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「キングダム 運命の炎」(2023)戦闘シーンだけでない!面白味に深みが増していた!

 

原泰久さんの人気漫画を実写映画化した大ヒット作「キングダム」シリーズの第3作。本作は、原作の中でも「キングダムの魂」と呼ばれる「紫夏編」と「馬陽の戦い」を一つにまとめた作品とのこと。原作未読です。予告どおり、百人衆の長になった真の成長ぶりを観たいと駆けつけました!

監督:佐藤信介、脚本:黒岩勉 原泰久撮影:佐光朗、美術:小澤秀高、編集:今井剛、音楽:やまだ豊主題歌:宇多田ヒカルアクション監督:下村勇二、ホースコーディネーター:辻井啓伺 江澤大樹。

出演者:山崎賢人吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、杏、山田裕貴高嶋政宏片岡愛之助玉木宏佐藤浩市大沢たかお萩原利久長澤まさみ、他。

物語は

蛇甘平原の魏との戦いに勝利をおさめた秦に対して、積年の恨みを抱える隣国・趙の軍隊が攻め込んでくる。えい政(吉沢亮)は長らく戦場から離れていた伝説の大将軍・王騎(大沢たかお)を総大将に任命。王騎から戦いへの覚悟を問われたえい政は、かつての恩人・紫夏(杏)との記憶を語る。100人の兵士を率いる隊長となった信(山崎賢人)は、王騎から「飛信隊」という部隊名を授かり、別働隊として敵将を討つ任務に挑むが……。(映画COMより)


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あらすじ&感想(ねたばれあり:注意)

BC244年、秦の宮中ではえい政が王騎の元に修行に出た信の帰りを待っていた。真は百人衆の長として無国籍地域の平定にああたり民の協力で無事これを達成するという成果を上げていた。真の成長を腹心の昌文君(高嶋政宏)とともに喜んでいるところに、国境の街、関水に10万の趙軍が「仇を討つ!」と攻め込み住民を捕らえ大殺戮を行なうという情報がもたらされた。

えい政は直ちに軍師の昌平君(玉木宏)を呼び寄せ寄せると、昌平君の上司の呂不韋佐藤浩市)が登城してきた。総大将を誰にするか呂不韋が自分の配下の将軍・蒙武(平山祐介)を押すが、えい政は昌文君の意見で攻撃・防御両作戦能力に優れている王騎将軍を毅然たる態度で選んだ

そこに王騎将軍が登城。「えい政と話したい」とすべての者を宮廷から出してえい政に「なぜあなたは中華を統一したいのか?」と問う。王騎に同行していた真は柱の陰に隠れてふたりの会話を聞いていた。これが重要で、後段の「馬陽の戦い」に繋がるころが見どころ!

えい政は父昭王が趙に捕らわれ、そこで生まれ奴隷のような生活の中で闇商人の紫夏(杏)に出会って「希望を持つ」という生き方に変わり、父の死に当たり後継者として趙の国から脱出するときに紫夏とその仲間が自分にしてくれた王としての期待について話した。

趙から脱出する最後の関所でえい政の身元を見抜かれ、趙兵に追われる激しい戦闘の中で、紫夏は幾つもの矢を受けながら自分の身体でえい政を庇い最後に「辛い想いをして王になる人はいない!あなたは偉大な王になれる!」に励ましたこと。この言葉で勇気を貰い、多くの者を失いながら“成きょうの乱”で政権を得たこと。「差別や侮蔑を排し、自分のために死んだ人のために戦乱を治めたい」と話した。

王騎は「この王に命を預けてもよい!」と判断し、宮廷外にいる者たちを戻して、正式にえい政から総大将・王騎、副大将・蒙武の勅命を受けた指揮関係を明確にするという王騎の判断だった。

趙との闘いの動員令が発せられた。故郷の城戸村では尾平(岡山天音)、尾到(三浦貴大)、そして蛇甘平原で共に戦った仲間たちが決戦地“馬陽”近くの集結地に続々と集まってきた。

真は馬に乗って現れ、集まった百人衆に訓示をした。もはやその場の思い付きで行動する真ではなかった。「王騎将軍直属の部隊だ!」と部隊の地位を明らかにし、「任務はとんでもない攻撃だが、蛇甘で戦ったものにはちょうどよい」と士気を鼓舞した。副長に渕(田中美央)と羌かい(清野菜名)を指名した。

王騎は昌文君に「自分も過去と向き合わねばならない」と因縁の敵将軍の名を明かして、戦場に向った。

10万の趙軍は横一線の隊形、2万の右軍(馮忌将軍)、4万の中央軍(総大将:趙荘将軍)、4万の左軍(万極将軍)が配置を取り終えていた。王騎は敵の各軍に1万の千央軍、2万の蒙武軍、3万の鱗坊軍を当て対峙させた。2万を手元に置いた。

