あらすじ:
まもなく四三（中村勘九郎）がマラソンに出場するころ、日本・熊本では、スヤ（綾瀬はるか）が金栗家と共に応援の宴を開催する。一方当の四三は、大森兵蔵（竹野内豊）を抱えてスタジオに入り、準備万端とは言えないままマラソンのスタートを切る。序盤は順調に順位を上げていく四三、だが、記録的な暑さと石畳の道が彼の体に異変を来たし、幼いころの幻影を見る。そして、森の中へ・・・。ゴールで待つ治五郎（役所広司）や弥彦（生田斗真）は戻らない四三を必死に探す。
感想：
ただ走るだけのドラマをスヤさんの「自転車節」と孝蔵（森山未来）が駆けながら語る落語「富久」を挟みながら盛り上げるという粋な配慮で面白く観戦していました。( ^)o(^ )
四三とスヤさんの夢があまりにも違いすぎました。四三の結果を知って、この面白さがふっ飛び、四三の姿に涙しました。
四三は経験したことのない暑さに苦しみ、意識を失い走り続け、気がつくとホテルで寝ていた。何が起こったか本人は分からない。「負けは負け」というが、その気持は想像を絶します！ しかし、大森の暖かい言葉、治五郎の寛容な態度にほっとしています。一番責任を感じているのは選手なのだから。ここで叱責するような指導者は、指導者ではない。
四三の楽観的？な生き方・向上心、さらに弥彦が苦しんで見出した運動競技の楽しみ方。ここで負けたことが人生の負けではないということに気付くでしょう。これこそが運動競技を楽しむ人の宝物です。
嘉納団長、大森監督、そして四三がこの状況をどう考えたか。こういう歴史が今日に至る日本スポーツ界の発展に繋がったわけで、この大になる失敗に感謝しなければなりませんね。今につながる大河です！
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熊本の金栗家にはスヤが夫の重行（高橋洋）とともに訪ねてきていた。
スヤは生きのいい鯛を持参し、四三に送って欲しいというが、実次（中村獅童）が「そんなこと出来ない」と断ると「近所の人を呼んで皆で食べて四三を応援しよう」と料理を始めた。(笑)
競技場の治五郎。役員から4年前のイタリアの選手ドランドの悲劇が起こればオリンピックからマラソンが無くなると聞かされるが、「日本には金栗：いだてんがいるから問題ないと」と競技に自信を示していた。
マラソンのスタートは午後1時半に間に合うよう余裕をもって11時にホテルを出た。これには、妻安仁子（シャーロット・ケイト・フォックス）の反対を押しのけて絶対安静が必要な大村が同行していた。ふたりが電車に乗ったが間違えて見知らぬ駅で下車。大森の具合が悪くなり四三が背負って歩くことになった。
なんとかスタジオに着き、急ぎロッカールームで準備。ラザロ（エドワード・ブレタ）と言葉を交わした。
グランドに出ると、強い日差しが容赦なく四三を照らした。暑そうだった！
スタートでは、四三が足袋のコハゼを止めるやいなやスタート。各国の選手は短距離並みのスピードでスタートを切り、出遅れた四三は最下位となる。
スタンドから見ていた大森が「心配はいらない」と言い、治五郎も「焦ることはない」と心配をしなかった。
四三は最後尾のグループでスタジアムから大通りに出た。気温は30度を超え、舗装道から熱気が跳ね返ってくる。しかし、場外に出ると、出だしで飛び出した選手たちを追い抜き始めた。
このころ日本は夜中。こんな時間に、孝蔵は浅草から日本橋方面へ、空の車を引き走りながら落語の「富久」を稽古していた。この演題、円喬（松尾スズキ）が車の上で語るのを聞いて覚えたから、こうすれば上手くいくと思ってのこと。思ったとおり調子が上がってくる。
スタジアムの観覧席では、治五郎たちが退屈していた。選手たちの走りの状況はスタジアム内に立てられた2本の旗竿で知ることになる。順位が変わるごとにその旗が差し変えられるというシステムになっていた。しかし、日の丸がはためくことはなかった。
しかし、高温に体力を奪われ幻覚を見始めた。子供の頃の自分が出てくる。目の前に熊本のみかん畑が広がり、実次やシエが旗を振って応援してくれているのが見えた。
これに応えるように走っているのだが、四三は足がもつれ、よろけてしまう。
とたんに現実に引き戻され、山道で灼熱の太陽に照らされ、四三の視界がぐらついた。
9マイル地点。強い日差しにやられる。長い上り坂の途中で、他国の選手に次々抜かれ、脚に激しい痛みを感じて立ち止まった。幻覚で少年時代の自分が出てきて励ましてくれ、追っかけて再び走りだした。
折り返し地点のソレンツナ教会が近づくと、先に折り返したラザロ（エドワード・ブレタ）が笑顔で手を上げて走り去った。
四三も折り返して下り坂に入りスピードを上げて、二人は並びデッドヒートを繰り広げる。競り合ううちに給水所が近づいたが、四三は水を受け取らず駆け抜けた。
ついに四三はラザロを追い抜いた。しかし、日差しを覆っていた樹々が途切れると、一気に疲労が出てきた。身体が言うことを聞かない。足に激痛が走り胸が苦しくなり転倒した。
するとまた、少年時代の自分が現れた。四三は力尽きて歩き出す。見れば足袋の底が破れている。少年に導かれるように二股に別れた道の、左の茂みのほうへとその後を追った。（道を間違えた）
スヤが「自転車節」を歌って応援していた。
記録より4分も遅かった。
治五郎たちは、最下位だという選手のゴールを見届けたが、四三はまだスタジアムに戻って来ない。棄権かと思われたが、弥彦が調べると、棄権者の中に日本人はおらず、病院に搬送された選手の名簿にも四三の名はなかった。治五郎たちは、「四三はまだ走っている。必ず帰ってくる」と待ち続けた。
その頃スヤは、金栗家の囲炉裏端で眠っていた。皆の応援を四三に届けようと「自転車節」を歌い続けたが、いつの間にか疲れ果て寝てしまった。(笑)
目が覚め「四三さんは？どぎゃんなりました？」と言えば、実次が「明後日の新聞に載るばい」と。
弥彦がスタジアム内や病院を必死に探したが四三の姿はなく、「失踪では大変だ！」と治五郎たちがホテルに戻ると、なんと四三は自分のベットにいるではないか！
田島（ベンガル）が「意気地ない！何をしているか。大和魂どうした」と激怒する。治五郎、大森、弥彦は「先に帰っていてはみつからない」と笑う。しかし、四三は「すいません、自分でも分からんのです。負けは負けです。何故ここに帰って来て寝ているのかわからない」と言い、「すいません、すいません」と泣く。これに治五郎は「いいよ、休みたまえ！」と声を掛けた。
内田とダニエルがホテルに連れ帰ったのだが、四三にはその記憶さえなかった。
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記事１ 20190325
ＮＨＫ大河「いだてん」第１２話視聴率は９・３％ 前回から０・６ポイント増も７週連続１ケタ
記事2 20190331
28日、萩原健一さんの訃報が日本を駆け巡りました。『傷だらけの天使』『太陽にほえろ』『前略おふくろ様』など名作ドラマをはじめ、映画や音楽活動でも活躍された、唯一無二のかっこよさと演技のうまさを誇った萩原さん。なんと、「いだてん」にこれから出演されるそうです。高橋是清役で第25回から。主な出演シーンは収録を終えられてからお亡くなりになったようで、遺作になるのではないでしょうか。楽しみというのもあれですが、萩原さんの最後の名演を心して見たいですね。
