監督はニキ・カーロ。主演は名優ジェシカ・チャステイン、共演にヨハン・ヘルデンベルグ、ダニエル・ブリュールらが出演。
“命を守る”という動物園の使命に生きるジャビンスキ夫妻が存在したことに尽きる作品でした!
親しい友を招いてのパーティーでも、突然象の出産と聞けば駆け出し、生まれた小象の呼吸を調べ、応急手当で救うという動物の命を大切にする人でした。
これは、彼女は、幼いころサンクトペテルブルクで父親が射殺され、他人に預けられ人目を忍ぶ日々を経験によるものでした。
信用できる人がなく、動物と触れることで生きる喜びを知ったという辛い経験があっての彼女の生き方でした。
檻から抜け出して暴走する象は、軍によって射殺されてしまう。この残酷なシーンには驚かされます。見ていてとても辛いもので、夫妻には耐えられなかったでしょう。
今日的な視点から、大災害時の動物園対策がどうなされているのかと心配になります。
ナチにより収容所へと連行されるユダヤの人たちを見たヤンは、残った動物をドイツの動物園に引き取ってもらい、動物園を養豚場に変えます。
ナチに悟られず隠し通すため、「アンネの日記」でおなじみの隠し部屋での暗い生活が描かれていました。しかし、描かれるエピソードが少なすぎでしたね!
ナチ侵攻前には親しい学者仲間として付き合っていたドイツ将校ヘック(ダニエル・プリュール)が、養豚場に疑念を抱き始め、アントニーナは身体を張って彼に気づかせないようにする。
これを知り嫉妬する夫ヤン。ふたりの間で交わされる会話が切ない。
「君はここで男と戯れているだけ。安全なところにいて、お前は何もしない。何千何万というユダヤ人が死んでいるのに!」
「違う!彼らは支配者よ、これしか方法はないのよ」
ヤンは、愛を確かめるようにアントニーナを抱きます。
必死に逃げるが、追ってきたベッグに動物園の秘密がバレてしまう。しかし、間一髪のところで、全員が外に退避し捕らわれることなく終戦を迎えます。
ゲシュタポによる恐怖。幼い子どもたちが貨物車の中に押し込められ連行されるシーンや厳しい生活が映し出されますが、二度とこういうことがあってはならない。このような悲劇が起こらないよう、何度もこの種映像を流し、忌まわしいい記憶を確認することに意義があるのかもしれません!
女性監督目線として、
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