王騎は兵員數で敵に劣るので、各個に敵部隊を撃破することにした敵の右軍(馮忌軍)は険しい丘で隔てられ主力と孤立しているため、小部隊を密かに丘陵を利用して右軍の後方に進出させ、馮忌(片岡愛之助)の首を取り、敵の混乱に乗じて主力を撃破しようというものだった。

一方、馮忌は千央軍を友軍内に深く引き入れ両側から挟撃してせん滅する作戦をとっていた。千央軍は深く敵軍の中に入って行った。

王騎は「失敗は許さない!」とこの攻撃(迂回作戦)を真に命じた。王騎はこの部隊を飛真隊と命名した。真は攻撃の意味を理解した。

真は「岩山を超えて馮忌の首を獲る」「飛真隊は一本の矢だ。失敗したら千央軍が全滅する。全滅したら俺たちは帰るところがない。俺たちで勝ちを獲りにいく」と大きな作戦の意義、えい政の戦争目的を説いて、兵士の士気を鼓舞した

大きな敵を前に怯む兵士も真の自信たっぷりに話す姿に取り込まれていった。

隊は敵に発見されないよう険しい岩稜地帯を前進。しかし、趙兵に感づかれた。真は部下の進言により隊を二分した。渕副長が敵を引き寄せ、真と羌かいの主力は馮忌の本部を求めて前へ前へと進む。襲いかかる趙兵に飛真隊兵士は自らを犠牲して阻止し、真と羌かいを前に押し出す。真と羌かいは連携して襲い掛かる敵をなぎ倒す。

馮忌は自分の作戦がうまく進展しているという自負心から信の攻撃に気付いた時には「時すでに遅し」で「王騎に謀られた!」と真に首を搔っ斬られた。これで超軍が大混乱。

総大将の趙荘(山本耕史)は「戦は終わってない、本陣を動かす!」と命令し、趙軍が消えてゆく。

この状況を軍師の肆氏(加藤雅也)と監視していた河了貂(橋本環奈)の元に「邪魔しません」と李牧小栗旬)が観戦に訪れた。(笑)

王騎は追撃を要請する蒙武に、本当の敵は9年前に取り逃がした龐煖だと認識し、「この丘から展望できる範囲内で」と深追いを禁じた

王騎は真に「馮忌の首を上げたことが中華中に知れ渡るが、いずれ消える!」と勝って奢ることのないよう注意した。

戦勝祝いの野外宴に龐煖(吉川晃司)が自らの名を名乗り現れ、真と羌かいが挑むが歯が立たない!秦の王宮でも龐煖が現れたことが話題になっていた。

山の民の王・楊端和(長澤まさみは盗賊狩りを続けていたが、とある地域が何者かに全滅させられている光景を目にしていた。

まとめ

真がみごとに百人衆の長となり、リーダーシップを発揮している姿に感動しました。このことは演じる山崎さんにも言えること。すばらしい演技でした

 別動隊として行動する飛真隊の任務。小さな部隊だが、主力に決定的な影響を与えるために、任務の読みの深さが要求され、王騎の闘い方、えい政の戦争目的をも理解して、任務に挑むところがよかった!

「紫夏編」が描かれていないとこの感動は得られない

 前段のえい政の中華を統一したい想いを揺り起こした紫夏の行動が、飛真隊の行動によく生かされていた。飛真隊の兵士が信のため秦のためにと自己犠牲で趙兵にぶち当たっていく行動がしっかり描かれていて、今の世界に通じる物語になっていた!

戦闘シーンは飛真隊が主体となり、前作に比べて規模が小さく感じられたが、飛真隊の戦闘シナリオが綿密で、それぞれの兵士の行動がうまく描かれていました。真と羌かいが連携した闘い方はよくできていました。演じた山崎さんと清野菜名さんのアクション、みごとでした。羌かいが明るい性格になり、隊に馴染んでいくところも見どころでした。

大沢さんの王騎の演技。さらに身体が大きくなり独特の喋り方、天才とバカの境をいく面白い演技に笑いましたが、決してバカに見えないのがすばらしい。(笑)

前段のえい政と紫夏が馬車で、趙兵に追われ矢で応戦しながら逃げるシーン。女性がこれほどの戦闘シーンを演じるのは珍しいというシーンでしたが、杏さんの母性がしっかり出た演技でした。でも少し長かったかな!

戦闘シーンは壮大で中国の作品を観ているようで、見事でした。コロナ禍で中国ロケが出来なかったというが、よく工夫がされていて、特に遠景をしっかり入れてくれ、中国の壮大な物語の雰囲気が一杯で、楽しめる映像でした。さらに今回の特色は大音響の音楽でした。これが映像によく合っていました!

王騎の作戦で始まり、本当の敵は龐煖とみなし、ここでは終われない壮大な戦闘物語。次作を期待しています

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