映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「インクレディブル・ハルク」(2009)

f:id:matusima745:20190809042520p:plain
「エンド・ゲーム」を観て、「MCU」シリーズ作品に疎くいまだ感想が書けず、過去作品を観ています。(笑) 結論を知っているからこそ気付く、新しい発見があり楽しめます

本作は、生物学者ブルースが人体改造試験に失敗し、緑色の巨人(ハルク)に変身できるが、元のブルースに戻れない。自分のDNAが兵器に使用されるのを防ぐため、感情をコントロールする力をつけ、ブルース/ハルクとして生きる決心に至る物語。

作品評価は芳しくないようですが、ブルースとハルクが共存するというトランスジェンダーのようなブルース/ハルクの苦悩を知るという、アベンジャーズヒーローとしてとても個性のあるキャラクターで、楽しめる作品だと思う。

監督はアン・リー、出演はエドワード・ノートンリヴ・タイラー、テイム・ロス、ウイリアム・パートら。作品概要は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/インクレディブル・ハルク_(映画)

恋人のため元のブルースに戻りたいという利己的な欲望と自分の身体を兵器として使用させたくないという大義のなかでの葛藤が、恋愛要素の多い、スリリングなアクションドラマとして描かれます。
ハルクの戦闘シーンは、インクレジブルというにふさわしく、ものを掴み振り回す吹っ切れた様が痛快です。しかし、CGがかなり荒っぽく、リアリテイが感じられないのが欠点。

***(ねたばれ)
冒頭、ブルースの脳にある血清が注入、それを見守るベテイ。青い巨人に変身。この巨人を銃撃するロス将軍たち。受傷したベテイを介護するブルース、怒るロス将軍。ブルースが逃走。
「カルバー大学で暴発騒ぎ、研究室で謎の事故、緑色の怪物目撃 実験装置発見 目標逃亡」のニュース。車両、施設などの破壊状況。ロス将軍が軍隊を動員して捜索中。
「兵器開発承認 スターク・インダストリーズ電磁波投射車両 エリザベス・ロス博士 ニック・フーリー 協力者ロス博士 逃亡中止 不明5か月」のニュース。
兵士強化実験を再開したロス将軍。実験での事故発生と事故概要、ブルースの捜索、ブルースが海外に逃亡し5か月を得ても不明というシーン。端的に状況を説明する試みは洒落ているが、よく分からなかった。(笑)

ブルースは、とにかくベテイのためにと、ブラジル・ホッシーニャの某ソーダ製造工場に勤めながら、感情を抑える呼吸法を武闘家から受けるとともに、ネットで暗号名ミスター・ブルーに接触して血液のガンマ線濃度を薄くする治療法を模索していた。しかし効果がないので血液を採取して送ることにした。血液が転用されることなど考えもしなかった!

f:id:matusima745:20190809042539p:plain
作業中に怪我をして血液がソーダに混入。ブルースは生産ラインを止めて点検し異常はなかった。しかし、これがミルオーキーに流れ、飲んだ男がガンマ線に汚染されるという事件が発生。ロス将軍は男の飲んだコーラから製造工場を突き止め、エミル・ブロンスキー(ティム・ロス)を含む精強部隊を送り込んできた。

深夜、特殊部隊に包囲されたブルース。ホッシーニャの狭い路地を利用して逃走し、工場に逃げ込むが、ここで心拍数が限界を超え、ハルクに変身。兵士たちはハルクに小銃弾、手榴弾を浴びせたが効き目がなく、ハルクはいずこかに逃亡した。ブロンスキーは初めてハルクが人体改造実験で作られたものだと知り興味を抱く。

