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映画「えんとつ町のプペル」(2020)信じれば世界は変わる

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新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

映画「えんとつ町のプペル」の感想からスタートです。予告編での絵の美しさに魅せられ、芦田愛菜ちゃんが声の出演ということで観ることにしました!

煙突だらけの「えんとつ町」。亡くなった父親の煙の向こうに星空があるという言葉を信じる少年のもとに、ハロウィンの夜、星からやってきたゴミ人間と心を交し青い星探しを始め、この町の秘密が明かされるという、絵本から生まれたファンタジー物語。

原作はお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんの57万部越えの大ヒット絵本とのこと。未読で、西野さんといわれてもよく知らない。映画を見てこんな人かなと想像しています。😊

製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣、監督:広田雄介、演出:大森祐紀、アニメーション監督:佐野雄太、音楽:小島祐規 坂東裕太、アニメーション制作:STUDIO4℃、主題歌:ロザリーナ「えんとつ町のブペル」。

声優:窪田正孝芦田愛菜立川志の輔小池栄子、藤森慎吾、伊藤沙莉野間口徹國村隼、他。

NHK「耳をすませば」の野村監督の言葉に耳をすませながら、作品感想を書いています。鶴岡監督のたった一言の言葉を信じた人生だったという言葉に、こんな体験から自分の世界は開けていくんだろうと思うんです。この作品はこのことがしっかり描かれている。この作品にはおそらく西野さんの人生が投影されているんでしょうが、自分の人生に重なるところも多い。笑えて、泣けてくる、父母が、友が、育ててくれた人たちを思い出す映画でした。

すばらしい作画で絵そのものに物語が詰まっていて、泣けたり笑ったりとすばらしかった。しかし、物語全般を通してみると、テーマ信じれば世界は変わるという言葉が、何故町がこうなったかという秘密がうっかりミスで明かされるという展開で、薄っぺらになったように感じます。しかし、絵本を、資金やスッタフ・キャストも含めて、このような映画作品に仕上げたことは見事です!これこそが「信じぬけ!」ということだったと思います。


『映画 えんとつ町のプぺル』予告1【12月25日公開】

あらすじ(ねたばれ):

朝から晩まで煙に覆われているから、空の向こう側にどんな世界が開かれているかなど誰も想像しない町。仕立て屋のブルーノ(立川志の輔)は黒い煙のその先にある光輝く世界の話を紙芝居で知らせていた。しかしみんなは嘘だと相手にせず、息子のルビッチ(芦田愛菜)はのけ者にされていた。

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父ブルーノが亡くなって1年後のハロウィンの日、星が落ちて、風が吹き荒れ、竜巻が起き、ひとりのゴミゴミ人間が徘徊していた。

その夜、町の人達はみんなそれぞれの衣装で踊り狂っていた。これがすばらしい音楽と派手な踊りで、「ゴミの世界とは違うなんという物語だ!」と驚かされます。(笑) その中におなじみの三人組アンヨニオ(伊藤沙莉)、レベッカ諸星すみれ)、デニス(太平祥生)がいた。

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しっかい仮装ができていて、「こいつか今夜の仮装MVPだ!」と声を掛けたら、こいつは本当のゴミ野郎だった。こいつは町にとっての異端者だと追われることに。

ひとりぼっちのルビッチ。えんとつ掃除屋で働いていての帰り道、助けて!プペルだ!と叫ぶ男に出会って、一緒に逃げることになった。通り合わせたゴミトロッコに飛び乗り、ゴミ焼却場に。あわや炉に入り焼かれるところで、ロープにすがり脱出、鉱山行のスカイトロッコに乗り、危ない長い鉄橋を渡って、鉱山坑に逃げた。この逃避アクションがすばらしい。ウェス・アンダーソン監督の「犬が島」(2018)を彷彿とさせるユーモアたっぷりの描き方でした。(笑)

