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映画「歩いても 歩いても」嘘でいっぱい!!

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是枝監督最新作の「真実」、フランスで撮った作品ですが、フランス映画ではなく、まぎれもない是枝監督の家族の物語で、「歩いても 歩いても」の雰囲気に似ているので観てみようと・・・。 

「歩いても 歩いても」、1968年、いしだあゆみさんが歌った大ヒット曲「ブルーライト・ヨコハマ」歌詞の一部。
ある夏の日、元開業医の夫・横山恭平とその妻・とし子の暮らす横山家に、15年前に亡くなった長男・順平の命日、次男・横山良太と長女・片岡ちなみがそれぞれの家族を連れてやって来る。この1日の何気ない団欒のひとときを描き、家族の絆を問うという物語。

家族の団欒の場で、「お母さんどんな歌を聴くの?」と話題になり、母・とし子(樹木希林)がこの曲をレコードにかけると、皆が聞き入るなかで、夫・恭平(原田芳雄)がいやな顔をするシーン。
希林さんには医者の妻というのも、この歌も似合わない。(笑) なにがあったのか?夫の浮気に、なにもかも忘れて耐えるために聴いた曲なんです(歌詞が微妙)。(笑) 
しかし、夫が亡くなると後を追うように亡くなる。ふたりが生きているとき、こんなに思い合う夫婦だなんて分からなかった。亡くなってわかる“とし子”の本心。

良太は仕事もないのにあるように電話をしまくる、大嘘。これに父も母も気づかなかった?

次男・良太の嫁ゆかり(夏川由衣)は、前夫との間にできた子・あつしを連れての再婚。義母と一緒に料理をつくり、食べ、会話するときの笑顔。しかし、良太とふたりになると、「お義母さん、あなたに寝間着、歯ブラシなら私にあってもいいのに!」と不平を漏らす。嫁を実家に連れ帰った者にしか分からない、はらはら気分です。(笑) 
ゆかりが義母に見せる笑顔は真実か。しかし、義母が亡くなると、義母に似てくるという不思議。

長女・ちなみ(YOU)、希林さんとYOUさんで作る料理。希林さんの包丁の手捌きと野菜を切る音がとても心地よい。その会話が軽妙で、この母にこの娘ありという感じ。ところがちなみが家にやってくる真の目的は、この家が欲しいから。とし子は「お父さんがね~え」と断るが、良太には「どう、この家」と誘う。親子でも隠し事だらけの嘘。

ちなみの夫・片岡信夫(高橋和也)、隣の部屋で寝た振りで会話を聞き、時機を見計らって出てきておべんちゃら。どこに真意があるなど掴めない。

この物語には、書ききれないほどの嘘が書かれています。(笑) しかし、嘘を信じるから家族としての絆が保たれる。嘘に我慢できるのが家族!!
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ブルー ライト ヨコハマ いしだ あゆみ 昭和歌謡