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「マーウェン」(2018)“Welcome To Marwen”人形劇を作って暴力トラウマから脱出できた!

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バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロバート・ゼメキス監督作ということでWOWOWシネマ初公開で観ました。

“タイトル“を辞書で調べても答えがない。(笑)映画を観る以外にないという絶妙なタイトルの作品です。(笑)

ジェンダーをネタに暴行を受け心身ともに大きな傷を負ったカメラマンの主人公が、人形劇の製作を通して、現実と向き合いトラウマを克服していく、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。

監督:ロバート・ゼメキス、脚本:ロバート・ゼメキス キャロライン・トンプソン、撮影:C・キム・マイルズ、美術:ステファン・デシャント、衣装:ジョアンナ・ジョンストン、編集:ジェレマイア・オドリスコル、音楽:アラン・シルベストリ。

出演者:スティーブ・カレルレスリー・マンダイアン・クルーガー、メリット・ウェバー、ジャネール・モネイエイザ・ゴンザレス、ウェンドリン・クリスティーレスリー・ゼメキス、ニール・ジャクソン、他。

ロバート・ゼメキス監督作ということで期待が髙かったせいか一般評はあまり良くない。(笑) が、ジェンダーに対するヘイトクライムをどうやって克服していったか。アニメのような作品に挑戦し、人形劇の世界と幻覚、実生活の堺を行き来しながら、トラウマの痛みを克服していく様がユーモラスに語られ、面白かったです。😊 しかし、ちょっと人形劇に嵌りすぎて現実での苦しみが伝わらなかったのではないでしょうか。

あらすじ(ねたばれ):

冒頭、世界第2次世界大戦の最中のベルギー。パイロットのホーギー大尉(マーク)が操縦するP-40戦闘機が敵砲火を受けて不時着。足に火がついていて機外に出てドロで消す。なんと足が木製?人形劇だったのかとびっくりでした。(笑) 

機体のトランクを開けると女性の下着、ハイヒールを履いて現場を離れようとすると、5人の独兵が現れ、「手を上げろ!」と叫び、マークの姿を見てゲラゲラ笑う。するとどこからともなく6人の女性兵士が銃でこの独兵をメッタ討ち。女性兵士ウェンディがホーギーに近づいて顔を見た。このシーンをカメラに収めて「うまく撮れた。もう3年だ!」とマーク(スティーブ・カレル)。ウェンディはマークが事件で大怪我をして放置されていたところを発見してくれた女性、今はどこかに行って会えないので、撮影後破棄フィギュア箱に収めた。女性兵士については後に語られますが、この町で彼と付き合いのある女性たちです。

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この人形劇にマークが遭遇した事件の概要、トラウマの実態が描かれるという優れものでした!

マークには6人の女性兵士フィギュアの他に、彼の守り神、ベルギー悪魔・デジャ・ソリスダイアン・クルーガー)のフィギュアがいる。マークが好きで憑りついている。トラウマの本心です。

道路を隔てた家にニコルレスリー・マン)が引っ越してきた。なかなかの美人で気になる。彼氏がカート(ニール・ジャクソン)という男でちょっと怖そう!カートを見ただけで虫唾が走る。

ホビーハウス店主のロバータ(メリット・ウェバー)が薬と郵便物を届けてくれた。彼女は兵士のロバータとして活躍。マークの写真展を企画した人物。マークの面倒をよく見ている。ジェリーに会ったときく。ジュリージャネール・モネイ)はイスラエルの元兵士でマークのリハビリ担当、マラソンレースに出るらしい。彼女の絵葉書をアルバムに貼り、自分の過去を振り返った。結婚していたらしい。

マークはマーウェンの町で拾った牛乳しぼり女の人形劇を作っていた。女性兵士たちに彼女を“おっばいで勝負できる兵士”と紹介していたとき、教会の塔から俺を狙った弾がこの女に当たって、マークが看病しようとしたらデジャが魔法で消し去った。マークにはどの女も近づきたがって、それを禁じる規則があるのにそれを無視した女としてデジャが消し去ったというストーリー。“嫉妬深いデジャ”の写真を撮った(現実に戻った)。マークは女兵士たちには強がりだか、デジャに支配されていた。

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その仕事場に弁護士のジョンソンから「裁判の証人に立て!」という電話があった。マークの手が震え、いたるところから弾が飛んでくる錯覚に陥りテーブルの下に潜り込むとそのまま人形劇の世界に入りホーギー大尉となって女性兵士とともに応戦しながら眠った!そこにデジャが「愛している!一緒に逃げよう」と囁く。マークは辛いことからはデジャのせいにして逃げていた!

