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「ターミナル」(2004)67番ゲートで生活する男!スピルバーグにこんな笑える作品があるとは!

 

WOWOWスピルバーグ特集で放送されたものの1本。名作「プライベートライアン」(1998)と「インディジョーンズ」(2008)の間で作られたもの

 空港内に長期間にわたって足止めされてしまった男と、そこで働く人々の交流を描いたヒューマンドラマだという。ヒューマンドラマではあるが、笑いこけます、コメディーです。

スピルバーグ作品にこんなに笑える映画があったとは!なぜこの作品を作ったかと考えながら観ました。2004年という年。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件による暗い世情に“笑いを”という想いがあったのではないかと思いました。これはエンターテイメントに関わる人たちの役割です。見事にその役を果たした作品だと思いました。

監督:スティーブン・スピルバーグ原案:アンドリュー・ニコル サーシャ・ガバシ、脚本:サーシャ・ガバシ ジェフ・ネイサンソン、撮影:ヤヌス・カミンスキー編集:マイケル・カーン音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演者:トム・ハンクスキャサリン・ゼタ=ジョーンズスタンリー・トゥッチ、シャイ・マクブライド、ディエゴ・ルナゾーイ・サルダナ、他。

物語は

東欧の小国クラコウジアからやって来たビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)はニューヨークのJFK国際空港に降り立つが、入国手続きの直前に祖国でクーデターが起こり、パスポートが無効になってしまう。アメリカへの入国を拒否され、祖国にも戻れなくなった彼は、仕方なく空港ターミナル内で暮らし始める。最初は言葉すら通じず苦労してばかりのビクターだったが、独学で英語を身につけ、ターミナル内の従業員たちとも親しくなっていく。昇進を狙う国境警備局主任ディクソン(スタンリー・トゥッチ)は、そんな彼の存在を疎ましく感じていた。実はビクターには、どうしてもニューヨークへ行かなければならないある理由があった。


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あらすじ&感想

ビクターは入国管理官から入国目的を聞かれて答えられない。言葉ができてもいきなり“目的は”と聞かれると戸惑います!(笑)ビクターは「しばらくトランジットラウンジで待機していろ」を命じられ、パスポートとビザを取りあげられた。

ビクターはラウンジに移動中に清掃夫のグプタ(クマール・ペラーナ)にぶつかり食事のクーポンを無くしてしまう。ラウンジに着くと誰もいない。まず寝なければと椅子を集めて不器用にベッドを作る。

朝起きると洗面所で髭を剃る。朝食をどうするかと、両替機の取り残し銭を捜してホットドッグを買う。(笑)これでは腹が持たないと放置されたカートを運ぶ作業で小銭を稼ぐ。そこにグプタが現れ「俺の仕事を奪うな!」と怒る。(笑)

昇任が掛かっている国境警備局の主任・ディクソンはうさんくさいビクターの行動を見て“問題が起きては困る”と空港外に放り出して密入国者として処分したいと細工するが、ビクターは出て行かない。(笑)

出勤してきた美しいアテンダントアメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズがビクターの前で滑ってハイヒールのかかとがとれ、これをビクターが届けるが、彼氏が現れ去って行った。(笑)

ビクターは書店でニューヨーク案内書を見ていてアメリアに会った。「彼氏は妻がいて7年も待たされた。今は歴史書を読んでナポレオンのエゴ状態、近寄らないで!」と言うので、食事に誘えなかった。(笑)

ビクターは魅力的な受付嬢のドロレス(ゾーイ・サルダナのところにパスポートとビザの返還を片言の英語で長々と求める。(笑)「まだ許可が出ていない」と断られる。

これを見たピンピン男のエンリケディエゴ・ルナから「ドロレスの知合いか?」と恋の中継ぎを頼まれる。ドロレスはピンピン男ってどういうことと聞く。(笑)取り次いだことでビクターはエンリケから豪華な食事に有りついた。(笑)

ディクソンはビクターを部屋に呼び「国が嫌いだから亡命すると申し出ろ!」と勧めるが、ビクターは「自国が好きだ」と譲らない。(笑)

ビクターはアメリアを食事に誘うため仕事がしたいと探すが連絡先も定かでない男を雇ってくれない。ビクターは工事中の壁のペンキ塗りをしていると「うちで働け!」と声を掛けられた。ビクターが顔を出すとグプタとエンリケがトランプ賭けをやっていた。ビクターはX線検査装置で検査され“白”と判定され仲間に入れてくれた。(笑)