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ここで出会ったのが採掘泥棒のスコップ(藤森慎吾)、べらべらよく喋る。(笑)友達になることを条件に逃がして欲しいと頼むと爆薬で逃げ道を開けてくれた。

ルビッチの家に辿り着いたふたり。ルビッチはプペルを母親ローラ(小池栄子)に紹介し、車椅子で生活している母は「友達ができた」と大喜び。ルビッチはプペルを風呂に入れてしっかり洗ったが臭い!(笑)

異端者が侵入したと町では大騒ぎ。ゴミ処理場が運転停止となり捜索が始まった。えんとつ掃除屋たちのところに異端審問官がやってきて親分のダン(國村隼)に尋問する。「バカが、ゴミ人間に掃除を頼むやつがいるか!」と大憤慨。(笑)

ルビッチはダン親分にプペルの仕事を探して欲しいと頼むと、昔父親ブルーノがやっていた地下にある仕立て屋で働くよう手配してくれた。プペルは父親のように仕立てがうまく、えんとつ掃除仲間たちの服を修理してくれる。

ルビッチは自分の仕事を紹介すると煙突に、プペルを誘った。高いところに登のが苦手なルビッチを下からプベルが励ます。プベルは「ブレストを落としたのか?」と聞く。まるで昔父ブルーノがそうしてくれたように。

そして頂上から煙の町を見ながら父の夢「雲の向こうには光輝く星があること、を話した。誰にも信ぜず、虐められることも。そして「他の人が見なくてもお前が信じ、上を見ていると同士が現れる」と教えてくれたことも話した。プペルはすてきな話だと聞いた。ルビッチは「この話は内緒にして!」とお願いをした。

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街で三人組に捕まったプペル。「ルビッチの父親は怪物の影を見て、飲み歩き、海に落ちて食べられた」と聞かされた。「ルビッチは何故仕事に就かないのか?」と聞くから、「星を見ようとしてえんとつ掃除の仕事をしている。俺も星を見たいんだ」と話すと、三人組に殴られ、下水道に逃げた。

ルビッチはプペルが居なくなって父のことを思い出していた。家に端審問官がやってきて「あの男、星を見ようとしている。ブルーノのように死ぬぞ!」と脅す。

町の統べている中央銀行頭取のレター14世(野間口徹)の秘書トシアキ(宮根誠司)が異端審問官に「知られてはまる、内密にやれ!」と注意をしていた。

こんな物騒な時期にダン親分がアーチェリーの矢で撃たれた。「ルビッチがゴミを連れて来たからこんなことが起きる」とえんとつ掃除仲間からもルビッチへの批難が聞こえた。

ルビッチは町を歩いていてアントニオに出会い「星をまだ探しているのか、いい加減に別れろ!」と虐められた。ルビッチは「アントニオが喋ったな!あいつ」と悲しくなった。

家にプペルが「許してはもらえないが、渡したいものがある」と戻ってきてブレストを渡す。「ゴミの中で探していてそれで臭いのか?」と聞くと、自分の身体にあったという。ルビッチは「それは受け取れない」と断り、ここで一気に仲直りした。ちょと良い話で涙がでました!

そのとき「海に船が流れついた!」という大変なニュースが入ってきた。ルビッチは父の物語から出て来た船だと叫んだ!

ルビッチは坑道に居るスコップを尋ね「火薬が欲しい」と頼み込んだ。スコップが「こいつでドキドキするんだ」と断ったが、ルビッチが「これで煙を吹っ飛ばす」と話すと、「こんな話があった」とこの町が出来るまでの歴史を語り始めた。

250年前、腐るお金「L」を発案した初代レターは中央銀行に異端扱いされて処刑。レター2世は中央銀行の手が届かない場所を探しここに辿りつき、民にこのことを知らせないようにと、外の世界を消した。この話をブルーノは知っていたという。スコップはどんな秘密も喋ってしまう。(笑)「煙の向こうに何があるかドキドキするよ!爆発は町の中央でやれ!これが爆薬だ!」と大量の爆薬を分けてくれた。

