大地震によって輿入れの日取りが延期され、幾島(松坂慶子)はことのほか心配しますが、篤姫(宮崎あおい)は笑顔で幼い愛姫らと過ごしていました。しかしながら江戸へ来て2年、明けて21歳になり、いつになったら篤姫の輿入れ
がかなうのかと幾島は焦りを見せると、斉彬(高橋英樹)は「案ずるな!手をこまねいてはいない」と策を練ります。
父兼善(榎本孝明)は「勿体ないはなしだ。謹んでお受けします」と返事したと、尚五郎の背中を押します。
これに水戸斉昭(江守徹)が反対する。「これは阿部中老に不満を持つ井伊直弼(中村梅雀)ら譜代大名の暗躍だ!」と外様大名の松平慶永(矢島健一)が「一橋慶喜公(平岳大)を次期将軍に推しましょう」と言い出すと、斉昭は「篤姫殿の婚儀を何がなんでもやり遂げねば!」と意気込むのでした。
これに篤姫はほっとしますが、物入りだと心配すると、幾島はこれまで以上の準備を西郷に指示していると言います。(笑)
薩摩では尚五郎とお近さんの婚儀が決まり両家お披露目の席で、尚五郎は浮かぬ様子。その夜、尚五郎のもとにお近さんが訪ねて来て、年上で身体が弱く取り柄のない女ですので縁談を断って欲しいと申し出ます。「年のことなどではない。あまりにも状況が早く進み過ぎてついて行けない」と説明います。お近さんは「篤姫様のことが・・」と気にすると「違います。あの人は別の世界に住む人。あなたは身体が弱いというが、そうではない、人の痛みが分かる筋の通った人です」と言い、沢山のお近さんの良いところを言い連ね、「一緒になって欲しい」と申し出ます。
尚五郎はお近さんとの件で、自分の近くにある宝もの(決め手)に気付かなかった、何が自分に大切なのかを悟ったようです。とても良い話でした。
篤姫は此度もどうなるのかと幾島に不安を口にしますが、「待ち続ける日々が自分を鍛えてくれているように思える。きっと役に立つ」と言い、明るい顔になっていくのでした。
数か月後、尚五郎とお近さんは祝言の夜を迎えました。そこに大久保、有馬(的場浩司)が挨拶に訪れ、祝いの歌を唄います。周りの人は驚きますが、尚五郎は身体が震えるほどの感激し、聞き入る。翌朝、ふたりは仲良く香を楽しみます!
安政3年2月、篤姫と家定の婚儀の正式に決定します。西郷(小澤征悦)が万全の準備を整えます。9月近衛忠煕(春風亭小朝)と篤姫の間に正式な養子縁組が交わされますが、忠煕は独り身であり母親は村岡(星由里子)ということになります。
婚儀は12月11日と決まり、大奥の生活に慣れるため江戸城入城は11月11日と決まる。
このような慌ただしいなかで、アメリカ総領事としてタウンゼント・ハリスが下田・玉泉寺に着任します。
篤姫は斉彬に召され、「明日はいよいよ入城、幾つか申しつけたいことがある。開国と攘夷で国がふたつに割れる恐れがある。大切なのは幕府を立て直すことだ。於篤はそのために江戸城に入り御台所となることを心得ておいて欲しい。まずは家定様を支え助けること、お世継ぎをもうけるのが一番、子が出来ぬ場合次の公方様を定めること。斉昭公の七男、一橋慶喜様じゃ、お世継ぎは慶喜様と説き伏せることだ。天下国家の大事である。昔、於篤が言うた女の身ならばできるというたことだ。国のため果たしてもらいたのじゃ!」と告げられる。「承知いたしました。一命に代えましてもそのお役目、必ず果たしてご覧にいれます」と篤姫。
英姫(余貴美子)が篤姫を呼び自らの顔を見せます。篤姫は「美しいです、なぜ私に」「話がしたかった。顔を隠したままでは真に相対したとは言えぬ」と。そして「二度と会うことはなかろう。もっとこうしておけばよかった。御台所の役目、しっかりはたしなさい。忘れない、さらばじゃ!」と我が子を慈しむように送り出すのでした。
出発の朝、斉彬は「於篤というのも今日限り、これかたは下から仰ぎ見るだけだ」と別れの盃。そこには、これから長く篤姫に仕えることになる大奥御年寄:滝山(稲盛いずみ)が迎えに来ていました。大役に身を引き締め、いざ大奥にと駕籠に乗ります。
***第18話おわり***