マークは安心のためフィギュアたちを乗せたJeepを引いて外出する。(笑)

ダイナー「アバランチ」で働いている兵士のひとりカラーラエイザ・ゴンザレス)を訪ねて、新人をデジャが消した形劇の話をした。カラーラも「嫌なやつだ人の恋を妨害する」という。ウェンディがカリフォルニアに居ることを聞いてロバータのホビーハウスに向かった。

店で赤毛のフィギュアを買ったロバータが名前を聞くから「ニコル」だと答えておいた。SSの将軍クルト・マイヤー武装親衛隊長)のフィギュアがあるから買えと勧められ、名前を聞いて震えがきてJeepを引いて家に逃げ帰った。

デジャが現れ「信じられるのは私だけ!愛しているは私だけ」と薬を進める。

人形劇を覘くとバーにいる女性兵士のところにマイヤーが現れ「ホーギーの居場所は?」と恐喝している。格闘となりロバータが衣類を剥ぎ取られ、おっぱい丸出しで出てきた。(笑)「ブラウスは?」とカメラで撮影しようとしているところに、ロバータがマークが店に置き忘れていた赤毛のフィギュアウエッジヒールを持ってきてくれた。マークはヒール集めを趣味で大いに喜んだ。

そこにニコルがやってきて人形劇に興味を示す。第2次世界大戦下のベルギー、マーウインの町のセットを見せた。女性兵士の物語を離すと満足して帰っていくニコルの脚がやたら気になった。(笑)

早速フィギュア“ニコル”の赤い髪をしっかりといて、スティレットヒールをはかせた。そして人形劇の続きを撮った。

町を守るマーウェンの女性兵士がバーに集まっていたが、ホーギーの姿がない。

そこにニコルが入って来て「指揮官いらっしゃる!」と聞く。ロバータが「捕まって、SSと一緒に教会にいる。手が出せない!」と言えば、ニコルが「良い案がある!」と酒瓶にガソリンを詰め、拳銃を隠し持って押しかけることにした。バカSS兵士が無造作に喜んで近づいてきたから。酒をサービスする振りをして投げつけ、火災を起こして銃でこいつらを一層してホーギーを湧出した。ホーギーは喜んでニコルと戦勝祝いで踊りまくった!ここで写真を撮った(現実に戻った)。

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そこにロバータがやってきて話を聞き「デジャが黙っていないよ!」と心配をする。(笑)

マークがJeepを引いて外にでると、「部屋の整理を手伝って!」とニコルに呼び止められ、手伝った。ニコルには気が許せてヒールを履くと女性に繋がる気がする。あの日は飲み過ぎて変態といわれたことで喧嘩になった」と事件について喋った。ニコルはお茶が趣味で動物衛生看護師だということが分かった。

そこにやってきたニコルの元彼カートに、「あのナチのオモチャは何だ!」」と聞かれ、動転して家に帰った。部屋に入ると暴行時の幻覚を見た。そこに弁護士から「必ず出廷するように!」と催促の連絡があった。

法廷に立った。Jeepは無理なのでホーギーだけ連れて入廷した。裁判長から証言文するように促されたが、暴行した相手がナチに見えガンガン撃って来るので怖くなって法廷を出て逃げ帰った。裁判は27日午前10時に再開されることになった。

家に戻っても怖くて泣いた。そこにニコルが「コートのことを謝りたい」とやってきた。マーウェンをパソコンで検索したが見つからないという。「マーはマーク、ウェンはウェンディ」と教えた。(笑)そしてマーウェンの町の物語を語った。彼女は「木曜日にお茶いかが?」と言って帰って行った。マークはニコルのイメージができたと彼女を主役に人形劇を作った。

人形劇:ニコルが大丈夫だからとホーギーにキスしてくる。「人形だから無理だ!」と言うと、「キスしても大丈夫!」と。確かに大丈夫だった。これを見たデジャが「ホーギーは私のもの!タイムマインを作る」と怒り出す。