プペルがミシンで気球を作り、ガラヅ工房職人のドロシー(本泉莉奈)が手を貸してくれ、出発準備ができた。

これを聞きつけたレター15世は「やつらは海にでるのか?」とスコップを問い詰めると、「星を見に上に行くんだ!」と喋って消えて行った。(笑)

海岸には町の人々が集まり「バカが星を見に行くというが、そんなもんあるわけない」と騒いでいる。ルビッチは「誰が見たのかよ、誰も見てない!わかんないよ!分からんものに蓋をしたら何も見えないよ」と自分に言い聞かせた。母は「行っといで!必ず帰って来るんだよ」と送り出した。

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ルビッチの母を捕えに来た異端審問官たちとえんとつ掃除屋たちが喧嘩をし始めた。三人組が船の舫を説いてくれた。船が出航した!

船の上で爆弾を積んだ気球を上げた! ルビッチが父ちゃんはこのあとどんな話をしたかなと思っているとプペルが「町の人は青い星を知らない。夢を語れば笑われ、行動すれば傷つけられるが、それでも男は海に出た!」と励ます。ルビッチが気球を係留している鎖に上り、気球を放した。ふわふわと上る気球!

気球が爆発!町のみんなが空を見た!雲の上に輝く星があった。

プペルが「頑張ったなチビ!」とバラバラに分解してゴミになった。そこにネックレスが落ちていた。レター15世が「煙を止めよう!未来を見よう」と呟いた。町に光が差し始めた!

感想:

前段、町中でバカにされ、痛めつけられながら父ブルーノの夢を追うルビッチがプペルと親子のように結ばれていく様がユーモラスで泣けます。後段に入り、スコップによってこの町に仕組みが唐突とも思える形で明かされてしまい、父の夢の先に何が隠されていたかという物語の面白さが吹っ飛んでしまい残念。ラストの空に浮かぶ船の構想がすばらしいだけに残念でした。

物語はルビッチとブルーノの冒険物語のようであって、そこにしっかりと家族の絆、父や母のことと、友人たちの想い出など、きっと観る人の経験に重なるエピソードが満載でした。また現在の世界や政治への問題に繋がっているのも面白かったですね。

コロナ禍のその先になにがあるのかと思いを馳せることになるでしょう。ここで負けてはいけない、自分をしっかりもって過ごすことが大切だと改めて感じる作品でした。

STUDIO4℃による映像、とにかく美しいし面白い。

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星から光が地上に降りて、ゴミ人間になりルビッチを陰で支え、自分の夢を達成して星に戻っていったプペルのロマンに満ちた物語。主題曲「えんとつ町のプペル」とともに個々のシーンが思い起こされます。

エトロッコで逃げるアクションシーン。風呂で背中を流すシーン、なんでもないようで愛情が一杯でした。高いえんとつに登るとき恐怖でネックレスを落とした。気をつけろ!気をつけろ!と後ろで注意するプペルの姿、秘密を喋ったと喧嘩して気まずいふたり、船出時の母の激励・見送りなど、だれしもが経験した話。

音楽がとても良かった!

芦田愛菜さんの声の演技、先の「星の子」(2020)でその演技力を見せつけてくれましたが、ここでは男の子の声として出演、とてもリアルに聞こえ、物語にリアリティが生まれました。

窪田正孝さん、最初気付かなかった、ゴミのような、それでいて暖かい声がよかった。謎の人物が次第に明らかになってくる演技とてもよかった。

スコップのお喋りにはうんざりでしたが、藤森慎吾さんの喋りがよかったですね(笑)

いよいよ新年がコロナ禍のなかでスタート、万全を尽くして、ことしも映画館にかよいたいとおもっています。よろしくおねがいいたします。

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