてもそちに伝えて置きたい!まずはそちに詫びたい、ことによるとそちと薩摩は敵味方になるかもしれん。その時はおのれの信じる道を行け。父のこと案じるな、それこそわしが選んだ姫である」。篤姫は滂沱の涙を流します。
「ひと月前のこと妻の私に何故伝えぬ」と怒り露わにし、慣例でこうなるという老中の言い分を無視し「連れて行け!」と安置場に。
涙しながら、「上様、なぜそのようなところにいらっしゃるのですか」と棺にすがる篤姫。あまりにもあおいちゃんの悲しい表情に、・・・筆を止めます。これほどの悲しいドラマは作れないでしょう!
***第28話おわり***