ビクターは仕事も見つかり仲間もできて、さらに物語が面白くなっていく

 隣の国の男・ラゴビッチが親のために買ったという麻薬容疑で捕まった。ディクソンはビクターに通訳を求めてきた。ビクターはラゴビッチの言い分を麻薬でなく山羊の薬だと通訳した。(笑)これでラゴビッチは灘を逃れビクターに感謝。これを見ていたディクソンの上司がビクターの行為を褒め、ビクターは人気者となって行った。

ドロレスはビクターを信用してエンリケの愛を受け入れた。(笑)ビクターは空港内でのふたりの結婚式に立会した。

ディクソンがビクターを部屋に呼び「何故ニューヨークにきた?」と聞く。ビクターが「約束があるんだ!」というと、「アメリアとはパートナーだ。お前にはアメリカの土は踏ません」といきり立つ。ディクソンは何を勘違いしているんだ!(笑)

ビクターは空港内の洋服店でスーツを仕立てアメリアの帰りを待った。グプタとエンリケの助けを借りて、無理矢理アメリアをビクターの待つラウンジに誘導し、誰も居なくなったラウンジでアメリアと食事をした。グプタがウエイターになり料理を運んでくる。エンリケが皿回しの芸で楽しませてくれる。(笑)アメリアが「7年間いつ電話がかかるかとポケベルの鳴るのを待ち続けたがもういやだ」とポケベルを投げ、「13日後に会いたい」と約束してくれた。(笑)

ビクターはアメリアが好きだという噴水を、壁を利用した噴水アート作ってアメリアに会う日を待った。(笑)

ディクソンが戻ってきたアメリアを呼び留め「ビクターがここにいるのは何故か、変なナッツ缶を持っている。レキシントンに行きたいらしい、調べてくれ!」という。アメリアは「彼は建設家、どこにでも行く。あなたには一生分からない」と答えた。(笑)

ビクターは噴水アートの前で花束をもってアメリアを迎えた。噴水アートを見たアメリアは「病院から出てきたの?」と聞く。(笑)ビクターはナッツ缶を取り出し、ニューヨークにきたわけを説明した。「父は1957年ハンガリーで出会ったミュージシャンからサインを貰っていたが、ペニー・ゴルソンのサインを貰えずに亡くなった。父のために彼のサインを貰いにきた」と話した。アメリアは「みんな何かを待っている!」とビクターにキスし抱きしめた。(笑)

目を覚ますとクラコウジアのクーデターが終り、アメリカとの国交が回復した。

アメリアも彼から金のロケットを貰ったという。あ~あ何と言うことか。(笑)

ディクソンは昇進を果たし、ビクターにパスポートとビザを準備したから「国に帰れ!帰らないなら清掃員たちを解雇する」という。しかし、清掃員たちは「帰るな!」とビクターをニューヨークの街に送り出そうとする。

グプタは、国にいるとき警官を刺したためアメリカに逃げて来たのだが、「国へ帰る」と言い出しランウエイを走る旅客機をかっぱらいに走った。追っかける警備員たち。(笑)

ビクターは仲間に見送られ、空港玄関に着くと警備員が待ち構えている。刑便がビクターに「後ろ向け!」と後ろ向きにして警備隊のチョッキを着せニューヨークの街の方に押し出した。(笑)

空港から出てタクシーでラマダ・インに着いた。そこで生演奏をしていたペニー・ゴルソンからサインをもらった。ご本人の出演、このジャズ演奏がいい。

まとめ

空港内で30年間過ごしたという実例があるらしい。(笑)

 ビクターは9カ月を空港で過ごし見知らぬアメリカ人と友情で結ばれ、人を助け、恋もした。(笑)そして亡き父の望み、ペニー・ゴルソンからサインを貰うことができた。とにかく笑える。そしてちょっぴり泣ける!暗い世情をぶっ飛ばすには最高の作品です。

ビクターことトム・ハンクス英語が話せない立ち振る舞いがなんとなく「フォレスト・ガンプ(1994)に似ている。さらに喜劇王チャップリを彷彿とさせるストーリー展開。これなら笑える!

キャサリン・ゼタ=ジョーンズゾーイ・サルダナの魅力にやられました!ぜひ一度ご覧あれです!

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