1日経って、ハルクはグアテマラの滝壺で、ブルースの姿で横たわっていた。彼はここから歩いてメキシコに、そして国境を越えた。

ロス将軍はブロンスキーに、人体改造実験でブルースがハルクになったように、血清を注入し強靭な体になれと勧め、投薬を開始した。

ブルースは、身体に変化が起きない17日間を経て、バージニア州カルバー大学に辿り着いた。ベテイを見とめるが、彼氏がいる。ピザ屋のスタン・リーに泊めてもらうことにした。(笑)
ある日、ベテイが彼氏とピザ店にやってきて、ブルースと目が合った。ブルースは雨の中を逃げだしたが、ベテイが追い以前のふたりの関係に戻った。

f:id:matusima745:20190809042555p:plain
ふたりで大学構内を散策中に軍隊に囲まれる。このあたりブルースのつめが甘い!図書館に逃げ込み薬を飲んだ。すると、ブルースはハルクに変身。

武装ヘリ・アパッチからまた地上から発射される銃弾を、皮膚かどうなっているのか分からないが、すべて跳ね返す。(笑) 身体強化されたブロンスキーが重機を持って挑むが話にならない。電磁波投射車両には苦戦したが、これを破壊。ハルクは圧倒的な力でロス軍をなぎ倒し、燃え上がる炎の中のベデイを救出して消えた。

洞窟に辿り着いたふたり。ベテイの「大丈夫!大丈夫!」の声で、ブルースに戻った。
モーテルで過ごすふたり。ブルースは心拍が上がるのを心配して、ベテイの要求を断った。ベテイはそういうことかとブルースの身体を認めた。

ブルースは元の身体に戻そうとスターン博士に会うことにする。ベテイは万一の場合の逃亡経費にとネックレスを渡した。

f:id:matusima745:20190809042614p:plain
“シールド”が、ミスター・ブルー:グレイバー大学サミュエル・スターン博士とブルースの接触を追っており、ロス将軍はこの情報でいた。

ブルースとベテイはスターン博士を訪ね、元の身体に戻そうと博士の治療を受けた。激しい苦しみのなかで元の身体に戻ったが、博士は「中和できたのか、一時的に戻ったのかは分からない」という。博士が漏らした「試験体がある」という言葉から、博士が膨大な自分の血液を保管していることを知る。「政府はこれを兵器に利用しようとしている」と直ちに破棄するよう求めているところにロス軍隊が駆けつけて、ふたりは逮捕される。ベテイはロス将軍(父親)に「あなたは親でない!」と激しく抗議するが、ヘリで基地に空輸されることになった。

ブロンスキーが、スターンが培養していたブルースの血液を注入し「アボミネーション」となり、市街で大暴れ。街が大混乱に陥っている知らせが移動中のヘリに届く。

これを聞いたブルースはロス将軍に「やつを造ったのは僕らだ、行かせてくれと」断り、「止めて!止めて!」というベテイと熱いキスを交わしたのち、ヘリから飛び出し降下しながらハルクに変身して「アボミネーション」と戦う。

f:id:matusima745:20190809042631p:plain
ハルクが、相手の首に鎖を巻きつけて決着がついた。ベテイの「大丈夫よ!」の言葉を聞いたが、もうこれ以上ベテイを苦しめたくないと、ビルを飛び跳ねて空に消えた。

闘いが終わり、ブルースは、ブリテイッシュ・コロンビアのベラ・クラークて療養中。身体に変化が起きないよう感情をコントロールできる技を身につけたようだ。質屋から戻ってきたネックレスをベテイに送り返し、ブルース/ハルクとして生きることに決めた。

そのころ、トニー・スタークは、意気消沈し酒場で飲んでいるロス将軍を訪ね、チームへの参加を打診していた。

エドワード・ノートンは、複雑な感情をもつブルースをうまく演じたと思う。この作品で去り、マーク・ラファロに代わることになる。

ブルースにこんな愛の物語があったとは!ブルース/ハルクはとても優しいがどこか寂しさがある。戦うとき強力な力を持つが、時にコントロールできなくなる。
エンドゲームで、ブルース/ハルクはエデイに会えたかな!でなければこの物語は終わらない。
                                      ***


8/1公開:『インクレディブル・ハルク』予告編