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第38回「傷だらけの維新」

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慶応4年4月、吉之助は江戸城無血入場をやり遂げた。しかし、新政府に不満なものたちが上野に集結、彰義隊と名乗っていました。
これをせん滅させるため、慶応4515日早朝、降りしきる雨の中、吉之助の「突っ込め」の号令で攻撃を開始し、彰義隊はおびただしい死骸を残し、半日で壊滅したのです。

彰義隊は倒れても、会津ほか東北各地、北越でも諸藩が同盟を結び、新政府軍に決死の戦闘を続けた。
 
江戸城 新政府軍指揮所。大村(林家正蔵)が「金も兵糧も武器も足りん。会津、庄内、長岡は戦さ上手で、このままでは十中八九負ける」と発言。吉之助に増援を求める。
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吉之助は「最後までやり尽くさねばならぬ!」と大村の要請を受ける。
 
吉之助は信吾(錦戸亮)と小兵衛(山川周作)とともに帰薩した。
家に帰り着くと、皆が喜んで迎えるなかで、吉二郎がそっと床下に帳面を隠す。
小兵衛が勇ましく戦を語る。吉二郎(渡部豪太)は真剣な表情でそれを聞いている。
熊吉(塚地武雄)が、「信吾さあ、もう名誉な傷は治ったとですか」と問うと、「戦と言えば勇ましかどん、ただの命の奪い合い、醜くてむごいもんじゃ」という。
「そげんこと言うたら、兄さが悪いことしとるようじゃ」と吉二郎が諫める。吉之助は「慎吾の言うとおりじゃ」と応える。
 
「吉之助の名は日本中に知れ渡り、家には見も知らない親戚や友人が金の無心にやって来る」と熊吉が言い、糸が「放ってこけんと吉二郎さんが渡していた」という。吉之助は頭を下げて吉之助の配慮に感謝するのでした。
 
夜、吉之助が菊太郎をあやしていると、糸(黒木華)が愛加那の子・菊次郎に書物などを行李に詰め送る準備をしながら、「吉二郎さんがよく菊次郎のことを考えてくれていて、薩摩に迎えたいと考えています。私も同じ考えです」と話す。吉之助は「ありがとう」と感謝します。
吉之助の不在間、吉二郎は家のことだけでなく愛加那たちにもしっかり気配りしていたのでした。
 
鶴丸城。吉之助は増援兵を要請すると、久光(青木崇高)が「金も兵もわしが出す。本当に薩摩のためになるのか」と問う。
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「薩摩の忠義と底力を、必ずや天下にお見せできるでありましょう」
「よし、すべてはお前の思う通りにせよ!」。
吉之助は直ちに援軍を編成し、「薩摩隼人の名に恥じぬように」と檄を飛ばし送り出す。これをみる吉二郎。
 
その夜、吉二郎が畑仕事と出かけるが、信吾が怪しむと、いきなり木刀で振りかかってくる。
信吾がこれを打ち据え、「似合わんことやめておけ!この傷が欲しいのか、聞こえん耳が欲しいか」と、戦場にいくことを止めるよう諭します。
 
吉之助が帰宅すると、琴(桜庭ななみ)が訪ねてきている。琴は挨拶を済ませると「誰も言わないから私が言います。兄さの清貧の心がけは立派だが、少しでもいいから家の者をいたわって欲しい。みんな我慢しているが、一番は吉二郎じゃ。感謝するなら形で示して欲しい」と訴えます。
 
吉二郎に「何か欲しいか」と聞くと「袴も鋤もいらん!わしも西郷吉之助の弟だ。戦さ働きがしたい」という。
信吾は「それはいかん」と反対する。吉之助も反対する。突然園(柏木由紀が、「吉二郎さんに戦に行って欲しくない。でも今、初めて吉二郎さんがしたいことを口にしたのを聞きました。お家はわたしが守ります。どうか吉二郎さんの願いを聞き届けてください」と訴えます。
 
吉之助は「戦はお前が思っているのと違う。西洋の大砲は一挙に多くの命を奪う」と言い聞かせ、改めて聞く。
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「覚悟はできています」
「ともに参れ!」
 
