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第48話「無血開城」

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天璋院(宮﨑あおい)が西郷(小澤征悦)に抱いた望を話すと、勝(北大路欣也)は素早く一蹴する。そこで勝に以前口にした無策の策とやらを訪ねる。「江戸の各所に火を放つ手はずは整っています。まずは江戸を焼土と化し、決死の覚悟で戦います。この計画はすでにイギリス側に知らせてあります」という。
「薩摩に筒抜けではないか」と問うと「それが狙い、勝ったところで、何も手にいれることができない」と言い、「西郷の心の奥に届く何かがあれば」と問います。
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天璋院は幾島(松坂慶子)に相談を持ち掛けると、「西郷の心を揺り動かすには、薩摩のお殿様しかおられませぬ」という。
「父上か。しかし、父上はもはやこの世方ではない」と残念がります。
 
幾島は都にいてこそ役に立つことがあると、「天璋院様とも、こたびこそまことのお別れとなるやもしれません」との言葉を残し、京に戻ってしまう。
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幾島が去った部屋で、ひとり物思いにふけるうちに、あることを思いつきます。
 
西郷が率いる官軍は、慶応41868)年311日、江戸に入った。これを受け、勝は、14日、西郷と面談することになる。
 
天璋院は勝に文箱を渡し、中身を確認させます。何通もの文が入っていて、裏書はすべて「斉彬」と記されている。
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勝は「これが西郷の心に届き、動かすと・・?」と尋ねる。
 
薩摩屋敷の一室で、勝は西郷と対峙した。勝が差し出す嘆願書は、以前のものを改めたものである。
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「ひとつ、慶喜は隠居のうえ、水戸で謹慎・・」と西郷が読み上げる。嘆願書には、幕臣たちが恭順の意を示す具体的内容が記されていた。勝は武器・軍艦そして城を開け渡すことを確約し、徳川家を一大名として残して欲しいと訴える
しかし、西郷は「おいの決心は変わりもはん」と立ち上がる。勝は「西郷殿にお渡しするようにと。天璋院様からです」と文箱を押し出す。西郷は箱の蓋を開けるなり、顔色が一変する。 

西郷は震える手で一通の封書を開いた。そこには「・・・そして、ことによると、そちと薩摩はいずれ敵味方になる日が来るやもしれぬ。そのときはおのれの信じる道を行け。父のことは案じるに及ばず。それでこそ、わしの選びし姫である」と記してあった。
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西郷は封書を箱に戻し、「これを天璋院様にお返しくださいもんせ」と勝に戻します。
勝と西郷は、無言のまま、お互い目を見つめ合った。
 
勝が戻ったと聞き、天璋院は対面の間に急いだ。
「これは、・・心は?」
「通じましてございます」
江戸城総攻めは取りやめる。官軍は京に引き返し、朝廷の許しを得てくると、西郷は約束したのでした。(この国を新しくするという殿のご遺志を受け継ぐつもりが、いつの間にか、日本国を滅ぼそうとしておったかもしれない)
天璋院は「父上が私を、この国を救ってくれた」と感謝します。
 
京に帰った西郷は、御所で帯刀(瑛太)、大久保(原田泰造)、岩倉(片岡鶴太郎)に報告する。
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「徳川家は田安亀之助殿に継がせようとしている」
「よくぞ決断してくれました」と帯刀は安堵するが、岩倉と大久保は、徳川家が存続すれば火種を残すことになると危惧する。大久保がこれに不満を露わにする。
 
江戸城攻めは、ひとつの条件付きで、正式に中止となった。勝からの報告を受けた滝山(稲森いずみ)は「大奥を出ろということですか。天璋院様がそれをお認めになるとお思いですか!」と楯突くと、「天璋院様を納得させ、大奥での騒動を避けるために嘘を言っては」と指南します。
 
滝山が「城内をあらためるゆえ、3日間だけ江戸から出ろとの沙汰でございます」と天璋院に報告すると、「そんな話は聞いたこともない。おおかた城を明け渡せというて参っておるのであろう」と勝の嘘を見破るのでした。
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天璋院は静観院(堀北真希)のもとを訪れ、
「宮様。これから私がやろうとしていることを見守っていてくださいますか? 徳川の人間として、家茂様の妻として、そして私のひとりの娘として。今は、これが戦うということなのです」と静寛院の同意を得ます。
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天璋院は、ひとり仏間にこもりと、家定(堺雅人)に位牌に手を合わせ、目を閉じて一身に祈った。すると・・・
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「私は、あなた様の思いに背いてしまったのでしょうか」
「なんじゃ、御台らしゅうもない。わしが残したいのは、城でも家でもない。徳川の心じゃ。そちのいるところ、すなわち徳川の城なのじゃ。ひたむきに生きよ。わしは、いつも見ているから」
家定は、蝋燭の炎に吸い込まれるように姿を消した。
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ここでのあおいさん、家定が現れると、ぽっと顔が赤くなったように見えました。あのころの篤姫が、そして深い愛情で結ばれたふたりを思い出し涙でした。天璋院がここまで頑張れたのも、家定への思いだったんですね!
 
大広間に、大奥の女性たちが皆、集められた。天璋院は、一同の前で「神がかりに始まる此度の争乱誰しも承知しておろう・・・」と今回の争乱を語り、「城を出ることと相なった。二百数十年来、徳川が家としたこの江戸城に、もはや将軍はおられず、大奥もまもなくこの世から消え失せる」と皆を説得させる。
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天璋院としての威厳が満ちていました。この作品で育った、あおいさんの気品があって美しい、意思のある女性としての最高の演技でした。
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悲鳴まじりのざわめきが広がった。天璋院は続けて「帰る家や、寄る辺のない者の行きさきは、私が引き受ける。ここにいる皆、徳川の家族じゃ。この城を出ようとも、大奥が消えようとも、その心、生き方を誇りを持って世の中に、そして子々孫々に伝えてもらいたい。これが私からの最後の頼みじゃ」。
室内は水をうったように静まり返った。
 
数日後、幾島が京の小松邸を訪れた。帯刀が天璋院の様子を急ぎ聞くと、「ご自分の目と耳でお確かめればよいではありませぬか」と笑うのでした。
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脚を病む帯刀には、江戸までの長旅は一度限りだろう。
幾島は「ご立派になられた天璋院様のお姿を目に焼き付けてきてくださいまし。私もそうしてまいりました」と会いに行くことを勧めるのでした。
 
江戸城の明け渡しを決意することでの天璋院の苦悩が、家定の深い愛情で癒されていくという、とても愛情深いはなしでした。これにふさわしい、あおいさんの最高の演技を楽しむことができました。
 
大奥の解散を告げる天璋院、あおいさんの姿をしっかり目に焼き付けておきたいと思います。
 
江戸城開城の話、この話が真実かどうか? 真実だと信じられるところが凄い。「西郷どん」にはこれがない。「篤姫」はすばらしい大河ドラマであったと思います。( ^)o(^ )
西郷どん37回「江戸無血開城」明け渡し決定までに相当します。
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