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マークはJeepを引いてロバータを訪ね、「ニコルとホーギーがラブラブなんだ!真夜中だからキスも出来る!でもデジャが・・」と相談した(笑) ロバータは「デジャに消されないこと!時間が大よ」と言い、ニコルとホーギーのラブラブ写真を写真展に出品することにした。(笑)

家に戻ったマーク、人形劇の続きを作った。ティーポット風に部屋でお茶を飲みながらニコルに「指輪の替わりだ、戦争が終わったら指輪を買う」と勲章を渡すと喜んだ。写真に撮った。

これだ!“のマークはロバータの店を訪ね、この写真を見せると、ロバータが「写真展に使える良い写真だ」という。マークは勲章を買って、ニコルを訪ね、人形劇そっくりに結婚を申し込んだ。(笑)

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ニコルは丁寧の断ったが、マークは大変なショックで、家の戻り落ち込んでいると、デジャが「タイマーがセットできたから未来へ行こう!」と誘う。

そこにニコルが「渡し物があった!」とプレゼントを持ってきたが、マークは会わなかった。ニコルが帰ってプレゼントを開けると、ロバータの店にあったクルト・マイヤーのフィギュアだった。マークは過呼吸に陥った。そこに「めそめそするな!」とホーギーが出てきた。マークはホーギーとなり人形劇の世界に。

ニコルが街中で血だらけになり倒れていた。勲章のお陰で心臓には届いていなかった。ホーギーはJeepで教会に運び込んで介抱。女性兵士たちがナチの仕業だという。ホーギーは「どうすればいいのか?」と声を上げた。

マークは「お前は変態か!」と暴力を加えられ「ハイヒールは高い方が良いんだ!」と抵抗して殴られ蹴られた記憶を思い出し苦しんでいた。デジャが「痛みが取れるのは私だけ!」とマークが出廷を止めにかかる。「俺のせいでこうなっている!」と泣いた。

人形劇の続き:ジュリーが「愛さないと駄目!賢者は逝っている。痛みロケット燃料だ!痛みが力を呼ぶんだ!」とホーギーを叱咤激励。ホーギーが教会でニコルの回復を祈っていると背後からマイヤーがやってきて拳銃を向けた。ホーギーはハイヒールを見せるとマイヤーがびっくり!その隙に教会の塔に上って、マイヤーを待ち、ハイヒールで彼の首を刺し塔から落とした。そこにデジャがタイムマシーンでやってきて救ってくれた。マシーンから地上を見ると女性兵士たちが果敢にナチ兵士と戦っている。ホーギーは「やつらを生き返させてはいけない。ハイヒールをナチには渡せない!」とデジャの手を借りると、腕にハーケンクロイツの刺青。

ホーギーは「お前は中毒そのもの!葬ってやる!」と叫ぶとデジャの姿が消えた。ホーギーは地上に降りて教会のニコルの元に。ニコルに靴を履かせて見送った。

マークは出廷し「ヒールを履いていなかった。履くことがあると答えて激しい暴行にあった。私は逃げない、友達がいて自分の町と写真があります。私は大丈夫です」と証言した。

写真展も大盛況で、マークはJeepにフィギュアを乗せ、ハイヒールを履いて町を闊歩していた。

感想:

結構人形劇が面白いので“あらすじ”が長くなりました。おそらくゼメキス監督は人形劇の方に嵌ったのではないでしょうか。(笑)

ナチSS兵士を暴力、デジャという悪魔のフィギュアを心の葛藤のメタファーとして、SS兵士に対抗するフィギュア女性兵との恋を絡ませて、現実社会で受けたトラウマの痛みを乗り越え、法廷でジェンダーであることをカミングアウト。堂々とウエッジヒールを履きJeepを引いて町を闊歩できようになったという納得のいくメッセージでした。

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人形劇、フィギュアの顔が実名の俳優さんの顔というのが生々しいく、アニメのような動きで笑えました。もっと観ていたいぐらいです。タイムマシーンに乗ってからの行動がなんとも奇想天外で、マンガチックで面白いですが、これでトラウマの解消になったとなると分かり難い!(笑) しかし、前知識なしで観ると!傑作ですよ!

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