吉二郎、信吾たちは、軍装に身を包み、「園、いってくる」と越後へ出立していった。
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吉二郎が発って数日後、吉之助が鶴丸城で作戦を練っているところへ、新八(堀井新八)があわててやってくる。
「越後正面の戦闘で、ガトリング銃で苦しめられ、新政府軍は防勢一方だ。吉之助様に出てもらう他に方法がない」という。
 
吉之助は新八を伴い、軍艦・春日丸で急ぎ越後に向かった。
 
松崎の本陣に到着するやいなや、東北各地から援軍依頼がくる。軍議で吉之助が対応に追われていると、信吾がやってきて「吉二郎兄さが、足と腰を撃たれ重傷だ。会ってくれ!」と訴える。「いってくだされ」と新八は勧めるが、「兵の命は皆同じだ」と吉之助は軍議を続ける。
 
北越戦争は、双方の死傷者がおおよそ千五百人ともいわれる激しい戦いとなり、新政府軍の勝利で終結しました。
 
吉之助は柏崎の負傷者を収容している寺を訪ねる。大勢の負傷者のうめき声であふれていた。吉之助は「おはんらのお陰で長岡は落ちた!」と頭を下げる。
吉二郎は奥の方に寝かされ、苦痛にあえいでいた。吉之助は手を握ると、
「兄さ、侍働きが出来てうれしか、ありがとうございました。身体だけは大切にしてくだされ」と言い息を引き取った。
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信吾と小兵衛が声を上げて泣き、吉之助は弟の屍をじっと抱きめていた。
 
この後も会津、庄内、そして函館と戊辰の戦が続きました。そんななか、日本はは明治へと新しく生まれ変わり、大久後、桂、岩倉、西郷の面々で明治政府が動こうとしていました。江戸城改め東京城となり、京を離れたた明治天皇の新しい住まいとなった。
 
日本が新しく生まれ変わっていく中で、吉之助は一蔵(瑛太)と東京城の一室で向かい合っていた。戦も収まり、天皇も住まいを江戸に移したことで、吉之助は薩摩に帰る決意を伝える。
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「幕府を倒し、新しか国をつくれっち言うたのは、おはんじゃなかか!勝手なことを言うな!」
「おれはすべてをこの手で壊し、多くの人を殺した。その責めを負わねばならん」
「勝手なことを言うな。幼いころから西郷の背中を追い、やることなすこと見ていた。新しい国を作ることだけ考えてついてきた」
「一蔵どん、世界に負けん日本国をつくってくいやい」と、巾着から「Cangoxina」の紙片を渡し、深く頭を下げて、出て行った。
一蔵はこの紙片を見て、“なんたることか!“と苦笑し、失望するのでした。
 
薩摩に戻った吉之助は、「すまん。死なせてしもうた」と園に吉二郎の遺髪を渡す。信吾の「吉二郎兄は、最後まで薩摩の侍らしく、立派に戦い抜きもした」に、園は夫の遺髪を抱き、「吉二郎さん、おやっとさでございました」とこらえきれず嗚咽するのでした。家族も皆、泣いた。
柏木さん、しっかり演じることができましたね!涙が出てきました。
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糸が「旦那さん、ちょっと」と言って、床板を外し、大きな甕と何冊もの帳面を引っ張り出す。
甕の中には銭が一杯だった。糸が「吉二郎さんが、生活を切り詰めて貯めたものです。旦那さんには言うてはいかん。思う存分に、お働きができるように!」と吉之助に告げます。
 
吉之助は一人、帳面を抱え隣の部屋に移った。帳面を見て、吉二郎を想い、嗚咽する。
吉之助は吉二郎の死を悼み、その夜、糸の介助で、殿拝領の脇差で髷を切り落とした。
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感想
タイトル「傷だらけの維新」、私恨で始めた戊辰戦争の吉之助の総括は「戦の責任をとり、中央を去る」でした。そして、今回は越後で亡くした吉二郎を悼むが主題。吉二郎の死が原因で中央を去ったような印象を受けます。
これでは収まらない、戊辰でいかなる戦をしたのか分からない。どう責任をとるか?しっかり描いてください!
「なにが傷だらけか?」と会津を始め、西郷に苦汁を飲まされた人々は耐えられないでしょう。
 
吉二郎の戦死は、しっかり描かれ、覚悟の死とは言えあまりにもあっけない。これは泣けます! 渡部豪太さん、本当にお疲れさまでした。
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記事 20181015
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